Fate/Grand Order 亜種特異点■■■■ 成代ゴースト…? 作:春雷海
原作:Fate/
タグ:オリ主 クロスオーバー fate fate/grand order オリジナル設定 仮面ライダー オリ主 Fate FGO 仮面ライダーゴースト
悪性隔絶魔境新宿を攻略してから、また次の亜種特異点に発見及びに赴く前の時期に起こった出来事。カルデアにて観測された、新しい亜種特異点に彼女は向かう。
――そこに、失ったはずの仲間との再会があるとは知らずに。
どこにでもある日本の平穏な街並み。
だけども、舞台はその街並みから外れた、人気がない鬱蒼とした森に変わる。
銃撃音とそれを弾き返す音が響き渡る。そして、撃ち込まれた何発もの光弾は、周囲の建物や地面をえぐっていく。
「っやるわね」
「お褒めの言葉ありがとう。それなら早く諦めてくれるかしら――その力は私の目的のために必要なの」
「はっ、誰が! そっちこそ諦めなさいっ、これは私の力で、あの子を追いかける為のものよ!」
「いいえ、それは私が求める場所に行くために必要なものよ」
両肩、胸部にバーコードの様な凹凸のある角張った外装。顔の上半分にシアン色のプレートが左右対称に並べられた仮面の戦士、仮面ライダーディエンド。
仮面越しから聞こえるのは女性特有の高い声。彼女は怒声をあげながら、変身銃であるディエンドライバーの銃口より光弾を撃ち込む。
対する相手は木々を上手く使って隠れているため、姿は見えないが、ディエンドに向けて斬撃を飛ばしてくる。
「そう。なら、少し痛い目にあってもらうわ」
「はっ! やれるものなら──あぐっ!?」
ディエンドは背後からの衝撃と痛撃に悲鳴を上げながら、転がりながらもその勢いに合わせて立ち上がる。
振り向くと、そこには異形がいた。
「なっ……っ!?」
ディエンドは知っている。
その異形は本来ならばこの世界には存在しない、されど別世界では戦士として闘うはずの存在。だが、今は怪人化したような歪な姿になっていた。
怪訝と混乱に満ちて思わず動揺してしまうディエンド。目の前にいる怪人に動揺が奔り、隙を作ってしまった。
「油断大敵ね……その力貰うわ」
「っ──!?」
ディエンドは自らの体に充てられたそれを見たのと同時に――急激な痛みが襲い掛かり、悲鳴が響き渡った。
* * * * *
人理継続保障機関、"フィニス・カルデア"。
近未来観測レンズ"シバ"によって人類は2017年に滅亡することが発覚。それを阻止するべく、カルデアは術者を過去に送り特異点の修復を行う儀式を開始する。
その儀式の名はグランドオーダー。
未来を取り戻すための冒険は、新人マスター・藤丸立香と未熟なるデミサーヴァント、そして仮面の戦士に託された。
そして、2016年の人類滅亡の原因と成り得る7つの特異点の修正し、全ての黒幕たる存在との決戦を乗り越えた。
……原典ならばここで一人のドクターが犠牲となるのだが、この物語では仮面の戦士が犠牲となった。
この原点とは異なる物語。そんな彼女たちが、次なる大きな戦い─亜種特異点と呼ばれる、悪性隔絶魔境新宿を攻略してから、また次の亜種特異点に発見及びに赴く前の時期に起こった出来事。
「新しい特異点?」
「そう。元々微弱なもので、放っておいても自然消滅するものだと踏んでいたんだけど……どうにもその気配が見えないし、このまま放っておいても新しい問題が発生する前に、僕たちの手で修復させるべきって判断したんだ」
今やカルデアの司令官も同然のドクターロマンから呼び出された立香は、頼れる後輩のマシュ共々彼女からそんな話を聞かされた。
「ごめんね。本来なら、君には休んでもらいたかったのに、こんなことになるなんて……」
「気にしないで、ドクター。 それで、何時何処に現れた特異点なんです?」
「年代は2015年の4月ごろ。場所は日本だ」
「よしっ、それじゃあ早速行こ――マシュはサポートをお願い、歩夢は……って」
立香が勢いよく振り向いた先には、マシュ以外誰もいない。立香の顔は寂しげに憂いかけてしまうも、すぐに何事もなかったのように微笑んでマシュに敬礼して云う。
「マシュ! 通信越しで私のサポートをよろしくっ! ちょっと着替えてくる!」
「あっ、先輩―――ッ」
マシュの叫びに応じることなく、立香は魔術礼装に着替えに駆け出していく。そんな立香の後ろ姿をマシュはただ見つめることしか出来なかった……どこか泣き出しそうなほどの悲しく寂しい背中を。しかし、マシュも知らずのうちに、表情が憂いかけている。
そんな二人の少女に、ロマンは眉をひそめながら声をかける。
「マシュ。立香ちゃんのサポートは僕たちがする、君は」
「いいえっ、ドクター。私も一緒にやります。先輩やドクターたちばかり重荷を背負わせるわけには、いきませんから」
表情を曇らせながらもマシュは準備を始めだした。
そんな立香とマシュを、ロマンは眉間に皺を寄せて心配そうな面持ちで見つめる――本来ならばロマンが身を征して、終局特異点ソロモンにて魔人王ゲーティアを斃すはずだった。
しかし、それを代わりとなったのが、先ほど名が挙がった少年――天空寺歩夢。
ゴーストと云われる異形であるも、人間として戦士として共に戦い、このカルデアと共に人理焼却から世界を救った一人なのだ。そんな頼もしかった彼はもういない。
彼は、ロマンの代わりに、ゴーストの力の全てを使いゲーティアを斃したのだ……己の身を犠牲にして。
「……恨むよ、歩夢君」
世界は救われた。本来ロマンが起こす筈だった奇跡を代わりに起こしてくれた。しかし、肝心の彼はもう存在しない。残ったのは心に傷を負ってしまった立香とマシュ、仲間たちだ。
感謝の言葉を述べるはずなのに、代わりに出たのは悪態だった。ロマンは自分が嫌になってしまい、頭を思い切り掻いた。
それから1時間後。
「お待たせしました! 藤丸立香はいつでも行けます!」
支度を整えて来た立香――その目は赤くなっているも、誰もそれには触れずにいた――はロマンやマシュたちの手によってレイシフトする。本来ならば、特異点に向かうに至ってサーヴァントたちも同行するのだが、まずは現地調査と把握を行ってから、のちに選抜されたサーヴァントたちを送り込む予定だ。
立香は、早々にコフィンの中に入り、2015年の日本に向けてレイシフトした――。
* * * * *
「ここが…?」
そして、レイシフトした立香を待ち受けていたのは、意外にも平穏な街並みだった。
スーツに身を包んだOL。携帯電話片手にお喋りに興じる学生。会話を楽しむ若者らもいれば、町行く人々を眺めるお年寄りも居る。
『……どうやら、ロンドンや冬木の様に大きな危機が迫っているという雰囲気でも無さそうだ。記録として残っている2015年の風景に違いは見られない。とは言え油断は禁物だよ。一見普通の光景でも、よくよく探っていけば何か起きているという可能性は高い。普通に見えても、そこは間違い無く特異点なのだから』
カルデアのロマンから通信が入る。どうやら現状、カルデアでも異常らしいものは見当たらない様だ。
とりあえずは情報収集をしようと、立香は行動を開始する。
しかし――。
「うぅん、何もないし平和だね」
何とも平和な風景を見渡しながらつぶやく立香。それ以外に今の状況を言うことがないのだ。
『そうですね。モニター越しで見ているのですが、こちらにも至って問題が起きていません。平和そのものです』
『これなら、問題なく特異点が消滅するかもね。いやぁ、良かったよか――』
しかし、ロマンの言葉が最後まで紡がれることはなかった。そして皆さんも知っているだろう。大抵その言葉はフラグがたつということを。
「ぅぁああっ、ぅぅっ!」
それは、唐突に出現した。誰も、何もなかった空間から、突然に、立香に背を向けた全身に白いパーカーを纏い、頭部もフードを被っていた怪人が呻き声を上げながら現れた。
「っっ!?」
思わぬ急展開に、立香は悲鳴を押し殺した。彼女だけではない。その現実離れした光景に、その場は一気にパニックに陥った。
我先にと逃げ惑う人々を尻目に、立香は逃げることなく通信をする。
「マシュ、ドクター! みんなをおね……えっ」
立香は最後まで言葉を紡ぐことなく、信じられないと言わんばかりに呆けた声が出た。
怪人が振り向く。
眼は歪んでおり、憤怒の表情を模した顔の輪郭はm顔を縫い付けているような縫い目が見られる。白色の眼や口の造形はハロウィンのジャック・オー・ランタンの様に見えるかもしれない。頭にフードを被っている点も本家と同じだが、頭部が黒く長い角と白髪が生えていた。
全てが歪なその怪人の姿……だが立香は、通信越しで見ていたカルデアは知っている。その怪人の名前を、共に戦ってきた仲間が歪になっても、分かる。
「ゴー、スト……? あゆ、む?」
立香は戸惑い、そして突然の出来事に受け入れられないと言わんばかりに、言葉を紡げる。
怪人――アナザーゴーストはその言葉に返答することなく、容赦なく爪が壊死したように黒ずみながらも鋭い爪を振り下ろした……。
仮面ライダー×FGO×オリジナル設定による、仮面ライダーゴースト主題の小説です。
……といっても主役はロマンの代わりに無くなり、代わりにアナザーゴーストが出ましたw
また本編のオレンジ仮面ライダーゴーストでもなければ、タケル君もありません。
小説・仮面ライダーゴースト 未来への記憶をベースとした、白い仮面ライダーゴーストとアユムくんをベースとしながらも性格等全く異なる完全オリキャラです。
ネタバレになりますが。我が主役の歩夢君は原典のアイコンを使いません。だったらどうゆうアイコンやねんとなりますが、それは続き(があれば)のお楽しみで。
しかもちらほらと他ライダーが出ていたり、どうなることやら。
続きに関しては、書くかもしれないし、書かないかもしれません。つまり完全短編思い付き小説です。
オリジナル特撮小説を書いていたら、ふと考えていたそれが思いついたので。