プリムローズが咲いた日   作:かぼちゃの馬車

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ドラコマルフォイの思想 9

 

 

スリザリン談話室

 

ドラコ「ポッターはどうやってゴブレットに名前を入れたと思う?」

プリム「さぁ、ハリーが永遠の栄光をほしがるかしら?。」

…欲しがるんじゃないか?と思ったが、プリムの表情からすると違うらしい。

ドラコ「プリムならそういうだろうな。」

プリム「あら、私のことよく知ってるのね。」

ドラコ「当然さ。友達だからな。」

 

ブレーズ「なぁ、プリム面白いことしないか?」

ブレーズがプリムの横に座る。

プリム「面白いこと?」

パンジー「なに?なんの話?」

プリム「ブレーズが面白いことをするって」

プリムはこういうときは協力的だ。昔から悪戯が好きなのかもしれない。いつも僕が考えつかないことをする。前にウィーズリーの髪をスネイプ先生の髪に変えたことがある。これは魔法薬が得意なプリムの案だった。スネイプ先生のあの表情と言ったら…

 

ブレーズ「面白いさ、ポッターの缶バッジを作ってやろう。応援しないとな?」

プリム「…子供っぽい」

…?珍しく今回は加担しないらしい。

ドラコ「面白いじゃないか?僕は賛成だ。」

パンジー「デザインなら私に任せて?」

プリムが居ないのは残念だが、ポッターの応援缶バッジを作る事にした。もちろん僕達の特別製でな。

 

_____________

 

日刊予言者新聞の女性記者リータスキータが新聞を書いた。”悲劇のティーンエージャー対抗試合へ”という見出しらしい、興味がない僕は新聞を読まなかった、内容は大体がデタラメだと噂だ。

 

プリムが変な表情で読んでいる新聞の上に、パーキンソンが羊皮紙を広げる。

パンジー「ねぇ、このデザインどう?」

あー…缶バッジのデザインか。僕とブレーズはそういうのはわからなかったから、プリムに聞いてるわけか。

 

ドラコ「…」

ブレーズ「プリムは今日も綺麗だと思わないかドラコ…そうだ、父が言っていたんだが、ダンスパーティーがあるのを知ってるか?」

見慣れたブレーズの顔が視界に入ったので、視線を逸らした。

 

セオドール「あ、それ僕も言われた。…僕誘う勇気ないよ。」

ドラコ「心配ない、本当に不安なら僕が手伝ってやる。」

セオドールが不安気な表情を明るくした。

 

ドラコ「…それよりも、僕はお前達の方が心配だな。…そろそろ食事の仕方くらい覚えたらどうだ?」

朝食を食い散らかすクラッブとゴイルに視線をやる。

クラッブ「…?」

ゴイル「…?」

ドラコ「はぁ…なんでもない、気にせず食べろ。」

ブレーズ「ドラコ、ここだけの話だが…僕はプリムを誘うつもりだ。別にいいよな?」

ドラコ「…いいさ。…プリムがお前の誘いを受けると思えないしな。」

ブレーズ「…随分と自信があるようじゃないか。…僕がパートナーになっても悪く思うなよ?」

ドラコ「…プリムをちゃんとリードできるなら悪く言わないさ。」

セオドール「あ…あのさ、プリムって他寮でも人気があるんだよ。グレンジャーやアリエッタと仲がいいでしょ?だから…他のスリザリン生とはちょっと違うっていうか…セドリックディゴリーと話してるところ見たって話を聞くし。…だから、誘いたいなら2人共早く動いた方がいいんじゃないかな?」

ドラコ/ブレーズ「…っ!」

僕達は同じように頭を抱えた。

 

_____________

 

学校の中ですれ違う生徒は、僕達が作った特別製応援缶バッジをつけている。

 

「ポッターはズルしたんだ」 

「汚いぞポッター」

「セドリック万歳!」

ポッターが廊下を歩くと聞こえるように声をあげるホグワーツ生。陰口ではない。聞こえている筈だからな。

 

 

 

ドラコ「おい、上にあげろ。」

クラッブ「ああ…」

ゴイル「ぅ…」

 

木の上に登った、特に意味はなかったが、高みの見物というやつか。

 

 

ハリー「君、感じ悪いよ…」

ロン「そうかよ…」

ウィーズリーとポッターは喧嘩したらしい、ピリピリした空気が漂っている。

 

ハリー「ああ、そうさ!」 

ロン「他に用ある?」

ハリー「ああ!僕に近づくな!」

ロン「判ったよ」

 

ドラコ「ピリピリしているな、ポッター」

僕は木の上からポッターに声をかけた。

 

ドラコ「父上とお前の賭けをしたんだ…お前が試合で10分ももたない方に賭けた。…でも父上は5分ももたないってさ」 

なんでかわかるかポッター?おまえはドラゴンと闘うんだ。僕は哀れなポッターを笑った。

 

ハリー「君の父親がどう思おうとそんなことは知ったことじゃない。…父親は邪悪で残酷だし、君は卑劣だ…」

ポッターが僕に卑劣と言い残し背を向けた。父上のことより、自分が卑劣と言われたのが気に食わなかった。

 

ドラコ「卑劣?…卑劣だと!?」

僕は背後から魔法を掛けようとした。

 

ムーディ「そうはさせんぞ!」

ギロリと睨む義眼が僕を捉えて、いつのまにか僕は身体が縮んでいた。

 

ドラコ『な、何するんだ!』

キーキーという声が僕から聞こえた。僕は何かに変身しているらしい。いや、そんな冷静な判断をしている場合じゃない…っ!

 

ムーディ「後ろから襲うやつはけしからん」

マッドアイが杖を振るだけで僕の身体は軽々と宙を彷徨った。

 

ドラコ『わ、ぁ…やめろ!やめないか!今すぐやめないと、どうなるかわからないぞ!』

キーキーという僕の声は残念ながら届かない。

 

マクゴナガル「ムーディ先生!何をなさってるんです!?」

ムーディ「教育だ!」

マクゴナガル「それは生徒なのですか?」

ムーディ「今は白イタチだ!」

ドラコ『な、僕は白イタチなのか!?…くそ、お前は絶対許さない!』

その声も届かず、僕はクラッブのパンツに入れられた。

ドラコ『…ありえない、これは夢だ。いや、クラッブの匂いが現実だと言っている。』

暗いパンツの中をなんとか外に出ようとするが、クラッブが暴れて上手くいかない。次の瞬間ガシッと尻尾を強く掴まれる。

ドラコ『いっ!なにするんだ!』

その手に噛み付くと、ゴイルの痛がる声がした。どうやらゴイルの手だったらしい。

 

プリム「面白いってのはこういうことだよ、パンジー」

パンジー「プリムってば趣味悪いわ。」

 

ドラコ『ぅ…プリムの声だ。』

笑っているプリムの声が聞こえてきた。あー、なんて無様な姿だろうか。

 

やっとのことで、クラッブのよくない匂いから解放された。

ドラコ『っ!やった、出られたぞ!』

 

マクゴナガル先生が僕を元に戻してくださった。僕はすかさずマッドアイに忠告した。

 

ドラコ「ち、父上が黙ってないぞ!」

ムーディ「それは脅しか!?」

ドラコ「ぅ…」

僕はマッドアイのギロリと睨む義眼が嫌で廊下へ走った。

 

 

ドラコ「屈辱的だ…最悪だ…」

ブレーズ「あー!それにプリムも見てたぞ?」

ブレーズは面白くて堪らないと笑う。

 

ドラコ「…クラッブ!ゴイル!お前達、もっと身嗜みをちゃんとしろ!そんなんじゃパートナーなんて無理だぞ。」

クラッブ/ゴイル「ぁ…うん。」

セオドール「ムーディってイカれてるよ、ほんとに」

ドラコ「それは最初から知ってたさ、プリムに見られた…最悪だ…」

ブレーズ「そうか?案外似合ってたぞ?白イタチ」

ドラコ「ブレーズ…寝る時は気をつけておけ?お前の綺麗な顔立ちが台無しになるぞ?」

 

_____________

 

 

フレッド/ジョージ「さあ、みんな賭けて!賭けて!」

 

トライウィザードトーナメントの会場は満員の観客が詰め掛けている。

 

ドラコ「プリムはどこだ?」

ブレーズ「あー、アリエッタと一緒にいるよ、あそこだ。」

ブレーズが指差して遠くの席にプリムが居たのが見えた。

ドラコ「あそこは近すぎないか?」

セオドール「2人共近くで見たいから、ほっといてくれって」

ドラコ「そうか…」

プリムは試合事はあまり好きではないのに…変だと僕は思った。

 

ダンブルドアが挨拶を始めた「静粛に!待ちに待った日じゃ。トーナメントの三つの課題はいずれもかなり危険なことじゃ、決して立ち上がったりしないよう、安全のため常に着席してるのじゃ。まもなく開始じゃ!」 

 

 

しばらくすると大砲が轟音を発し、セドリックディゴリーがスタート位置に進んだ。ディゴリーはスウェーデンショートスナウトというドラゴンと戦う。

 

ディゴリーはドラゴンを見ると目の色を変えた。近くの岩を大きな犬に変身させ、それを自分の身代わりにドラゴンの注意を引きつけて卵を取ろうとする。

 

…ドラゴンの気が変わったのか、ディゴリーを襲い始める。火を吹いたり、尻尾を乱暴に振り回している、攻撃をギリギリのところで切り抜けている。クィディッチの選手経験もあって、瞬発力が高い。…見事だ。

 

ディゴリーは卵を手にして頭上に掲げた。

 

他の選手も無事に卵を手に入れた。

 

フラーはドラゴンに向けて魅惑呪文をかけ、恍惚状態にし、クラムはドラゴンの一番の弱点である目を攻撃するために、結膜炎の呪いをかけた。宗介は結界術という魔法を巧みに使ってドラゴンを閉じ込め、なんなく卵を手にした。

 

 

 

ダンブルドア「これまで4人の代表がそれぞれ金の卵を勝ち取り、次の課題に進むことが出来た。次はいよいよ5人目最後の競技者じゃ」

 

 

ポッターが競技場の岩場に姿を現した。

顔が青白い。…まぁ、無理もないか。

「ハリー!…ハリー!」の大合唱の中を慎重に岩の間を中央に進んだ。

金の卵は岩場の一段高いところにある。

 

ポッターは卵を見つけると真っ先に向かって歩く、直ぐにドラゴンの叫びと羽音がポッターの頭上に迫った。

 

ドラコ「賭けは父上の勝ちか、5分も持たないな」

ブレーズ「ハンガリーホーンテールだぞ?骨折で済めば良い方だ」

 

ポッターが転んで見上げると、怒りで口を大きく開いて、火を吐くドラゴンが襲いかかろうとしていた。

 

追い詰められたポッターは呪文を唱えた。

上空から箒が飛んできて箒に乗って一気に金の卵を奪おうとするがうまくいかない。

 

ドラコ「おい、なにしてるんだよ」

クラッブとゴイルが僕に合わせて嘲笑った。

 

競技場の外に飛び出すとドラゴンが鎖を切って飛び立ちポッターの後を追った。

 

ブレーズ「…あー、死者が出ないといいが」

ドラコ「知ったこっちゃないさ」

 

しばらくして競技場の上空に、箒に乗ったポッターの姿が見えた。生徒たちが歓声を上げる中をポッターは悠々と岩場の金の卵のところに舞い降りて卵を頭上に掲げた。

 

______________

 

 

大広間のテーブルで僕達は項垂れていた。

 

プリム「どうしたの?」

パンジー「缶バッジの流行が過ぎ去ったわ…今じゃポッターは英雄だもの。」

ドラゴン…それもハンガリーホーンテールに勝ったポッターは5人目の選手として認められた。

 

ドラコ「面白くない…くそ、」

プリム「流行は回り回ってくるさ。ドラコ、ハリーは運がよかったんだ。セドリックを上回る魔法を使えるわけでもない。」

…そうか、ポッターは運がよかったのか。いやそんなことで僕のこのジメジメした思いは変わらない。

 

プリム「ほら、パンジー。君の好きそうな記事だぞ?…ミスグレンジャーは平凡な女の子。でもボーイフレンドは大物狙いのよう。

情報筋に寄れば今のターゲットは、かのブルガリアの恋人ビクトールクラム。…振られてしまったハリーポッターの心中やいかに。」

プリムがパーキンソンに日刊予言者新聞のデタラメスキャンダルを見せた。

 

パンジー「…グレンジャーなんかに負けてらんないわ。」

パーキンソンの眼に炎が宿ってるように見えた。

 

 

しばらくすると梟便の時間になる。グリフィンドールがなにやら騒がしい。まぁ、いつものことだ。

 

プリムの梟が、何やら少し大きな包みを持ってきた。

プリムは梟と何か話している。その会話は当然わからないが、気怠げな表情を浮かべていた。

 

 

______________

 

スネイプ「…トライウィザードトーナメントにともない舞踏会を行うのが伝統とされている。…クリスマスイブの夜、大広間で一晩楽しみ、騒いで結構。…トーナメント開催校の代表として、一人ひとりが自覚を持ち、最高のリードをすることだ。そして舞踏会で何よりも肝心なのは、ダンスだ。…」

スネイプ先生がやる気がなさそうに説明した。生徒たちがざわめいた。男子生徒は嘆き、女子生徒は歓喜している。

 

 

スネイプ「黙れ…スリザリンの寮の偉大なる魔法使いが培ってきた尊厳をたった一夜で汚すことのないよう…ダンスを踊れるものは?」 

純血一族の女子生徒達が素早く手を挙げる。…1人を除いて。プリムは人前で踊りたがらない。パーティーでさえも嫌だと言っていた。だからいつも最初に2人で踊り、その後プリムは話にふけるのだ。

 

 

スネイプ「…ミスターマルフォイ、ミスクロウリー、2人は当然踊れるな?」

…指名されたら踊るしかないだろうな。

 

プリム「あの先生、私挙手してないんですが。…パンジーがいいんじゃないでしょうか。」

スネイプ「…ダンスは毎年のようにしている、ミスターマルフォイと、ミスクロウリーが1番見本になるとそうは思わないかね?」

パーキンソンには悪いが、踊り慣れているプリムの方が有り難い。

プリムが渋々立ち上がって中央に立ったので、僕も続くように中央に立つ。

 

ドラコ「足を踏むなよ?いつものように踊れ」

プリム「そっちこそ」

 

レコードの音楽に合わせてワルツを踊った。プリムの細い腰と小さい手が、お互いに成長したことを実感させた。

 

______________

 

 

 

ホグワーツ城はダンスのパートナー探しで男子はそわそわし、女子は誘われることを待つように色めき立っている。

 

「僕と一緒に踊りませんか?」

「はい!喜んで!」

 

廊下では、沢山の生徒がダンスの申し込みをしているのが目立つ。

 

プリムとパートナーになるのでは?と噂があったセドリックディゴリーは、アリエッタとパートナーになったらしい。まぁ、あり得ない噂だなとは思っていた。

 

ブレーズ「おい、もう申し込んだか?」

ドラコ「…まだだ。僕はそんなにがめつくない。その様子だと、余裕がないみたいじゃないか?」

ブレーズ「まさか…そんなことはない。」

セオドール「僕もまだ…というか、女子の視線が怖い。」

ドラコ「当たり前だろ。僕達は純血一族だぞ?そこらのマグル生まれとは違うんだ。」

セオドール「自分に相応しい人を女子も選んでるってこと?」

ブレーズ「そして僕等はその相応しさを持っているって訳だ。」

ドラコ「だが、プリムはブレーズを選ばない。」

セオドール「ダンスレッスンの時のプリム達って凄く…いや、なんでもない。」

ブレーズの顔を見てセオドールが口を閉じた。

 

 

______________

 

 

 

授業中もヒソヒソとダンスのパートナーの話ばかり聞こえる。…静かに授業も受けられないのか。

 

ブレーズが先生の目を盗んで、後ろの席のプリムにメモを渡した。

 

プリム「…」

しばらくしてからブレーズがプリムの返事を受け取ると、何やらプルプルと身体が震えている。

 

ブレーズ「な…」

ドラコ「どうした?」

ブレーズ「なんでもない…」

 

 

 

 

ブレーズ「プリム!…さっきのどういうことだ」

授業が終わるとすぐ、ブレーズがプリムの元へ駆け寄り話しかけていた。

 

ドラコ「どうしたんだ?あんなに血相変えて」

セオドール「それは…僕は友人の名誉を守るべきだと思うんだ。ドラコ、図書室へ行こう。魔法薬学は常に学ぶことがあるだろう?」

ドラコ「…別に構わないが、なんなんだ?」

セオドールがいいからいいから、とブレーズを置いて図書室へ向かった。

 

 

図書室ではマダムピンスが目を光らせて、監視している。所業の悪い生徒は追い出されるらしい。

 

ドラコ「…」

僕は部分消失術という本を手にした、東洋の解毒剤という本を探したが、なかったので仕方ない…手にした本を机の上に置きセオドールの隣に座った。

 

セオドール「…その本まだ僕達には早いんじゃないかな。」

ドラコ「…”アッシュワインダーの卵の保存方法”?その本も似たようなものじゃないか?」

セオドール「あー…まぁ、先々を考えてね」

ドラコ「なんでアッシュワインダーの卵なんだ?愛の妙薬でも作るつもりか?」

セオドール「…んー、まぁ、使いたくはないけど、万が一の為?」

なるほどな…パートナーが決まらないから薬をもってやろうというわけか。

 

ドラコ「そんなことしなくても、セオドールは大丈夫だ。」

セオドール「僕には家柄と少しの才智しかない。…ドラコとブレーズとは違うんだ。」

ドラコ「何が違うっていうんだ?」

セオドール「ドラコはマルフォイ家だ。それに魔法の才能もある。…箒だってね。ブレーズは容姿が良いし、話し方だって上手い。それに何より2人にはプリムがいる。」

セオドールが本を読む事を辞めずにつらつらと述べる。

 

ドラコ「プリムがなんだっていうんだ?」

セオドール「…僕には心底信頼できるような、そういう人がいない。…ごめん、しんみりしちゃったね。つまりは僕自身にドラコやセオドールみたいに自信が持てないってだけだよ。」

セオドールは乾いた笑顔を見せた。

 

ドラコ「セオドール、お前は頭がいい。だから、他人に心を許すのが怖いのだろう?…信頼っていうのは、妙薬なんかで掴み取れないぞ?」

セオドール「わかってるよそんなこと…でも、ダンスの時だけでいい、偽りでもいいんだ…」

ドラコ「…」

セオドール「なんでも持っている君達にはわからないよ。」

セオドールは静かにまた本を読み進めた。

 

 

ドラコ「…っ、東洋の解毒剤という本を探している。」

図書室を出る前に、マダムピンスに問いかけた。

ピンス「…その本は貸し出し中です。」

ドラコ「誰が?」

ピンス「…プリムクロウリーですね。」

ドラコ「プリム…」

解毒剤の本なんて何に使うんだ?…僕は暇潰しに読むつもりだったのに。

 

______________

 

必要の部屋

 

アリエッタ「ドラコ、あなたってやっぱり頭いいのね。”部分消失術”!これはとても役立つ本だわ。」

ドラコ「そうだな、君が貸してくれた本は表面的なことしか書かれてなかった。」

アリエッタ「ええ…私も頑張って探したのに。でもまぁ、これで…あった!これよこれ…なるほどね、じゃあ…あの本が必要ね。」

ドラコ「なんだ、なにかわかったのか?」

アリエッタ「この本は大体が閉心術のことが記載されてるんだけど、途中から記憶修正のことが書いてあるの。」

ドラコ「へぇ…だから?」

アリエッタ「…プリムと私は忘却呪文をかけられてしまう可能性がある。だから、その対策として記憶修正術について知らないといけない。…けど、まだ詳しく載っている本は出版されていないの。だから自分で探るしかないってこと。…でもドラコがそのひとつを見つけたわけ!天才!流石よドラコ!」

ハグしたいくらい!と腕を広げて迫るアリエッタを避けた。

 

ドラコ「あー…なんで君達に忘却呪文がかけられるって思うんだ?なにか、知ったらいけないことでも知ってしまったか?…例えば、ダンブルドアの実年齢とか?」

アリエッタ「そんなくだらない事でポンポン呪文をかけられてたら、たまったもんじゃないわ。…まぁ、今言えることは…闇の帝王が知ってしまえば…最悪なこと。とってもね。」

アリエッタが真っ直ぐ僕を見つめた。

 

アリエッタ「…あなたまだプリムのこと誘えてないの?」

ドラコ「おい!勝手に心を見るな!…全く」

アリエッタ「これだからマグル生まれは…プリムはこの言葉好きじゃないから気をつけてね。」

ドラコ「…知ってるさ。心は覗くな!僕は…まだ閉心術を習得してない。開心術もな!」

アリエッタ「じゃあ、早く習得しましょう。ドラコはどちらかというと閉心術が学びたいでしょう?私に見透かされるのは心底嫌だものね。」

ドラコ「…ああ、わかってるじゃないか」

アリエッタ「でも、閉心術の方がつらいのよ?大丈夫?」

ドラコ「心を見透かされる方がつらいさ。」

アリエッタ「…じゃあ、心を閉ざすのよ。闇の帝王にも見透かされることがないようにね。…”Legilimens “(開心)」

 

ドラコ「…っ、!」

 

開心術をかけられると、アリエッタが見透かすような生温いものではなく、心を無理矢理こじ開けるように入ってくるのがわかった。精神的に削られる。体力も。…

 

アリエッタ「…心を閉して、見られては駄目よドラコ。」

ドラコ「…ぅぐ、!」

僕の記憶や思い出に、無理矢理こじ開け入ってくるアリエッタ。閉心術はまだ思い通りにいかない。

 

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