プリムローズが咲いた日   作:かぼちゃの馬車

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ドラコマルフォイの思想 5

 

ホグワーツ特急

 

パンジー「ドラコは髪を下ろした姿もかっこいいわね」

ドラコ「…そうか?」

 

3年になって、僕はパンジーパーキンソンと付き合い始めた。家柄もよかったし、向けられる好意は悪くなかった。…筈だ。

 

セオドール「…プリム、具合悪い?」

プリム「…ちょっとね。」

ブレーズ「大丈夫か?」

ブレーズがプリムの額に手を当てる…

プリム「大丈夫、すぐよくなるわ。」

 

向かいのコンパートメント席にはプリム達が乗っているのが見えた。

 

ドラコ「面白くない…」

パンジー「え?何か言った?」

ドラコ「なんでもない、気にするな」

 

ブレーズはプリムが好きなんだ。きっと。

プリムもだろう…悪い表情はしてない。

面白くない…吐き気がする。なんでだろう…列車の揺れのせいだ。それか、クラッブとゴイルが目の前でお菓子を爆食いしてるから。

 

ドラコ「…お前達、そんなに食って大丈夫なのか?」

クラッブ「ドラコも食べるか?」

ゴイル「…蛙チョコなら、ほら。」

埋もれた蛙チョコを渡された…

ドラコ「いい…お前達がたべろ」

 

パンジー「ねぇ、シリウスブラックがアズカバンから脱獄したって知ってる?」

パーキンソンが新聞を広げてみせる。

酷い顔をした囚人が叫びをあげている写真だ。

 

ドラコ「ああ、父上の話だと、魔法省が総動員して探しまわっているそうだ。時期に捕まるだろう。」

私怖いわ、とパーキンソンが僕の腕に絡みついてくる。…細い腕だ。

 

その時、列車が急停止した。

ガタンッと車両が揺れる。

 

ドラコ「なんだ?…なんで止まった?」

パンジー「ホグワーツはまだ先よね?」

窓が凍りつき、寒い空気が漂う。

…嫌な予感がする。何かが乗り込んできたみたいだ。電灯がチカチカと点滅して消え始める。

 

パンジー「ドラコ…」

パーキンソンが怯えている。…僕も怖いんだ。そんな表情するな。

 

 

プリムが乗ったコンパートメントのドアが開き、黒い影が乗り込む。

プリム「っ…ぅ、」

プリムが苦しむ声が聞こえてくる。

ドラコ「…っ」

動かないといけない。足がすくんだ。パーキンソンも僕にしがみつくから動けない。でも、今行って…僕に何ができる?

 

 

 

アリエッタ「エクスペクトパトローナム!」

白く輝く…小さい鳥?…ハチドリか?

黒い影を追い払うように飛び回ると黒い影が去って行く。白く輝く鳥は列車の端まで飛んで行った。

 

奥の車両から人が来る。…学生ではないみたいだ。継ぎ接ぎのローブ…誰だろうか。

 

ルーピン「…君、守護霊の呪文が使えるのかい?」

アリエッタ「はい、練習したんです。…アズカバンの話を聞いたので。」

ルーピン「そうか…とても難しい魔法だ。よくやったよ。私はリーマスルーピン、今年から闇の魔術に対する防衛術の講師を担当するんだ。君の名前は?」

アリエッタ「アリエッタロリスです。ハッフルパフです。よろしくお願いします。」

ルーピン「アリエッタ覚えておくよ…あー、その子に起きたらこれを。」

リーマスルーピンという男はプリムのコンパートメントに入って何か置いた。

 

僕は…何も出来なかった。何も。

パンジー「私すごく怖かったわ、ドラコ」

ドラコ「ああ、大丈夫か?」

僕も怖かった。…自分が動けないせいで、何か失うのが。

 

____________

 

 

生徒の集まった広間で、ダンブルドアが新学期の挨拶をする。

ダンブルドア「いよいよ新学期が始まる。まず皆に知らせがある。…宴のご馳走でボーっとなる前に話しておこうかの。…はじめにR·J·ルーピン先生を紹介しよう。…空席だった”闇の魔術に対する防衛術”の担当をしてくださる。ルーピン先生じゃ!」

 

あのみすぼらしい男が講師だというのは本当らしい。

 

 

ハーマイオニー「だからチョコレートが効くって知ってたのね。」

 

ドラコ「ポッター!…ポッター!…気絶したって?」

ブレーズ達が僕に合わせて気絶するフリをする。

 

 

ドラコ「本当に気絶したのか?」

ロン「うるさいぞマルフォイ!」

ハリー「なんで知ってるんだ…」

ハーマイオニー「…ほっときなさい。」

面白くてたまらない…ポッター感謝しよう、気晴らしになった。

 

ダンブルドア「”魔法生物飼育学”の先生が退任されることになった。手足がまだ無事に残ってるうちに余生を楽しまれたいそうじゃ。…幸いその後任として皆もよく知っている先生があたってくれる。…ルビウス·ハグリッドじゃ。」

 

 

ドラコ「…森番が教師だって?」

有り得ない、信じられない。父上が知ったら即首になるだろう。

グリフィンドールからは歓声が上がった。

 

ダンブルドア「最後に深刻なお知らせじゃが…魔法省の申し入れでアズカバンのディメンターが我が校の警備に当たる。シリウスブラックが逮捕されるまでじゃ。」

「アズカバンのディメンター?」

「シリウスブラックだって?」

生徒がざわつき始める。

 

ダンブルドア「ディメンターは学校への入り口を全て見張る。ディメンターがいることで毎日の学校生活には何ら影響はない筈じゃが、ひとついうておく…ディメンターは凶暴じゃ。狙う相手も邪魔する者も容赦なく襲う。くれぐれも注意するのじゃ。あの者達が危害を加える口実をあたえるでないぞ。…ディメンターに許しを乞うても耳を貸さん。」

生徒が静かになり、固唾を呑んで聞いている。

 

ダンブルドア「じゃが、暗闇の中でも、幸せは見つけることができる。…明かりを灯すことを忘れなければな。」

 

 

 

 

広間を出る時、ハッフルパフの列を探した。

 

ドラコ「おい!…お前!…お前だアリエッタロリス!」

何度も呼んでるのに気づかないアリエッタ。

 

アリエッタ「ああ…ドラコ?、名前を呼ばないとわからないわよ。」

なんのよう?、とアリエッタが立ち止まる。

なんだその態度は。これだから汚れた血は…いや、こいつはプリムの友人だ。

 

ドラコ「…列車で、ディメンターを追い払っただろ?何をしたんだ?」

アリエッタ「あー…これって教えていいことかな?うーん…」

どうしよう…プリムいないし…でもなー、といつまでも進まない会話。…これがハッフルパフ生か。

 

ドラコ「はやく教えろ!僕は君と無駄話を話す程暇じゃない。」

アリエッタ「えぇ…ドラコから話しかけてきたくせによく言うよ。…まぁ、友達だから許してあげよう。私は優しいからね。」

…友達?アリエッタが?…プリムの友人だから話してるだけだ。馬鹿なのか?

 

ドラコ「馬鹿か、僕は君と友達じゃない。」

アリエッタ「友達だよ、だって嫌いじゃないんでしょ?汚れた血ってこと以外は。」

ドラコ「…フン、血は変えられないんだ、友達になるなんて無理だね。」

アリエッタ「…そう、じゃあ教えてあげようと思ったけど、辞めよう。友達じゃないし。」

な!なに!こいつ…

 

ドラコ「生意気だぞ!…汚れた血のくせに!」

アリエッタ「だってそうじゃない?友達でもないし、むしろ私を貶す人になんで魔法を教えるの?それも高度な魔法を。」

じゃあね、私も暇じゃないの、とアリエッタはハッフルパフの寮へ行ってしまい、何も聞き出せなかった。

 

________________

 

スリザリン男子寮

 

 

生意気だ。なんなんだあの態度。…よくプリムと友人になれたな。

 

ドラコ「面白くない…」

 

でもアリエッタしかいない。…いい講師だとは思えないが。…汚れた血と友人に?無理だ。…でもプリムは…なれたんだよな。

 

ドラコ「…1人くらいならいいか。」

アリエッタを利用しよう。僕の為に。

 

ブレーズ「なんだ?難しい顔して、」

ブレーズが向かいのソファーに座る。

ドラコ「ちょっと面白くないことがあったんだ。」

ブレーズ「面白くないこと?」

パーキンソンのことか?、とにやけた顔を向けてくる。

ドラコ「は?なんでパーキンソンなんだ?」

ブレーズ「付き合ってるらしいじゃないか、ドラコマルフォイも男だな。」

ドラコ「…お前もだろ?プリムとはいい感じじゃないか。」

ブレーズ「プリム?…お前、気づいてないのか?」

ドラコ「…なんの話だ?」

 

___________

 

…ベッドに深く沈んだ。

 

ブレーズ『プリムが見てるのは僕じゃない、ドラコだ。』

ドラコ『…』

ブレーズ『プリムが気づいてるかわからないけどな、だから気づくまで僕は側にいるさ。僕からは教えない、スリザリンだからな。』

 

 

プリムは僕を見ていた。

…なんでだろう。

 

でも僕はパーキンソンと付き合っている。

 

ドラコ「はぁ…女ってわからない。」

 

…何も考えずに寝ることにした。

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