プリム·ウルバッハになってから、3年が経った。
鍛錬を怠けずに…といっても魔法を使えばダンブルドア辺りがすっ飛んできそうだから、超膨大魔力はあまり使ってない。最初の成長だけだ。
でも3歳児にやっとなった。
これで歳相応だろう。もう魔力を使って成長なんてしてないしな。
ペネロピ「急に成長したと思うと、今度は急に成長が止まったわね。相変わらずの変人プリムちゃん。」
プリム「子供の成長はひとりひとり違うってマリアが言ってたよ。」
ペネロピ「どうかしらね。マリアはお優しいからそう言ってるのよ。」
…あー、急に成長が止まるのも異常なのか。
面倒くさい。みんなマリアと同じで寛容ならいいのに。
ペネロピ「そういえば今日、アメリカから養子をとりたいって方がくるらしいわよ。気にいられるといいわねプリム。手のかかる子供が1人減るから有難いわ。」
ペネロピは子供が嫌いだ。
給料がいいから働いてるらしい。
プリム「アメリカ?凄い遠くからくるんだね。」
ペネロピ「そうなのよ。変だと思って院長先生にどんな方なのか聞いたんだけど、わからないの一点張りなのよ。…て、あなたアメリカがどこにあるのかわかるの?」
プリム「んー、聞いたことないから、凄い遠いのかなぁって。3歳にわかるわけないよ。」
ペネロピ「…プリムならわかりそうだから、もう不思議には思わないわ。」
ペネロピは不思議なことにたいして、耐性がついたみたいだ。
マリア「プリム!アメリカから養子をとりたいって方がくるそうよ!楽しみね!」
プリム「ん、ペネロピに聞いたよ。」
マリア「えー!…びっくりさせたかったのに、ペネロピったら口が軽いんだから。」
ペネロピ「別に内緒にするようなことじゃないでしょ!…とにかく!御行儀よくねプリム!」
プリム「うん、わかった。」
御行儀よくって…なにしてたらいいんだ?
いつも動物とばっか話してるから何していいのかわからない。
プリム「とりあえず、本を読むか…」
本…3歳児が読むような本がないな。
困った。これじゃあ怪しまれる。
プリム「マリア、子供の本ない?」
マリア「子供の本?…プリムはそんなの読まないじゃない。どうして?」
プリム「あー…読んでみたいなって。1度も読んだことないから。」
マリア「んー…ちょっと待っててね。……あったあった。これなんかどう?」
“シンデレラ”
……3歳か?まぁいい。
プリム「ありがとうマリア。部屋で読んでくる。」
_________
部屋は私と5歳のクレアがいる
クレア「プリム…その本、プリムが読むの?」
プリム「うん、なんか変かな?」
クレア「変っていうか、それ子供が読む本じゃない。私達みたいな。…プリムいつも難しい本しか読まないから、興味ないんだと思ってた。」
プリム「これって何歳の子が読む本?」
クレア「んー、7歳?」
プリム「…」
クレア「あー、8歳かも」
プリム「…もう普通がわからないよ」
クレア「プリム、普通って言葉知ってたんだ。」
しばらくすると、院長先生と誰かが話してるのが聞こえてきた。
院長「…ここは5歳と3歳の子の部屋です。プリム?クレア?お客様です。入りますよ?」
プリム「はい、どうぞ」
院長「プリム、クレア。アメリカからいらしたクロウリー夫妻です。ご挨拶なさい。」
クレア「クレア·バーツです。5歳です。」
プリム「プリム·ウルバッハです。3歳です。」
レオナルド「これはこれは、礼儀正しい子達ですなオードルファス院長。私はレオナルド·クロウリー。そして私の妻のシルビアだ。」
シルビア「プリム、クレア。私はシルビア·クロウリーです。よろしくね?」
院長「クレアは絵の才能があって、とても優しく穏やかな性格の子です。クレアの描いた絵はこちらにございます。どうぞ見ていってください。」
院長とクレアと、レオナルドさんはクレアの絵が飾られた部屋に行ってしまった。
…養子になるのはまたの機会かな。
シルビア「…プリムは何が好きなの?」
シルビアさんと2人きりになった…
こういう状況は少し苦手だ…
プリム「えっと…本を読んだり…」
シルビア「まぁ!その歳で本が読めるのね!凄いことだわ!どんな本を読んでるの?」
しまった…墓穴を掘った…
今話していい本は”シンデレラ”しかない
プリム「…シンデレラを今日は読んでました」
シルビア「シンデレラ!どんな話だったかしら…よかったら普段読んでいる本を見せてくださる?」
プリム「……はい」
逃げ道がない。仕方なく本棚を見せた。
…あー、これでもう普通の子じゃないとバレてしまう。
シルビア「………」
シルビアさん固まってるぞ。
まぁ、無理もないだろ。
中学生くらいの知識がないと読めない本ばかりだ。
シルビア「…あ、えっと…レオとちょっと話してくるわ、プリム少し待ってて?」
________
しばらく経って、シルビアさんとレオナルドさんが来た。院長は後ろで様子を伺っている。
レオナルド「…オードルファス院長、少し3人で話してみたいのだが、よろしいですか?」
院長「ええ…構いませんよ。」
プリム御行儀よくね!と睨みつけられた。
プリム「あの…私…」
シルビア「見て!レオ!この本棚!彼女が普段読んでいる本よ!」
レオナルド「あー、プリムは3歳だったね?」
プリム「はい…」
レオナルド「…失礼プリム。僕の目を真っ直ぐ見つめて。」
言われたとおり、レオナルドさんの瞳を見つめた。瞬間、心の奥底、記憶、全て見られた気がした。
…開心術か。この人魔法使いか。
プリム「…なにしたの」
レオナルド「…プリム、君は…いったい何者なんだ。」
どこまで見たのか、わからない。
プリム「…どういう意味?」
シルビア「レオ?彼女の記憶を見たの?どうだった?」
レオナルド「あー、うん。…プリムは魔法が使えるようだ。」
レオナルドさんがシルビアさんにだけ聞こえるように言ったみたいだけど。
なんとなく聞き取れた。
レオナルド「オードルファス院長と少し話そう…またねプリム」
シルビア「またくるわプリム」
シルビアさんは私を優しく抱き締めた。
高そうな香水の匂いがした。
______
その日クロウリー夫妻は、私を気に入ったらしく院長先生と私を養子に迎えるにあたっての話をしたそうだ。
クロウリー夫妻との面会を定期的に行った。
2人は私が魔法を使えると知ってから、沢山のことを教えてくれた。今まで、マリアやクレアが私をプリムとして見てくれたけど、2人といると、なんだか本当の家族のようで話す時間がとても楽しかった。
________1年後
私は4歳になった。
クロウリー夫妻は相変わらず会いにきてくれてる。
ダルタン「おい、プリム。今日はあのアメリカ人は会いに来なかったのか?」
プリム「ダルタン。今日はね。でもいつも来てくれるよ。」
ダルタン「お前を養子にするなんて、もの好きもいたんだな。サーカスにでも出すんじゃないのか。」
プリム「2人を悪く言わないでよ。」
ダルタン「…お前生意気なんだよ。いつも俺を下にみてるだろ!誰にも気に入られない問題児だって!」
プリム「そんなこと言ってないよ私。」
ダルタンは、マイロとルイスが先に養子に行ってから、問題を起こす常習犯になってた。
ダルタン「俺は出来損ないだ、頭も良くないし、運動もできない。お前は病気持ちなのに、いいとこに行く。…」
プリム「ダルタン…」
ダルタン「生意気なプリムめ…」
体格のいいダルタンに押され倒れる。
首をキツく締め付けられた。
プリム「っ…ぐ…ぁ」
苦しい…痛い。
必死にもがく。
プリム「っ、はな…し…て」
ダルタン「……」
ダルタンは正気じゃないみたいだ。
怒りで目の前が見えてない。
プリム「っ……」
意識が飛びそうだ。
…こんなとこで、死んでたまるかよ。
ゾクっとした。あの時と同じ感覚だ。
瞬間、周りの窓ガラスが全て割れて粉々になった。
院長「っ!なにをしてるのあなた達!」
ダルタン「っ!? …あ、俺…プリム…」
プリム「っがは…はぁ…っ、正気に戻ったかダルタン…はぁ…」
首がまだ痛い。声もガラガラだ。
ダルタンは逃げた。
院長「何事ですか!…プリム!その首はどうしたのですか!」
プリム「…大丈夫です、このくらいすぐ治りますから」
首には鬱血した痕があったみたいだ。
痛いけど、我慢できるからすぐ治るだろう。
マリアとペネロピが駆け寄る。
マリア「これはいったい…」
ペネロピ「…」
プリム「窓ガラスは私が割りました。ごめんなさい。」
院長「っ!? プリム…あなたは個部屋行きです。今すぐに。…クロウリー夫妻にも話します。」
プリム「…はい」
_________
マリア「プリム?入るわよ?」
プリム「どうぞ…」
マリア「プリム…首の調子はどう?」
プリム「あー、この通り。絶好調だよ。」
首をくねくね曲げる。
マリア「よかったわ、よくなって。…ダルタンも反省してるの。許してやってね。」
プリム「…うん、わかってるよ。」
ダルタンは正気じゃなかった。元々血が昇りやすいタイプだから、焦りとかが引き金になったんだと思う…。
でも、最近はダルタンのことを気に入ってくれた人がいた。その人は近くの漁師らしい。
マリア「あー、それでね、プリム。今日クロウリー夫妻がくるわ。個部屋になってから会うのは初めてね。…緊張する?」
プリム「んー…どうかな。不安はあるよ。問題を起こしたからね。」
マリア「きっと大丈夫よ、プリムは特別な子だもの。大丈夫。」
きつく抱き締められる。
プリム「うん、マリアに言われると安心するよ。ありがとう。」
_________
院長「プリム?クロウリー夫妻が来てくださいました。入りますよ?」
プリム「はい、どうぞ」
軋む音が鳴り、個部屋のドアが開く。
シルビア「プリム。久しぶりね?」
プリム「はい、お久しぶりです。」
レオナルド「怪我をしたらしいね。治ったのかい?」
プリム「はい、この通り。元気です。」
レオナルド「オードルファス院長、3人にしていただけますか?」
院長「ええ、問題を起こしてはダメよ?プリム。」
プリム「はい、院長先生」
扉が閉まり3人になる。
レオナルド「プリム、問題を起こしたらしいね?」
プリム「はい」
シルビア「レオ、もっと優しく言わないと」
レオナルド「…あー、どんな問題を起こしたのかな?」
プリム「…ダルタンって子に首を締められて…無意識に窓ガラスを割りました。たぶん私が割りました。」
レオナルド「…プリム」
シルビア「……プリム、苦しい思いをしましたね。窓ガラスの件は私達もよくあることなの、だから気にしなくていいわ。」
プリム「え…そうなんですか?」
レオナルド「…私達魔法使いは、嫌なことや、怒ったりすると魔力が暴走することがあるんだよ。未成年はとくにね。」
プリム「…知らなかった」
…嘘だ、知ってた。
でもそこまで知識があるとバレてしまう。
ハリーポッターのことを知ってると。
恐らく今はバレてない。
シルビア「だから、貴方を養子にとる話は進めるわ。大丈夫、安心して。」
優しく抱き締められる。
レオナルド「プリムはあれほど魔力があるのに制御できないなんて、やはりイルヴァーモーニーに通うべきだ。」
シルビア「あら。それはさきのことよ。レオは気が早いわ。」
プリム「イルヴァーモーニー?」
シルビア「アメリカの魔法使いが通う学校よ。私もレオもイルヴァーモーニー出身だから、プリムにもぜひ行ってほしいわ。」
……あれ、ホグワーツじゃないの。
……あれ?
ええ……なんてこったい