ホグワーツの校庭に、羽根を持った7頭の馬に引かせた馬車に乗って、ボーバトン魔法学校の生徒が空から舞い降りた。
湖からは大きな帆船が、湖底から一気に浮上して現せた。まるで海賊船のようだ。ダームストラング校だ。
…そして空から降りてくるそれは…大きな舟の様だ、しかしよく見ると大きな目玉がある。そして舟の先頭にはゴブリンらしき姿のヘンテコな生物がいる。
「あれなんだ?ゴブリンか?」
「いや、屋敷しもべじゃない?」
ドラコ「…珍妙な学校だ」
広間にホグワーツの生徒を全員集めダンブルドアが話を始める。
ダンブルドア「皆に一つ知らせがある。ここは皆の家でもあるわけじゃが、この学校に今年は特別なゲストを迎えることとなった。今年このホグワーツにおいて…」
と、話してる途中に、フィルチがダンブルドアに駆け寄り耳打ちをする。
ダンブルドア「今年ホグワーツにおいて、伝説の催しが行われる。トライウィザードトーナメントじゃ。…これは三大魔法学校の対抗試合じゃが、今年は例年と違い四校が集うこととなった。一連の魔法競技種目を各校から1名づつ選び競い合う。選ばれた者は一人で戦うことになる。厳しい競技じゃ…やわなものにはとてもこなせぬ。…詳しくは後ほど。…さて、ゲストをお迎えしよう!…まずはレディーから、ボーバトン魔法学校の生徒と、校長先生マダムマクシーム」
扉が開いて音楽に合わせ、踊りながらブルーのコートにブルーの帽子を身に着けた上品な女子生徒の一団が入ってきた。
腰を振り、手を振り、その動きに誰もが見惚れた。僕もそのひとりだった。
ドラコ「…っ、」
なんだか顔が熱く感じた。
男子生徒はほとんど釘付けになっている。その様子に女子生徒は面白くないといった表情だ。
拍手で迎えるとダンブルドアが続ける「そして、北からはダームストラング魔法学校の一行と、校長イゴールカルカロフじゃ。」
皆が注目する中で扉が開き、軍服姿で鉄の杖を持ち、床に打ちつけたり、目の前で回転させたりして、頭を丸刈りにしたたくましい男子生徒の一団が入ってきた。壇上で彼らは口から火を吹いて見せた。
「おい!ビクトールクラムじゃないか?」
「ブルガリアのクィディッチのシーカー?」
ホグワーツの生徒がざわつき始める。
今度は女子生徒が黄色い歓声や、見惚れた表情を浮かべる。
ドラコ「…まさか」
プリムも見惚れているかと思ったが、その表情はしていないように見えた。
ダンブルドア「そして最後に、遠く東洋から来てくださった。マホウトコロ魔法学校の生徒と、校長 一ノ瀬 國重じゃ。」
扉が開くとさっきとは打って変わり、優しい鈴の音が一定のリズムで鳴り、鼓の音が響く。一風変わった登場に生徒は静かになった。…子供?…いやツノがある。ツノがなければ子供みたいだ。
ツノのある子供が広間を楽しげに駆け回ると、花びらの道ができた。綺麗だ。…見たことがある。プリムが昔くれた花だ。
ドラコ「…さくら?」
「何の花?」
「凄く綺麗…」
ホグワーツ生は感嘆の声をあげた。
凛とした表情のマホウトコロの生徒はキモノ?だったか…日本らしい姿に金色のローブを羽織っている。
「日本もクィディッチのシーカーがいるぞ?」
「キョウシロウだろ?すっげーや!」
ドラコ「っ!恭史郎だと?」
列を見ると、確かにその姿が見えた。異国の顔立ちが綺麗だと女子生徒が騒つく。
ドラコ「…ぅ、」
プリムが、今までと違う表情をしている。まさか…そうなのか?あり得ないことじゃない、幼馴染だ。…いや、まだ決まったわけじゃない。
一ノ瀬校長はゆっくり進み、ダンブルドアに挨拶する。
ホグワーツの食事を各校の生徒が楽しむ。僕はダームストラング校の生徒と仲を深めた。父上に勧められた学校だったのもわかる、考え方が似ているから話しやすい。言葉の訛りはあるけれど、クラッブやゴイルのような馬鹿はいない。
食事が終わるとダンブルドアが壇上にあがり話を始める。
ダンブルドア「よいか諸君。…一言云うて置こう、…永久の栄光がトライウィザードトーナメントの優勝者に贈られる。…それには三つの課題をやり遂せねばならん。…きわめて過酷で危険を伴う課題じゃ。…そこでこのたび魔法省は新たにルールを設けた。これについては国際魔法協力部の、ミスターバーティクラウチ氏から説明してもらおう。」
指名されたクラウチ氏が立ち上がると会場に一瞬稲妻が走る。
左の目が義眼の教授が杖をふるって戦った。
ロン「あれ…マッドアイムーディだ…」
ハーマイオニー「アラスタームーディ?…オーラーの?」
ディーン「オーラーって?」
ロン「闇払いのことだよ。…闇の魔法使いをアズカバン送りにした。 」
グリフィンドールの囁き声が聞こえた。
左足を引きずりながら、マッドアイが壇上のダンブルドアに近づき握手をした。
ムーディ「ふざけた天井だ。」
ダンブルドア「ああ、全くじゃ、よく来てくれた。」
マッドアイは隠れるようにして、ウイスキーの小瓶をあおった。
シェーマス「何飲んでるんだ?」
ハリー「…かぼちゃジュースじゃなさそうだね。」
ドラコ「気味の悪いやつだ…」
クラウチ氏は壇上に進み、全生徒に向かって宣言をする。
クラウチ「検討の結果…安全のため、17歳未満の生徒は、この度のトライウィザードトーナメントに立候補することを禁じると魔法省が決定した」と発表した。
「嘘だ!」
「…そんな、あんまりだ。」
生徒たちからは一斉に不満の声が上がった。
誰もが悔しそうな表情をしている。
ダンブルドア「静まれ!…」
ダンブルドアが叫んだ後、壇上のトロフィーに杖をかざすと、背丈ほどもあるトロフィーが融けていって、中から大きいゴブレットが現れ、青い炎が点いた。
ダンブルドア「炎のゴブレットじゃ…」
ゴブレットの炎を生徒が見つめる。
ダンブルドア「トーナメントに名乗りを上げたい者は、用紙に自分の名前を書き、木曜日のこの時間までに、ここに入れるのじゃ。軽い気持ちで入れるでないぞ。…選ばれたら後戻りは出来ぬ…今この時からトーナメントは始まって居るのじゃ」
生徒達は固唾を飲んで話を聞く。
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マッドアイが教室で生徒に講義をしている「おれはアラスタームーディだ!…元闇払い、魔法省にも居た。”闇の魔術に対する防衛術”担当だ。…ダンブルドアに頼まれたので引き受けた。以上だ!終わり!質問は!…闇の魔術に関しては実践教育が一番だと思っている。」
イカれてるという噂により磨きがかかる授業だ。
ムーディ「お前たちに質問する…許されざる呪文は幾つあるか?。」
ハーマイオニー「三つです」
グレンジャーが素早く答える。
ムーディ「その名の由来は?」
ハーマイオニー「許されないからです。…この呪いを使うだけで…」
ムーディ「アズカバンで終身刑を受けるに値する。よろしい!…子供に教えるのは早すぎると言うが、おれはそうは思わん。…戦う相手を知るべきだ。」
ドラコ「…」
ムーディ「チューインガムを貼るなら机でなく、もっとマシなところに貼れフィネガン!」
背中を向け、黒板に板書をしながら叫ぶマッドアイ。
シェーマス「嘘だろ?あいつ背中に目があるのか?」
義眼をギロつかせ、すかさずチョークを投げつける。
ムーディ「耳もよく聞こえるぞ!」
教室が静まり返る。
ムーディ「さて、どの呪いからいくか」
誰もが静まり返った。
ムーディ「ウィーズリー!…立て!」
ロン「はい!」
ウィーズリーが無慈悲にも指名され、自席で立ち上がる。…同情しておこう。
ムーディ「どんな呪文がある?」
ロン「一つパパから聞いたのが…服従の呪文…」
ムーディ「お前の父親なら良く知ってるだろう…魔法省はさんざん手こずったからな。…そのわけを教えてやろう」
マッドアイは教壇に置いたガラスの容器の中で飼っているクモのような虫を「そーら…いい子だ」と言って手の上に取り出した。
何か呪文をかけるとクモは段々大きくなる。…肥大呪文か?
ムーディ「インペリオ!」
虫は操られるように宙を舞う。
生徒のところに跳んでいった。マッドアイが杖で指示をすると、生徒の頭の上や肩や顔に飛んでいって止まるので生徒は恐がって騒いだ。…グリフィンドールが怯えているのが凄く滑稽だ。
ドラコ「はは…」
マッドアイの義眼は上下左右を睨み付けるようによく動いた。
ムーディ「なに笑ってるんだ?」
ドラコ「わぁ!…と、とってくれ!」
僕のところへ虫がやってくる、必死で取り払おうとする。
ムーディ「芸達者だろ!次は何をさせる?…身投げか?…溺れさせるか」
ドラコ「…っ、」
ムーディ「多くの魔法使いがこう言った。自分の悪戯は服従の呪文によって、例のあの人に無理強いされたのだとだが、それが嘘か真かをどう見分ける?…さて、後の呪文は?」
次はロングボトムを指名して立たせた。
ムーディ「スプラウト先生に聞いたぞ薬草学が得意だそうだな。」
ネビル「はい…えっと…あとは磔の呪文です」
ムーディ「そう、その通り。…」
こっちにこい、とロングボトムを教壇まで呼ぶ。
ムーディ「身も竦むぞ…拷問の呪文だ」
クルーシオ!と唱えると、虫は「キーキー」と苦しそうな声を出して悶えた。
その様子を見て、ロングボトムが辛そうに息が上がっている。
ハーマイオニー「やめて!ネビルがつらそうです!…やめて!」
グレンジャーが声をあげた。
マッドアイは弱った虫をグレンジャーの机に置いて佇む。
ムーディ「許されざる呪文の最後の一つは?」
グレンジャーが首を左右に振ると、ムーディ教授は虫に杖を突きつけて、叫ぶようにアバダケダブラ!と呪文を唱えた。
…虫はひっくり返って即死した。
教室は静かになった。
ムーディ「死の呪いだ」
ドラコ「…」
ムーディ「これを受けて生き延びたのはただ一人、今ここに居る…」と言い、ポッターの前に立ち止まりポケットから小瓶を取り出して、何かをあおる様に飲んだ。
パンジー「禁じられた呪文を教室でやるなんて…」
階段を降りながらパンジー達の話し声が聞こえた。
ドラコ「イカれてるって噂は本当だったわけだ。」
プリムが勢いよく振り向いて、鋭く睨みつけてくる。
プリム「…ドラコちょっと、話があるんだけど。」
ドラコ「ああ、なんだ?」
僕はプリムに言われて、空き教室へ入った。
プリム「ドラコ…あなた私がしたこと忘れたの?」
ドラコ「プリムがしたこと?わかってるさ、僕達の家を守ろうとしてるんだろ?」
机の上に座って話を聞いた。
プリム「そ…そうだけど…え?なんで気づいてるの?納得いくように話したつもりないんだけど…」
ドラコ「父上が話してくださった…いろいろね。プリムも気づいてたんだろう?だから、第三の眼に誘った。」
…思案してるような表情だ。…プリムが予言者という父上の考えはあり得なくもないな。
プリム「でも…私の魔力見たでしょ?闇の帝王に抗うことができるってことは、そのくらい危険ってこと…私…私…異常なのよ?」
ドラコ「だからなんだ?プリムは危険じゃないさ。その力を持ってるのが例のあの人なら危険だがな。」
戸惑っている?…プリムは想定外のことが起きると表情が豊かになる。それは僕を退屈にさせない。
ドラコ「プリム、僕は今までと変わらない。プリムもだろう?…僕達は友達だ。そうだろ?」
僕はプリムの宝石のような瞳を見つめた。…エメラルド、前は琥珀色だった。夕陽の色、僕をあたたかく照らすようだった。
プリム「そうね、変わらないわ。…友達よ。」
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雨の降る日、大広間に生徒たちが集まっている。各校の生徒がゴブレットの炎の中に名前を書いた紙を入れていた。
ドラコ「…」
…そんなことはどうでもよかった。プリムが見物しようとするのが不思議に思った、いつもならこういう人が集まるところは彼女は好まない。だから、ついてきたら、見たくない光景が目に入った。
プリム「やぁ、恭史郎。ゴブレットに名前は入れたか?」
恭史郎「プリムと同い年なの忘れた?ゴブレットにはいれられないよ。」
プリム「錯乱の呪文をかけたらいい。」
恭史郎「君、変わらないね?」
ドラコ「…面白くない、」
会話は聞こえない、あまり近づくとプリムにバレる。
プリム「ところで、日本はどういう人がゴブレットに名前を?」
恭史郎「上級生はほとんど。まぁ、元々マホウトコロは生徒数が少ないからね。ここに来る条件が金色のローブであることだったし。期待値が高いのは、白虎の一ノ瀬宗介さんかな、文武両道で有名だよ。因みに一ノ瀬校長の御孫さんだ。」
プリム「ああ、そうなんだ。…金色のローブの人しかいないし、変だとは思ったけど。条件にあったのか。」
恭史郎「マホウトコロが初めての海外留学をするって大騒ぎだったよ。僕はまだ金色になってなかったから必死で努力した。」
プリム「はは、そうだったのか。案外想像できなくもないな。」
恭史郎「ちょっと!」
ドラコ「随分と仲が良さそうじゃないか…くそ、」
これ以上いたらはらわたが煮え繰り返って、おかしくなりそうだった。いや、もうそうかもしれない。僕は足早にその場を去った。
苛立ちながら廊下に出る。
アリエッタ「あ、ちょうどよかった」
ドラコ「…なんだ」
僕の前にアリエッタが立ち往生した。
アリエッタ「ドラコマルフォイくん、今日から少し、レベルアップしてみようか。」
ドラコ「…レベルアップ?」
アリエッタ「まぁ、いずれ必要になるし、早くから鍛えるべきかなって。」
これ読んでおいて!と僕に何冊か本を押しつけられた。
ドラコ「”心を閉ざす術と覗く術”…”開心術の悪用方法”…”上級魔法閉心術と開心術編”…なんだこれは。どれもまだ学ぶには早いんじゃないか、6年くらいのものだ。」
アリエッタ「いいから、ドラコには簡単よ。…優秀だもの、理解できないわけないわよ、ね?」
ドラコ「…フン、当たり前だ。」
僕は返そうとした本を、抱き抱え踵を返した。
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鐘が鳴り学校の大広間に生徒全員が集まっている。
ダンブルドア「着席!…よいか、待ちに待ったときがやって来た。代表の発表じゃ…」
手をかざすと、青い炎を上げているゴブレットが赤い炎に変わり、周りに火の粉を放った、その炎の中から紙切れが1枚舞い落ちる。
ダンブルドアがその紙を空中で受け取り広げて読み上げた。
ダンブルドア「ダームストラング校の代表は、ビクトールクラム!」
口笛や歓声があがりクラムは立ち上がり、仲間から祝福されて壇上に歩いた。
続いて炎の中から舞い落ちてくる紙片を校長が片手で握り取った。焼け焦げた紙片を広
げて叫ぶ。
ダンブルドア「ボーバトンの代表は、フラーデラクール!」
美少女と評判の、フラーも立ち上がり仲間の女性が拍手で祝福した。
ダンブルドアがまた紙片を空中で受け取り広げて読み上げた。
ダンブルドア「マホウトコロの代表は、一ノ瀬宗介!」
確か…一ノ瀬校長の孫という噂だ。似てないが。
ダンブルドアはさらに手を伸ばして、落ちてくる紙片を掴みとる。
ダンブルドア「ホグワーツ代表は、セドリックディゴリー!」
歓声が一段と高くなった。選ばれた代表の四人が壇上に進む。
ダンブルドア「よろしい!これで四人の代表が決まった。…しかし、歴史に名を残すのはただ一人、…ただ一人だけが勝利の証として、かかげることが出来るのじゃ…この優勝杯を!」
ダンブルドアが指差した先には、さん然と輝く優勝杯があった。
…瞬間、またゴブレットの青い炎が左右に飛び散り、やがて赤い炎に変わり、舞い上がった紙片が落ちてきた。
スネイプ先生や、ダームストラング校長のイゴールカルカロフが驚いた顔をして立ち上がった。
ダンブルドア「…ハリーポッター」
焼けた紙片を掴みダンブルドアが呟いた。
ダンブルドア「ハリーポッター!」
ダンブルドアは震える声で読み上げた。
ハグリッド「そんな…まさか」
ドラコ「…」
生徒の視線がハリーに集中する。
ダンブルドアがもう一度「ハリーポッター!」と呼びかけてポッターを探した。
ハーマイオニー「行くのよ!…行かなくちゃ…」
ポッターは、何が起きたんだという表情をしている。
「ずるしたんだ!」
「17歳にまだなってないだろ」
生徒の声が響いた。
ポッターは壇上の先生たちの間を通り、最上段の鉄の扉を開いて中に入った。