昨日の土曜日でNWOが正式に始まってから二週間が経ったか。さて、今日は日曜日。精霊門が開く日じゃないから手を出していないことでもするか。
「よし、まずは獣魔ギルドに行ってみよう」
獣魔ギルドは、冒険者ギルドから歩いて10分、南区と西区の境界線ギリギリの場所にあった。一応西区に属するらしい。重戦士からテイマーにジョブチェンジした。
死神・ハーデス
職業テイマー
LV1
HP 12/12〈+100〉
MP 19/19〈+200〉
【STR 10〈+127〉】
【VIT 10】
【AGI 60〈+120〉】
【DEX 10〈+120〉】
【INT 10〈+100〉】
装備
頭 【空欄】
体 【空欄】
右手 【初心者の杖】
左手【空欄】
足 【空欄】
靴 【空欄】
装飾品 【フォレストクインビーの指輪】【古の鍛冶師の指輪】【
称号:万に通じる者 不殺の冒険者 出遅れた者 白銀の先駆者 毒竜の迷宮踏破 大樹の精霊の加護 ユニークモンスターマニア
スキル【手加減】【テイム】【使役Ⅰ】【幸運】【逃げ足】【
大盾使いのスキルが使用不可能なテイマー故、専用職業のスキルは消失して共有できるスキルのみだけ残ったままだ。だが、絶対防御という優位さが消えた今、戦い方を根本的に変えなくてはならないな。大盾使いで貯めて貯まっていた150ポイントも振るか。―――スキルの方に。
これからも生産系モンスターをテイムするから、重戦士の職業では使えない【従魔術】を改めて【使役】と同じレベルを10に上げた。テイマーの従魔は、従魔術と使役のレベルが上がると、支配できる数が増える。Lv1で1匹ずつ、あとはそれぞれのスキルが5の倍数の時に増えていくから、これで上限の5匹になったからオルト達を連れて歩けれるな―――って、大盾使いでも他の職業でも共有するスキルだからとんでもないことになるんじゃないか?まぁ、今は残りの141ポイントの使い道を―――。
「こんにちは~」
「はい、いらっしゃいませ」
ポイントで農業系のスキルを取得、Lvも上げてからオルト達を引き連れて中に入る俺達を出迎えてくれたのは、受付のNPCは可愛い女性だった。グラビアアイドル級のプロモーションでありながら、清楚な黒髪系という大和撫子風だった。農業ギルドに劣らないである。建物自体はそこまで巨大ではなかった農業ギルドに比べると、大分中が広い。それと、外には大きな広場が併設されており、かなり大きな印象だった。
2階もあるし。看板だと孵卵室ってなっているな。サモナーの従魔合成に対して、テイマーには従魔配魂というシステムがある。相性の良いモンス同士を交配させて、卵を産ませるシステムだ。最初からステの高い個体が生まれたり、新モンスが生まれたりするらしい。
相性の良いモンス同士をホームなどで一緒に育てていると、ごく稀に起きるらしく、合成と違ってテイマーの意思で配魂させることが難しいのだが。しかもその卵を孵化させるには、ギルドかホームにある孵卵器が必要なんだとか。・・・・・オルト達を思い浮かべると相性いいのか?と首を傾げてしまう。
因みに地下は合成室となっている。サモナーはあっちに行くんだろう。
まあ、今はクエストだ。
「えーと、掲示板は何処ですか?」
「はい。クエスト掲示板はそちらですよ」
小さいね。冒険者ギルドの20分の1くらいか。とりあえずクエスト一覧をチェックだ。納品クエスト以外にも、特定のモンスターをテイムしてくるといった、特殊なクエストも存在している。
「んー、なんか赤い奴があるけど。青いのもあるな?」
普通は黒文字で表示されているんだが。赤文字、青文字で表示されているクエストがあった。
「この文字の色の違いって、なんだ?」
「はい。青い文字のクエストは、達成条件をクリアしているもの。赤い文字の物は、達成条件を限定的にクリアしている物となります」
「限定的にクリア?」
「例えば、納品するアイテムを所持していても、現在持っておらず取りに帰らなくてはならない場合」
「なるほど」
「例えば、特定のスキルを得るという特殊クエストで、ポイントを支払えばすぐに達成可能な場合などです」
それを聞いて、俺は青いクエストをチェックしてみた。
特殊クエスト
内容:Lv5のモンスターをバーバラに見せる
報酬:500G
期限:なし
特殊クエスト
内容:従魔術をLv5にする
報酬:1200G
期限:なし
特殊クエスト
内容:ユニークモンスターをバーバラに見せる
報酬:3000G
期限:なし
特殊クエスト
内容:レアスキルを覚えたモンスターを、バーバラに見せる
報酬:5000G
期限:なし
なるほど彼女の言う通りの達成条件を満たしている。早速クエストを選択する。
・・・・・その前にまずバーバラって誰だ?
「あの、バーバラって・・・・・」
「私です」
「ああ、そう。え? あなたにモンスターを見せてあげればいいの?」
「はい! 私、モンスターが大好きなんです! 珍しいモンス、可愛いモンス、かっこいいモンス、何でも見たいんです」
急にテンションが跳ね上がった。
「なので、私に面白いモンスを見せに来てください! 報酬は支払いますので」
なんかギルドを完全に私物化してない? いいの? まあ、俺はいいけどさ。報酬も高いし。
「オルト」
「ム?」
「あらーノームさんですね。しかもユニーク個体じゃないですか!ふむふむ、レアスキルの育樹と栽培促進が覚えているようですね~」
バーバラさんは喜色満面でオルトを観察している。時おり頭を撫でたりしているが、オルトが嫌がっている様子はないのでそのままにしておく。美少女のバーバラさんがにやけた顔でオルトを撫でまわす絵面はちょっと引いてしまうものがあるが。
「ふぅ。堪能しました! クエスト達成を受理しますね」
特殊クエスト
内容:Lv5のモンスターをバーバラに見せる
報酬:500G
期限:なし
特殊クエスト
内容:従魔術をLv5にする
報酬:1200G
期限:なし
特殊クエスト
内容:ユニークモンスターをバーバラに見せる
報酬:3000G
期限:なし
特殊クエスト
内容:レアスキルを覚えたモンスターを、バーバラに見せる
報酬:5000G
期限:なし
『クエスト達成を確認しました。報酬が支払われます』
おし、次は農業ギルドか。勢い込んで向かった農業ギルドには、俺が即クリアクエストはあった。達成できる依頼は次の3つだ。
特殊クエスト
内容:自分の畑で10種類の栽培を達成する
報酬:1000G
期限:なし
特殊クエスト
内容:自分の畑で★5以上の作物を収穫し、納品する
報酬:3000G
期限:なし
特殊クエスト
内容:自分の畑で栽培した樹木の採集物を納品する
報酬:5000G
期限:なし
あ、うん。ほんと全然イケる。となれば今度は★5の樹木の採集物を納品するクエストもあるだろ。今の内にやっておこっと。ついでに今日で一週間だから高級肥料も帰るから全部買おう。
無人販売機が使えるなら今の内に商品になりうる物を作ろっと。ハーブティーにリンゴジュース、クッキーにサラダ諸々・・・・・・。ポイントを消費して料理と調合と調理スキルをLv30にしたから美味しく出来上がってくれますようにっと思いを込めて、選択可能になっているレシピを試してみる。使うのはハチミツ、果物、水だ。心当たりはある。ハチミツニンジンジュースだ。あれは野菜だったが。似た物が出来るんじゃなかろうか。とりあえず試してみよう。切った桃と浄化水、ハチミツを調合鉢に入れて、かき混ぜる。すると、数秒後にはアイテムが出来上がっていた。
名称:ハチミツピーチジュース
レア度:2 品質★3
効果:満腹度32%回復
やっぱり予想通りだ。さて、ここでちょっと手間を加えてみようかな。緑桃は皮をむいてみるか。実際、さっきのジュースには微妙に沈殿物みたいなものがあったし。浄化水も煮沸しちゃおう。ハチミツは変えようがないから、これが今できる最大限の工夫だ。
名称:ハチミツピーチジュース
レア度:2 品質:★5
効果:満腹度24%回復:1時間、体力+1
なん、だと? 満腹度の回復率は下がったが、バフ効果が付いた。え? 凄くないこれ? 食事でもバフが付くんだ。初めて見た。だって美味しい食事で、バフ有りなんだぞ?
携帯食で腹を満たしている奴らはまだ多いらしい。攻略は全然進んでないけど、俺の食事情は結構上位かも知れないな。他のレシピも試そう。今度は青どんぐりを使った携帯食だ。ピカッと光り、香ばしい匂いのする携帯食が出来た。これも上手く行ったな。しかも食用草に青どんぐりを混ぜるだけのお手軽レシピだ。次は胡桃で試そう。
出来上がった携帯食は見た目は似たような物だ。5%だけ回復率が良いけど。まあ、重要なのは味だな。食べ比べしてみるか。早速ジュースとクッキーを食べてみる。
「うま! マジで美味い!」
どんぐりクッキーはリアルで食べるカロリーバーみたいな味だ。パッサパサで甘さも大分控えめだが、初期からある携帯食とくらべたら十分美味しい。でも胡桃の方が美味しいな。より甘くて、パサパサ感も控えめだ。胡桃の方が多少珍しいみたいだし、その差だろう。
ジュースは文句なく甘い。今後はクッキーとジュースを常備したいところだな。1回の調合で5つ作れる携帯食と違って、こっちは複数素材を使って1つしか作れないが、それでもこの美味さを知ってしまってはもう携帯食には戻れない。
「そうだ、これってハチミツ混ぜられないか?」
木の実は殻を剝くこともできそうだし、まだ工夫の余地がありそうな気がする。いや、待てよ? リアルだとどんぐりって水にさらして灰汁を取るとか聞いたことがある。
でも時間がかかるよな・・・・・。とりあえずは殻を剥いて砕くだけにしておこう。調合鉢にハチミツ、食用草、殻を剥いて砕いた青どんぐりを入れて調合してみた。次に胡桃でも同じように試す。
出来上がったのは2種類。ハチミツどんぐりクッキーとハチミツ胡桃クッキーだった。回復量は同じだけど、重要なのは味だからな。
しかもオリジナルレシピが完成したぞ! 普通のレシピページではなく、オリジナルというページに登録された。なんかやる気が出てきたな。もっともっと改良して、色々なオリジナルレシピを開発してやるぜ。
今作ったものを試食してみた。満腹度はもう100%なんだが、構うもんか。
「やばい、美味すぎる」
甘味がきちんと足され、本当に美味しい。
「他に何かアイディアは無いか? ジュースかクッキーに混ぜたりできる物とか?」
そうだ、薬草とかどうだろう? 味はともかく、HP回復効果とかつくかも。
ゴリゴリ――ボン
失敗か?なんか爆発して黒い煙が立ち上っているが。出来上がったのはゴミだった。スキルが低いせいか、もともと無理なのか・・・・・。
他の物とかじゃなく胡桃とどんぐり、両方使ってみたらどうだろうか? ミックスナッツ的な感じで。早速、青どんぐりと胡桃とハチミツを使ってクッキーを作ってみる。
名称:ハチミツナッツクッキー
レア度:2 品質:★3
効果:満腹度27%回復:1時間、満腹度減少防止
おー!成功だ。しかも1時間満腹度が減らないなんて、かなり良い効果だぞ。より満腹度の管理が楽になるな。今日残ってる素材で使えそうなものはもうないかな? いや、待てよ。混ぜられるものがあった。ワイルドストロベリーだ。俺はハチミツナッツクッキーにさらにこれを混ぜ込んでみた。
名称:ハチミツナッツクッキー・ハーブミックス
レア度:2 品質:★3
効果:満腹度27%回復:1時間、満腹度減少防止
名前以外は何も変わらないな。とりあえずハチミツナッツクッキーを食べて比べてみようかな。
「見た目はどんぐりクッキーとほとんど変わらないけど」
だが、口にしてみると、メチャメチャ美味かった! 味が全然違う。材料費は結構かさむけど、絶対にこれが良い。さっきまで美味しいと思っていたどんぐりクッキーじゃもう物足りないな。やばい、舌が贅沢になっていく。ハーブミックスは最早市販のクッキーだった。甘酸っぱいフルーツを混ぜ込んだような味がする。俺の好みの味だ。効果なんざ無くてもいい! これからはワイルドストロベリーの収穫量を増やそう。
そうだ、これだけ美味しいんだし、オルト達も食べるかな? 試しにジュースをオルトにあげてみた。
「ムムムムー!」
今まで見たことが無い、ハッスルハッスルの反応だ。作業スピードが格段に上がったのが目に見えてわかる。今後は出来るだけこれをあげた方が作業が捗りそうだな。ゆぐゆぐにも渡そうとしてみるが受け取らない。
「――――?」
どうも光合成スキルのおかげで、食事が必要ないらしい。これは便利だけど、オルトみたいな食べ物ブーストが効かないってことでもある。ミーニィも食べさせようとしたがそっぽ向かれた。もしやお前、肉食か?アイネは食べてくれたんだがな。ミーニィには町中で見つけた串焼き肉を与えればかぶりついて食べる。肉料理・・・・・もっと調味料があればな。
「手に入れられないものを考えてもしょーがない。テイムモスと初のモンスター狩りでもするか」
このテイマーのレベルも上げなきゃならんし。経験値とスキル熟練度のスクロールを使おう。
「ファーマー顔負けの作物を沢山育ててるねー」
納屋の出入り口から聞こえる声。女の声で振り返ると見知った顔のプレイヤーがそこに立っていた。
「イッチョウか。畑に入れるんだな」
「フレンドコードを交換したプレイヤー同士じゃないとね。そうじゃないプレイヤーは中に入れない仕組みだよんって、しばらく見ない内に凄く大所帯になってるねぇ」
「今からこいつらのレベルを上げにモンハンしに行こうかと思ってた。今テイマーにチェンジしてるからステータスポイントも更に貯まるし」
メインの方は?と聞かれたから18だと言うと。
「まだ20レベルにもなってなかったんだ。吉井君達はもうなってるのに」
「嫌味を言いに来たならお引き取り願おうか。そんなアドバンテージ、俺にはものともしない唯一無二のを取得してるからな」
「ほほう、同期のプレイヤーの中で数レベル以上も差が広がっているのにそれを覆すスキルか称号があると?」
意味深な笑みを浮かべるイッチョウ。そんなスキルは存在しないと信じていないのか、それとも是非教えて欲しいなという表情の裏返しか・・・・・。
「教えてもらったステータスポイント。偶数が5で10レベルで10ポイントの話をしてくれたよな」
「うん、そうだね」
「俺はそのレベルアップ時のステータスポイント取得量が3倍の称号を取得してる。普通のプレイヤーのステータスポイント取得量が30だが、俺の場合はその3倍で90ポイントだ。出遅れているが30レベル分の強さを取得でき、この称号は他の全職業にも共有できるわけで・・・・・」
「・・・・・」
「イッチョウ、他のプレイヤーよりレベルだけ出遅れているのは確かだが、俺は確固たる強さを手に入れている。出遅れも案外悪くはないんだぜ?」
今度はこっちが意味深な笑みを浮かべる。少しだけ10レベルも上げればポイントは90も貰える。それを他の職業でも10回すれば900という破格以上の戦果を得られる。他のプレイヤーが必死こいて30レベルも上げる最中、俺はたったの10レベルだけで同期のプレイヤーと同じ強さを得られる。ヘルメスもこれに気付いた筈だ。
「ハーデス君、いえ、ハーデス様お願いがございます」
俺の前、その場で静かに土下座をしだした。
「何かねイッチョウ君」
「是非とも、この卑しい私めにもその恩恵を伝授してくださいませ。条件があるというならば何でも致しましょう」
「ほう、何でもとな・・・・・?」
芝居が掛かった風な言動をする俺達。俺はイッチョウをいやらしく見つめこう言う。
「この情報はこのゲームのパワーバランスを崩壊させる極秘の称号だ。情報屋に売れば最低でも1000万Gはくだらないと思うが。その価値に見合うことをお前に出来るのかね?」
「ええ、勿論ですとも。このイッチョウ。あなたの恩恵を手に入れたら時期に始まるイベントのトップにあなた様を立たせてみせます」
「ふふふ、言ったな?そこまで言うなら伝授してやってもいいが・・・・・他言無用だぞ?取得できなかったとしても後悔するなよ?」
「ははー!!!」
ま、取得方法は至って簡単!レベル1のままモンスターを倒さず1週間始まりの町にいること!はい、以上!
「え、これだけ・・・・・?簡単すぎて誰も気づかないでしょ。というか、ゲーム初日から一週間もモンスターを倒さないでいるのって絶対に無理。私も初日からモンスター倒しちゃったから取得できないよん!!」
「残念だったな。灯台下暗しって話さ。あ、これ作ったけど飲む?」
名称:ハチミツリンゴジュース
レア度:3 品質:★3
効果:満腹度を19%回復させる。HPを5%回復させる。
「うん、頂くね・・・・・なにこれ、美味しすぎる!」
「料理と調合に調理のレベルを20ずつ振ったからな」
「ぜ、全部で60ポイントも生産系スキルに振るうなんて・・・・・贅沢過ぎる」
「大盾使いの時に貯まったポイントで振ったからだ。まだ60ポイントも残してるから【STR】と【VIT】に10ずつ、【AGI】に40振ってこんな感じだな」
死神・ハーデス
職業テイマー
LV1
HP 12/12〈+100〉
MP 19/19〈+200〉
【STR 20〈+127〉】
【VIT 20】
【AGI 100〈+120〉】
【DEX 10〈+120〉】
【INT 10〈+100〉】
装備
頭 【空欄】
体 【空欄】
右手 【初心者の鞭】
左手【空欄】
足 【空欄】
靴 【空欄】
装飾品 【フォレストクインビーの指輪】【古の鍛冶師の指輪】【
称号:万に通じる者 不殺の冒険者 出遅れた者 白銀の先駆者 毒竜の迷宮踏破 大樹の精霊の加護 ユニークモンスターマニア
スキル【手加減】【テイム】【使役Ⅹ】【獣魔術Ⅹ】【幸運】【逃げ足】【
「・・・・・ハーデス君。これ、テイマーのステータスじゃない。絶対に違うこれ。なに、【VIT】以外+100以上って。見たことが無いスキルと装飾品ばかりだし、どんなプレイをしたらこうなるの」
「思うが儘にプレイしたらこんな感じだ」
「そして気になるスキル【八艘飛び】ってなに?」
「あー、大盾使いで18レベルになってから戦闘は碌にしてないままでまだ把握してないんだわ」
「すぐにしようよ!ほら、レベリングも手伝ってあげるから!」
手を掴んで納屋から引きずり出すイッチョウに連れ出される形でオルト達も追いかけてくれる。
「因みにイッチョウのレベルは?」
「25だよ」
・・・・・悔しくないんだからね!と心中で言い訳する俺の気持ちを気付かない彼女の手によって町の外に来てしまった。
「ささ、早くやって見せてみてよ」
「自分に合うスキルだったら取得する気だな?」
「うん!」
清々しいのは嫌いじゃないぞ。使用する前に【八艘飛び】の詳細を・・・・・うーん、なるほどね。
「【八艘飛び】!」
高く飛び、宙を蹴って飛び続けること八回。イッチョウの前に降りて結果を伝える。
「この【八艘飛び】はAGI依存で数値が高ければ高い程に飛ぶ距離が長くなって最大八回まで空を蹴って飛ぶ感じだ」
「おおお・・・・・!!!」
感動した声を溢すがイッチョウは知らない。このスキルを取る苦労さをな。
「ハーデス君。それ、教えてくれると嬉しいな?」
「有料だ」
「んー・・・・・あ、じゃあ黄金の林檎でいい?」
「あるのか?」
「うん、ほら」
提示したアイテムは紛れもなく黄金の林檎だった。
「西の森で手に入ったか」
「たまたまねー。夜の森の中を探索してたら見つけたんだ。激レアだから使わずにとっておいたんだー」
黄金の林檎か。くれるなら欲しいところだ。
「西の方へ進むと川がある。その上流に行けば滝があってな。巣潜りして滝の裏に洞窟がある。そこに行けば八艘飛びのヒントが得られるぞ。途中、厄介なモンスターがいるから頑張れ」
「どんなモンスター?」
「オオサンショウオモドキ。洞窟いっぱいにノックバック効果付きの水弾を飛ばしてくるから大変だぞ。定位置から誘き寄せないと駄目だったわ」
「どんな方法で?」
「食用のアイテムを大量に投げて誘き寄せた」
イッチョウside
王様の情報通りに西の森の中を進んで川の上流へ進めば、滝があって水の中に潜ると川魚が泳いでいたし、底には採取できるアイテムがちらほらと見つけた。滝壺の裏側へ泳いで洞窟を発見して迷わず進んで潜り込んだ。
「ぷはっ!」
5メートルぐらい泳いだところで別の洞穴の中に辿り着いた。迷路みたいな感じの洞窟じゃなくて良かったよ。でも、問題はここから。ランタンを出して暗闇を灯して先を進むと・・・・・。
「こ、こういうことなんですねぇええええっ!?」
大きな生物を視界に入った矢先に、死神ハーデス命名オオサンショウオモドキが大きく開けた口の奥から大量の水の塊を放って、私をこの洞窟の出入り口の張った水の溜まり場にまで吹っ飛ばした!!
「こ、これは難易度が高い・・・・・。しかもHPバーがなかったし、倒せないモンスターが始まりの町の森のエリアにいるなんて・・・・・」
王様はほんと忍耐強いね。事前の情報を聞いていなかったら諦めていた絶対に。私もう疲れたよって。頑張ったよねって。・・・・・でも!
「王様もクリアしたんだ。私も倒さずクリアしてみせようじゃん!」
簡単だけどね!餌で誘き寄せるのは!教わった通りにしたら、向こうから投げた食用のアイテムを食べながらやって来て、私の横を通りすぎて水の溜まり場の中へ潜っていった。これでクリアなんだね。オオサンショウオモドキが居座っていた洞窟の奥へ進み、そして広大な湖の奥に天井の穴から差し込む光に照らされてる古い巨木が聳え立っていた。まるで始まりの町の大樹だ。あそこへ行くためのコケに覆われた足場が8つ・・・・・なるほど。
「意外と取得は簡単?でも、あんなてこずらせるモンスターがいたんだからきっとこの湖にもいるよね」
「―――勿論いるぞ」
「うわっ!?」
いつの間にか私の後ろにハーデス君が佇んでいた!
「やっぱり、攻略方法は教えない方が良かったか。こんなあっさりと進まれちゃ複雑極まりない」
「私の心が折れます」
「俺は折れ掛けたたがな」
流石の王様も大変だったんだ・・・・・。
「で、どんなモンスターがいるんですか?」
「足場を擬態しているアンコウモドキ」
「え、あの足場の中に紛れてるの?」
「踏んだ瞬間に足場が沈んで、そっから水中から飛び出してくる。俺は麻痺状態にしたから成功したけど、イッチョウはどう成功するのか見物だな。イッチョウの成功例が他のプレイヤーにも成功の秘訣に繋がるわけだし」
ちょっと見てろよ。と言って、先にチャレンジするハーデス君。軽々と足場を跳んでいき、あっという間に7つ目の足場から8つ目の足場へ跳んだ直後だった。8つ目の足場がいきなり沈んだかと思えば大きな口を開いて水中から飛びだすアンコウモドキ。あの人は空中で身体を捻って、アンコウモドキの捕食行動を躱し丁度額部分にあったコケだらけの足場を踏んで古い巨木の前へと跳んでいった。
「と、まぁこんな感じだイッチョウー!」
「わかりましたー!やってみまーす!」
律儀にアンコウモドキは元の定位置に戻って足場だけを浮かべ、プレイヤーという餌が来るまで待ち構えだす様子を見てから私も挑戦した。
イッチョウが八艘飛びを挑戦しようとしている間、改めてリヴェリアと出会ったこの巨木を調べてみることにした。ただの背景かそれとも・・・・・と注意深く見て大木の表面を触りながら探したところ。絡み合って重なって登れるようになっている幹を見つけてそれを足場にして登ってみると、この洞窟を一望できる高さにまで行けて―――葉っぱに覆われて隠されていた扉を見つけた。ただ、不思議なことに扉の表面に1つの窪みがあり、それを嵌めないと扉を開けられない仕組みとなっていた。
「何が必要なんだか・・・・・」
窪みを見つめながら悩んでたら、下から声が聞こえてきた。
「ハーデス君!何かあったー?」
スキル取得は終わったか。こっちまで来れるかと尋ねると、少しして折り重なってできた樹木を足場にしてイッチョウは登ってきてくれた。
「あ、こんなところに扉があるんだ。開けられる?」
「何かを嵌めるギミックがあるんだ。それが何なのかはさっぱりな」
「ふーん」
イッチョウも思い悩みだし、二人揃ってこの謎のギミックの解決の糸口を考える。でも、どれだけ現状でこの扉を開けるようなモノは―――。
「取り敢えず、何か嵌めてみない?」
「ん?今ある手持ちのもんで開けられるとは思えんが・・・・・」
何となく黄金の林檎を嵌めた。大きさや形は違うものの、窪みの中に入れられるのでまず最初にこれだと思っての考えだった。
カッ!!!
すると、黄金の林檎が輝きだし光に包まれた。変化が起きるのは構わない。未知を目の前にするのは楽しいし最初に見つけた優越感だって感じたい。だけどだけど・・・・・!
「お、黄金の林檎ー!」
せっかく貰った黄金の林檎が台無しにー!!ああ、消えちゃった!!!視界が真っ白な閃光で塗り潰されて目の前が何も見えなくなった時。
《死神ハーデスが一部エリアを開放しました。新ダンジョンと特殊エリア『機械の街』、特殊職業『ガンマー』を開放します》
『特殊エリアを解放した死神ハーデスに「かつての夢」をプレゼント致します』
何かの歯車がインベントリに収まるが黄金の林檎の消失に嘆く俺にはどうでもいいことだった。
「orz・・・・・」
「えっと、また取りに行ってあげるから元気出して?ほら、精霊さんが待ってるから」
・・・・・精霊?
イッチョウの指摘に顔を上げて前を見れば、始まりの町の大樹の精霊とは異なる女性が宙に浮いていた。今更ながら周囲を見回すと樹木の根で構築された空間にいて、石造りの台もあった。ここは精霊の祭壇か何かか?
「私はこの聖樹に宿りし精霊でございます。あなた方が捧げてくれた黄金の林檎のおかげで再び力を取り戻し、閉ざされていた場所を開放することが出来ました」
「はぁ・・・・・」
「感謝の印に、これを授けます」
《聖大樹の精霊の祭壇が特殊解放されました。最初に到達したプレイヤーに、称号『聖大樹の精霊の加護』が授与されます》
『聖樹の精霊の復活により死神ハーデスにはボーナスとして光の結晶、闇の結晶を贈呈します』
称号:聖大樹の精霊の加護
効果:賞金50000G獲得。ボーナスポイント5点獲得。樹木系、精霊系、ユニークモンスターとの遭遇率増大。
「わっ!2つ目の称号だよん!結晶も貰えたよ!」
「ん?ああ、『万に通じる者』を取得してたっけ」
パーティ状態だったからか、イッチョウも貰えたようだ。
「この場所にまた来た時はあなたと会えますか?」
「ええ、木の日の時だけですがね。そして御供えもしてくれたら祝福を授けることも可能です。次の祝福を授けることが出来るのは8週後ですが」
大樹の精霊と変わらないか・・・・・。このパターン、デジャヴを感じる。
「黄金の林檎、使っちゃったからないんだよな・・・・・なら、今ある中で高級な物を捧げるか」
高級肥料を台の上に捧げた。
「これは良い物です。あなたのお心遣いに感謝を。代わりに、祝福を授けましょう。これをお持ちなさい」
俺の思っていた祝福と違った。前回と同じ苗ではなく果実だった。しかも虹色のだ。
名称:聖大樹の果実
レア度:7 品質:★8
効果:使用者の空腹を50%回復させる。使用者の状態異常耐性を3時間上昇させる。クーリングタイム7分。
株化したらゆぐゆぐみたいな存在がテイムできるかもしれないな。だけどこれ、そう簡単に使っていいものだろうか?エルフのイベントにも関りがありそうだし、終わるまでとっておくか。
「イッチョウ、せっかくだから何か捧げたら?」
「うーん・・・ハーデス君のような高級な物じゃないと高いレアのアイテムが手に入らなそうだよね?」
「じゃ、高級肥料を譲渡するから試してみ」
「ありがとう。やってみるね」
渡したアイテムでイッチョウも捧げてみると、俺と同じ聖大樹の果実を手に入れた結果に喜んだが称号取得のお礼だと譲ってくれた。
聖大樹の精霊と別れ、祭壇に繋がる通路以外のもう一つの通路へ進む。その先は樹木のボスモンスターが待ち構えてたエリアでイッチョウと連携して難なくボスモンスターを踏破し、俺達は誰よりも先に新しい新エリアの機械の町に辿り着いた。
「うわー・・・!」
「なるほど、文字通り機械の町・・・・・機械で溢れてるな」
NPCも当然のようにいるようだ。この町のクエストもまだ手を出されていない状態だ。今ならやりたい放題じゃないか。
「あのシビアな経路もこの町に繋がっているなら納得しちゃうなー」
「俺達は運が良かったんだな。黄金の林檎がなければこのエリアを見つけることすらも叶わなかったんだ」
「隠しエリアも発見されないとこのエリアに進めれませんでしたよ?」
イエーイ!とハイタッチした後、町中の散策を始める。最初は二人で見て回り途中でGを支払えば手に入れられる機械のアイテムやこの町でしか手に入らないアイテムを動画やスクショして記録に残していった。
「これで移動の時が便利になれる!」
イッチョウは喜んで高いアイテムを買っては空を飛んで遊び始めるがまま、そのまま別行動を取った。俺は地上から探索しつつ連絡を取った。連絡してくる相手はイズだ。
『聞いたわよハーデス。新エリアの解放おめでとう!機械の町はどんなところかしら?』
「調べ始めたばかりで何とも言えないが、特徴的な事を言えば空を飛べるアイテムが売られていたぞ」
『へぇ!そんなアイテムがあるのね!私もそこに行ってみたいなー』
「今度案内するよ。この町に来るまでの経路が大変だからな」
『お願いね!できればその町しか売られていないアイテムも何個か買ってくれないかしら?』
「所持金は少ないが、気に入りそうな物だけ買っておくよ」
別の店に売られてる空を飛ぶために使っている機械を見る。複数人が乗れる車型のものもあれば背中に背負うだけの一人用のものもある。ただ、それらは結構高かった。
「むぅ・・・・・必須アイテムの割には高いなぁ・・・・・」
まぁ、鷹の羽衣を持っているから必要ではない。
ただ、それでも新しいものには興味があるためじっくりと機械を見る。
そうしていると、俺はあることに気づいた。
「これ、ネジとか使ってないんだ。近未来って感じだ」
ネジなどはどこにも見当たらずそしてとても軽かった。機械にしては軽いというのは相当である。俺はしばらく眺めると別の場所へと向かっていく。目的地もなく歩いている途中でハーデスは路地の入り口で倒れているNPCの老人を見つけた。
「ご老人、大丈夫か?」
ポンポンと老人を叩くと老人はボソボソと話し始めた。
「水を分けてくれんか・・・・・出来れば食料も・・・・・」
弱々しい声での老人の頼みを断る理由もなく、言われた通りにインベントリからアイテムを差し出す。
老人はそれらを受け取ると見る間に食べ終え飲み切った。
「ふぅ・・・・・ありがとう。どれ、お礼に一つ話をしてやろう」
「うん?」
何の話だ?クエスト発生していない・・・・・。俺が老人の前に座ると老人は話し始めた。
「この町の中心に立派な建物があるじゃろう?あそこには【機械神】がおってのう、空飛ぶ機械もその【機械神】が生み出しておるんじゃ」
「【機械神】・・・・・。それで?」
「奴の作り出す機械は製造方法が全く分からん、叩き割って調べた者もおったが・・・・・中にはなーんにもなかったんだと。それこそ【ネジ】も【歯車】も【バネ】もじゃ」
「え?あ、だから町に売られてるものは全部そうなのか」
「まあ、この辺りは皆が知っていることじゃ。ここからじゃよ」
興味津々で続く老人の言葉を待つ。
「実はな、あの機械神は【二代目】なんじゃよ」
「【二代目】・・・・・?」
「ああ、以前はこの町にも普通の機械といったものが溢れておった。【一代目】は機械を知らぬわしらに夢と希望を与えてくれたんじゃ」
老人の言うように、機械の概念がない所に与えられた機械は全て夢と希望と奇跡の塊だっただろうことは間違いない。
「そして・・・・・ある日、わしが町から離れていた時のことじゃ。町の方で青白い光が弾けた!」
「それで?」
早く続きをと急かす。
「わしは慌てて戻った。何かあったと思っての。すると…町は新たな機械に溢れ皆から【一代目】の記憶は消えておったんじゃ。それに、町から以前の機械は無くなってしもうた」
「その光を浴びたから記憶が?だから離れていたおじいさんは無事だった・・・・・?」
「・・・・・これで話は終わりじゃ。わしら二人しか【一代目】のことは知らんのじゃよ」
「・・・・・貴重なお話ありがとうございました」
お礼を言う俺に一つ頷いて老人は入り組んだ路地の奥へとゆっくり歩いていき、やがて見えなくなった。
「【初代】と【二代目】・・・・・何かありそうな予感がするな」
俺は老人の話を頭の隅にとどめておいて再び町を歩き始めた。
街を見てまわる中で目に付いたものはやはり【二代目】が作り出したという機械達だった。むしろそれくらいしか注目するところがなかったのだ。
「んーそろそろフィールドの探索にいこうかな。あの霧の向こう、気になる」
フィールドは高低差が大きく、崖になっている部分や雲まで伸びる山があちこちにある。
空飛ぶ力を持たないものに探索する権利は与えられない。
霧の立ちこめる深い深い崖を越えたその先にそびえる山に向かうため、鷹の姿となって空を飛ぶ。だが、俺は何一つ知らなかったんだ。その崖では横殴りの突風が吹くことも。
「うわっ!?」
風で体勢を崩した際に崖へと真っ逆さまに落ちていく。だけど、直ぐに体勢を立て直して遥か下、突風が吹かないへ避難、途中で衣を脱いで地に降り立っては濃霧の中で周囲を見回す。
「変なところに来てしまったな・・・・・」
マップで確認すると現在いるエリアの青いパネルで確認すると『夢の墓場』という場所に来てしまった模様。『夢の墓場』?
機械の町に墓場?機械の墓場ってことか?飛行機の墓場なんて場所が外国にもあるほどだし・・・・・と思いつつ先も見えない濃霧の中を歩く途中。
「ん?これ・・・・・」
足先にコツンと当たった何かを拾い上げる。それは壊れた機械だった。
様々なパーツによって組み上げられていたであろうものの残骸である。
だが、本来ここは発見難度の高いヒントの数々。
発見難度の高いパーツ。
ここに来るために必要な特殊条件。
全ての過程を偶然ですっ飛ばして俺はここにたどり着いたことをまだ気づいてもいなかった。
「よし・・・・慎重に進もう」
積み上がった残骸の山の隙間を縫うようにまともに歩ける場所をじりじりと進む。
「霧が・・・・・薄れてきてる?」
その霧が薄い方へと歩いていき、ついに最奥にたどり着いた。青い光が蛍のように舞う残骸の山に囲まれた場所。そして奥に一人の男が残骸にもたれるようにして座っている。その体は機械で出来ていた。
しかし機械にしては人に近すぎる。また人にしては機械に近すぎる。
目に光はなく、片腕は半ばからなくなっており、胸には大きな穴が開いていた。
「っ!?」
突如インベントリから勝手に飛び出したのは聖樹の精霊関係で手に入れたあの歯車。
それはふわふわと男の元に飛んでいきその空洞の胸に吸い込まれた。
それからしばらくしても何も起こらなかったため臨戦態勢で男に近づいていく。
「何が起こる・・・・・?」
「グ、ガ・・・・・」
一歩足を踏み込んだ瞬間に男が話し始めたためにメイン職業を重戦士にしてバッと大盾に身を隠す。
「我ハ王・・・・・機械の王・・・・・偉大ナル知恵ト遥カナル夢ノ結晶・・・・・」
「・・・・・・」
「我ハ・・・・・王・・・・・カツテノ王・・・・・淘汰サレタ者・・・・・」
俺は男の言葉を静かに聞く。
「我ハ・・・・・何ダ・・・・・我ハ・・・・・」
男の言葉はどんどんと小さく途切れたものになり、ついに話さなくなってしまった。
「これで終わり・・・・・?」
肩透かしそうになった俺の目の前で舞っていた青い光が男を包んでいく。それは胸に空いた穴に吸い込まれていき穴を光で満たした。
「グ・・・・・」
「まだだったか・・・・・」
それでも油断できなかった、男の様子がおかしいことに気づいたからだ。
「我ハ・・・ガラクタノ王・・・・・ゴミノ中デ眠ル王・・・・・夢モ奇跡モ・・・・・ガラクタニ」
そう言うと男の体が変形する。周りの残骸を胸の穴に吸収し、兵器を生み出し体に纏う。
銃が、剣が、武装が次々と展開される。
「オマエモ・・・・・ガラクタニシテヤロウ」
「・・・・・正気に戻せるかどうかわからないが、やってやろう!」
俺は大盾を構え、短刀を抜く。あの男がおかしくなった原因に心当たりがあった。
あの青い光、【二代目】の機械の光。
「あの部分だけを攻撃するっ!」
決意したその次の瞬間。視界を青白い弾丸が覆い尽くした。避ける暇もなくその後は壁へと弾き飛ばされる。
「くっ・・・・・ノックバックかっ!」
青白い弾丸は強力なノックバック性能を持っており、俺を残骸の山に押し付ける。ただ、俺の装甲を貫き七割もHPを減らしたのを見て危機感を覚えた。今のはVITを上回る攻撃か、それとも貫通攻撃か。どちらにしてもヤバいと。
「あー・・・・・動けない・・・・・」
しかもそのノックバック性能により動くことが出来なくなってしまった。
「【毒竜】!」
取り敢えず機械神に向けて毒竜を撃ち込むものの、機械に毒は効かなかった。毒竜本体が与えたダメージのみで毒による追加ダメージがなかった。デスヨネー。
「だったら・・・・・【エクスプロージョン】!」
機械神との距離を縮める作戦に打って出た。青い弾丸を雨のように放ってくる機械神に向かって【エクスプロージョン】を撃った。機械神にどれだけダメージが入るのか二の次で、【エクスプロージョン】で生じる黒い煙幕で俺の姿を隠すのが目的だ。【八艘飛び】で移動する俺という敵を見失ったからか機械神は自棄になって弾丸を周囲に乱射し始めるが、それによって自分の位置を教えてくれるから立て続けにMPを回復しながら【エクスプロージョン】を使う。あの弾丸を食らうのは危険すぎるので短期戦が望ましいだろうな。
だからこそ、一気に近づいて機械神に肉薄し青い光の溜まった胸の部分に手を突っ込んだ。
「これで終わりだっ!」
俺は機械神に抱きつくようにして奥底まで手を入れる。出来る限りその体を破壊することなく、正気に戻すために。
「【悪食】!」
運営からすればその行動はある意味正解で、ある意味間違いだった。
そこを攻撃することで正気に戻すことは出来ない。ただ【弱点】であるその部分を攻撃することで大ダメージを与えることができ、その結果・・・・・。
機械神の様子が変わった。
「グ・・・・・カハッ・・・・・我ハ消エル・・・・・ダガ・・・・・」
俺は話し始めた機械神の声を一音も聞き逃さないように耳をすませる。
「・・・・・僅カニ意識ノ戻ッタ今・・・・・託ス・・・勇敢ナ・・・者・・・・・」
そう言う機械神の胸の穴には青い光が溜まり始めていた。
「・・・・・我ノ・・・チカラデ・・・・・我ダッタ・・・コイツ・・・ヲ・・・・・倒・・・セ・・・」
そう言う機械神は俺に向けて古びた歯車を投げつけた。それをキャッチして受け取ると俺の体に吸い込まれて消えていった。
「・・・・・眠ラセテ・・・クレ」
それと共に機械神の様子が変わる。全身が青白い光に包まれ、パーツの存在しない【二代目】の装備を身に纏い空へと舞い上がり青い弾丸で攻撃してきた。俺は先程と同じように壁に向かって弾かれるしかなかった。
「チカラヲ託ス・・・無駄ナコト・・・」
無機質な声が上空から聞こえる。
内容からして二代目の声だろう。
一代目の体は二代目に乗り移られて無理やりに動かされている。
「・・・・・無駄じゃねぇよ・・・」
一代目から託された力スキル、かつての神の力。それは単純で、不思議なことなど何もない力だった。
「人から人へ託され継承されていく力が無駄じゃないことを証明してやるよ二代目!【機械神】!」
そう叫ぶと頭の中にイメージが浮かび上がる。俺は鎧と大盾と短刀を選択した。【二代目】がどこからか機械を創り出すことが出来るのに対し、【一代目】は材料が必要だった。
即ち。
装備を破壊し、武器を生み出す力。当然、材料が良質であればあるほど出来る武装は強力になる。
「【全武装展開】」
静かに呟いた俺、その身に纏う再生する黒い装備。
それらから、夜空を切り取ったような黒い武装が次々と展開される。
大盾を持つ腕の部分からガシャガシャと音を立てて銃が現れ、背中からも木の枝が伸びるようにして俺の体と比較すると大きすぎる砲身が空に向けられる。
短刀を持つ方の腕は同様の黒い刃が伸ばされ、それらを支える足腰は機械を纏い強靭になった。
胸から腹部にかけては大小様々な歯車が回転しており、顔の右半分から首にかけては歯車や配線が複雑に覆っていた。
「何なんだ、このスキル!?」
驚いて全身を覆う武装を眺めていた俺だったが、やらなければいけないことを思い出す。
「あれを倒さないとな・・・・・」
俺も空飛び、【エクスプロージョン】で煙幕代わりに二代目の視界から隠れた。すぐに煙幕から飛び出す二代目だが真後ろにいる俺の存在にまだ気づかず、
「【咆哮】!」
10秒間硬直するスキルだ。相手が機械だろうが硬直するだろう。
「・・・・・これで・・・・逃げられないぜ」
一代目の力を受け継いだ俺はつまり【三代目】だ。
産まれたての俺という機械神は二代目に対し静かに呟き武装全てを向けた。
「【手加減】そして【攻撃開始】」
爆音と共に全ての武装が火を吹く。
運勢の設定上ではこれらの武装は装備に見えるが装備ではない。代償により威力が決まっているスキルである。つまりそこにハーデスの【STR】値は一切関与しないのだ。ただ、一発一発の威力はそこまで高くなく連擊に偏った武装だった。そう、今回のところは。
HPが1だけ残った二代目に対し、俺はにやりと口の端を吊り上げて笑みを浮かべた。一番脆く一番引きやすそうな部分を狙っては、噛みついて―――噛み千切ったことで機械神のHPを0にした。
その後の一代目を包んでいた青い光は消えた。一代目は眠りについたんだろう。抱えて地面に飛び降りると静かに彼を彼の機械にもたれかからせた。
「・・・・・」
俺は青い光がなくなったことを確認すると一代目の機械神に向かって黙とうを捧げた後は町に戻った。そこで取得した称号やスキルを確認する。
称号:三代目機械神
スキル【機械神】
機械神(一代目)の力を司るスキル。使用者の装備を破壊し、銃器や刀剣などの武器を展開する。一度装備を破壊すると、一定回数(装備によって異なる)は武装を生み出すことができる。攻撃の威力は代償とする装備によって異なり、使用者自身の【STR】値は関与しない。
スキル【機械創造神】
機械神(二代目)の力を司るスキル。MPを消費して機械のアイテム、装備を製造する。消費するMPの数値によって製造できるものは異なる。
取得方法:HPドレインで倒す。
運営side
「嘘だろっ!?機械まで食べちゃうってどんな神経をしてるんだこのプレイヤー!!」
「不味い不味いって・・・・・MP200も消費した機械のアイテムって機械のユニーク装備を作れる設定してなかったっけ」
「いや、それは500に設定変更した筈だ。問題はない、ないんだけど・・・」
「なんです?」
「MPのみの極振りをするようなことを仕出かしたら、そんなことも可能になるなぁって・・・・・」
「・・・・・ヤバいじゃないですかそれ」
「いや、それはまだ可愛い方だ。一番ヤバいのはドールにそれを譲渡したらだ」
「・・・・・完全無敵の存在になり得てしまう!」
死神・ハーデス
LV24
HP 40/40〈+100〉
MP 12/12〈+200〉
【STR 0〈+129〉】
【VIT 210〈+66〉】
【AGI 0〈+120〉】
【DEX 0〈+120〉】
【INT 0〈+100〉】
装備
頭 【空欄】
体 【黒薔薇ノ鎧】
右手 【新月:
左手【闇夜ノ写】
足 【黒薔薇ノ鎧】
靴 【黒薔薇ノ鎧】
装飾品 【フォレストクインビーの指輪】【古の鍛冶師の指輪】【
称号:万に通じる者 不殺の冒険者 出遅れた者 白銀の先駆者 毒竜の迷宮踏破 大樹の精霊の加護 ユニークモンスターマニア 三代目機械神 聖大樹の精霊の加護
スキル
【絶対防御】【手加減】【体捌き】【瞑想】【挑発】【極悪非道】【シールドアタック】【
機械神との戦いで得た6レベル分、今回は60ポイントをVITに全部振った後、機械神がいると聞いた建物へと【機械神】の状態で向かった。三代目機械神として存在することになった俺でも入れるんじゃないかと予想してだ。
この町で一番大きい建物の扉の前に降り立った俺の予想は的中だった。扉に触れると一人で開きだして中に入れるようになったのだ。一歩前に足を出すと真っ暗だった空間に照明がパッと光って鎮座しているソレを最初に見つけた。楕円形・・・卵型のカプセル。中に何が入っているのか開けないと分からないカプセルのその前には、機械的な台があって好奇心に勝てずそれに近づく。それは一言で言えば近代的なコンピューターだった。
「二代目が創ったのか・・・・・?」
台に触れると台が光り出し、立体的な青いパネルが浮かび上がった。それから同時に声が聞こえだした。
『識別認証を確認します―――確認しました。死神ハーデス様。所持しているスキルを選択してください』
ん?どういうことだ?
「選択したスキルはどうなる」
って、聞いといてなんだけど質問に答えてくれるか?
『再び取得可能なスキル以外は使用不可能になります。選択したスキルによって
あ、答えてくれた。助かるし、しかも
「スキルはその
『肯定。また、スキルを受け継がせたい場合はここ『機械神のラボ』にお越しくだされば可能です』
「ラボ、ね。一つ聞くが他にも存在するのか?
『肯定。機械神の命であれば全ての
一体幾つ存在しているんだ?だが、これを放置するわけにもいかないだろ出会ったからにはさ。
「因みにそれって俺しか使役できないのか?それとも他のプレイヤー・・・・・他の冒険者も使役することはできないのか?」
『前者は肯定。後者は肯定。ただし後者の場合、一代目か二代目の機械神の名を持つ者以外では
契約条件? それはなんだと聞けば戦闘スタイル・カルマ値・野生値・好感度諸々を総合してタイプ分けされ、一定条件を達成しているとプレイヤーと契約を行い、供として活動するようになるそうだ。
「他の
『死神ハーデス様がこの
あ、スキルの継承をしろと催促された気がする。だったら俺も決めなきゃいけないよな。うーん・・・・・悩むけどまだ気になる事がある。
「ごめん、質問だ。
『否定。ありません』
「HPとMPは?」
『HPの代わりに耐久値が表示されます。MPの概念は否定。ありません』
「MPがない?魔法のスキルを継承しても意味がないってことか」
『肯定であり否定。
それ、もはや魔法じゃなくてそのまんま科学・・・・・。
でも、そうかそうか・・・・・そういうことなら問題ないな。スキル欄を展開して継承させるスキルを選択した。
絶対防御 悪食 体捌き 受け流し 瞑想
「スキルを継承せずに使役するとどうなる?他の
『他の
「減った耐久値は回復とか元に戻すことは?スキルでもできないのか?」
『ポーションでの回復は否定。スキルでの回復は肯定。後にこの町の店で解放される
気をつけよう・・・・・。
「腐食攻撃は
『否定。この
何それ、俺も欲しい!
「あ、耐久値って増やすことは?」
『否定。できません』
決められた一定値の数値で活動されるのか。一緒に行動する際は注意が必要だな。
「最後だ。絶対防御のスキルを継承したら
『肯定。その場合はステータスの数値が上昇、倍加や倍増するスキルであれば全て使役者のステータスと同じ数値として反映されます』
ん、そういうことならこれでいいだろ。機械創造神以外は取得できるから問題ないし。
「継承するスキルを決めたぞ」
『開始する前にご確認します。継承するスキルはこれでよろしいですね?再度取得できるスキル以外は二度と取得できません。継承しても構いませんか?』
「構わない。お願いするよ」
『かしこまりました。スキル継承を開始します。これより
選んだスキルはスキル欄から消滅して、カプセルが光り輝きだした。弾けるように迸る閃光の中から人の輪郭が浮き彫りし始め―――。
「―――で、サイナちゃんっていう
「そういうことだ」
合流したイッチョウから意味深な眼差しを向けられるようになった原因を視界に入れる。
膝の裏まで長い銀髪から空色の粒子が散りばめている瞳が空色の女性。初心者の装備で佇む彼女を全プレイヤーは人形だと信じないぐらい完璧な人の型に嵌っていた。
「機械の神様と戦っていたなんて、ハーデス君はどういう星の下で生まれたらそうなるのかなぁ」
「その言葉、イッチョウが俺の立場だったら絶対に同じことを言ってるぞ」
「あははー、だよねー。でも、契約条件が必要なら、他のプレイヤーも頑張って条件を達成しないとね」
今度はイッチョウの話を聞く。
「ダンジョンはあったけど、この町からその先のエリアはなかったよ。ただ、そのダンジョンにも入れなかった」
「入れないダンジョン?」
「うん、情報が全く無いから全然わからないけどね」
特殊なエリア故の特殊なダンジョンということか?一先ずこれらはタラリアに売っておいて、他のプレイヤーに検証してもらおう。
「始まりの町に戻るか。イッチョウも今日から一週間、レベル1のまま過ごさないと取得できないだろ」
「あ、そうだね。【八艘飛び】も取得したし、満足だよん私は。で、またあのダンジョンの所へ?」
「―――いえ、転移装置で戻れます」
ここに来て、第三者の声=サイナが言葉を発した。
「転移装置?」
「はい、片道だけですが始まりの町に戻る転移装置があります。それをご利用なされば早く帰れますよ」
「イッチョウ、そんなシステムがある事知ってた?」
「これでも第2エリアの町に進出してるよ?知ってたけどこの町にもあるなんてね。それなら直ぐに帰れるよ」
「その前にショップ寄っていいか?サイナの専用アイテムとやらを確認したい」
俺の要望に叶えてくれたイッチョウとサイナを引き連れて道具屋に赴いたところ。そこで販売されていた数々の・・・・・。
「たかっ!高すぎる!一番安いので10万Gかよ!」
「主に売ってるのはエネルギー武器と銃火器に付属品・・・・・あ、この広範囲探知機はいいね。プレイヤーやモンスターの居場所を立体的に把握できるよ」
「うーん、プレイヤーでも使えたらいいんだが。サイナ達の専用装備だ。あ、5000Gで耐久値完全回復のアイテムが売られてるな。買っておこう。サイナ、お前はどの装備が欲しいか要望あるか?」
「これですね」
「・・・・・遠慮がないなサイナさんよ」
「い、1000万G・・・・・」
機械のユニーク装備を指差すサイナに俺達は唖然してしまう。それから、転移装置を利用する前に来た道に戻ってみた。機械の町のエリアが解放されたことでオオサンショウウオモドキとアンコウモドキはどうなっているのか調べるためだ。するとどうだろうか・・・・・。
「あれ、変わってるよねこれ。アンコウモドキも含めて八つの足場と湖があった場所に辿り着いた頃なんだけど」
「聖樹もないな」
イッチョウの言葉通り聖大樹と湖があった場所は樹木の根で洞窟と化してた。聖樹の精霊の祭壇は途中の分かれ道があって、そこへ向かえば見覚えのある祭壇を見つけた。そのまま、オオサンショウウオモドキがいる洞窟へと向かうと戻ってきていないのか水辺にまで辿り着いてしまった。
「ステージの構造が変わったのは確かだね」
「かもな。サイナ、水中を活動することは?」
「専用装備があれば可能です」
今はできないと。結局俺達は機械の町まで出戻りし、転移装置で始まりの町に戻った。転移された場所は町の中央。そこから西通りに向かいタラリアへ直行すると長蛇の列が出来上がっていたので、順番を待つことしばらくして。
「き、来たわね!!」
出会い頭、耳と尻尾を逆立てるヘルメス。
「何故身構える」
「ここに来たってことは特殊エリアの情報を売りに来たんでしょ!? もうプレイヤー達がそのエリアの情報はまだなのかってしつこく問い詰められて大変だったんだから!!」
「藁にすがる思いで俺達から情報を入手したいのは判ったから落ち着け。全部教えるから」
「それはそれで破産しかねないんだけど・・・・・!!」
いや、するんじゃないかな?
「それじゃ教えるな」
「ど、どんとこい!!」
既に可哀想なぐらい身体を震わせては、負けるな自分!と決死の覚悟を決めた人の顔になってるヘルメスに長々とサイナのこと含めて全てを打ち明けたら「う、うみゃーっ!!!はさーん!!!」と頭を抱えて涙目で空を見上げながらそう叫ぶヘルメスまで3分後。情報料は200万G!でも、巨額な支払いのため銀行や手持ちすら所持してないから後日必ず支払うことになった。当の『タラリア』の資金が破産に追い込んでしまったからな・・・・・。
【新発見】NWO内で新たに発見されたことについて語るスレPART19【続々発見中】
・小さな発見でも構わない
・嘘はつかない
・嘘だと決めつけない
・証拠のスクショは出来るだけ付けてね
1:メタルスライム
早速だが新職業『ガンマー』か・・・・・。
2:トイレット
特殊エリアの機械の町も白銀さんが解放したって聞いて、戦闘中だったのに驚いて死に戻りしてしまったよ!
3:ヨイヤミ
職業欄にガンマーの職業が追加されていたけど、始まりの町じゃ解放することが出来ないみたいだ。やはり解放された新エリアに行かないと駄目のようである。
4:ふみかぜ
ガンマーは男のロマン!この際、ファンタジーゲームなのに銃器の要素を入れるのは?という疑問はかなぐり捨てて早くこの手に銃を手に入れてヒャッハーをしたい!!
5:アカツキ
銃のスキルって貫通攻撃が当たり前のようにありそう。連射も可能だから強そうだしな。
6:佐々木痔郎
片手銃と片手剣の異色スタイルも悪くないな・・・・・。
7:ロイーゼ
そんな職業がこれから解放されるのかね?まあ、剣士と魔法使いの職業を選択して魔剣士を目指すプレイヤーもいるから色物職業としてならワンチャンありかも?
8:ふみかぜ
是非とも実装されていると信じたい!そして新エリアはどこだー!?第三エリア以上の先から一行に進めないんだよ!
9:アカツキ
多分、何かのギミックやイベントを攻略しないと先へ進めないようにしてるんじゃ?良ければだけど他の皆は現在進行形で何してるか訊いても?
10:メタルスライム
ひたすらレベル上げ。
11:ふみかぜ
↑に同じく
12:トイレット
↑同じく
13:ヨイヤミ
資金集めにポーションを量産中。
14:佐々木痔郎
白銀さんの真似してファーマーしてる
15:ロイーゼ
≫14おいwあ、俺もレベル上げ。たった今レベルが上がって上位職業に転職できるようになった
16:アカツキ
佐々木痔郎以外、順調にプレイしているけど。白銀さんの場合はどうしたら予想斜めな結果を叩き出すプレイをするんだか
13:ヨイヤミ
俺達が気付かないことを気付いてやってるか、無意識にやっているとしか思えない。
14:メタルスライム
佐々木痔郎。他のプレイヤーの真似をして得したことがあるのか。因みに情報とかあるか?
15:佐々木痔郎
おう、ファーマーのプレイも案外悪くないって感じて楽しくなってきたのと、白銀さんがファーマープレイしてるからか、妙にファーマー一筋のプレイヤーの間では有名になってきてる。何でも白銀さん、お近づきの印に白銀産の林檎の苗木をプレゼントしたんだってさ。しかも『植物知識』っていうスキルの第一発見者だとか。俺もその取得方法を聞いてすぐに取ったよ。
16:トイレット
白銀産wwwww
17:ロイーゼ
そんな東京の銀座っぽい言い方で草が生えるwwww
18:佐々木痔郎
ファーマーじゃなくても農業ギルドの貢献レベルを上げれば、無人販売機が使えるようになる事もわかった。今後も白銀さんが無人販売機を使えるようになったら、きっと騒ぎになるような物を販売すると他のファーマープレイヤー達は確信してるっぽい
19:ふみかぜ
よくそこまで調べたな。白銀さんを知るには同じことをしろと?
20:メタルスライム
相手を知るにはまず同じ立場にいることが大事だと言うぐらいだ。あながち間違ってないだろうな。
21:佐々木痔郎
( ・´ー・`)
22:アカツキ
ドヤ顔するなや。自慢でもないぞそれは。というか白銀さんが『植物知識』の第一発見者だったのか。ファーマープレイヤーの真似してそのスキルは得するのか?効果は?
23:佐々木痔郎
外のエリア中に生えてる木々と植物の名前が分かる程度だ!だけど大工や木工プレイヤー達からすればこのスキルは垂涎もので、見たことも手に入れたこともない木材を欲しいあまり、一時期はかなり高騰した値段で売買してた。おかげで俺の懐はウハウハだ!
24:メタルスライム
それは重畳だが、それも白銀さんの影響があったからこそだろうな。
25:トイレット
あの人がやることなすこと、しでかすことやらかすことは俺達プレイヤーに影響を与えるって・・・・・
26:ヨイヤミ
ああいう人が後々有名人になるんだろうな。その影響力、あやかりたい
27:佐々木痔郎
ならば、共にファーマープレイをしよう!今なら白銀さんと接触できるチャンスがあるぞ!
28:ロイーゼ
こいつ、勧誘しやがりだしたwそんな簡単に接触出来る筈が・・・・・
29:佐々木痔郎
はい、スクショ
30:メタルスライム
・・・・・なんだと?
31:ふみかぜ
この銀髪に澄んだ青い瞳・・・・・も、もしかして・・・・・。
32:佐々木痔郎
そう、彼の有名になりつつある白銀さんである!いや、あの人。普通に話しかけやすい人でテイムモンスを紹介してくれたり色々としてくれたよ。さっき、新ダンジョンと新エリアの『機械の町』の情報をタラリアに売ってきた帰りだそうでさ。俺もその情報を買いに行ってきました。自然な流れでフレンドコードの交換もしてくれた。あの気さくさな性格は嫌いではないよ・・・・・お互いイベントも頑張ろうなって言われたし、まだ売ってないって言うハーブティーの試飲もお願いされて飲んでみたらすっごく美味しかった。
33:アカツキ
上から目線で言われたわけでも自慢するわけでもなく、同じプレイヤーの一人として接する態度と無欲さがゲームを楽しむ秘訣という・・・・・?
34:ヨイヤミ
うぐっ・・・・・!!こ、心が痛い・・・・・っ!!!え、ハーブティー?
35:佐々木痔郎
というわけで、手が空いているなら今から新エリアに行かないか?白銀さんに見倣ってゲームを楽しむ秘訣をしたいからさ°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°(澄んだ眼差しで誘う)
36:ふみかぜ
最後の方が気持ち悪い。行くけど
37:メタルスライム
俺もパーティの皆に声を掛けて同行させてもらおう。気持ち悪いぞ
38:ロイーゼ
ファーマープレイの真似するだけでなく白銀さんの真似を始めるつもりはないだろうな?行くけど最後が台無しだ
39:トイレット
ということは丁度パーティの上限で行けてメタルスライムのパーティとチーム組めば行けるな。一人もはぶれず安心したのと、佐々木痔郎は気持ち悪い
40:アカツキ
これもゲームを楽しむ醍醐味という奴だな。案内は任せる
41:ヨイヤミ
佐々木痔郎さん。お願いしまーす
42:佐々木痔郎
≫40と≫41以外は連れて行かねぇ!あ、ここだけの話。何でも新エリアにはモンスターではないNPCでもない機械の武器をカスタムできる
43:ロイーゼ
なんだそれ?白銀さんは手に入れているのか?
44:佐々木痔郎
手に入れていた。まるで従者のように白銀さんと一緒にいたよ。すっごく美人だった! はい、スクショ。さらにここだけの話、取得したスキルを
45:ふみかぜ
ナニコレ!?そして何それ!?つまりこんな美女とパーティを組んで一緒に活動できるってこと!?マジで美人だ!!
46:トイレット
こ、このドールちゃんを手に入れる方法は!?
47:佐々木痔郎
悪い。それ以降の話は教えてもらえなかった。掲示板に一部だけ流して言い条件ってことでこの情報を提供してもらったんだよ。それ以上の事はタラリアから情報を買えってさ
48:アカツキ
ぐぬぬ・・・・・そんなの買うしかないだろ!
49:メタルスライム
パーティのメンバーが凄い勢いでタラリアに走って行ってしまった。それだけじゃなく、一部のプレイヤー達が慌てて走り出す現象は・・・・・。
50:ヨイヤミ
悟ってやれ。それよりハーブティーのことが聞きたい。
51:佐々木痔郎
それなら問題ない。飲んだハーブティーの品質は★5だったよ。無人販売機が使えるようになったら販売するって
52:ロイーゼ
何その品質の数値!?
町に戻って畑でオルト達と一緒にいるリヴェリアに話しかけた。光の結晶と闇の結晶について何か知っていないかと尋ねたいから二つの結晶を見せると、彼女はまじまじと確かめるような眼差しで視線を向けて来た。
「光の結晶と闇の結晶・・・・・ノーム達のような精霊がもう二ついるということですか?」
「リヴェリアでも知らないのか」
「ええ、私達エルフの間でも四大精霊の言い伝えしか知り得ません。恐らく一度も現世に干渉しなかった精霊なのでしょう」
人間界に一度も干渉しなかった光と闇の精霊・・・・・だったら、どうやってこの二つの結晶を捧げるギミックがある場所を探さないといけない?この世界の創世神話では―――。
確か月の日に闇神が世界を作り、火の日に戦神が火をもたらし、水の日に海神が水を降らせ、木の日に樹母神が緑を生み、金の日に天神が空気を作り、土の日に地神が大地を創造し、日の日に光神が世界を祝福した。
―――だ。
タラリアの情報網でもなかった。見つけたプレイヤーが秘匿しているか、第3エリア以降のエリアにあるのかどちらかだ。光の結晶を晴天の太陽にかざす。太陽の光に照らされ結晶は淡く輝く。
「うーん・・・・・」
まぁ、別に急いで探すことじゃないな。今は消失したスキルを再取得だ。