ホグワーツ特急
パンジー「ドラコは髪を下ろした姿もかっこいいわね」
ドラコ「…そうか?」
3年になって、僕はパンジーパーキンソンと付き合い始めた。家柄もよかったし、向けられる好意は悪くなかった。…筈だ。
セオドール「…プリム、具合悪い?」
プリム「…ちょっとね。」
ブレーズ「大丈夫か?」
ブレーズがプリムの額に手を当てる…
プリム「大丈夫、すぐよくなるわ。」
向かいのコンパートメント席にはプリム達が乗っているのが見えた。
ドラコ「面白くない…」
パンジー「え?何か言った?」
ドラコ「なんでもない、気にするな」
ブレーズはプリムが好きなんだ。きっと。
プリムもだろう…悪い表情はしてない。
面白くない…吐き気がする。なんでだろう…列車の揺れのせいだ。それか、クラッブとゴイルが目の前でお菓子を爆食いしてるから。
ドラコ「…お前達、そんなに食って大丈夫なのか?」
クラッブ「ドラコも食べるか?」
ゴイル「…蛙チョコなら、ほら。」
埋もれた蛙チョコを渡された…
ドラコ「いい…お前達がたべろ」
パンジー「ねぇ、シリウスブラックがアズカバンから脱獄したって知ってる?」
パーキンソンが新聞を広げてみせる。
酷い顔をした囚人が叫びをあげている写真だ。
ドラコ「ああ、父上の話だと、魔法省が総動員して探しまわっているそうだ。時期に捕まるだろう。」
私怖いわ、とパーキンソンが僕の腕に絡みついてくる。…細い腕だ。
その時、列車が急停止した。
ガタンッと車両が揺れる。
ドラコ「なんだ?…なんで止まった?」
パンジー「ホグワーツはまだ先よね?」
窓が凍りつき、寒い空気が漂う。
…嫌な予感がする。何かが乗り込んできたみたいだ。電灯がチカチカと点滅して消え始める。
パンジー「ドラコ…」
パーキンソンが怯えている。…僕も怖いんだ。そんな表情するな。
プリムが乗ったコンパートメントのドアが開き、黒い影が乗り込む。
プリム「っ…ぅ、」
プリムが苦しむ声が聞こえてくる。
ドラコ「…っ」
動かないといけない。足がすくんだ。パーキンソンも僕にしがみつくから動けない。でも、今行って…僕に何ができる?
アリエッタ「エクスペクトパトローナム!」
白く輝く…小さい鳥?…ハチドリか?
黒い影を追い払うように飛び回ると黒い影が去って行く。白く輝く鳥は列車の端まで飛んで行った。
奥の車両から人が来る。…学生ではないみたいだ。継ぎ接ぎのローブ…誰だろうか。
ルーピン「…君、守護霊の呪文が使えるのかい?」
アリエッタ「はい、練習したんです。…アズカバンの話を聞いたので。」
ルーピン「そうか…とても難しい魔法だ。よくやったよ。私はリーマスルーピン、今年から闇の魔術に対する防衛術の講師を担当するんだ。君の名前は?」
アリエッタ「アリエッタロリスです。ハッフルパフです。よろしくお願いします。」
ルーピン「アリエッタ覚えておくよ…あー、その子に起きたらこれを。」
リーマスルーピンという男はプリムのコンパートメントに入って何か置いた。
僕は…何も出来なかった。何も。
パンジー「私すごく怖かったわ、ドラコ」
ドラコ「ああ、大丈夫か?」
僕も怖かった。…自分が動けないせいで、何か失うのが。
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生徒の集まった広間で、ダンブルドアが新学期の挨拶をする。
ダンブルドア「いよいよ新学期が始まる。まず皆に知らせがある。…宴のご馳走でボーっとなる前に話しておこうかの。…はじめにR·J·ルーピン先生を紹介しよう。…空席だった”闇の魔術に対する防衛術”の担当をしてくださる。ルーピン先生じゃ!」
あのみすぼらしい男が講師だというのは本当らしい。
ハーマイオニー「だからチョコレートが効くって知ってたのね。」
ドラコ「ポッター!…ポッター!…気絶したって?」
ブレーズ達が僕に合わせて気絶するフリをする。
ドラコ「本当に気絶したのか?」
ロン「うるさいぞマルフォイ!」
ハリー「なんで知ってるんだ…」
ハーマイオニー「…ほっときなさい。」
面白くてたまらない…ポッター感謝しよう、気晴らしになった。
ダンブルドア「”魔法生物飼育学”の先生が退任されることになった。手足がまだ無事に残ってるうちに余生を楽しまれたいそうじゃ。…幸いその後任として皆もよく知っている先生があたってくれる。…ルビウス·ハグリッドじゃ。」
ドラコ「…森番が教師だって?」
有り得ない、信じられない。父上が知ったら即首になるだろう。
グリフィンドールからは歓声が上がった。
ダンブルドア「最後に深刻なお知らせじゃが…魔法省の申し入れでアズカバンのディメンターが我が校の警備に当たる。シリウスブラックが逮捕されるまでじゃ。」
「アズカバンのディメンター?」
「シリウスブラックだって?」
生徒がざわつき始める。
ダンブルドア「ディメンターは学校への入り口を全て見張る。ディメンターがいることで毎日の学校生活には何ら影響はない筈じゃが、ひとついうておく…ディメンターは凶暴じゃ。狙う相手も邪魔する者も容赦なく襲う。くれぐれも注意するのじゃ。あの者達が危害を加える口実をあたえるでないぞ。…ディメンターに許しを乞うても耳を貸さん。」
生徒が静かになり、固唾を呑んで聞いている。
ダンブルドア「じゃが、暗闇の中でも、幸せは見つけることができる。…明かりを灯すことを忘れなければな。」
広間を出る時、ハッフルパフの列を探した。
ドラコ「おい!…お前!…お前だアリエッタロリス!」
何度も呼んでるのに気づかないアリエッタ。
アリエッタ「ああ…ドラコ?、名前を呼ばないとわからないわよ。」
なんのよう?、とアリエッタが立ち止まる。
なんだその態度は。これだから汚れた血は…いや、こいつはプリムの友人だ。
ドラコ「…列車で、ディメンターを追い払っただろ?何をしたんだ?」
アリエッタ「あー…これって教えていいことかな?うーん…」
どうしよう…プリムいないし…でもなー、といつまでも進まない会話。…これがハッフルパフ生か。
ドラコ「はやく教えろ!僕は君と無駄話を話す程暇じゃない。」
アリエッタ「えぇ…ドラコから話しかけてきたくせによく言うよ。…まぁ、友達だから許してあげよう。私は優しいからね。」
…友達?アリエッタが?…プリムの友人だから話してるだけだ。馬鹿なのか?
ドラコ「馬鹿か、僕は君と友達じゃない。」
アリエッタ「友達だよ、だって嫌いじゃないんでしょ?汚れた血ってこと以外は。」
ドラコ「…フン、血は変えられないんだ、友達になるなんて無理だね。」
アリエッタ「…そう、じゃあ教えてあげようと思ったけど、辞めよう。友達じゃないし。」
な!なに!こいつ…
ドラコ「生意気だぞ!…汚れた血のくせに!」
アリエッタ「だってそうじゃない?友達でもないし、むしろ私を貶す人になんで魔法を教えるの?それも高度な魔法を。」
じゃあね、私も暇じゃないの、とアリエッタはハッフルパフの寮へ行ってしまい、何も聞き出せなかった。
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スリザリン男子寮
生意気だ。なんなんだあの態度。…よくプリムと友人になれたな。
ドラコ「面白くない…」
でもアリエッタしかいない。…いい講師だとは思えないが。…汚れた血と友人に?無理だ。…でもプリムは…なれたんだよな。
ドラコ「…1人くらいならいいか。」
アリエッタを利用しよう。僕の為に。
ブレーズ「なんだ?難しい顔して、」
ブレーズが向かいのソファーに座る。
ドラコ「ちょっと面白くないことがあったんだ。」
ブレーズ「面白くないこと?」
パーキンソンのことか?、とにやけた顔を向けてくる。
ドラコ「は?なんでパーキンソンなんだ?」
ブレーズ「付き合ってるらしいじゃないか、ドラコマルフォイも男だな。」
ドラコ「…お前もだろ?プリムとはいい感じじゃないか。」
ブレーズ「プリム?…お前、気づいてないのか?」
ドラコ「…なんの話だ?」
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…ベッドに深く沈んだ。
ブレーズ『プリムが見てるのは僕じゃない、ドラコだ。』
ドラコ『…』
ブレーズ『プリムが気づいてるかわからないけどな、だから気づくまで僕は側にいるさ。僕からは教えない、スリザリンだからな。』
プリムは僕を見ていた。
…なんでだろう。
でも僕はパーキンソンと付き合っている。
ドラコ「はぁ…女ってわからない。」
…何も考えずに寝ることにした。