プリムローズが咲いた日   作:かぼちゃの馬車

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マホウトコロの話

「日本に行って、マホウトコロに通わせてください。」

__________

 

わたしが、無理難題をクロウリー家で初めて開かれた誕生日の夜に突きつけた。

自分でも馬鹿げてると思うが、自分の為。

マホウトコロにはなんとしても行かなければならない。

 

シルビア「…えっと…プリム?私達今アメリカにいるのよ?」

プリム「はい、なので日本に行きたいです。」

レオナルド「…なんで、日本に?」

プリム「ですから、マホウトコロに通いたいのです。」

レオナルド「それはわかるんだが、何故だい。それも突然!」

プリム「父上の本棚の本を拝借しました。その本を読んで偶然ですが、見つけたのです。魔法使いの学校は、アメリカのイルヴァーモーニー以外にもあると。世界には195ヵ国も国があるのでこの記述は間違いではないと思います。」

レオナルドさんに読んでいた本を広げ、マホウトコロに関する欄を指してみせた。

プリム「そして何よりも、日本のマホウトコロに関しては記述が少ないので実際に学びに行きたいと思ったのです。…あの閉鎖的な国の魔法には…どんな秘密が隠されているのか…興味があります。」

本心だ。

興奮を隠すようにゆっくり話したが隠しきれてないだろう。まぁ、それでいい。

どうか子供の好奇心だと思ってくれ。

 

レオナルド「…それは…確かに僕も興味がある…」

シルビア「レオナルド!」

レオナルド「っ!…あー、興味があるが、駄目だ。閉鎖的な国で秘密にしている…きっと危険があるから隠すんだ。6歳のプリムを何も知らない国に通わせるわけにはいかないよ。」

プリム「ですが、マホウトコロは7歳からの入学なのです。私には今しかチャンスがないのです。…もし危険だと思ったら自分の身は、自分で守れます…こうやって。」

近くの石像に手を添えた。

 

ゾクッとする感覚を思い出す。

もうコントロールができる。

鍛錬を怠らずよかったと思った。

 

“Bombarda Maxima”(完全粉砕せよ)

 

石像は粉々になってしまった。

 

レオナルド「…どこでその魔法を…それに杖を使わず…」

シルビア「…」

2人とも引いている。それはそうだ。

プリム「魔法に関する本をずっと読んでいましたので…」

レオナルド「知識でどうにかなる話なのか?…」

シルビア「わたしは読書を楽しんでいるとばかり…」

プリム「楽しんでましたよ?もちろん。自分の知らない世界を学ぶのは楽しいことです。」

レオナルド「…わかったプリム…マホウトコロに通うことは許可するよ。」

シルビア「レオナルド!プリムを危険な目に合わせるつもりなの!?」

レオナルド「プリムは自分の力の強さを理解して、コントロールしないといけない。…成長すればもっと強くなるだろう。」

プリム「はい、父上。それは…なんとなく気がついていました。」

レオナルド「…許可はする。だが条件がある。」

プリム「条件って?」

レオナルド「1つは、マホウトコロに通って学んだことは、僕にも教えること。2つ、絶対に危険なことはしないこと。3つ、強い魔力があること、動物と話せることは僕達以外には話さないこと。これを守れるかい?」

プリム「はい、絶対守ります。」

シルビア「それと私は近くで見守らせていただきますよ?」

レオナルド「え…」

シルビア「え…じゃないの、近くにいないと我が子を守れないじゃない。」

レオナルド「まぁ、そうだけど、プリムはいいのかい?」

プリム「はい、大丈夫ですよ。近くに母上がいるなら安心です!」

シルビア「さ!そうと決まれば、マホウトコロに手紙を送りますね。それと日本へ引っ越す準備も。あー、やることがいっぱいだわ!」

シルビアさんはなんだかちょっと浮き足だっていた。目が爛々と輝いている。

 

……そうだ、孤児院のみんなに写真を送らなきゃいけないな。

 

“マリア、クレア、ペネロピ、それから院長先生。

みなさんお元気ですか?

わたしはレオナルドさんとシルビアさんがとても優しくしてくださるので、幸せに暮らせています。

急ですが、日本へ行くことになりました。

日本へ着いたらまた、手紙を書きます。

それから、本のプレゼントとても気にいりました。きっとクレアのセンスだよね?

 

写真は動いているけど、変に思わないでね。

 

プリム”

 

家族3人で撮った写真を手紙と一緒に送った。魔法界の写真だが、不思議には思わないだろう。不思議なことは散々してしまったから。

あ、ドラコにも書こう。

 

“親愛なるドラコ·マルフォイ殿

そちらはいかがお過ごしですか。

6歳の誕生日パーティーに来ていただきありがとうございました。

6月になればあなたも6歳になりますね。

ですがもうすぐ私は日本へ行かねばなりませんので、誠に残念なのですが、パーティーに参加できないでしょう…

 

日本へ着いたらまたすぐに手紙を書きます。

プリム”

 

…フクロウでいいのだろうか。まぁ、いいや。

________

 

……日本へ来た。ついに来てしまった。

サイトウケイ…たぶん名前からして前は日本人だったのだろう。懐かしい気もする。桜が咲いている。まぁ4月だしな。

だが、言葉は意識を集中しないと何を言ってるのかわからないし、読めない。

 

…?

なんで2人はペラペラ話せてるんだ?

 

プリム「父上、母上、日本語がわかるのですか?」

レオナルド「ああ…日本語はわからないよ、でもこれを貰ってね。」

レオナルドさんの指には普段ついていない細身の黒い石のついた指輪がついていた。

シルビア「この指輪が助けてくれるのよ、プリムの分もあるけど、必要かしら?」

プリム「…できれば欲しいです。」

そんな便利な道具あるなら言ってくれよ。

闇の代物とかじゃないだろうな。

マホウトコロで使えんぞ。

 

レオナルド「さて、ここがこれから暮らす日本の我が家だ。」

プリム「わぁ……」

相変わらずでかい。

レオナルドさんの趣味なんだろうか、無駄にでかい気がする。

でもこっちは、何というか。

 

シルビア「…日本って感じね。なんだか横に広いのね、日本の家って。」

プリム「うん、そうだね。ニンジャがいそう。」

レオナルド「あー…この家にはニンジャはいないよ、ごめんよプリム」

そうなのか…ちょっと残念だ。

 

床は板じゃない…畳というらしい。

変わってる。でもいい香りだ。

靴を脱いで部屋に入るのが日本の作法らしい。

変な感じだ。

 

全部が新鮮で面白味があった。異国ってこんな感じなのか。イギリスからアメリカに渡ったときには無い感覚だ。

自分の部屋に入ってトランクの荷物を整理した。

 

プリム「さて、そろそろ君には名前をつけないとな。というか名前はあるのか?」

じっと籠の中のオーグリーを見て、話しかける。

オーグリー「名前、名前…忘れた。」

あ…ちょっと抜けているやつらしかった。

プリム「じゃあ、君に名前をつけてもいいかい?」

オーグリー「うん、構わないよ。」

プリム「んんん…名付けた事ないからな…どうしようかなぁ」

本を読んでなにかないかとペラペラめくった。

プリム「てか、君って、雌?雄?」

オーグリー「見てわからないの?オスだよ、おバカ。」

プリム「…」

鳥のくせに生意気だ。

オーグリー「というか、プリムはずっと僕をオーグリーって呼んでたじゃないか。」

プリム「いや…それは名付けるのが難しくてな、君はオーグリーだから…オーグリーと。」

オーグリー「じゃあ僕はオーグリー?」

プリム「そうだけど、違うの!…もう!」

本を投げすて、畳に顔を伏せ、うーーんと唸った。

…あ。

パッと浮かんだ。

 

プリム「…ビーテ。私はウルバッハ、君はビーテでどうだい?」

ビーテ「いいんじゃない?僕はオーグリーがいいけどね。聞き慣れたし。」

プリム「それじゃあ、猫に猫って言ってるようなものだもの。ビーテ!ビーテよ!わかった?」

ビーテ「はいはい」

ビーテは雨が降るよ。と鳴いた。

 

____________

 

“マリア、クレア、ペネロピ、院長先生。

みなさんお元気ですか?

日本へやっと着きました。日本はアメリカと違うことが沢山あって、新しい文化を日々学んでいます。閉鎖的な国だと聞いていたけど、とても素敵な場所です。

まだ来たばかりだけど、イギリスが恋しいです。

 

プリム”

 

“親愛なるドラコ·マルフォイ殿

 

こちらは無事に日本へ渡りました。

日本はアメリカと違うことが沢山あるので、新しい文化に触れるのが楽しいです。

日本には桜という綺麗な花があります。

4月に着いたときに肩に落ちた桜の花びらを魔法をかけ押し花にしましたので、一緒に送りますね。

 

プリム”

 

しばらく経ったある日の早朝、窓にはフクロウがいた。…たぶんドラコかな。

 

“親愛なるプリム·クロウリー殿

日本へ着いたらすぐに手紙が来ると思ったのに、もう6月だ。君と同じ歳になった。フクロウは時間がかかる。そのくらい離れてしまったのだな。友が離れた場所にいるというのは少し寂しいものだ。なにか方法がないか父上に聞こうと思うよ。

そして、君が送ってくれた桜の花はとても綺麗だな。ありがとう。

 

ドラコ·マルフォイ”

 

時間ロスは確かにそうだ。何か方法はないか。どうせ学び舎に行くんだ、それも調べよう。

 

シルビア「プリム?孤児院の方々からお手紙よ?」

プリム「ありがとうございます。母上」

 

“プリムへ

家族写真ありがとう。

とても幸せそうでよかったわ。

クレアとペネロピがちょうど横で奪い合ってるところよ。

こちらも平和に過ごしているわ。クレアはたまに会いに来てくれるの。プリムがいつか来てくれるって言ってるわ。

私も寂しいけど、私達のことは二の次三の次に考えなさいね?

日本でも幸せにね。

 

マリア”

 

…人と別れることは寂しいものだ。イギリスへ行きたい。

_______

 

日本に来て1年が経って、私は7歳になった。

今日はマホウトコロへの入学の日だ。

 

マホウトコロへは、ウミツバメという鳥の背に乗って登下校をするらしい。

 

シルビア「とうとうマホウトコロに行くのね、娘の成長って早いわ。」

私のローブを着せてくれた。

 

プリム「でも下級生は寮じゃないから、帰ってくるよ?」

シルビア「わかってるけど…寂しいわ」

レオナルド「あれ?でも君…昨日魔法動物の特別講師になったって…」

シルビア「レオナルド!内緒にしてたのに!」

プリム「とっても近くで見守ってくれるんだね。安心安心。」

じーっと見つめて置いた。特に意味はない。特にね。

 

プリム「じゃあ、いってくるね。母上は学校で?」

シルビア「ふふ…そうね…」

2人を抱き締めた後、ウミツバメの背に乗った。

 

……あれがマホウトコロか。

なんか想像してたよりずっと綺麗だ。

白翡翠?とかが使われているせいか。

 

あ、ホグワーツの寮の組み分けみたいなやつってあるのかな。

あーワクワクしかないな。

 

と、沢山の期待を膨らませて、いつの間にやらマホウトコロに着いた。

ウミツバメって凄い。

 

???「ねぇ、君って外国の人?」

肩を叩かれた。

プリム「ええ、アメリカから来たばかりよ。」

???「わぁ、僕、外国の人って初めてだ。僕の名前は五領 恭史郎(ゴリョウ キョウシロウ」

プリム「私はプリム。プリム·クロウリー、プリムって呼んでね。」

恭史郎「アメリカから来たばかりってことは、マホウトコロのことあまり知らない?」

プリム「ええ、ほとんど知らないわ。」

恭史郎「えっとマホウトコロはね、4つの寮があるんだよ。青龍、白虎、朱雀、玄武。まぁこれは四神の名前なんだけど、それぞれ特徴があるんだよ。青龍は力を求めてる人が基本的に集まるかな、それと名家の人が多い気がする。白虎は青龍とは正反対の寮だよ。仲が悪いらしいけど、内情は知らないな。でも金色のローブの生徒が多いって。それから朱雀はね、白色のローブが1人も出たことないんだ。だから魔法使い生まれじゃない人も多いね。玄武は、知識を求めてる人が多いかな。頭がいいから成績が優秀だって聞くよ。」

なるほど、つまりは…

青龍はスリザリン。白虎はグリフィンドール。朱雀はハッフルパフ。玄武はレイブンクローか。

 

プリム「んー…じゃあわたしは、青龍か、白虎かな。たぶん。」

恭史郎「え!プリムって…名家の子?」

プリム「まぁ…家はね。でもここは日本だし関係ないかな」

恭史郎「へぇ…僕も家はそうなんだ。五領家は代々続いてる陰陽師の家で、僕はまぁ優秀じゃないから期待されてないけど。」

プリム「そうなんだ、でもせっかく友達になれたし、あなたと一緒がいいな。」

恭史郎「…っ、うん!そうだね!」

プリム「どうやって寮は分けられるの?」

恭史郎「あー、それはね、おみくじって知ってる?」

プリム「んーん、わからないわ。」

恭史郎「まぁいわゆる、くじ引きさ。紙を引いてそれを蝋燭の火であぶると、その人にあった寮が炙り出されるらしいよ。」

プリム「…なんかちょっとドキドキするね、それ。」

恭史郎「ああ…僕もちょっと不安なんだ。」

 

恭史郎にいろいろ聞いていると、どうやら組み分けが始まるらしい。

 

きよ「新入生のみなさん、こちらへ集まって。今日皆さんがマホウトコロの生徒としてご入学されたことを心より歓迎致します。私は、蜂谷きよ。この学校の教頭です。では、初めに組み分けを行います。青龍、白虎、朱雀、玄武。自分に適正のある寮が組み分けられます。…良い行いをすれば寮の得点となり、規則を破ったりすれば、減点されます。

学年末には最高得点の寮に優勝カップが渡されます。では名前を呼ばれたら前へ出て、くじを引いた後、蝋燭の火に紙をかざしてください。…安倍 龍」

 

恭史郎「いよいよ始まったね…」

プリム「うん…ねぇ…離れても友達でいてくれる?」

恭史郎「っ!それは…もちろんだよ!」

 

…クロウリー プリム

あ、なるほど…ファミリーネームが最初だもんね。五領より後だと思ってた。

 

プリム「……」

…恭史郎と同じ寮。同じ寮。

友達作りは苦手なんだよ。離れたくない。

 

紙を掴んだ手が震えて、思わず火がつくところだった。危ない危ない。

 

…青龍ですね。

 

プリム「……喜んでいいのかわからんな。」

とりあえず青龍の寮のところに座った。

 

…五領 恭史郎

…どの寮だろうか。

 

恭史郎の名前が呼ばれて、なんだか不安になったから、なるべく見ないことにした。

 

「プリム…プリム…」

肩を叩かれる。

隣を振り向くと、恭史郎がいた。

恭史郎「プリム、僕プリムと同じ寮がいいってくじを引いたら青龍だったよ!一緒にいられるね!」

プリム「うん!ふふ、改めてよろしくね?」

心底ほっとした。

のも束の間だった。

 

???「やだ、同じ寮に外人がいるわ。青龍って混血も入れる寮だったかしら。」

???「隣にいるのは、五領の端くれだな。優秀な青龍の寮には入ってきてほしくなかったね。」

…外人って…まぁ外人だけどさ!

わざと耳に入るように言ってるのがムカつくな。構ってちゃんか。

 

プリム「名前も名乗らずに他人のことを話すなんて、礼儀って知らないの?あの2人」

恭史郎「プリム!…っ、あの2人凄い家の子達だ。何も言わない方がいいよ。」

プリム「…名家ってことね、知ってるの?」

恭史郎「知ってるもなにも…女の子の方は賀茂 明星(かもの めいせい)。男の子の方は…安倍 龍(あべの りゅう)。2人とも平安時代に絶大な力を奮ってた陰陽師の末裔だよ。」

僕の家なんか…比べものにもならない。なんて青ざめてるから、ちょっとかわいそうだと思って、今は何も言い返さなかった。今はね。

 

六堂「あー、青龍寮に組み分けされた新入生の諸君、ようこそ偉大なる青龍へ。僕は青龍寮の監督を努めている六堂 要(ろくどう かなめ)わからないことがあったら僕に聞くといい。暇でなければ話を聞くよ。さて、ついて来て。新入生はウミツバメでしばらく登下校をするが、青龍寮の広間で談笑したり勉学に励むこともできる。…因みにそこの階段を登って右は男子寮、左は女子寮だ。上級生がいる、皆面倒見がいいから気軽に頼るといい。…さて、今日の新入生の授業は変化術学だね。まぁ…楽しい授業だ。さ、準備して遅刻しては駄目だよ。」

_________

 

……あー。

日本の校長の話ってすこぶる長い。

途中寝そうだった。

てかほとんどどうでもいいことだったし!

 

…そういえばシルビアさんの紹介は美人だからか、ざわざわしてたな。

 

恭史郎「校長先生、話長かったよね。アメリカとは違う?それとも同じ?」

プリム「んー、わからないわ。アメリカは11歳から入学するの。でも長いから寝そうだった。」

寮のソファーに座って、恭史郎と校長先生の愚痴を話した。青龍の寮は和モダン?ってやつだ。洋式の部屋と似てるから居心地がいい。

 

???「ちょっとそこ退いてくださる?本を読みたいの。」

プリム「え、他の所で読めば?座るところならほら…沢山あるし」

プリム!と脇腹を恭史郎に突かれる。なんだよ痛いじゃないか。

……あ、こいつ!

プリム「君の名前、賀茂明星だろ?私はプリム。プリム·クロウリー。さっき私のこと外人やら混血やらって差別してたけど、他人の悪口言う前に名乗るべきじゃない?」

ああ…終わったぁ…と恭史郎が頭を抱えた。

明星「あら、失礼?私に礼儀知らずって言いたいの?」

プリム「申し訳ないけど、私からしたら礼儀知らずにみえるね。」

明星「礼儀作法はちゃんと学んでるわ。それにあなたには本当のことを言っただけじゃない。外人さん。」

プリム「…確かに私は外国から来たけど、それは差別用語だ。品がないね。高貴な方が品のない言葉を使うのはよろしくないんじゃないの。」

明星「…あとで痛い目みるわよ。プリム·クロウリー。」

明星は睨みつけて奥の席に消えた。

 

恭史郎「僕…プリムと一緒にいるには、心臓2つ必要かも。」

プリム「男の子でしょ?言う時には言わないと駄目よ。女々しいな。」

恭史郎「でも言う前にプリムが言ってるからね。僕はプリムを制御する方にまわるよ。」

プリム「いい?友達を守りたいから言うのよ?自分も強くなりなさい。お馬鹿。」

 

…てか変化術学ってなんだ

________

 

八岐「八岐大吾(やまと だいご)だ、変化術学で講師を務める!さて、変化術とは、どんなものかわかるか?陰陽術ができる家柄の育ちのものはわかるだろう…賀茂!軽く説明できるか?」

賀茂「敵の目を欺く為に使う術です。忍者が昔は使っていたとされています。使用者は実際に大きさや形を変えることができ、動物や無機物に変化することができます。イメージがうまくできないと失敗します。」

…うわ、ドヤ顔された。

でも変身術と似てるんだな。

 

八岐「うむ、その通りだ。青龍に10点。さて、その変化術を今日は行うがこの授業で杖は使用しない。杖を使うのを楽しみにしていたのなら残念だったな。変化術はイメージ力と印を結ぶ、そしてイメージしたものを術名の後に呼ぶ。これだけだ。基本中の基本だからな、簡単だろ?」

んー…魔法っていろいろあるのな。

 

八岐「さて、印を結ぶということを知らないやつもいるだろう。印を結ぶとは…仏、菩薩等の悟りの内容を真言行者が観念する時、その表徴として、手指をいろいろの形に組む。 それが印を結ぶということだ。…まぁ実際に見た方が早いだろう。」

八岐先生は指を素早く組み、変化の術…大蛇!と叫ぶ…

 

次の瞬間…先生がいた場所には大きな蛇がいた…

 

八岐「どうだ!初めて見たものは驚いただろう!」

しばらくして先生は元に戻る。

…凄い…アニメーガスみたいだ。

 

八岐「じゃあ、ほれ。隣同士組みになって変化術の練習をはじめなさい」

 

恭史郎「プリムは変化術を見たことある?」

プリム「ないよ、似たようなことは知ってるけど、たぶんできないね。難しいから。」

恭史郎「僕はしたことあるんだけど、あんまりうまくいかないんだ。…じゃあ僕が最初にやるね。」

五領が印を結んで、変化の術…犬!と叫ぶと…犬?恭史郎?え?

プリム「あー…恭史郎…犬だけどさ。その…」

賀茂「あら、犬人間ね。その姿。」

安倍「イメージ力が足らないのだろう。出来損ない。」

プリム「ちょっと!」

恭史郎「プリム!大丈夫だから。僕言っただろう?うまくいかないって。」

プリム「じゃあうまくいかない原因を考えなきゃ。…どうイメージしたの?」

恭史郎「えっと…もふもふってして、家で飼ってる柴犬をイメージしたんだけど…たぶん散歩してること考えたから、それかな?」

プリム「じゃあ、柴犬だけのイメージを具体的にするのよ。印はちゃんと結んでたからたぶん問題はそこね。」

うん…わかった。とまた恭史郎が変化した。

 

恭史郎「どうかな?うまくいった?」

尻尾を追うようにクルクルまわる犬がいる。

プリム「わ!恭史郎あなた犬だわ!成功ね!」

恭史郎は元に戻って、プリムのおかげだよ、ありがとうと抱き締められた。

プリム「じゃあ…次はわたしね。初めてだから失敗しても笑わないでね?」

恭史郎「ふふ、僕が笑う資格ないよ。大丈夫、どんな姿でも笑わない。」

…イメージ…イメージ…

犬は恭史郎が既にやったからつまらない。

なにかイメージしやすいのはないか…

…あ、ビーテならいつも見てるからうまくいくかな。

プリム「…変化の術…オーグリー!」

…身体が変な感じがする。

プリム「…どう?」

恭史郎「わぁ…すごいや…たぶん成功してるんじゃないかな?目の色は君の色だけど」

プリム「ほんと?よかったー。」

変化をとく。

恭史郎「なんのイメージしたの?妖怪?」

プリム「妖怪?なにそれ?私がイメージしたのはオーグリーよ。アイルランドの不死鳥。知らない?」

恭史郎「し、知らないよ!僕日本のことしか!…あ、でもクィディッチのことなら知ってるよ、日本も強くて有名なの知ってる?」

プリム「んー…私クィディッチはあまり知らないな。」

そうなんだ…とちょっと残念そうにしてしまった。ごめんよ、恭史郎。

________

 

 

変化術はわりと面白かった。知らないことだったしな。

…そうだ。予習復習しなきゃな。

 

プリム「明日ってなんの授業だっけ?」

恭史郎「えっとね…魔法動物飼育学、式神学、飛行訓練かな。」

式神は知らない…知識があるのは飛行訓練と魔法動物だけだな。

プリム「今から勉強するよ恭史郎」

恭史郎「ええ…僕ちょっと疲れたのに…ほぼプリムのせいで!」

プリム「…なんのことかさっぱりだな。」

 

_________

 

よし、ちゃんと準備したから、これで明日の授業はとりあえず大丈夫かな。疲れた…安眠できそう…。

 

プリム「ただいま帰りました!母上、父上…友達ができました!」

シルビア、レオナルド「なに!/ なんですって!」

 




五領 恭史郎(ごりょう きょうしろう)
マホウトコロの青龍寮生。プリムがマホウトコロで最も心を許している存在。表情が表にでないプリムの駄目なところをすぐに見つける、勘が鋭い。
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