プリム「…あ、手紙送る方法調べるの忘れてた…」
恭史郎「え?手紙?」
プリム「あぁ…遠くに友達がいてね、不便なんだよ。時間がかかって。」
恭史郎「へぇ、何で送ってるの?まさかカラス?」
プリム「カラス?いや、フクロウだよ。」
恭史郎「フクロウを使って、日本からどこまで?」
プリム「あー…イギリスまで」
恭史郎「…プリムってたまにお馬鹿だよね。」
んー、否定はできない。
恭史郎「たしか遠方に送る方法はあったと思うよ。僕もいまいちわからないから、授業の後に図書室へ行こう。」
…えっと最初の授業は…魔法動物飼育学…
…シルビアさんか、緊張するな。
__________
シルビア「ええ…おはようございます皆さん。私はシルビア·クロウリー。魔法動物飼育学で特別講師を務めます。」
恭史郎「ねぇ…シルビアさんって、プリムのお母さん?」
プリム「ええ、そうよ。どうして?」
恭史郎「なんか似てるなぁって、あと名前も一緒だしね。…人気だよねシルビアさん。美人だから。」
プリム「へぇ…確かに母上は美人かもね。自慢の母上よ。」
シルビア「さてと、今日はニフラーについて学ぼうと思うわ。皆さんはニフラーについてご存知かしら?…知ってる方は?」
…イギリスの魔法動物だからか、みんな知らないみたいだ。
シルビア「プリム?わからない?」
プリム「あ…えっと。まず、ニフラーはイギリスの魔法動物で、無害な動物です。ニフラーは輝くものが好きで宝物を探したりするのにもってこいですが、室内を荒らすので放し飼いには向いていません。」
シルビア「ええ、正解よ。青龍に10点あげるわ。プリムが言った通り、ニフラーは温厚で無害な生き物ですが、光り物を探して家を荒らすこともあります。…」
…そう言って大量のコインが入った箱を出す。本物か?だとしたら凄いな。
シルビア「そしてこの子がそのニフラー。」
籠に入った2匹のニフラーだ。鼻をひくひくさせている。ふわふわで、かわいい。
「…かわいい」
みんなも同じことを思ったみたいだ。
シルビアさんが…籠をあける。え、大丈夫か?
瞬間…ニフラーが一目散に光り物に向かっていく。1匹は目の前のコインに。
賀茂「え…ちょ、」
だがもう1匹は明星のキラキラとした腕輪が気に入ったようだ。腹の袋に入れている。
シルビア「あら、駄目よ。もう…」
シルビアさんがニフラーを捕まえて袋から腕輪をだす。このニフラーはなかなかの悪戯っ子だ。
シルビア「ごめんなさいね?はいどうぞ。今は隠しておいた方がいいわ。…皆さんも光るものはしまってね。」
賀茂「…先に言いなさいよ」
…
シルビア「さて、ニフラーの腹の袋には見た目以上に物が入ります。検知不可能拡大呪文に似てるわね。…こんなふうに。」
コインを沢山詰めて満足そうな二フラーの腹をくすぐると、ジャラジャラと大量のコインが出てきた。それはもう大量に。
シルビア「だからまぁ…かわいいニフラーを飼いたいときは、大事なものは厳重に隠すか。荒らされてもいい部屋を用意した方がいいわね。…さ、皆さんもっと近くで見ていいわよ。」
シルビアさんの授業は面白かった。
かわいいニフラーとも触れ合うことができたし。
シルビア「プリム!授業はどうだった?」
プリム「面白かったよ!、でも魔法動物飼育学って新入生に教えていい科目なの?」
シルビア「あー、それね、危険がなければ優秀な生徒しかいないから構わないって。そんなことを言われたわ。はっきり許可するって言ってないところが日本らしいわよね。」
…まぁ、楽しいし、シルビアさんが近くにいるのは有難い。
恭史郎「プリム!…休み時間、何をするかわかってるね?」
プリム「え?なに。悪巧み?いいよ、大賛成。」
恭史郎「違うよ!手紙!まさか君が言ったのに忘れたの?」
プリム「…そのまさかかなぁ」
_______
図書室はいろんな人がいる。割と人気な場所みたいだ。だいぶ資料が豊富だ。…これから自分の記憶にどれだけ入るかな。
プリム「本もあるし、なんか細長いのもあるね。これはなに?」
恭史郎「これは巻物だね。古い歴史とかはこれに書かれてることが多いかな。」
プリム「ふーん。…おお」
ちょっと開くと1枚の紙だ。長い。
恭史郎「あー…それ戻すのめんどくさいんだよ。プリムの探してるやつはたぶんそっちの棚だ。」
私の開いた巻物を戻してくれてる。ごめんよ。こういうとこはポンコツなんだ。
プリム「恭史郎って優しいよね。日本人はみんなそんなに親切なの?」
恭史郎「んーまぁ、人によるかな。まぁ、僕は友達には優しいんだ。」
プリム「へぇ…それは私と同じかもね。身内には優しくしたい。」
…お、みっけ。この本だ。
プリム「ねぇこれだよね。」
“遠方連絡手段”
恭史郎「たぶんこれだね。」
プリム「……」
恭史郎「……」
行き詰まっている。遠方への連絡には20歳以上の高度な魔力が必要なものばかりだった。
…つまり子供は親に頼めと。無理。
プリム「ええい!考えていても仕方ない!やってみるしかないだろ!」
恭史郎「え!待って20歳以上ってことは、危険も伴うってことだよ?駄目だよ、むやみやたらに使うのは!」
プリム「……正論突きつけるなよ」
…んー、1番危険が少なく確実なのは…式神。
プリム「次の授業ってさ、式神学?」
恭史郎「あ、うん。そうだよ。…まさか…式神にするの?」
プリム「そのまさか。」
_________
神寺「こんにちは新入生の皆さん。私は神寺たまお(かみじ たまお)式神学の講師です。式神は使い方次第では危険を伴うもの。決してふざけた行為はしないこと。ですが、うまく使えれば、自分の力を引き出し強く偉大な魔法使いになれるでしょう。」
…机の上には紙がある。
何をするのだろうか、楽しみだ。
神寺「式神については、安倍くんがよくご存知でしょう。説明できますね?」
安倍「はい。式神または式鬼は、陰陽師が使う鬼のことです。陰陽師、魔法使いの目には見えますが、魔法を使えないものには見えません。式神は和紙札におさめられ、必要な時に呼び出せます。」
神寺「はい、その通りです。青龍に10点。」
…ふーん、性質は魔法動物みたいだな。
神寺「和紙札、式札から現れる式神はさまざまな形に変化します。異形のものや鳥獣などに変身し、術者の指示に従います。術者と式神は密接な関係にあり、古来より災いや呪いに使ったり、雑用に使われてきました。または身代わりにも。ただし身代わりには術者の魔力と生命力が糧になり闇の魔術として扱われていますので、優秀な方は絶対に使わないでしょう。」
…なるほど、ものによっては危険で死ぬこともあるってことか。
神寺「では新入生のみなさんには、危険のない式神術を学んでいただきます。杖を札にあて詠唱します。”我に従い、我に仕えよ”」
先生が杖をあてた札には字のような何かが浮き出た。
…先生が札を手にし息を吹きかけると、白い狐のようなものが現れた。
神寺「生徒に危険がないよう見ていて。」
すると監視するようにくるくると上空を舞う。
…ほぅ、これは研究しがいがあるな。実に興味深い魔法だ。
神寺「これは思業式神という思念で生み出される式神です。術者の指示通りに使役します。さぁ、みなさんも同じように。式札は、机の上の和紙を使ってください。」
…杖。
私の杖は、日本に来てから買ったものだ。
まだこれといって特別なことには、使ったことがない。
基本的な魔法は問題なくつかえた。
長さは25センチくらい、金木犀の木でできている。芯は天狗の羽だ。まぁ、本当に、特にこれと言って特別なことはない。
プリム「…我に従い、我に仕えよ」
ぐわんっと浮かぶ文字。読めないから記号かもしれない。その辺はわからない。
…ふぅっと息を吹きかける。
恭史郎「…プリム…それ…」
思ったよりでかいなにか。
カバ?サイズは犬くらいだ。眠そうな目をしてる。
神寺「…クロウリーさん…あなた、夢喰いを呼んだの?…驚いたわ。自分の使役神にしたのね?とても高度な技術なのに。」
…はて?なんのことだ。言われた通りにやっただけなのに。
神寺「…あなた何をやったかわからない様子ね。それは夢喰い獏…恐らく魔力を多く与えすぎたことで喰いついてきたのでしょう。…悪夢を食べてくれる妖怪です。」
プリム「あの…使役神ってなんですか。思業式神じゃ…」
神寺「…使役神とは、思業式神とは違い、意思を持ち自分に忠実に仕えてくれる式神。…ですが力が弱くなれば逆に襲われることもあります。」
…とんでもないな。
神尾「その式札は大事になさい。」
プリム「は、はい。」
恭史郎「プリム…凄いね…使役神を仕えさすせるなんて」
プリム「…え、危険になっただけじゃ?」
恭史郎「陰陽師にとっては名誉なことだよ。それに使役神っていろいろ使えるんだ。」
プリム「ほぅ…でも陰陽師になりたいわけじゃないしな。」
_________
休み時間、恭史郎とまた図書室に来ていた。
使役神…使役神…
…あった
恭史郎「ああ…その本、僕達にはまだ難しいと思うよ。」
プリム「まぁ…知識だけ。知識だけでもね。」
悪業罰示式神。…過去に悪業を行った霊、妖怪の類いを術者の力で封じ、自分の使役神とした式神。陰陽師として突出した能力を持っていた安倍晴明は、幾人もの次元が高い霊を術でねじ伏せ、たくさんの悪業罰示式神を使役していた。
プリム「…私って、式神術の授業でとんでもないことした?」
恭史郎「はい。ご理解いただけたようですね、プリム嬢。」
プリム「…もしかして、もしかしたらだけど、ヤバい奴みたいな扱いされる?」
恭史郎「まぁ。僕はしないけど、賀茂あたりは噛み付いてきそうだよね。」
…っーーー、もっとコントロールしなきゃ。鍛錬だ!鍛錬!
恭史郎「ところでプリム。また手紙のことほったらかしだね。」
プリム「……あ。」
恭史郎「僕がいないとプリムってダメダメな気がするんだけど、気のせい?」
プリム「……頼りになる友達がいて幸せだよ。」
はぁ…と溜息をつかれた。なんてこったい。
恭史郎「まぁ、夢喰いが出たし、たぶん手紙を送るくらいなら大丈夫だと思うよ。…でも魔力の込めすぎは注意だね。何が出てくるかたまったもんじゃない。」
プリム「わ、わかってるよ…」
…てか、手紙まだ書いてないや。
手紙を書き始めると、隣から恭史郎がまだ書いてなかったの!と母のような怒り方をしている。
“親愛なるドラコ·マルフォイ殿
手紙を書くのが遅くなってしまい、ごめんなさい。実は今マホウトコロで魔法を学んでいます。今は、休み時間で、次の時間は飛行訓練があるの。ドラコが乗せてくれたこと覚えている?それからまた厳しくなって、乗れてなかったから、たぶんうまく乗れないと思うわ。でもまたドラコが後ろに乗せてくれるって約束したでしょ?楽しみにしてるわね。
それから、遠方への連絡手段を見つけたから、この手紙でそれを試してみるわね。うまくいったらいいのだけれど。
プリム”
恭史郎「どぅ…ら…なんて読むんだ?」
プリム「ドラコ。ドラコ·マルフォイって子よ。イギリスにいるの。」
恭史郎「ドラコ?女の子?」
プリム「男の子よ、同い年の。」
恭史郎「ふーん。」
つまらないといった表情をしている。
子供らしくてかわいいものだ。
プリム「よし…えっと…式札に通行料として、術者の血を垂らす。…あとはさっきと同じね。…確かイメージするんだよね?」
恭史郎「そそ、鳥とかがいいだろうね。」
プリム「…我に従い、我に仕えよ」
血を垂らした札に杖をあて詠唱する。
…ふぅっと息を吹きかける。
白いカラスだ。
プリム「できた!できたよ恭史郎!」
思わず恭史郎に抱きつく。
恭史郎「うん。でもまだだ、ちゃんと指示をあげないと。」
プリム「ああ…そっか…」
咳払いをした。
プリム「えっと…これをドラコ·マルフォイに届けて。もし、ドラコも手紙を書いてたら私に届けて。」
カァ!!
開いた窓から飛び立った。
プリム「うまくいったかな…」
恭史郎「さぁ、でもこれ通行料に血を垂らすなんてね!そりゃ、新入生の僕達にはできないわけだ!いや、プリムはやったけど。」
________
…さて、今は飛行訓練の時間だ。
1番と言っていい。苦手だ。
まず体力に自信がない。ギフトでそんなのついてないしな。これは、実力勝負ってことだ。
鳩谷「こんにちはみなさん。僕は鳩谷久次(はとや きゅうじ)知ってる人は知ってるかもしれないね。クィディッチ日本チームのシーカーをしている。今日は特別講師で呼ばれてね。普段は、羅蝶先生が担当しているよ。」
恭史郎「凄い…鳩谷さんだ。」
プリム「有名人?」
恭史郎「クィディッチの選手だよ、それもシーカーだ。有名も有名さ。ワールドカップにも出てるんだよ。」
熱く語られてるが、なるほど。著名人ってやつね。
鳩谷「新入生のみんなは知らないかもしれないけど、マホウトコロはクィディッチの強豪校だ。そしてもちろん、ワールドカップに出るほどの力が日本にはある。つまり怠けなければ、君達もいつかクィディッチの選手になれるかもね。今日はその第一歩だ。魔法使いたるもの、箒に乗れなきゃね。」
…さて、箒は初心者もいいところだ。どんなふうになるかね。
鳩谷「まず、箒の横に立って。箒の上に手かざす。そして上がれと言うんだ。すると手に箒が上がってくる筈だよ。…さぁ、やってみて!」
恭史郎「上がれ!…おお、みてプリム!」
恭史郎の箒はすぐに手に収まったらしい。
もしかして…才能ある人か?
プリム「上がれ!…上がれ。…上がれー。」
案の定だな。箒は苦手だ。
プリム「上がれって…ッゔ」
顔面目掛けて上がることないだろ。
これじゃあ、ロンみたいだ。
鳩谷「さて、みんな手に箒を持ったみたいだね。次は、箒に跨がって、地面を蹴る。そうすれば飛べる筈だからね。危険があれば僕が助けるから、じゃあまずは、1番前の列の5人。笛をふいたらやってみて。」
鳩谷先生は、ピーッと笛を吹いた。
順々に飛んで、危ない生徒がいたら鳩谷先生が指導をしている。
私と恭史郎の列になった。
先生がまた笛を吹いた。
プリム「…あれぇ。」
地面を蹴ってるのに飛ばないぞ。
プリム「…いらいらしてきた。」
みんな飛んでるのに、私だけ置いてけぼりだ。
プリム「っ、このおんぼろめ。」
思わず箒を蹴った。
鳩谷「…っクロウリーさん!」
ビュンッ!
風がうるさい。
プリム「っ…速すぎだ!」
恭史郎「プリム!」
隣に並列して飛んでいる。恭史郎。
え…恭史郎?
恭史郎「捕まって!僕の後ろに乗って!」
プリム「…っ!」
恭史郎の手に捕まり、後ろに乗った。
箒はよっぽど帰りたかったのか、箒置き場に戻っていった。
プリム「ありがとう、恭史郎…」
恭史郎「無茶しすぎだよ、プリム」
いや、したくてしたんじゃ…
鳩谷「クロウリーさん、箒を蹴ったら危険ってことは、身をもってわかったね?それと恭史郎くん、君は箒の才能があるみたいだ、あれほどの加速は新入生にしてはなかなかだよ。」
恭史郎「あ、ありがとうございます。」
プリム「よかったね、褒められて。」
やっぱり箒は苦手だ。魔力でどうにかならんしな。これは。クィディッチもたぶんセンスってやつだ。
________
プリム「恭史郎、箒に乗るの上手だね」
恭史郎「え…あ、そうかな。ふふ、ありがとう。」
プリム「うん、私の中で2番目に上手いよ」
恭史郎「え、1番は?」
プリム「んー、ハリーもうまいけど、ドラコかな。私の中ではね。」
恭史郎「…僕、ドラコってやつに会ったことないけど、嫌いになりそう。」
プリム「え?なんで?いい子だよ?」
恭史郎「…みててプリム、僕は箒で、そのドラコってやつより上手くなるよ。」
プリム「あー…うん?」
恭史郎の闘争心に火をつけたみたいだ。
いつものようにウミツバメに乗って帰宅する。
プリム「ただいま帰りました。」
レオナルド「おかえりプリム」
シルビア「ただいま。」
レオナルド「おかえりシルビア。」
プリム「あ、母上もこの時間でご帰宅なんですね。」
シルビア「そうよ?特別講師だもの。ずっといるわけじゃないわ。」
プリム「あ、そっか」
シルビア「それよりプリム、あなた式神術でとんでもないことしたって聞いたわよ?」
レオナルド「なに!悪いことか!駄目だぞプリム!」
シルビア「違うわよ、レオ。優秀だって褒められたわ。」
プリム「あー…それは…なんというか…コントロール不足みたいな」
シルビア「え?どういうこと?」
レオナルド「…てか式神術って?」
シルビア「日本の授業は陰陽術に長けてるのよ。式神術も陰陽術のひとつらしいわ。」
レオナルド「ほぅ…興味深いな。どんなことを学んできたんだ?僕にも教えてくれプリム」
プリム「あー…まぁ、」
かくかくしかじかでして…と大雑把に伝えた。
レオナルド「なるほど…やはり閉鎖的な国には、高度な魔法があるみたいだな。面白い。」
プリム「それでまぁ、式神術ではちょっと魔力のコントロールを誤りまして、使役神っていうのを出してしまったんですよ。…こうやって」
札に杖をあて詠唱する。”我に従い、我に仕えよ”
…息を吹きかける。
…夢喰いがでた。
はな?をひくひくさせている。
レオナルド「…魔法動物?」
シルビア「…見たことない生き物だわ」
プリム「夢喰い獏っていう妖怪です。」
獏「2度も呼び出しおって、夢も喰えんようじゃし、わしは見せ物じゃないぞ!」
プリム「しゃ、喋った!」
レオナルド「会話するのか!」
シルビア「とても奇妙だわ!面白いわね!」
獏「わしは妖怪じゃ、会話できないでどうする!そんなことも知らないのか、未熟者め!」
プリム「…だって最初は話さなかったじゃない」
獏「あの時は寝るところだったんじゃ!」
プリム「…」
レオナルド「あー、君はプリムの使役神だよね?上下関係はないの?」
獏「ないな、そこのプリムとやらの魔力が旨そうで喰ってしまってな、その力はもちろんプリムが上じゃから、使役神になったわけじゃ。それがなんじゃ、こんなちっこい娘じゃないか!…小娘の使役神なんぞになったとバレたら他の妖怪に馬鹿にされる!」
シルビア「あー、契約はしたけど。プライドが許さないってやつね。」
プリム「じゃあ私、強くなる。獏が馬鹿にされないように強くなったら、そしたら許してくれる?」
獏「…さぁな、しらん。強くなればだな。強くなれば使役神として仕えよう。」
プリム「あと、あなたのことについて少し教えて?」
獏「…わしは、夢喰い。人間の悪夢を喰う妖怪だ。良い夢を喰って悪夢を見させたこともある。だがなんせ良い夢は味が薄くての、わしは好みじゃない。」
プリム「美食家なんだね。」
獏「そうかもしれんの。味にはうるさい。…で悪夢は食べさせてくれるのかの?」
プリム「私は…夢見ないのよね。」
レオナルド「あ、僕は最近うなされるんだよ、夢喰いさんがよければだけど、僕の悪夢を食べてくれる?」
獏「…まぁ、よかろう。では、夢の中での。」
スゥッと獏が消えてく。札はないから、どこかへ行ったのだろう。
シルビア「とっても興味深いわね、妖怪に、式神…面白いわ!」
シルビアさんの目が爛々と輝いてる。
レオナルド「また、学んだことは教えてくれプリム!凄く興味深いよ!」
レオナルドさんもだ。
もしかして、この2人には日本って毒なんじゃ。いや、考えなかったことにしよう。
さて、明日の授業も頑張らないとな。
自分の部屋へ入ると、ビーテが待っていた。
籠が小さくなったように思える。
ビーテ「おかえりプリム、窓に白い鳥が来ていたよ。そいつね、なんかプリムと似た匂いがする。」
プリム「あ、私の式神だわ。たぶん。」
窓を開けた。
カァ!!
白いカラスは手紙を渡すと、式札に戻った。
プリム「やった!成功したのね!ドラコからの手紙だわ!」
“親愛なるプリム·クロウリー殿
マホウトコロに通ってるって本当かい?
僕は、ホグワーツかダームストラングに通うと思う。でもどっちも11歳からの入学だから待ち遠しいよ。マホウトコロは7歳からの入学だからいろいろ学ぶことも多いだろう。異国で学ぶことは大変だと思うが、応援している。飛行訓練はどうだった?うまく乗れなかったら、僕が教えてあげよう。昔より上達した姿を見せたい。
ちゃんと手紙届いたぞ、ただ白だと目立つ。
ドラコ”
ドラコが箒を教えてくれるって?なんて優しいんだ。毒がないな。ドラコらしくない。ハリーにだけなのか?
まぁ…考えるのはやめよう。
…白は目立つか、確かにな。いいことを教えてもらった。
ビーテ「プリムがにやけてる。」
プリム「え、にやけてたか?…なんでかな」
ビーテ「いいことが書いてあった?」
プリム「いいこと…まぁ、いいことかな。」
“親愛なるドラコ·マルフォイ殿
ドラコはホグワーツがいいと思う。ダームストラングってちょっとドラコらしくない気がするの。まぁ、ドラコが決めることだけど。
学業の方は、ぼちぼちついていけてるわ。式神術では優秀だって褒められたの。
飛行訓練は、たぶんあなたの想像通りね。散々だったわ。ドラコが教えてくれたら上達するかしら。でも、あなたの後ろに乗る方が楽しいような気もするわ。
プリム”
さて…えっと黒ね黒いイメージ…血を垂らす。杖をあてる。詠唱。”我に従い、我に仕えよ”
カァ!!
お、黒い…よし。
プリム「ドラコ·マルフォイに手紙を届けて。ドラコから返事を受け取ったら私の元に届けて。」
カァ!!
窓を開けて飛び立ったのを見送る。
んー…あの手紙、最後の文いらなかったかな。…まぁ、いっか。