プリムローズが咲いた日   作:かぼちゃの馬車

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マホウトコロの話 3

 

________1988年12月25日

マホウトコロに入学してから1年ちょっとが経った。私は8歳になり、桃色だったローブは2年生になり青っぽくなった。

 

マホウトコロの魔術は古くからの教えを大事にしている。半分は陰陽術に関すること、これはお国柄だろう。

 

在学している生徒の大半は陰陽師の血筋のものだ。将来的にも家業を継ぐか、優秀な人は日本国魔法省などに就くらしい。まぁ、だいたいだが。他は研究者やいろいろ。

 

ホグワーツとは違うことが学べる、それが面白い。自分はギフトで絶対記憶力があるから、知らない知識もスポンジのように吸収している。

…そういえば、友達は1人増えた。

 

賀茂「プリム、次の授業は結界術学よ?復習はした?あなたの勉強してる姿ってあまり見たことがないのだけど、大丈夫なの?」

 

賀茂 明星。そう…こいつの第一印象は最悪だった。未だになぜ仲良くなったかはっきりと理由はわからん。賀茂が言うには、「わたし気づいたの。プリムあなたと敵対しても寮は一緒だから自分になんも利益がないって。だから私達仲直りしましょう?…もう差別なんてしないわ。」ちょっとこれには驚いた。凄く。

 

賀茂「プリム?聞いてる?」

プリム「ああ、ちょっと考えごとをしてた」

賀茂「結界術のこと?」

プリム「え?違うよ?明星のこと」

賀茂「…悪口でしょ、きっと」

プリム「まさか、お母さんみたいだなんて考えてないよ。」

賀茂「あら?お母さんになったつもりないわよ?」

恭史郎「ちょっと、2人だけでなんの話?」

賀茂と教室へ向かっていると、恭史郎が後ろから合流する。

 

プリム「ガールズトークだよ。私にはお母さんが3人いるってね。」

恭史郎「それのどこがガールズトーク?」

プリム「男の子にはわからないからガールズトークなんだよ、恭史郎」

…そういえば今日

プリム「ところで2人ともメリークリスマス」

きょとんとした2人の視線

賀茂/恭史郎「メリークリスマス、プリム」

 

___________

鶴橋つきお先生の教える結界術学は、とても興味深い結界術を教えてくれる。

防護壁とも似ているがちょっと違う。

 

鶴橋「さて、今日の授業は魔法陣型結界について教えるよ。魔法陣型結界とは、文字通り魔法陣を書いた場所に結界を張れる。普通の結界と何が違うか。わかる人はいるかな?」

 

プリム「通常、結界は妖怪、悪霊の類を封じ込めるために瞬時に出現し、また解を唱えれば瞬時に解かれます。強度は術者の魔力に応じます。対して魔法陣型結界は、術者によって魔法陣が消されない限り絶対に破られない結界で、古来では罠として使われ、今は歴史的建造物を守る為に多く使われています。ですが、魔法陣を書く際は魔力を消費する為大きなものには数人掛かりになる危険のある魔法です。」

 

鶴橋「そう、その通り。よく勉強しているね。青龍に10点。」

なんだ勉強してたのね?と賀茂に脇腹を突かれた。チート使ったんだよ、なんて言えない。

 

鶴橋「今日は小さな魔法陣型結界をみんなに今から作ってもらうよ。机の上には和紙があるかい?」

折り紙くらいのサイズの和紙がある。

鶴橋「よし、ではその和紙にはこうやって…魔法陣を正確に書いてね。」

先生は筆で魔法陣を書いていく。私の筆の扱いはまだよくない。特訓中だ。

 

鶴橋「そしたら、僕が用意した式神をとじここめるよ。この式神には中で暴れるように指示してるから、柔い結界は壊されるから注意してね。」

そう言って先生は、スライムのような式神を出した、式神は魔法陣の中心に移動すると結界が張られた。…瞬間暴れ始める。先生の結界は破られない。

鶴橋「うまくいけば、こうなる。では、みんな実際にやってみよう。」

プリム「先生、これは紙を破れば結界が解かれますよね?…大きな結界、建造物などの結界はどう解くのですか?」

鶴橋「いい質問だね。」

先生は紙を破る。すると結界が解かれ、中にいた式神は式札に戻る。

 

鶴橋「大きな結界、建造物などの結界を解くには、自分の血を結界にかけるんだ。すると結界は解かれる。血には大きな魔力がある。それは呪いを弾いたり、逆に呪いをかけたり。血を使う魔法や儀式はとても強力だが、それと共に危険だ。…みんなもそれを頭の隅に置いておくといいよ。」 

先生は笑顔で言うが、さらりと凄いことを言ってる。

 

 

 

恭史郎「僕、鶴橋先生苦手だなぁ」

賀茂「え?どうして?優しいじゃない」

プリム「私も苦手」

恭史郎「笑顔が不気味」

賀茂「そんなことないわ。素敵な笑顔よ。」

プリム「明星って面食いだよね。安倍龍も好きだっただろ。」

賀茂「なんのことよ!龍のことは関係ないじゃない!」

プリム「龍って呼んでるのね…」

恭史郎「えぇ…安倍が好みかよ。明星。」

賀茂「違うわよ!」

次の授業遅れるわよ!と早足になる賀茂。心なしか、後ろから覗く耳は赤く見えた。

からかいすぎたかな。

 

_________

 

魔法薬学の授業は日本にもある。

 

スネイプ先生とは違う雰囲気の先生。神宮寺七先生。先生はなんというか、色香のある先生だ。ホグワーツにはいないタイプ。

 

神宮寺「2年生のみなさん、こんにちは。魔法薬学の授業は今年からですね。さて、私の授業では、杖は必要ありません。しまっていただいて結構ですよ。」

机の上には大鍋やら薬瓶やらが置いてある。

 

神宮寺「本日、調合していただくのは、長髪薬です。これは平安より貴族の間で主流に使われていたものです。髪を美しく綺麗に伸ばす薬です。日本では長く美しい髪は美人の象徴とされていました。美を求める女性が常に1瓶は持っていたとされています。…さて、教科書236ページを開いて。」

なるほど…だから昔の日本人はあんなに髪が長かったわけだ。この薬のおかげってわけか。

恭史郎「長い髪って洗うの大変そうだよね。」

恭史郎は、ぼそっと呟いた。

プリム「貴族で流行ったらしいから、使用人とかが手伝ったって変じゃない。」

恭史郎「そこまでする?」

賀茂「女性は美に対して貪欲なのよ。」

…僕には理解できないな。と恭史郎は考えることを放棄したみたいだ。

 

青龍の寮で、うまく調合できたのは、賀茂と安倍。白虎の寮では、呂久って人と芦川って人だった。どちらの寮にも20点加点された。これは簡単そうで、調合は難しい。たぶん混ぜる速度とかだろう。教科書には”亀の速さ、時計回りに3回かき混ぜる”という記述だ。分かりづらい。

 

恭史郎「神宮寺先生って上級生には人気らしいよ、なんか色気があるんだって。」

プリム「…調合の仕草とかは、大人の色香があったかもしれない。」

賀茂「そう?ゆっくり調合するから寝そうだったわ。」

プリム「明星にはまだわからないな。」

賀茂「わかるわよ!色気っていうのは、そう…フェロモンね!」

プリム「まぁ、当たってはいるけど」

恭史郎「でも僕には神宮寺先生は高嶺の花っていうか…」

プリム「その様子だと、恭史郎のタイプとは違うみたいだな」

恭史郎「まぁ…」

チラチラと顔を見る恭史郎はかわいい。わかりやすいな。

 

__________

 

プリム「ただいま帰りました。」

シルビア「おかえりなさいプリム、友達からのクリスマスプレゼント、ツリーの下に置いてあるわよ!」

友達といっても数えるほどしかいないのだが。

 

レオナルド「おかえりプリム…あー…んん、!」

レオナルドさんは咳払いをした。あ、はいはいとシルビアさんは別室へ行くと、大きな箱を持ってきた。

プリム「父上、母上…」

レオナルド/シルビア「メリークリスマス、プリム!」

プリム「め、メリークリスマス父上、母上」

早く開けてというように、目を爛々とさせた2人に圧倒された。

シルビア「さぁさぁ、開けてみて!」

プリム「…」

箱を開けてみると、日本の着物が入っていた。桜が舞い散っているような柄だ。

プリム「わぁ、綺麗…ありがとうございます!父上、母上!」

シルビア「せっかくだから、ちょっと着てみましょうプリム」

レオナルド「ああ、僕達も着替えて写真を撮ろう」

シルビア「いいわね!そうしましょう」

プリム「父上と母上も着物が?」

シルビア「ええ、正装の時や、パーティーでも着れるようにね。プリムはわたしが着付けてあげるから、後でわたしの部屋にいらっしゃい。」

プリム「はい、母上」

 

 

ビーテ「おかえりプリム、」

プリム「ただいまビーテ、メリークリスマス」

ビーテ「わぁ、もうそんな季節?プレゼントは貰えた?プリム友達少ないからなー」

プリム「…余計なお世話だ」

友達から…と言っても、恭史郎、明星、ドラコに、クレア達からだ。

 

プリム「…これはなかなか、センスがいいな。」

恭史郎からは”プリムの琥珀色の瞳に似ていたから、おもわず手にとってしまったよ、気に入ってくれたらうれしいな。メリークリスマス”とカードに書いてある。

自分の目の色に似た小さい宝石のついたペンダントだ。綺麗だ。恭史郎のクリスマスプレゼントには、自動で書き込みされるスケジュール管理のできる手帳を渡した。わたしの分も書いてくれてるらしいスケジュール管理にうるさいから、恐らく空白がもうないだろうと思ったのだ。喜んでくれただろうか。

 

プリム「…これは、賀茂だな。」

賀茂からは、ガラスペンと瑠璃色のインクだ。透明なガラスペンはとても綺麗だ。上には小さなスノードームが付いている。今は雪が降っているが、四季でコロコロと風景が変わるというから素敵だ。女の子らしいプレゼントだな。自分は賀茂にいつもつけている腕輪に似合うようなかんざしをプレゼントした。何も魔法はかかってないが、長い髪を纏めるときに使ってくれたら嬉しいなと思った。

 

プリム「…ふふ、これはなかなか感動するな」

クレア達からはアルバムを貰った。わたしと一緒にいる写真や、最近の写真だろう。院長と3人が揃った写真もあった。イギリスに戻りたい、会いたい気持ちが高まってしまった。寂しい…そう思った。でも、極力大事な人は作りたくないのだ。イギリスでは特に。これから、自分の弱点になるだろうから。…だから日本では自由に楽しもうと思ったが、元々友達作りは上手くないから、この結果だ。クレア達には、マフラーをプレゼントした、日本には柄や色が様々あり選ぶのが楽しかった。寒いイギリスでは大活躍するだろうと思う。

 

プリム「最後は、ドラコか…」

ドラコからのプレゼントは闇の代物かなぁ…と思ったが、意外なものがそこにあった。

青と橙色の宝石が綺麗に並んだコンパクトがあった。凄く綺麗だ。

“女の子の好みがわからないから、母上と選んだ。日本は身嗜みには厳しいと聞いた。これをいつも持ち歩くといい。メリークリスマス。”とカードが添えられていた。

…闇の魔法はかかっていないみたいだ。ちょっと残念。

ドラコには、箒をもっと楽しめるように、スニッチの模型をプレゼントした。本物ではないが、クィディッチの練習に最適らしい。

 

みんな素敵なプレゼントをくれた。とても幸せなクリスマスになった。

 

シルビア「プリム?そろそろこちらへいらっしゃい?」

プリム「はい!母上!」

急いでシルビアさんのいる部屋に入る。

シルビアさんはもう着物を着ていた。

プリム「母上…とても綺麗」

シルビア「ふふ、ありがとう。プリム着替えなきゃね。」

そういうとシルビアさんは、手際よく着付けてくれた。ふわふわとした赤い帯が金魚のようでとても可愛らしい。

プリム「わぁ…やっぱりとてもかわいいわ!金魚みたい!」

レオナルド「シルビア、プリム?もう着替えたかい?」

プリム「父上!見てください!金魚になったのようです。」

くるくると回りレオナルドさんに抱きつく。

レオナルド「本当だ!僕の娘はマーメイドだったみたいだね。」

レオナルドさんは私を抱き上げた。

シルビア「あまりはしゃいでは駄目よ?せっかく着付けたのに、崩れてしまうわ。」

レオナルド「じゃあ、早く写真を撮らなきゃな、ふふ」

__________

 

プリム「ドラコと恭史郎、明星とクレア達に写真を届けたら戻ってきて。」

式神に指示し、家族写真を送った。

カァ!!

 

窓から飛び立つのを見届けた後、すぐに眠りについた。

 

翌日の早朝

窓の外に式神がいた。

プリム「…ドラコかな。」

手紙を受け取ると案の定、ドラコからだ。

カァ!!

式神は式札に戻る。

 

“親愛なるプリム殿

 

家族写真ありがとう、君からのクリスマスプレゼントも気に入ったよ。スニッチなんて貰ったら、僕は箒の練習を怠ってはいけないね。君を後ろに乗せる約束もしてるから、新しい箒が欲しいと父上に頼んだけど、曖昧な返事しかこないから、新しい箒を手に入れるのは先になりそうだ。ところで、最近の学校生活は順調か?

 

ドラコ”

 

プリム「最近の学校生活ねぇ…」

“親愛なるドラコ殿

 

プレゼント気に入ってくれて嬉しいわ。

箒の練習で沢山使ってね。

最近の学校生活は、楽しく過ごしているわ。

友達もできたの。由緒ある家柄の子よ。

1人は頭がよくて、わたしの勉強にも付き合ってくれるわ。

もう1人は箒を乗るのが上手なの。日本はクィディッチの強豪校らしいから、いつか友達が選手として選ばれたら誇りに思うわ。

でも、わたしはドラコが乗せてくれる箒が1番好きよ。

 

プリム”

 

もう一度式神に届けさせた。

式神は生き物じゃないから便利だ。

罪悪感もない。

 

さて今日は、学校が休みだから、鍛錬と研究をしよう。

 

プリム「母上、ちょっと山へ行ってきます。」

シルビア「わかったわ、気をつけてねプリム」

プリム「はい母上、いってきます。」 

レオナルドさんは早朝から魔法薬学の研究をしている。そのへんは似たのかなと思った。

 

“我に従い、我に支えよ”

通学に使っているウミツバメのような大きな鳥が出てくる。

 

プリム「裏山まで連れてって」

わたしを背に乗せ裏山へと飛び立つ。

 

 

 

プリム「さてと…ひさびさだから、全力がわからない。確認しなきゃな。」

杖を持ち近くの巨大な岩に近づく。

“Reducto”(粉々)

 

岩だけにかけたつもりが、周りにそびえる木にも呪文がかかり、粉々だ。

プリム「…レダクトでこれか。もっとコントロールしなきゃな。まぁ、順調に力はついてるみたいだ。」

自分の力量はわかったが、もっと強く出せるような気がした。…杖については何も考えてなかったからもしかしたら何かあるのかもしれない。…問題なく使えるから今はこれで十分だ。

 

 

家に帰って、結界術の研究を始めた。

習いたてだが、研究しがいのある魔法だ。

 

プリム「えっと…魔法陣型結界は、術者によって魔法陣が消されない限り絶対に破られない結界…この記述ってそもそもなんで絶対っていいきれるんだ」

どさっと図書室から拝借した本と歴史が書いてあるらしい巻物を机の上に広げた。

答えは巻物の方に書いてあった。

 

プリム「…魔法陣型結界の歴史は比較的新しく江戸時代、土御門家考案の魔法である。土御門家は安倍晴明の子孫であり、一度は衰退した陰陽師の歴史を復活させるべく考案されたのが魔法陣型結界。この結界は術者でなければ解くことができない強力な魔法である。」

…やってみなくちゃわからないな。

 

わたしはまた式神に乗り古い建物を探した。人が周りにいない方がいい。

海辺の近くに良さそうな古いビルがあった。

 

プリム「ここで降ろして。」

式神は私を降ろし、式札に戻る。

プリム「さてと…やりますか」

 

 

…ビル屋上に魔法陣を書いた。

プリム「…もう、力つきそう…」

魔法陣型結界の難点として、大きな結界には相応の魔力がいる。つまり今はへとへとだ。

 

プリム「…式神イメージする力もないわ。」

ポケットに常に持ち歩いている式札をだす。

“我に従い、我に支えよ”

息を吹きかけると夢喰いが呼び出された。

獏「なんじゃ、ヘロヘロになりおって、喰うてしまうぞ?」

プリム「今は…ちょっと、大それた実験をしていまして。夢喰いに協力してほしいんだ。」

獏「実験?…ああ、なんじゃ嫌な感じがすると思ったら、魔法陣の上じゃないか。わしを閉じ込める気か、小娘!」

プリム「違う違う…あ、間違いではないけど、ちょっと本当に絶対壊れない魔法なのか気になってね。」

獏「これは魔法陣型結界じゃろ?土御門がそこら中にばら撒いて、妖怪を一網打尽にした術じゃ。」

プリム「あれ?知ってるの?」

獏「知ってるとも、わしは逃げ延びたがの。この結界は術者の血をかけねば解けない魔法じゃ。絶対にの。」

プリム「その絶対って信用できないんだよ、実体験しなきゃね。」

獏「…つまり、わしを仮に閉じ込めて、わしが出られない様子を見て楽しみたいと?」

プリム「…悪い言い方するね、夢喰いさん」

獏「わしを使うとは、よっぽど力に自信があるようじゃな小娘。…式神を使え!!馬鹿者!!」

プリム「…封魔結界、大魔法陣の術」

杖を振るうと、バチバチと火花が飛び散りビル全体を結界が覆う。

プリム「おお…」

獏「プリム、お主も結界の中じゃぞ。」

プリム「…失敗した。陣からでなきゃ駄目だよな。そりゃ。」

獏「まぁ、まて。これは実験じゃろ?魔法を使ってみてはどうじゃ?」

なるほど、暴走気味だが、ちょうどいい機会だな。

プリム「じゃあ、ちょっと離れてて、今疲れてて制御できないから。」

“Bombarda Maxima”(完全粉砕せよ)

 

バチバチと火花が散ったが、何も起こってない。

プリム「おお、凄い。絶対壊れないって本当だったのか。」

獏「プリム、お主…魔力が強くなってないか?」

プリム「ああ…たぶん鍛錬したからね、でもうまく全力が出せてなくて…だからちょっと困っててね。」

獏「…お主、わしよりももっと強い妖怪を使役させられるかもしれんぞ」

プリム「んー、今はいいかな。夢喰いがいるし。」

獏「…プリム、お主に忠誠を誓おう。お主の力見縊っておった。」

プリム「よしてよ…今まで通りじゃないと調子が狂う。」

獏「そうかの…」

プリム「ああ…それよりこっからでなきゃ。…えっと血ね。血。」

ナイフを手に取って、左の腕を浅く切った。

流れた血を結界にかけると、溶け出すように結界が解かれる。

プリム「…成功かな。」

腕にはレオナルドさんの調合した、ハナハッカをかけた。

プリム「さて、今日は帰ろうか…」

夢喰いを式札に戻し、鳥の式神を出し背に乗り飛び立つ。

_________

 

プリム「ただいま帰りました。」

シルビア「おかえりプリム」

プリム「母上ちょっと勉強をしたいので部屋に篭りますが、気にしないでください。」 

シルビア「そう?夕飯の時間にはでてくるのよ?」

プリム「はい、母上」

 

 

ビーテ「おかえりプリム…また山へ行ったでしょ、木の匂いがする」

プリム「ビーテ、鍛錬は大事なことだ。」

ビーテ「ほどほどにしなね」

手紙が届いてるよ。とビーテが鳴く

 

“親愛なるプリム殿

 

箒が得意な友達とは気になるな。

僕も一度会ってみたい。

僕もいつか、クィディッチの選手に選ばれたら一緒に試合してみたいものだ。

きっといい友人、いや、ライバルになれるだろう。

もしそいつに勝ったら僕を誇りに思ってくれるかい?

 

ドラコ”

 

プリム「恭史郎のことしか書いてないわ…わたしへの手紙なのに…」

 

“親愛なるドラコ殿

 

箒が得意な子は、五領恭史郎って名前の子よ。陰陽師の家系の子らしいわ。

男の子だから、ドラコとは仲良くなれるんじゃないかしら?

クィディッチも好きみたいだったわ。

わたしにはよくわからなかったけど。

箒を乗るのが好き同士きっといい友達になれるわ。

 

プリム”

 

プリム「わたし…もっとドラコと話したいのに、ドラコは違うのかしら」

 

式神に手紙を渡した。

 

プリム「…結界の研究しよう」

気を紛れさせるように本を読んだ。

 

 

 

 

プリム「…あれは妖怪の類を封じ込めたり、建物を守るためのものだけど、攻撃から守るだけじゃなくて、透明機能みたいなのがあればもっと便利なのに。」

あ…

本を漁り、ペラペラとめくる。

プリム「あった!…えっと…目くらまし術…対象を周囲の色や質感と同化させて、見えなくするための魔法。存在を隠すのに使われる。…もともとは確かヒッポグリフとかをマグルから隠すために使われたんだっけ…いけるかもしれない…これなら…ここをこう書き加えて…」

その日は徹夜をした。




賀茂明星(かもの めいせい)
マホウトコロの青龍寮生。プリムを見た目を貶したり敵対していたが、同じ寮生として仲良くし始める。マホウトコロでは女子で唯一の友人になる。陰陽師賀茂家の跡取り。

安倍 龍(あべの りゅう)
マホウトコロの青龍寮生。プライドが高く群れることを好まない性格。賀茂が密かに好意を寄せている…かもしれない。なよなよしい恭史郎を毛嫌いしている。陰陽師安倍家の跡取り。
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