バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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新発見続々2

消失した【絶対防御】等のスキルの取得は数時間を経てようやく取得し直した。以前の戦闘力に戻した後はサイナと従魔ギルドや農業ギルドのランク上げを専念して一日を費やした。その成果で農業ギルドのランクは5、従魔ギルドは4となって、新しいアイテムを売られるようになった。従魔ギルドはハニービー、リトルベアという蜂と熊が親という天敵同士の配合で生まれた卵。それをと成長促進孵卵器もセットに購入して孵化するまで畑の納屋に設置した翌日の事。

 

学校へ赴くため分身体に代わってゲームをさせる日課が始まった。

 

オリジナルの代わりに分身体の俺は、念願の無人販売機が使えるようになったので、これまで温めて来たアイテムを一気に販売することにした。まずはハーブティー。品質★5のは500Gにしてハーブの種と茶葉を200Gに設定。無人販売機は5つしかアイテムを販売できないようだから、クッキーとジュース類の購入制限は1つまでにしよっと。

 

「あ、白銀さんだ!」

 

「こんにちはー」

 

無人販売機を弄っている最中に聞こえてくる女の声。聞いたことがあったから振り返ると、プリムとネネネが速足で寄ってきた。

 

「白銀さんも無人販売機を使えるように・・・・・ハーブティーだ!クッキーとジュースもある!」

 

「先駆者の称号を持ってるだけあって先に進んでる。あ、ハーブの種も売ってるんですか?」

 

「他のプレイヤーもハーブを育てて自分でハーブティーを作ってもらいたいからな」

 

「独占とか考えは?」

 

「したくないと言えば嘘になるが、どうせ後々【植物知識】と花屋の存在にプレイヤー達が気付く。他のファーマープレイヤーに教えたんだろ?」

 

肯定の意味で頷くネネネ。なら時間の問題だ。

 

「―――このハーブティー、すっごく美味しい!クッキーもハチミツアップルジュースも美味しい!」

 

「あ、先越された。私も買う」

 

「初購入者第一号と二号が二人とはな。ノーフは?」

 

「まだログアウトですよー。ふっふっふ、他の皆に自慢しちゃおっと!」

 

あっという間に飲食終えたんかい。

 

「確かに美味しい。料理スキルと調理スキルに調合スキルが高くないとここまで仕上がりができないのかも」

 

全部レベル30だからな。それと手動で作った出来栄えが良かったんだよ。

 

「白銀さん、機械の町はどうでした?ファーマーに関わる物とかありました?」

 

「それはなかったな。ただ、面白い物はあったぞ。空飛ぶ機械のアイテムを買えば空を自由に移動できるのがあった。数万Gも掛かるけどな」

 

「空を飛べる!?白銀さん、それいま持ってます!?」

 

「あるにはあるけど」

 

「・・・・・それ、貸してもらえることとかは?」

 

「貸すことはできないだろ?できるのか?」

 

「レンタル料1000Gでいいですか?」

 

何故にかレンタル料が発生したんだが。まぁ、別に貸すぐらいなら構わないんだがな。

 

「じゃあ、ほれ」

 

「ありがとうございます」

 

「あー!ネネネ、ズルい!」

 

「早い者勝ちだよ。・・・・・なるほど、こういう感じに使うと」

 

早速ネネネは空飛ぶ機械のアイテムの操縦桿を握って、俺達を地上に置いて空へと飛んでいった。

 

「いいないいなー!すっごく気持ちよさそう!」

 

人は空飛ぶことを憧れている種族だとか聞くけど、本当にそうなんだなと顔を輝かせるプリムを見て微笑んでしまう。それからネネネは始まりの町を一周してから戻ってきたようでしばらく時間が経った頃に戻ってきた。

 

「乗り心地はどうだった?」

 

「最・高!!!」

 

「おお、いつもクールなネネネが珍しく高揚してるっ」

 

「リアルでも付き合いがあるようだな」

 

「親友で同じ学校に通ってる同級生ですからね。あともう一人いるんですけど人見知りでいつも引き籠っているんですよ」

 

「家でか?」

 

「私達と同じ生産職をプレイしてます。主に爆弾作りがハマってしまってそういう意味で引き籠ってるんです」

 

爆弾作り・・・・・初めて聞いた単語だ。職業欄に・・・・・あ、あった爆弾使い。

 

「爆弾使いか」

 

「はい。その子の家、花火師の家系だから自ずと花火=爆弾を創れるゲームだと知るや否や、速攻でその職業を選んで楽しんでいます」

 

パーティで戦う時が気を遣いそうだな。ちょっと興味沸いたけど。機械の町にも色んな機械の道具があったな・・・・・その中には爆弾系統の―――。

 

「あ、メールだ・・・・・プリム、あの子が来るよ」

 

「えっ、一緒に遊ぶため?」

 

「私が乗ってた機械のアイテムを見てたらしく、機械の爆弾があるのか直接聞かせて欲しいって」

 

「あったぞ」

 

「報告させてもらいますね。・・・・・速い」

 

どっちの意味で?と言うまでもなく、この場に走ってくる一人のプレイヤーが髪をなびかせながら接近してきた。漫画だったら背景に砂か土煙を起こしながら、全力疾走して走る幻覚を見えてしまいそうなぐらいだ。

 

「機械の爆弾はどこだー!!」

 

カラフルなアフロ、額に鉢巻を巻いては花火祭と書かれた法被を身に着ている忘れそうにない印象な出で立ちの少女のプレイヤー。背中にでっかい砲筒を背負っているのは武器としてか。

 

「ネネネ、新種の爆弾はどこだ?嘘だったら爆弾ぶっ放すよ」

 

「こっちこっち」

 

「ん?」

 

俺の方へ指差すネネネに釣られて視線をこっちに変える祭り少女。

 

「白銀の髪・・・・・ああ、噂の白銀さんか。あなたが新種の爆弾を持ってるのか?」

 

「機械の町に見かけた程度だ。持っているとは一言も言ってないぞ。使い捨て用の爆弾として売られてもいたから嘘ではないが。ほら証拠にスクショだ」

 

「・・・・・これが新エリアに売られてる爆弾。こうしちゃいられない!今すぐ行かなくちゃ!」

 

名も知らぬ少女は踵を返して走り去っていった。まるで嵐のような存在だったと思わせる言動に呆気に取られてしまった。

 

「すみません白銀さん。三色のご飯よりも色恋よりも花火が恋人だと豪語するほど花火に情熱を捧げている娘で」

 

「まぁ、楽しそうで何よりじゃないか?一緒に遊べなくて二人はどうなんだか知らないが」

 

「爆弾の威力の検証によく付き合わされているから問題ないです。出来るかどうか知らないですけど、城を丸ごと吹っ飛ばす威力を目指しています危険な思考の持ち主ですが」

 

・・・・・・エクスプロージョンの取得法を教えたらどうなる事やら。

 

「あ、そうだ。次私の番だよ。貸して貸して」

 

「白銀さんにレンタル料払いなよー」

 

「はい!」

 

2000Gも儲かった。プリムも操縦して空飛ぶ体験をした後、さっきの祭り少女の子と新エリアへ行く話が決まったそうで俺に別れの言葉を残して合流しに行った。

 

「俺もやることをしますかね。オルト、まずお前からレベルを上げに行くぞー」

 

「ムー!」

 

「サイナ、販売機の商品が売切れたら追加することはできるか?」

 

「お任せください」

 

手伝いもできるのか。戦闘と生産も可能な征服人形(コンキスタ・ドール)はどこまでできるのか後々確かめたいところだ。オルトを引きつれ、毒竜の洞窟へ飛んで向かった。ここならオルトのレベル上げもあっという間に終わるだろう俺の考えは正しく、オルトを毒竜に一撃入れてもらった後に俺が【悪食】で一撃で倒すとオルトのレベルが一気に9レベルも上がった。この結果に味を占めた俺はもう一度だけ挑戦して二度目の毒竜討伐を成功すればオルトはレベル15になった。この機にミーニィとゆぐゆぐ、アイネのレベルも上げまくった。いやーたまに楽をするのもいいね!特にミーニィは新しい魔法を覚えたのがよかった。

 

「ただ、お前達は進化するのはまだ先なんだな」

 

「ムムー?」

 

「ま、進化させるとしても生産系の方だな。今更戦闘系になんてする気がない。これからも畑作業よろしくな」

 

「ムム!」

 

そして、テイムモンス達が全員のレベルが15以上になったから畑に戻る。

 

「これ、何だ?」

 

納屋の真ん前に謎の物体が鎮座していた。楕円形のその形は、パッと見ラグビーボールにも見えるな。色は薄緑で、テカテカと輝きを放っている。

 

「もしかしなくても卵か?」

 

購入した卵とは大分色味が違うが、形は似ていた。鑑定してみよう。

 

 

従魔の卵:親:オルト、ゆぐゆぐ

 

 

「おお! オルトとゆぐゆぐの卵か!」

 

卵の誕生は、相性の良いモンス同士を同じ牧場や同じホームで育てていると、その魔力が混ざり合い、ごくまれに産まれることがあるという設定だ。子供向けに生々しさを出来るだけ排除したのだろう。生殖的な表現がなかったのが逆に印象的だった。オルトとゆぐゆぐは人型で、どちらも精霊っぽい種族だ。確かに相性は良さそうだな。あと、モンスは生涯で1度しか配魂ができない。なので、オルトとゆぐゆぐは今後配魂ができない。

 

その分、サモナーの独自システムである従魔合成よりも効果が高いという話だが・・・・・。どんな子供が生まれるかね? 今から楽しみだ。ノームが生まれたら、畑を一気に拡張しても良いな。樹精だったら、パーティー戦闘がより安定する。どちらでも良いな。

新種になる可能性もあるが、どうだろうか。人型になる可能性は高そうだけど。

 

「これは獣魔ギルドに行くか」

 

孵卵器を入手しないといけないからな。オルト達を引き連れて従魔ギルドへ赴くと。

 

「いらっしゃいませ~」

 

バーバラが出迎えてくれた以外珍しいことに今日は人が多いな。なんと俺以外に5人もプレイヤーがいるぞ。

 

来るたびに俺しかいないかったからだ。たった5人でも十分珍しい。5人中4人が女性というのも、テイマーやサモナーの特徴が出ているね。モフモフは正義っていう事なんだろう。

見覚えのある籠を背負っているプレイヤーがいるな。初心者か? 大変だろうけどゴミ拾い頑張ってくれ。

 

「どうされました?」

 

「実は従魔の精霊と樹精が卵を産んだんだ」

 

「まあ、おめでとうございます。では、孵卵器のご利用ですか?」

 

「ああ。個人用孵卵器を見せてもらえる?」

 

「その前にクエストをご報告されては?」

 

「え?」

 

バーバラが依頼の一覧を俺に見せてくる。すると、達成可能なクエストが2つもあった。

 

 

特殊クエスト

 

内容:自分の従魔が生んだ卵をバーバラに見せる

 

報酬:3000G

 

期限:なし

 

 

 

特殊クエスト

 

内容:両親がユニークモンスターの卵をバーバラに見せる

 

報酬:30000G

 

期限:なし

 

 

2つ目のクエストの報酬が凄い。かなり達成が難しいってことだろうな。ユニークモンスを2体揃えるのも難しいのに、卵を産んでもらわなきゃならないし。

 

「いやー珍しい卵、素敵でしたー」

 

卵でさえ愛でる対象とは。モンスターマニア恐るべし。美女がでかい卵に頬ずりしている姿は凄まじくシュールだ。

 

「これで、死神ハーデス様はランクアップに必要なギルド貢献度が溜まりました。ランクアップのクエストを受けられますか?」

 

このためにバーバラさんはクエストを先に達成しろって言ったのか。

 

「受けるけど、孵卵器とこれって何か関係あるのか?」

 

「大ありですよ。ギルドランクが5に上昇しますと、購入可能な孵卵器が増えますから」

 

「え、まじで?」

 

「はい」

 

買う事は出来なくても、情報は教えてもらう事が出来た。ランクが上がることで購入可能になる孵卵器は3つもあるらしい。すでに購入可能な通常孵卵器、成長促進孵卵器に加えて、能力上昇孵卵器、戦闘技能孵卵器、生産技能孵卵器が買えるようになるらしい。

 

「うーん。意外と高いな」

 

増える3つはどれも成長促進孵卵器の倍以上している。能力上昇孵卵器が15000G。戦闘技能、生産技能に至ってはなんと20000Gもするのだ。ただ、その効果は破格だ。

 

能力上昇孵卵器は、初期ステータスがランダムで+8。戦闘技能孵卵器では初期ステータス+3に加えて所持スキルに戦闘系スキルが追加される。そして、生産技能孵卵器では初期ステータス+3と、その名の通り生産スキルが追加されるらしい。

 

ランダムなのでスキルは選べないらしいが、生まれてくるモンスが全く利用できない死にスキルは追加されないということだった。

 

「これは、絶対にこっちがいいじゃないか」

 

卵は1週間保管しておける。その間にランクを上げればいい。ランクアップクエストの達成条件は、Lv10以上のモンスターを3匹連れてくることだ。なるほど、そういうことなら楽勝だ。

 

「はい」

 

「クエストの報告ですね。はい、確認しました」

 

『ランクアップクエストを達成しました。ギルドランクが5に上がりました』

 

上がった。これで新たな孵卵器が買えるな。レベル上げしておいてよかったー。

 

購入可能な孵卵器のリストを改めて確認すると、以前言われた通り新しい孵卵器が3種類増えていた。

 

能力上昇孵卵器が15000G。戦闘技能、生産技能に至ってはなんと20000Gだ。

 

能力上昇孵卵器は、初期ステータスがランダムで+8される。モンスターの地力を上げるにはもってこいの孵卵器だ。どんなモンスが生まれてくるか分からない場合は、無難と言えば無難と言えるだろう。

 

戦闘技能孵卵器では初期ステータス+3に加えて所持スキルに戦闘系スキルが追加。生産技能孵卵器では初期ステータス+3され、生産スキルがランダムで追加されるのだ。

 

「んー、孵卵器を使うのはオルトとゆぐゆぐの卵だからな」

 

人型の可能性が高い。ノームが生まれるのか、樹精が生まれるのか、他のモンスターが生まれるのか。

ただ、ノームが生まれた場合、戦闘技能孵卵器がどうなるのか分からない。無事に戦闘技能を獲得して、戦うノームになれるのか? それとも戦闘能力なしの特徴が優先されてステータスアップ効果しか発揮されないのか?気にはなるが、さすがにこの卵で実験する勇気はないな。大人しく生産技能孵卵器を買っておこう。

 

孵卵器を無事購入した俺は、数時間ぶりに畑に戻ってきた。

 

だが、俺の畑の前にいたプレイヤー達が列を作っていた。・・・・・何事だ?・・・・・ああ、俺の無人販売機に売ってる商品を買いに来ているだけか。ちょっと驚いたな。

 

 

すぐに無くなるわけじゃないだろうけど商品の在庫の確認と補充をしちゃうか。とはいえ、今は手持ちにそこまで沢山はないし、作らないとな。まずは早速収穫からだ。オルト達にはハーブから採取するようにお願いする。

 

俺は先に納屋の中に孵卵器を設置だな。

 

「いや、待てよ・・・・・。その前に一応錬金のレシピに確か孵卵器が作れるはずだ」

 

そう思って錬金のレシピのリストを確認したんだが・・・・・。

 

「これは・・・・・どうしよう?」

 

確かに孵卵器を使うレシピがあった。しかも4つ。だが、その素材が問題だったのだ。それぞれに、生産技能孵卵器+アイアンインゴット。そこに火結晶、水結晶、土結晶、風結晶が必要だった。だが、4つもあるし、1つ使ってもいいかな?オルトとゆぐゆぐの子供がより強化されるんだったら・・・・・。

 

よし、使っちゃおう。オルトとゆぐゆぐの卵だ。出来るだけのことはしたい!

 

「よし、孵卵器のレシピを試したら、その後は畑を買いに行こう」

 

先に錬金だけどね。改めてレシピを見る。孵卵器にアイアンインゴット。そこに結晶なわけだが・・・・・。どの結晶を使おうか? 普通に考えたら、生まれてくる子供にその属性が付加されたりとか、その属性のスキルを覚えたりっていう事だと思う。

今足りてないとすると、火だな。

 

「うん。ここは火結晶にしとこう。風よりはまだ畑仕事に使えそうだ」

 

焼き畑農業とか、温室とかね。

 

新しい孵卵器になったら、生産技能は覚えられなくなるだろうが・・・・・。これだけ良いアイテムを使うんだから、錬金で作った孵卵器の方が上位の孵卵器のはずだ。だったら、そっちに賭けてみるのも良い。

 

「最高の孵卵器を作ってやるからな。待ってろ!」

 

「ム?」

 

「――?」

 

という事で、錬金だ。そう思ったんだが・・・・・。

 

 

『設備のレベルが不足しています』

 

 

え・・・・・設備が?簡易錬金セットじゃダメってことか?新しい錬金セットを買えと?まあ、初心者用の錬金セットだしなー。

仕方ないか。俺の錬金もそれなりに育ってきたし、次の段階に進めってことだろう。ついでに調合セットや料理セットも新調しちゃおうかな?

 

「マスター。予想以上の消費です」

 

「そうか、俺もこんなに売れるとは想像もしなかった」

 

納屋の中で調合を続けて、各50個程のハーブティーの茶葉を作った。補充しに無人販売機へ顔を出すと。

 

「あ、白銀さんこんちわーっす」

 

「え? あれが白銀さんなの?」

 

「そうだよ。ノーム連れてただろ?」

 

「そうだったのか!」

 

俺の正体が即行でばれたのはもう良い。この展開には慣れた。しかしさっきまで5人だったのに、僅かな間に10人に増えている。もしかして俺が思っている以上に大事なのか?開店したての無人販売機の商品が珍しいから?

 

こんな状態が続いて購入者が増えるようなら、あっという間に売り切れそうだ。これは新しく畑を買ってハーブを育てないと・・・・・ノーフ達も巻き込むか。

 

所持金は約56000G。問題はない。どうせなら5面くらい買っちゃおうかな? だが、俺の野望はあっさりと打ち砕かれることとなる。

 

「あなたのギルドランクだと全体で40面。1つの町で最大20面までしか所有できないの」

 

なんと、畑は無限に所有できるわけじゃなかった。ランク4の時には、全体で20面。1つの町で最大20面までしか所有できなかったのが、ランク5に上がったことで全体での最大所有数が倍になったらしい。

 

「次に増えるのはランク10になってからね。頑張ってね」

 

ランク10に上がると、最大で60面。1つの町で30面まで所有可能になるようだ。今、畑は18面。結局2つしか買えなかったな。

雑草用の畑はこれで9面になった。普通の畑を潰してまで雑草を育てたくはない。ポーションや野菜も使い道があるからな。

 

「うーん、とりあえずこれでやりくりするしかないのか」

 

これは、次の町を目指す時が来たってことか? 大きな町同士だと、お金を払えば転移できるらしいし。離れた町で畑を買っても、同時に面倒を見ることは不可能ではない。

 

「あー、そろそろ昼飯だな。じゃ、オルト達またくるよ」

 

「ムムー」

 

一旦ログアウトして昼食作りでもしよう。魔力の塊である俺には不要だけど小休憩ぐらいはしておこう。

 

―――一時間後。

 

もう一度ログインすると、真っ先に無人販売機に顔を出しに向かったところ―――。

 

「おおう・・・・・完売」

 

商品がすっからかん。50000G以上の利益を残して全部買われた後だったこの結果に唖然と佇んでしまった。

 

「あーようやく来たんだ」

 

「ん?ああ、ノーフか。待ってた?」

 

隣の畑、ノーフが自分の畑から出てきたからなにか用事かと思ったがそうでもなかった。

 

「いや、白銀さんがいない間に畑を弄っていたんで待っていたわけじゃないけどさ。白銀産のハーブが瞬く間にプレイヤー達の間で広まったからか、あっという間に売られた光景は凄かったぞ」

 

「それ、プリムとネネネの仕業だろうな。自慢するとか言ってた」

 

「ああ、本当うざったいほどに自慢話されたわ!白銀さんの初めてをもらいましたー凄く美味しかったー、新エリアの空飛ぶアイテム最高とかな。・・・・・だから白銀さん」

 

トレード申請、1000G・・・・・これは。

 

「俺もレンタルさせてくれ!」

 

凄く切実に頭を下げながらレンタル料金を払ってくるなよ・・・・・。

 

「始まりの町を一周だ。返せよ」

 

「ありがとう。・・・・・行ってきま~す!」

 

その後、彼も新エリアに旅立ったのは言うまでもなかった。

 

 

 

 

 

「いらっしゃい」

 

「初心者錬金セットが欲しいんだけど。ある?」

 

「ああ、あるよ。1つ2000Gだね」

 

錬金術店に顔を出して店主の老人に2000G払い、錬金セットを受け取る。これ以上のセットが欲しければ、錬金ギルドに登録してギルドランクを上げなくてはいけないらしい。登録しておくか。俺はその足で、ここまでの道中に見つけた調合ショップ、料理ショップを覗いてみた。案の定、初心者調合セット、初心者料理セットが売っている。これは買いだ。そしてこれらのギルドの登録もした。

 

「これで生産セットが全部新調できたな」

 

納屋の中で初心者錬金セット、孵卵器、インゴット、火結晶を並べながら今後の生産活動の楽しみさに胸が躍る。さて、目的も達成したし、作ろうか!レシピを見ながらまずは素材の下処理から始めた。

 

―――30分後。

 

 

名称:火属性付加生産技能孵卵器

 

レア度:4 品質:★5

 

効果:孵卵器。誕生するモンスターの初期ステータスがランダムで+4。初期スキルにランダムで生産技能が追加。初期スキルに火属性スキル、火耐性が追加。

 

 

レア度が4!能力が凄い。品質のおかげなのか、初期ステータスが+3から+4にアップしているし。効果を信じるなら、生産スキル、火属性スキル、火耐性の3つも追加されるってことだぞ? 

 

「初めて本格的な錬金にしては成功じゃないか?」

 

ぶっちゃけ、ゴールドインゴット、シルバーインゴットを素材に使う孵卵器のレシピあるだろこれ。そしたらレア度と品質も7以上で初期ステータスが+5にも6にも7にも増えるだろう。・・・・・ちょっと、錬金術師のレベル上げでもしておくか?オルトとゆぐゆぐの卵を完成した孵卵器にセットしながら考えているとイズからメールが送られてきた。

 

『やっぱり今度じゃなくて今でお願い!!!新エリアのダンジョンは生産者しか入れないって情報を入手したの!!!ミスリルのピッケルをあげるから案内して!!!』

 

「・・・・・」

 

凄い熱意がメールから伝わってくる。これ、断ったら駄目なやつだよな。了承のメールを送るとすぐに集合場所を指定する彼女と合流するため行動する。

 

 

 

そうして再び機械の町にとんぼ返りして飛行すること五分。

 

俺とイズはダンジョンの前に辿り着いた。

 

「生産者しか入れないダンジョンだったとはな」

 

「知らなかったの?」

 

「今思えば、この町も生産に関するアイテムが多くあるのに気付かなかったぐらいだ」

 

「最初に来たばかりで情報もないままだから気付かないのも無理はないわ。さ、中に入りましょ?ハーデスも生産職にジョブチェンジしたから入れるでしょ?」

 

「そしてお供にノームのオルト先生もな」

 

「ムムー」

 

俺の足元で採掘する気が満々なオルトがクワを掲げた。

 

「さて・・・・・このダンジョンの中にはどんなものが眠っているのか楽しみだわ!」

 

意気揚々とダンジョンの中に入る彼女の背中を追いかけて歩く。見つけた鉱石や結晶はすぐにガンガン採掘していく。

 

「わぁ、初めてみる鉱石と結晶よ!」

 

「流石新エリアだ。新しい要素が盛りだくさんだろこれ」

 

「ありがとうねハーデス!新しいエリアを見つけてくれて!」

 

どう致しましてと言葉を返す俺はイズに訊ねた。

 

「生産職、鍛冶師のプレイはどんな感じなんだ?」

 

「えっとねー」

 

イズは語ってくれた。生産職は武器スキルや火魔法などの魔法を一切覚えることが出来ないかわりに専用のスキルを覚えられる。

 

それは【鍛冶】だったり【調合】だったりするわけだ。

ただ、それらは工房でしか使えない。

例外として【調合】はレベルⅤまでに作成出来るものはどこでも作ることが出来るが、当然素材が必要であり、ものによっては持てる数に制限がある。

 

例えば生産職の貴重な攻撃手段である爆弾は工房でしか作れず、持てる数が五個と少ない。

ポーションは二番目に回復能力の低いものまでしか作れない。

また、武器攻撃でのダメージが減少するという面倒臭いおまけつきだ。

その代わり、【鍛冶】などのスキルで装備を完成させた際に経験値が入る。

 

つまり生産職に戦闘は厳しいということである。

 

 

生産職とはそれでも構わないと生産にのめり込んだ者達なのだ。

もちろんイズも例外ではない。

むしろ、イズは生産界のトップに上り詰めつつある。

生産に関わるあらゆるスキルを上げるため発売日からひたすら鉱石を掘り、鍛冶をし、裁縫をし、栽培をし、調合をし、時には徹夜しつつのめり込んだ。時間は強さに変わり、生産能力では右にならぶものはいない。その代わりに生産職の貴重な攻撃スキルである【投擲】のレベルが低めである、と苦笑するイズ。

 

【投擲】とはナイフなどのアイテムをぶん投げることで与えられるダメージを増加させるスキルである。

イズは素材は取ってきてもらうに徹していたので、【投擲】が低いままなのだ。

 

「あ、こっちには釣りスポットもあるのね」

 

鍛冶師をプレイしているイズが語り終えた頃は、別の場所へと移動しては釣竿を取り出すと釣りを始める。

釣れるのはこれまた見たことのない素材をドロップする魚達。

イズの目は無邪気な小学生並みにキラキラと輝いていた。俺達は釣りを終えると更に奥へと進んでいく。

 

「モンスターが全然出てこないわね。私としてはありがたいけどね」

 

「いたら逃げるしかないだろ。唯一の武器がピッケルとクワなんて不安過ぎる」

 

生産者しか入れないダンジョンに生産者では倒せない敵ばかりを配置するわけにもいかない。

その延長線で、ここはモンスターが特定の場所でしか出なくなっていた。

ボスモンスターとだけしか戦わないことも可能である。

 

イズは途中の部屋で背中に結晶を生やしたモンスターと出会ったが、戦闘を避けた。

 

「戦わないのか?」

 

「うん、勿論理由はあるわ」

 

その理由とはボスの情報を既に持っていたからである。

 

ボス部屋には入った瞬間から脱出用の魔法陣が輝いており、ボスを倒さなくても脱出することが可能だということも、ボスが纏う結晶が目当ての素材であり、ピッケルで常に採取出来ることも知っていたのだ。

そのため、ピッケルを使えば良いと考えられたものの余計な消費は避けておいたのである。

そうして雑魚との戦闘を避けて採取を繰り返しているうちに俺達は辿りついたボス部屋の扉をぐっと押し開け中に入る。

 

部屋は全てが美しく輝く白水晶に覆われていた。そして部屋の奥で丸まっていた、背中に同色の水晶を蓄えに蓄えた大きなトカゲがゆっくりと起き上がった。

 

「ほほう、随分重たそうだな。なんなら軽くしてやろうか?そのためにはさ・・・・・」

 

「背中の水晶・・・・・もらうわね?」

 

「ムムムー」

 

そう言う俺とイズ、オルトはピッケルとクワを構えた。トカゲを見る目は狩人そのものであることを誰も指摘されなかったがな。

 

 

「よっ・・・・・はいっ!」

 

イズはトカゲが突進してくるのを余裕を持って躱すとピッケルを振り下ろして再び距離をとる。イズも生産職とはいえどなかなかの【AGI】を持っているようだ。そのため動きの遅いトカゲの突進を躱すのは容易だった。イズがトカゲの方を向くとトカゲのHPが減っていることに気づくことが出来た。

 

「情報通りね・・・・・私のこのミスリルピッケルなら余裕で倒せるわ」

 

イズのピッケルは運と時間が作り上げた最高傑作。イズは全ての結晶を破壊することも不可能ではないと計算し終えた。ただ、トカゲの速度は結晶を削れば削るほど上がっていく。それに対応出来るかどうかだ。

突進するトカゲを躱しては結晶を採取してをひたすら繰り返す。

そうしているうちにトカゲの動きが変わり壁を走ったり、天井に張り付いてから落下して背中の水晶で攻撃したりしてくるようになった。

 

「あら・・・・・地面に刺さるのね?じゃあ遠慮なく・・・・・」

 

鋭い水晶を下にして天井から落ちたことにより床にぐっさり刺さったトカゲは復帰までに時間がかかる。

その間にピッケルを振るい、剥き出しの腹に向けて爆弾を投げる。

しかし、爆弾ではダメージを与えることが出来なかった。

 

「あら、やっぱり柔らかいところに投げてもダメージにならないのね」

 

「それ以前に爆弾製作できるのか鍛冶師でも」

 

「まぁね。あ、起き上がろうとしてるわ!」

 

「任せろ。【咆哮】!更に10秒間は硬直状態だ!」

 

「動きを封じるスキルね?便利だわ」

 

攻撃は通らないとは情報にあったが、それがどこまで試してのことかは分からない。少しでも早く戦闘を終わらせられれば儲けもの。イズとオルトはピッケルとクワをガンガン振るう。

 

品質の悪いピッケルならばもう壊れてしまう頃だが俺とイズのミスリルピッケルはまだ四分の三は耐久値が残っている。

 

イズはトカゲの背中が地面に刺さるタイミングだけを狙い、俺は【挑発】と【咆哮】でイズに対する動きを阻害する。それを繰り返していくとついにトカゲは地に倒れ伏した。

 

「はぁ~やっぱり私に戦闘は無理だわ・・・・・その辺りも含めて生産職にして正解ね・・・・・二人ともありがとうね」

 

「こっちも生産職の苦労が何となくわかったよ。オルト、帰ったらハチミツアップルジュースな」

 

「ムム!」

 

インベントリを確認する。イズの自慢のピッケルのお陰でかなりの量の結晶が手に入った。

 

「俺には使い道がない結晶だ。上げるよ」

 

「いいの?嬉しい!じゃあ、お礼にこの結晶で完成した装備をあげる・・・・・あら?」

 

どうしたと魔法陣に乗ろうとするイズが振り返るその視線の先には二つの宝箱があった。お、これは・・・・・。

 

イズは恐る恐る近づくとしゃがみこんでその表面をちょんちょんとつつく。

 

「こんなの情報になかったと思うけど・・・・・取り敢えず開けてみていいかしら?」

 

「ああ、いいぞ。ユニーク装備が入っている宝箱だぞそれは。久々に見たな」

 

「ユニーク装備!?」

 

イズが宝箱を開けると中には古びてところどころ焦げ跡のある茶色のロングコートと大きめのゴーグル、そして焦げ茶色のブーツが入っていた。

 

イズはそれらをインベントリにしまい込むとどんなものかを確認する。

 

 

『錬金術士のゴーグル』

 

【DEX+30】

 

【天邪鬼な錬金術】

 

【破壊不能】

 

 

 

『錬金術士のロングコート』

 

【DEX+20】

 

【AGI+20】

 

【魔法工房】

 

【破壊不能】

 

 

 

『錬金術士のブーツ』

 

【DEX+10】

 

【AGI+15】

 

【新境地】

 

【破壊不能】

 

 

 

【天邪鬼な錬金術】

 

ゴールドを一部の素材に変換することが可能になる。

 

 

 

【魔法工房】

 

あらゆる場所で工房を使用可能になる。

 

 

 

【新境地】

 

新アイテムの製造が可能になる。

 

 

 

「取得方法は・・・・・初回でボスを一定時間内で倒すことか。こりゃ、イズ一人でもイけただろうな」

 

「でも、ハーデスが一緒にいてくれたからそれよりも楽に倒せたわよ。本当にありがとう。こんな私にピッタリな装備と巡り合わせてくれて」

 

「喜んでくれるのはいいけど。参ったな・・・・・同じユニークのスキルだろうからこの有能な装備を腐らすことはできないよ。特に【新境地】・・・・・物作りが好きな者として色々と作ってみたくなる」

 

「いらっしゃ~い。生産職者は大歓迎よ?なんなら私と一緒にトップを目指しましょう!」

 

勧誘してくるイズにやんわりと断って改めて魔方陣に乗って機械の町に戻った。

 

 

 

 

 

 

【新エリアに集まれ!】新エリアで続々と新発見したものを語ろうスレ1

 

 

1:サタジリウス

 

タラリアで買った情報通りメカ少女や女性達が町中で闊歩していた。早速契約できないかと試したが「あなたはリーネ型と相性がいいです」とフラれてしまった。

 

 

2:ぽろろん

 

プレイヤーとドールの相性で契約の有無が決まるのか。その詳細も分かれば好みのドールと契約できそう。

 

 

3:大言氏

 

白銀さんはどんなタイプのドールと契約したんだろう?

 

 

4:チョイス

 

それよりも秘密の道具店でクソバカ高いガドリングガンを発見したぞ。要求されるステータスと弾が異常に高すぎる。性能と威力はかなり申し分ないけど

 

 

5デデーン

 

こっちは北の方でドリルを見つけたぜ!なんと採掘スキルが付加していて生産職しか入れないダンジョンじゃ笑えるぐらい結晶を掘り出せちゃう!

 

 

6:満〇

 

甘いな。こっちはパイルバンカーを見つけた。ただこれはガンナーの装備なのか疑問だが、当たれば一撃必殺という可笑し設定にネタ装備として買ってみた。まだガンナー職を開放する専用のNPCは見つけられないけど

 

7:メイドは奥様

 

いえーい!征服人形(コンキスタ・ドール)を使役してやったぜ!めちゃんこ可愛いよ!

 

 

8:最終兵器鬼嫁

 

おー、それはおめでとう。好みのドールだったか?

 

 

7:メイドは奥様

 

どストライクです!

 

ドドン!!!

 

 

9:サタジリウス

 

実際の所どんな感じなんだ?

 

 

10:メイドは奥様

 

 

皆も知っているだろうから省くけど、アイテムを買って取得したスキルを譲渡することができた。だから戦闘系や生産系にもお願いすれば協力してくれたり独自で行動することがわかったよ。本人から確認できた。と言うことで俺はマリーちゃんと生産を頑張ってくるぜ!

 

 

11:チョイス

 

 

生産・・・・・なるほど、そういうことも出来るなら今後のプレイのこと考えて手に入れてもいいかも

 

 

12:デデーン

 

ドールちゃんに資金集めの為に生産職の活動をして貰っている間にレベル上げは楽になるか。長い目で見れば有用性ありだな

 

 

13:満〇

 

でも悩むなぁ・・・・・せっかくスタートダッシュが出来たってのに他の為に意識を回さなきゃいけないなんて。これでも俺は前線張って一応それなり強いんだけど

 

 

14:大言氏

 

第3エリアより先に進めない現状、後ろに下がって戦闘以外のプレイをしたらどうだ?白銀さんみたいに新エリアを探索したりとかさ。絶対他にも隠し要素あるって

 

 

15:ぽろろん

 

だな。他のプレイヤーよりも高いレベルでいたい気持ちはわかるけど、他にも楽しみ方はたくさんあるぞ?

 

 

16:サジタリウス

 

第2エリアでゾンビのように探索(徘徊)しているプレイヤーみたくなりたくないがな。

 

 

17:最終兵器鬼嫁

 

このゲームでそんなことになっていた事実は知らなかった俺は、さっき白銀さんと接触出来てしまった

 

 

18:チョイス

 

え、いたの!?

 

 

19:最終兵器鬼嫁

 

女性プレイヤーと一緒にダンジョンから戻ってきたばかりだそうだ。ノームも連れていたし本当らしい。ムムムーと頭を下げてお辞儀するそんなノームが、小さかった頃の子供を思い出して胸がほっこり

 

 

20:デデーン

 

あー、ノームって小さいもんな。子供を彷彿させる愛嬌をされちゃな。てか、よく話しかけれたな

 

 

21:最終兵器鬼嫁

 

白銀さんの幸運にあやかりたくて・・・・・

 

 

22:ぽろろん

 

切実ー!

 

 

23:最終兵器鬼嫁

 

その後すぐ、ガンマーに転職できる場所を見つけた事実に白銀さんを心から感謝する!

 

 

24:大言氏

 

えええええええええええええっ!!?

 

 

25:サジタリウス

 

なん・・・・・だと・・・・・?未だ誰も発見されていないガンマー専用のNPCをか?その場所はどこに・・・・・?

 

 

26:最終兵器鬼嫁

 

タラリアに情報を売ってくる。白銀さんでも発見できていないことをここで流すわけないだろう?

 

 

27:満〇

 

くそー!先越されたー!

 

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