ジムチャレンジ、セミファイナルで敗退した私は、パートナー達とのんびり暮らそうと思う   作:村上シズク

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 久しぶりの投稿で文章ががが…


新生活を初めて...

 『ジムチャレンジ、セミファイナル決勝戦!優勝者はユウリ選手!!』

 少し前の出来事である記憶が、鮮明に思い出せる。

 悔しくて、悔しくて、涙した記憶だ。

 しかし、個人的にも満足出来る試合内容ではあった。

 自分も全力を尽くし、そしてパートナー達も全力を尽くし、あと一歩で及ばなかった戦いの記憶。

 相手の、ユウリの手持ちを残り1匹まで追い詰め、ユウリも必死に勝ちに来てたあの試合。

 負けたが、今では元チャンピオンでしかあそこまで追い詰めた人は居ないだろう。胸を張ってよくやったと思える内容だった。

 現チャンピオンになった彼女は多忙を重ねる日々のようで、あちこちへと飛び回り、また机に向かい書類を片付ける日々を過ごしていると言う。

 何故今その話をしているのか。まあ、お話の冒頭だからと言うのもあるが、私にとってはそのまましまっていたい記憶ではあったのだが、その出来事が終わってからというもの、何度も、何度も…

 

 「ねぇ聞いてる!?シズク!!」

 「聞いてる聞いてる。大変だったね。さ、愚痴るのはそこまでにして戻ったら?そろそろまたリーグの人が迎えに来るよ、ユウリ」

 

 愚痴りに私のところに来るからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 「ほら、リーグの人達来たよ。お仕事頑張って」

 「シズクが冷たい!!やだー!働きたくないー!!」

 「冷たいも何も職務放棄してるからでしょ。私もそろそろ寝たいの。リーグの人達もきっと同じ思いだよ?」

 「私だって寝たいの!!でも寝させてくれないの!!」

 「エースバーン達と遊んでるからじゃないの?ほらさっさと仕事終わらせてきな?」

 「知らない知らない!!仕事なんてやだ!!私はもっとシズクと話がしたいのー!!」

 「話って言っても愚痴しか出ないじゃんユウリ。仕事が終わったならちゃんと話聞いてあげるから。ほら大人しく連れてかれなさい」

 「シズクの人でなしー!!」

 

 

 

 「…行ったね。さて寝よっと。明日はなんの仕事をしようかな〜」

 

 

 

 ジムチャレンジが終わり、故郷であるバウタウンに帰ってきた私は、思い思いにのんびりと一人暮らしをしていた。

 一人暮らしと言っても、家賃や光熱費は親が出してくれているので稼ぎはその日食いつないでいける分しかないのだが、それでも私にとっては充分充実した生活をしている。

 仕事内容に関しては日雇い感覚で、ある日は漁師、ある日は店番、またある日はデリバリー配送など。

 そして時々、ジムトレーナーとしても雇われたりする。

 ここバウタウンでは、2つ目のジムバッチ、水タイプのジムがある。

 リーダーはルリナさんで、褐色美人さんなものだからファッション雑誌のモデルさんをやっていたりする。

 そんなルリナさんとジムチャレンジ後仲良くなれるきっかけがあり、一度ジムトレーナーとして雇ってもらった事があるのだ。

 内容としては他のジムトレーナーの育成。

 ジムチャレンジは一年に一度しかないので、挑戦者は居ないのだが、治安を守ったりなどの為に力は付けなくてはならないのだ。

 さて、長々と説明をしたが、一晩寝て疲れを癒したシズクの家に、一人の来客者が来た。

 

 「いらっしゃい、ルリナさん。今日はどうしたんですか?」

 「おはよう、シズクちゃん。今日モデルの仕事が入っちゃったから暇だったらジムトレーナー達を見ていて欲しいの。この前もお願いしたばかりなのに申し訳ないんだけど、お願いできないかな?」

 朝食を食べている時に尋ねてきたルリナさんは、デーブルの向かい側にふたつしかない椅子に座って、申し訳なさそうに頭を下げた。

 まだ予定がなかった為了承し、同時にお茶を出す。

 「あ、朝食は食べましたか?良かったら出しますよ」

 「本当?じゃあ頂くわ」

 「分かりましたー。今日は刺身しかないですけど許してくださいね」

 そう言って台所へ行き、洗うのを後回しにした包丁を洗って冷蔵庫から昨日買っておいた朝食用である刺身用の魚を取り出して切っていく。

 「ルリナさん。ご飯は自分でよそっといてください。茶碗は食器棚に入ってるものなんでも使っていいので」

 「はーい。じゃあこの前使わせてもらったピカチュウの茶碗借りるわねー」

 そう言ってルリナさんが食器棚を空け、ご飯をよそうのを片目で確認し、切ったばかりの刺身をお皿に盛り付けて小皿と共にテーブルへ運ぶ。

 ラプラスの描かれた小皿に醤油とわさびを添えて、ご飯をよそって戻ってきたルリナさんに差し出した。

 「いただきまーす。シズクちゃんの家のご飯って美味しいのよね〜」

 「まあヤローさんの所のお米を貰ったので。そろそろお礼に行かないととは思ってるんですけど、なかなか機会がなく…」

 「ヤローの所のお米なんだ。私も買おうかな」

 「なら明日にでも買いに行ってきますよ。お金は置いてってくださいね」

 「はーい」

 

 

 

 「ご馳走様でした。シズクちゃんは若いのにちゃんと朝ごはん作ってて偉いわね。おいしいし」

 「ありがとうございます。もう16ですからね。この位はやらないとオーロラ達に怒られちゃいます」

 「オーロラちゃんはシズクちゃんに厳しいからね。いいパートナーだと思うわ。みんな元気なの?」

 「元気ですよ。今も家の裏の沖合で泳いでると思います。シャークンが遠くに行ってないか心配ですけど」

 「仕事行く前に会わせてくれない?あの子達私も好きなんだ」

 「分かりました。シャークン探すことになったら手伝ってくださいね」

 「はいはい」

 

 食器を流しに入れ、戸締りをしてから家の裏手に回る。

 家の後ろは小さな崖になっており、砂浜と離れているためかなりの深さの海になっていた。

 そこで、いつも私のパートナー達はご飯を食べたり、自由気ままに泳いで生活していた。

 「みんなー!!しゅーごー!!」

 沖の方に向かって大声でパートナー達を呼ぶ。相棒であるオーロラを筆頭に、甲羅や角、尾びれなどがチラチラと水面から飛び出しながら近づいて来た。

 しかし、二匹、赤いハサミや背鰭が見えない二匹のパートナー、ハサミに関しては海底にいるであろうことや、呼べば来てくれるパートナーとは違い、背鰭の問題児、シャークンが全く見えないことに、ため息を吐いた。

 「んーっと、オーロラは言わずもがな、ハマグリ、カロちぃ、メカックスは居るね。あ、ズワイガニも見えた。けど、シャークン居ないよねぇ…」

 数えながらも赤いハサミがみえ、五匹目を確認できたのだが、問題児が帰ってきてないことに眉間を寄せ、チラリとルリナさんを見やる。

 「私も手伝うって言ったでしょ。そんなに時間はかからないと思うし、みんなで探しましょ」

 「…私は冗談で言ったんですけどね…。すみません、お願いします。」

 二度目の溜息をつき、湾岸からオーロラの甲羅に飛び降りて、パートナー達に声をかけた。

 「朝からごめんね。みんなでシャークンを探すよ。今日はジムトレーナーの面倒を見る仕事になったからみんな連れていくんだ。多分沖の方で水流に乗って遊んでるだけだと思うんだけど」

 そう伝えてる間に、ルリナさんはパートナーであるカジリガメの背に乗って近づいてきた。

 「多分沖の方にある水流に乗って遊んでるだけだと思います。とりあえずそこに行きましょう。一応私の事を嫌ってるわけでも言うことを聞かない訳でもないのでそんな遠くには行ってないと思います」

 「分かったわ。行きましょう」

 

 沖にある水流を見つけ、一度止まった私とルリナさん。

 水面から探すも背鰭が出てないことから、潜って遊んでいることに気づいて、三度目の溜息をついた。

 「…まあ、そうだよね。しょーがない。カロちぃとメカックス、潜って探してきて。水流に流されないように気をつけてね」

 そうカロちぃとメカックスに指示を出した。

 カロちぃ、ミロカロスの方はこくんと頷いてから潜ったが、メカックス、カメックスに関しては、マジかよ…と言いたげな顔をしてから、渋々と潜った。

 カロちぃは強い水流で泳ぐことに慣れているが、重量があるメカックスに関してはそこまで慣れてないのだ。

 しかし水流に負けないよう力強く泳げる物は他にはいない。流されて行方が分からなくなるのを心配したのだ。

 

 二匹が潜ってから、五分とかからずに上がってきた。

 息を切らしながら上がってきたメカックスには今度お詫びをしなければなと思いつつ、遅れて上がってきたシャークンに顔を向ける。

 ものすごく申し訳そうにしているシャークンが、それに合わせビクンと身体を震わせた。

 「…遊ぶのはいいけど、ちゃんと仕事の予定を伝えてからにしなさいってこの前言ったよね?」

 「まあまあシズクちゃん、怒るのは後にしてとりあえず戻りましょう?まだ余裕があるとはいえ私も仕事があるから沖で説教されては困るわ。シズクちゃんの説教は長いもの。それに可愛い顔を般若並に歪めてる所を見るのは嫌だわ」

 「般若並って何ですか!!?」

 

 

 

 「…さて、シャークンは後で怒るにしても、とりあえずみんな並べますか」

 「お願いね。ちゃんとみんなの顔見たいから」

 そう言って一歩下がるルリナさんを見てから、順番に砂浜に上がるよう指示をした。

 まず最初に上がったのはオーロラだ。相棒である彼女、種族名、ラプラスは、胸を貼るようにルリナの前に出てお辞儀をひとつ、元気に鳴いてから次に上がるよう他の手持ちに伝える。

 二番目はハマグリが上がってきた。殻を閉じコロコロと転がって上がってきた彼女は、種族名、パルシェン。守りの要である彼女はみんなの救いになっていて、しっかり者気質であることからラプラスの次に管理を任されていた。

 三番目にはズワイガニがテケテケと歩いて上がってくる。赤くて大きいハサミが特徴な彼は、種族名、キングラー。パワーアタッカーであり意地っ張りな性格から戦闘スタイルは頑固として突っ込むスタイルであり、よくオーロラやハマグリから注意されることもしばしば。

 四番目にはカロちぃが上がってきた。先程シャークンを率先して探しに行ってくれたミロカロスであり、遠距離攻撃からみんなを守る役目を与えている。ずぶとい性格をしておりどんな場面でも自分を崩さないところが玉に瑕だが、それでも見た目の美しさからパートナーから一目置かれている存在である。

 五番目に上がってくる。恥ずかしいのか控えめな歩みで近づいてくるのは渋々シャークンを探しに行ってくれたメカックス、カメックスである。控えめな性格であり、進んで闘うことは避ける傾向にあり、遠距離攻撃が主体の彼は、よくシズクの隣に立っていることが多い。

 最後は陸に上がれないシャークン。種族名、サメハダーだ。元気に鳴いて、存在をアピールする。頑張り屋さんで、私の指示は良く聞くのだが、時々欲に負けて楽しいことを優先してしまう悪い癖がある。

 みんな、ジムチャレンジを頑張ってくれた私の大切な手持ちであり、パートナーなのである。

 

 

 

 「うん、みんな可愛い!満足したわ。じゃあ私は仕事行ってくるね!シズクちゃん、ジムのみんなをお願いね!ばいばい!カロちぃちゃん!!」

 ルリナさんは一番のお気に入りであるカロちぃに投げキッスをして、颯爽とその場を立ち去った。

 それを見送ってからパートナー達五匹(・・)をボールにしまって、残ったシャークンにゆっくりと顔を向ける。

 

 「さて、シャークン?ちょっとお話し(・・・・・・・)、しようか?」

 はっとなったシャークンは、その場で震える事しか出来なかった。




 人物紹介。

 シズク 女 16歳
 髪型:ツインテール
 前髪:流し
 髪色:水色
 目の色:オーシャンブルー
 顔:軽くつり上がった目付きだが、全体的に柔らかい印象
 身長:149cm
 体重:49kg
 バストサイズ:A

  パートナー(手持ち)
 オーロラ(ラプラス)♀
 ハマグリ(パルシェン)♀
 ズワイガニ(キングラー)♂
 カロちぃ(ミロカロス)♀
 メカックス(カメックス)♂
 シャークン(サメハダー)♂
 追記:シズクの手持ち達はみんなルアーボールに入っている。
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