ドラコ「僕の秘密を話そうプリム。…君が好きだ。」
近い…ドラコの香水の香りがする。ムスクの香り…ドラコが私を好きと言った。私も…でも言ってはいけない。アストリアとドラコが結ばれ、スコーピウスが産まれないといけない。
プリム「…私は」
ドラコ「言うな、何も。…君は本当のことを言わない。」
プリム「…」
ドラコ「”時がくれば”その意味はわからないが、君は今先を見て行動している。僕とアストリアが踊らないと行けないのは、先に何か影響があるからだ。…僕なりの推測にすぎないが。」
ドラコの勘は思っているより鋭い。危険だ。今後は気をつけないといけない。ドラコの前でも閉心術をかけておかないと駄目だ。
プリム「…ドラコはいつから探偵になったの?」
ドラコ「さぁな、プリムという奴は昔から謎が多い女性でね。」
プリム「じゃあ、その女性に振り回されてるのね。可哀想なドラコ。」
ドラコ「女性に振り回されるのが男という生き物だ。そんなに悪くないさ、側に居られるなら。」
プリム「…アストリアの側にいて。私じゃなくて。」
ドラコ「…君が望むなら僕はそうする。後悔しないか?」
プリム「…ええ、後悔することなんてないわ。」
しばらくして曲が終わる。
ドラコ「…僕の心にいるのは君だ。忘れるなよ?」
ドラコが私の手の甲に口付けた。
プリム「忘れるわ。…あなたを忘れないと、後悔するもの。」
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スリザリン女子寮
パンジー「で、恭史郎とドラコ。結局はどっち?」
プリム「え?なんの話?」
ダフネ「付き合わないの?2人のどっちかと。」
ミリセント「でも、恭史郎と付き合ったら、遠距離ね。とっても。まぁ、それが逆にいいって人もいたけど。」
戻ってきて早々に、ガールズトークなるものが開催され、パジャマに着替えた後、気を紛れされる為に蔵書を暗記した。
プリム「…どちらとも付き合わないわ。」
「ええ!!なんで!!」
全員が同じ言葉を発したので、心臓が跳ね身体がびくついた。
プリム「なんでって…2人ともそういう感情はないよ。昔からの知り合いだ、ただの幼なじみにしか見えない。」
パンジー「プリム…あなたもう14よ?」
プリム「…そうだね?」
パンジー「恭史郎がパートナーに誘ったってことは、少なからずそういう感情があるわ。ドラコだって…まぁ、本人が気付いてるかわからないけど。」
ドラコには好きと言われた。…好きと。…思い出して意識を蔵書に戻した。
プリム「相手にあっても、こちらにはないから、付き合わないよ。」
ダフネ「…アストリアはパートナーに誘われたから、少し意識し始めてるみたいよ。ドラコのこと。昔は子供だったから自分の気持ちに気づいてなかったのね、きっと。」
…
プリム「だから?」
ダフネ「ドラコが好きなら、後悔する前に…」
プリム「私は2人とも好きじゃないし、誰とも付き合わない!…ほっといてくれ。」
私はベッドに深く潜った。…わかってない。わからなくていい。私が身勝手に行動すれば、望んだ未来にならないんだ。
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真っ暗。…冷たい。頬が濡れてる。
アリエス「……タウ…タウリン…」
緑の光が視界の端で光る。
プリム「っ!…はぁ…まただ。…くそ。」
夢喰いが出てきて、私の額に鼻を這わせる。
獏「また、悪夢を見たか?…本当に喰わなくてよいのか?辛いじゃろ。」
プリム「いいんだ。…私には必要な夢だから。」
まだ早朝だった。皆眠っている…シャワーを浴びよう、汗をかいている。
プリム「…なんで、最近しょっちゅうタウリンの夢を見るんだ。」
シャワーに打たれて、考えこんだ。ひとつ浮かんだのは、死期の近づき。これはたぶんまだ早い。だから可能性は低い。…もうひとつは、私の魂がタウリンに近づいている。これは推測だが、身体に2人の魂があることで多少の揺れがあるのかと思う。揺れというのは、何か不安定な感情になるとタウリンに近くなり、安定していると私でいられる。まだうまく混ざりあっていないのだろう。…たぶん最近は、セドリックのこと、アルバス達、そして…ドラコのことで、私の精神が揺らいだから夢を見るようになった。そう考えている。
プリム「…いつも冷静にならないと。」
シャワーの温度を上げて、頭から浴びた。
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…その日は少し居づらかった。というのは廊下、広間、教室行くところ全てである事が話題になっていた。
日刊予言者新聞にリータスキータが書いたであろう記事が載っていた。”ダンスホールに颯爽と現れた謎の美少年、幾多の少女の心を奪い去る。”そうかいてあった。
図書室で毒に関する本を読み漁っていると、ハーマイオニーがこっちに向かって早足で来る。
バサっと新聞を広げ、一箇所を指差す。
…読めってことかな?
プリム「…”真夜中のダンスホールに現れた正体不明の謎の美男子。…その少年はビクトールクラムのダンスパートナー、ハーマイオニーグレンジャーとその日ラストダンスを踊り、口付けまで交わした仲とされるが、その正体はまだわかっていない。…有力な情報筋によると、ドレスローブはマホウトコロの生徒のものだという情報を掴んだ。…かの有名なブルガリアの恋人、ビクトールクラムの心境はいかに。”」
図書室で静かに記事を読んだ。
ハーマイオニー「…プリムのせいよ?」
プリム「…いやぁ、こんなことになるとは思わないじゃないか。なかなかの美男子だっただろ?半分くらい薬あるから、また飲もうか?」
ハーマイオニー「馬鹿なこと言わないで!」
ハーマイオニーが私の額を突いてきた。…痛い。
プリム「冗談だって…でも楽しかっただろ?」
ハーマイオニー「…まぁね、あなたも美男子だったし、悪い気はしなかったわ。」
プリム「お褒めの言葉ありがとうミスグレンジャー」
ハーマイオニー「でもやりすぎよ!クラムやロンがしつこく聞いてくるの。相手は誰だって。」
プリム「はは、本当?誰って答えたの?」
ハーマイオニー「知らない人って言ったわ。」
プリム「知らない人と君キスしたの?」
ハーマイオニー「プリム!…キスしてないって言ったわよ。角度でそう見えるだけって。」
プリム「ロンは納得しなそうだな。」
ハーマイオニー「まったくもってその通りよ。」
プリム「でも、そうまでしないと、ロンは馬鹿だから気づかないさ。」
ハーマイオニー「…わかってたの?」
プリム「ああ、ずっと見てきたからね。」
図書室を出ると、恭史郎が血相を変えて迫ってくる。
恭史郎「プリム!」
プリム「どうしたの、恭史郎…ちょ、ま」
恭史郎に引っ張られ、空き教室へはいる。
恭史郎「君だろ!謎の美男子!」
プリム「あら、ご名答。よくわかったね。」
恭史郎「そりゃわかるさ!僕のドレスローブだもの!君に貸したんだからね!」
プリム「返しただろ?なんでそんなに責めるんだ。」
恭史郎「僕のドレスローブが載ってるんだ、僕が疑われてるの!ポリジュース薬を飲んだのかとか、クラムやウィーズリーって子にしつこく聞かれて困ってるんだ!」
ファンの子の前だと凛とした恭史郎が、取り乱している。こっちの方が懐かしく感じる。
プリム「…ああ、なるほど。でも、私だと言っても信じないだろ。時間が経てば謎の美男子は忘れられるさ。」
恭史郎「プリムのせいだからね!」
プリム「…ごめんって。」
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3階 女子トイレ 秘密の部屋
プリム「…っ、悪霊の火か、バジリスクの毒しか破壊方法がわからない。ダンブルドアはどうやって破壊したんだ。…ニワトコの杖か。」
スネイプ先生を助けるにあたって、分霊箱であるナギニの存在が厄介だ。最初はバジリスクの毒を考えた。毒を身体に充満させて、ナギニにあえて噛まれる。危険だが、確実だ。
…でもそれは難しい。何年もかかるし、そしてバジリスクの毒は私の身体が順応しないだろう。
プリム「…この毒で何回も死んでるんだ。無理だな。」
自分で編み出した、自殺専用超猛毒薬を並べた。
プリム「…悪霊の火か。…いや、これは最終手段にしよう。危険だ。」
…指輪を回しながら呟いた。
プリム「…スネイプ先生を第三の眼に呼ぶのは辞めておこう。ヴォルデモートに信頼されているからこそ危険だ。…気づかれずに、水面下で守るんだ。絶対に。」
…
プリム「だとすると、正体がバレたらまずいな。…っ、いや、なんだ簡単じゃないか。」
いいことが思い浮かんで、唇の端が上がる。
プリム「破壊しなくていい、ネビルが破壊するはずだ。なら私は、スネイプ先生が襲われるのをただ守ればいい。…私は幸い動物もどきになれる。襲いかかるナギニを止める。スネイプ先生の首の傷はナギニの毒がなければ、ハナハッカでも治ったはずだ。…これなら、正体もバレず、話も変わらない筈だな。」
ひとつの路線は決まった。
でもこれは失敗する可能性もある、だからもうひとつ考えておかないといけない。
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第二の課題では、湖の中に大型の塔が3台組み立てられて、会場にはすでに多くの見物者が集まっている。…アリエッタはいない。恐らく湖の底だ。アリエッタについていた式神も昨晩私の元にきた。…つまりはそういうことだ。
木陰に隠れ、式神を放つ。…水中には放てないが、恐らくは大丈夫だ。アルバス達の存在がわかればいい。
プリム「獏…今回はより注意しないといけない。アルバス達がいたらすぐに夢をみさせて。」
獏「…御意」
夢喰いはすーっと消える。
ダンブルドア「いよいよ第二の課題じゃ!…昨夜代表の諸君は、あるものを盗まれた。…大切なものじゃ。5人から盗まれた5つの宝は湖の底に眠っておる。各代表はその宝をみつけ水面に戻ってくること…これだけ」
ハリーの様子がおかしい…あー、エラコンブを食べたんだ。
ダンブルドア「ただし、許された時間は1時間…1時間きりじゃ、それを過ぎるとどんな魔法も役には立たぬ…では、大砲の合図でスタートじゃ」
すぐに砲音が轟き、5人の選手が水中に飛び込んだ。…ハリーはムーディに背中を押されて。
見物している生徒たちは選手が浮上してこないので心配した。
しばらくすると、ハリーが水面から飛び、歓声があがる。
ムーディはストップウォッチを見ながら心配している。
ダンブルドア「ボーバトン代表ミスデラクールは競技を続けることが出来なくなった。…よってこの競技は棄権となる」
水中の様子がわからない…
もう何時間も経ってるような感覚がした。
恭史郎「大丈夫?…顔が青いよ?」
プリム「アリエッタがいないから…」
恭史郎「もしかして…」
プリム「湖の底よ…」
時計が8分前を指していた。
最初にセドリックがアリエッタと一緒に浮上し、歓声に迎えられた。…よかった。無事だった。…アルバス達もいない。この時間はアルバス達は干渉していないみたいだ。
続いてクラムがハーマイオニーと浮上した。顔だけサメの頭になっていた。クラムが右手を高々と上げると、一斉に歓喜の声が響いた。
次に浮上したのは一ノ瀬宗介とチョウチャンだった。歓声があがる。
ちょうど時計が1時間を指したときロンと少女が水面に浮上した。二人が大歓声で迎えられた。しばらくしてハリーの身体が空中高く舞い上がり、スタート台の上に腹ばいになって落下した。
心配してみんなが駆け寄った。
ダンブルドア「心配要らん、みんなこっちへ…」
フラーデラクールがハリーの下へ走って何か言ったあと、頬にキスした。…フランス人は少し大胆なようだ。
ハーマ イオニー「ハリー!…大丈夫?あなたは勇敢で立派だったわ。」
ハリー「でも、ビリだったよ」
ハーマイオニー「ビリから2番目よ。…フラーは水魔に邪魔されてダメだったの」
ダンブルドア「注目!…第1位はミスターディゴリー!」
歓声があがる。
ダンブルドア「ディゴリーはみごとじゃった。…ミスターポッターは1位も取れたはずじゃったが、ロナルドウイーズリーだけでなく、他の人たちを助けようとしたために、遅れを取った。…これを考慮し、ポッターを第二位とする。…実に道徳的な行いじゃ」
イゴールカルカロフや、一ノ瀬國重は面白くないと言った表情だ。
帰り道アリエッタに付き添った。
プリム「…つまり、アルバス達はたぶん干渉してない。もし今回アルバス達が魔法をかけていたら、セドリックは死喰い人になってた。…よかったよ、本当に。」
アリエッタ「そう…本当よかった。セドリック大丈夫よね?きっと」
プリム「ああ…死なせない。」
アリエッタ「…死喰い人にもならない?」
プリム「…何もしなければ、きっと大丈夫だ。でも、死から救うから、どうなるかわからないよ。」
沈黙が長く感じた。
アリエッタ「ところで、プリムはどっちと付き合うの?ドラコ?恭史郎?」
…またか。
プリム「…それパンジー達にも言われたよ。」
アリエッタ「ドラコでしょ?あなたならそうよね。」
プリム「無理だ。アストリアと結ばれてスコーピウスが産まれないといけない。」
アリエッタ「…でも、もう知ってる話とはだいぶ変わったわ。自由に生きるべきよ。」
プリム「それで、セドリックやスネイプ先生を救えなかったら?」
アリエッタ「大事な人を守る為に動いてる。だから必ず救えるわ。プリムがそう言ったじゃない!…プリム、私達はもう覚悟したのよ。」
アリエッタは私の前に立って、歩みを止めた。
プリム「私は…死なないといけない。アリエッタ、大事な人が増えるほど、つらいんだ。…わかるか?」
そういうと、アリエッタは何も言わなかった。
プリム「…私は誰も愛したらいけないんだよ。」