バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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ギルド対抗戦1

ギルド対抗戦のイベント当日。集まった【蒼龍の聖剣】の戦闘員は100人も満たない。圧倒的に生産職のプレイヤーが多く知り合いの戦闘系のフレンドは、全体の一割ぐらいしかいないんじゃないかな。生産職でも戦えるプレイヤーはさらに少ない。だが、NWOがサービス開始からプレイしてる生産職のプレイヤーの三分の一が、俺が知らず俺を一方的に知ってるプレイヤーがギルドに入ってくれたので様々なアイテムの供給が潤沢だ。

 

―――別の話になるが俺とオルト達が育ててるアイテムを善意で回すようになってから、何故か農林水産大臣なんて変なあだ名をつけられる。

 

「さて、楽しく勝ちに行こうか」

 

光に包まれる俺達はイベント用のバトルフィールドへ転送された。

 

光が薄れ、八人の目の前に見えたのは緑色に輝くオーブとそれが乗った台座である。ここが自軍であることはすぐに理解出来た。

 

【蒼龍の聖剣】は大型のギルドなため、防衛には適さない上に身を隠せない崖に囲まれ、ミーニィに乗って確認してもらったイッチョウから告げられる切り分けられたホールケーキの地形にオーブがあるようだ。

 

「しかもね。多分バトルフィールドの中心にあるよここ」

 

「なるほど? 向こうからすれば、他のギルドと結託して一つのギルドに集中砲火を可能にする適した場所か」

 

崖の間を通りオーブがあるこの場にまで進まないといけないならば、それを防ぐ方法は一つしかないな。

 

「白銀さん。それなら俺達の従魔がここの拠点の出入り口を塞ぐことができますよ」

 

俺達の拠点の不利さをカバーできると名乗り出たエリンギと新規のテイマー。二人の足元には複数もガラス玉を埋め込めたようなダンゴムシが六匹いた。

 

「その虫、大きくなったな?」

 

「一度進化したら大きくなりました。防御力を高めるスキルも覚えましたので」

 

「あそこまで大きくなる虫に防御力も高まるのかよ」

 

「とはいえ、プレイヤーに倒されないわけではないので時間稼ぎにはなるかと」

 

周りをぐるぐる回ってもらって入り辛くさせるか?

 

「よし、自分の考えを実行できるなら他の皆もそうしてくれ。他にも東西南北の通路を一本ずつ残し、それ以外は毒とトラップで塞ぐ。どれだけのプレイヤーが毒の耐性と無効のスキルを持っているか分からないが、するのとしないのとでは違ってくる」

 

「そうですね! 私もそれがいいと思います!」

 

「【毒無効】じゃなかったら耐性を身に着けようとダメージは受けますしね!」

 

イカルとメイプル以外の皆も異論はないと、毒はこれから使わない道にばら撒くことも決定。当初の予定通り、オーブを守る担当以外のメンバーはオーブを奪取しに向かった。

 

「フレイヤ、フェル。お前達もこのオーブを探して見つけたらここに持ってきてくれるか?」

 

『自由に動いていいにゃん?』

 

「このフィールドにいる間でも自由に動いていいぞ。ただし、【蒼龍の聖剣】の仲間の手助けが必要だったら、見かけた時だけでいいから助けてやってくれ。ああ、夜になったら戻って来いよ」

 

「グルル」

 

『にゃ~ん、食べ放題だにゃー!』

 

単独でも強い魔獣と幻獣を野に放ち、防衛担当の俺達も準備万端にする。

 

「【毒竜】!」

 

「【毒竜】!」

 

「【毒竜】!」

 

メイプルも毒竜を・・・・・いや、何も言わん。毒で塗り潰し入る意欲を殺す毒々しい状態にしていく他、トラバサミやシビレ罠に落とし穴も設置した。踏めば爆発する、踏めば空に吹っ飛ばされる、踏めば・・・・・等々、毒と罠満載の俺達の拠点となった。

 

「「終わりました!」」

 

「よし、ここにいる間は毒がなくなったら直ぐに撒き散らすぞ。それまではのんびりとオーブを守ろう」

 

敵だろうと味方だろうと、誰かが来るまで俺達のゆとりの時間は続く。

 

 

イッチョウside

 

巨大化したミーニィの背中に乗ってサリーちゃんとマッピングする。姿を見られても直ぐに離れるから攻撃をさせないし、上から見下ろす私達はどこに他ギルドの拠点があるのか把握できる。

 

「イッチョウ、ノーフェイス・・・ハーデスと同じ学校に通ってるの?」

 

「うん、神奈川県の川神市にある学校でね」

 

「そっか。ならハーデスも同い年なんだ」

 

※100歳以上です

 

「サリーちゃんとハーデスが知り合いだったのは意外だったなぁ」

 

「個人的に一方的なライバル視をしているけどね。向こうは私なんか眼中無しでゲームそのものを楽しんでるっぽいし」

 

「対戦できる相手なら誰でもいいって感じじゃない?」

 

「それでもゲーマーとして眼中無しなのはアレなんでね。このゲームで私という存在を無視できなくさせてやる目標が出来たよ。ふふふ・・・・・強くなった私を驚かしてやる」

 

ゲームに対する闘争心が強い子だ。応援したくなるねぇ・・・・・。

 

「じゃあ、同じ装備を持つ先輩として私が知る限りのハーデス君のスキルの情報を教えるよん」

 

「そんなことしていいんですか?」

 

「教えても本人はアドバンテージにすらならない強いから。寧ろ伝授できるスキルがあるなら教える方じゃないかな。今のところ、なんとか行けそうなのはペインさん以外いなさそうだからね」

 

話している内にまた他のギルドの拠点を発見した。でも、そこはオーブを掛けた戦いが・・・・・。

 

「うわぁああああっ!? デカい狼だぁーっ!!」

 

「違う、こいつは白銀さんのフェンリルだ!! 近くに白銀さんもいるかもしれねぇぞ!!」

 

一匹の白銀の狼に中規模のギルドが翻弄され、全滅されはしなかったけれどオーブを奪われてしまい逃げる狼を追いかけるプレイヤー達の姿を眼下で見れた。

 

「テイマーってあんなことも出来るんですね」

 

「私も初めて知ったところ。サリーちゃん、あのフェンリルとハーデス君と同時に戦って勝てって言われたら勝てる?」

 

「無理です」

 

だよね。訊いた私も勝てる気がしない。

 

 

フレデリカside

 

 

「くそったれ! よりにもよってペイン達が来るのかよ!!」

 

適当に探して歩いた先は、何度も別のパーティーとして一緒にレイドボスと戦ったプレイヤー達がいるギルドだったらしい。四人しかいない私達相手にオーブを防衛している向こうは七人。

 

「ここは前線組・攻略組のギルドのようだな。顔見知りが何人もいるし、こりゃあお互い戦い方を知っている間だから簡単にはオーブを奪えないな」

 

何てというドラグだけど、負けない自信の表れを顔に浮かべてるから負ける気はさらさらないことがわかる。私達もそうであるけれど、向こうは数の利でも劣ると判断したのか逆の判断をした。

 

「オーブを持って逃げるぞ! 勝てない奴らなんかと戦ってステータスを下げる真似は避けるんだ! 生き残ることが重要だ!」

 

「【超加速】」

 

【AGI】を上昇するスキルを使うドレッドが、高く跳躍してオーブへ一直線に向かい、回収される前にこっちが回収してくれた。

 

「悪いが、こっちも手ぶらで帰るわけにはいかないんでね」

 

「返しやがれ!」

 

攻略組のプレイヤーの一人が剣のスキルを使って斬りかかる。でも、私の【多重炎弾】で牽制してドレッドの離脱をフォローする。

 

「【海大砲】!」

 

三つの大きな水色の魔方陣から膨大な水の塊が飛び出し、目の前の六人が呑み込まれつつ全身から溢れるエフェクトのポリゴンを残し倒れていった。

 

「まずは一つだな」

 

「私達なら取れないオーブはないけどねー」

 

「総合ランク上位の俺達が負けるなんてことあったら事が事だしな」

 

「このイベントで総合ランクの変動ってするのか?」

 

さぁ、するならするでどうでもいいし。私達はいつも通り楽しむだけだよ。

 

 

ラックside

 

 

「数はこっちが上だ。押せぇっ!!」

 

「「「「「おおおー!!」」」」」

 

ユージオの命令に動くFクラスの皆(一部を除く男子生徒のみ)。あっちは10人以下でオーブを守っているけれどこっちはその二倍の数の有利を活かして真正面から攻撃していく。

 

「で、僕等は何もしなくていいんだ」

 

「一人の相手に二人でかかれば余裕で勝つ。俺達の出る幕なんてないだろ」

 

「そうじゃな。ワシらは予想できないイレギュラーに対して警戒すればいいじゃろう」

 

「・・・・・他ギルドからの襲撃」

 

「この人数を相手に戦いに挑んでくる人っているのかしら?」

 

「たとえどんな人だろうと皆さんを回復しますね」

 

「ユージオを守るのは妻の役目・・・・・」

 

「・・・・・ハーデスのギルドを勝たせるのも妻の役目」

 

「結婚してないんだからまだ妻じゃないでしょ二人とも」

 

「アハハ、気合入ってるねー」

 

Aクラスのユーコさん、翔子さん、翔花さん、アイコさんも一緒にハーデスのギルドに入った今、僕達とオーブの奪取のため行動してくれている。確かにこの人数を相手に少数で挑んでこようなんてプレイヤーは、総合ランク上位のプレイヤーしか―――。

 

「【噴火】」

 

その時、どこからか声が聞こえたと思ったら目の前に迫る炎が僕の視界を赤く染めた・・・・・。

 

 

拠点の防衛をしてからそれなりに経った頃。拠点の周囲を動き回り続けるエリンギたちの巨蟲を掻い潜って、運よくトラップがない道から侵入してきたのだろう他ギルドのプレイヤー達が襲撃してきた。

 

「よし、ここは当たりのようだ。女の子が三人しかいないぞ」

 

「悪いなお嬢ちゃん達。オーブを貰うぜ」

 

【色彩化粧】を発動中の俺とイカルの存在に気付かないプレイヤー達はメイプル達へ攻撃を仕掛ける。

 

「【毒竜】!」

 

「上等! 毒状態なんて直ぐにHPがなくなるわけでもないぜ!」

 

それは襲撃してきたプレイヤー八人全員、同じ気持ちだろう。避けもせず自ら毒を食らいに突っ込んでメイプルに肉薄しかかる。

 

「【飛撃】!」

 

「【ダブルスタンプ】!」

 

「―――は? はっ!? お、大槌ぃっ!?」

 

なんで人の手で持てる数以上の大槌を装備してるんだっ! という気持ちを込めて叫んだプレイヤーが、メイプルに近すぎたために真上からの死を回避できず一撃で叩き潰された。

 

スキルにより光るユイの大槌から衝撃波が飛ぶ。それは必殺の一撃。それに直撃したプレイヤー達は軒並みに吹っ飛ばされ、メイプルの毒のダメージもあって死に戻りしたのだった。しかし、まだ生き残りのプレイヤーがいる。

 

「【パラライズシャウト】!」

 

「ぐっ!?」

 

「ま、麻痺かっ!」

 

「ちくしょうっ、数少ない相手に負けるなんて―――!」

 

「「ええい!」」

 

ドガンッ! とまた三人叩き潰されて、たった三人だけで勝ち残り八人のプレイヤーを倒した大挙に俺とイカルは拍手を送った。

 

「よくやったな。三人だけでも十分強いじゃないか。初めての連携も出来たし、この調子ならガンガン攻めても勝てるな」

 

「凄いです三人共!」

 

「いやー、それほどでも!」

 

「「ありがとうございます!」」

 

相手は三人、しかも小さい女の子という見た目で判断したプレイヤー達の敗因だ。ま、八つも装備できるなんて思いもしなかっただろうな。マイとユイの強さはそれと【STR】極振りだ。これを乗り越えるプレイヤーじゃなければ倒せないし勝てもしない。姉妹の前で地面を赤く染めるだけの結果になるだろう。(染まらないがな)。

 

「ハーデスさんとイカルさんも一緒に戦いませんか?」

 

「いいけど、イカルはともかく俺を一目見るなり他のプレイヤーが逃げ出しそうだからなぁ・・・・・」

 

「そうなんですか?」

 

「うん、前回逃げられたから。まぁ、対策はしてるけど・・・・・見る?」

 

「見てみたい!」

 

メイプルとマイとユイが頷く。なので格闘士の装備に変えた状態で【皇蛇】のスキルを発動する。性別が男な俺は、体つきと顔つきが女に変化したので三人は目を大きく見開いた。

 

「お、女の人になった!?」

 

「はい。ハーデスさんはお姉ちゃんになれるんですよ」

 

「スキルの効果でね? これなら私が死神ハーデスなんてこのスキルを知る人以外は気付かれないわ」

 

「声まで女の人に・・・・・」

 

「凄い、全然違和感が感じません」

 

でしょう? ほら、ギューッと!

 

「わわっ、身体も柔らかいっ」

 

「ハーデスさんに抱きしめられてるのに、女の人に抱きしめられてるって思ってしまいます」

 

双子を抱きしめ、女子だけの会話の花を咲かせている拠点で多くのプレイヤーが現れた。ただしそれは【蒼龍の聖剣】のギルドメンバー、味方であり―――全員が一回死亡した意味だ。

 

「み、皆さんどうしたんですか?」

 

「すまぬ。敵の奇襲に皆やられてしまったのじゃ」

 

「そうだったんですか」

 

「皆同時に? 相手は誰でした?」

 

「強力な炎を使う相手だったな。名前までは知らねぇ」

 

ユージオ達を一纏めに倒し退けたプレイヤーで炎使い・・・・・十中八九上位のプレイヤーだろうな。

 

「うん? なぁ、あそこにいるプレイヤーは誰だ。見掛けない顔だな」

 

「お姉ちゃんです!」

 

自信満々に断言したイカルの発言は、ユージオ達に首を傾げさせた。だが、他は目の色を変えて俺の前で瞬時に近づき跪いてきた。

 

「お美しいお姉さん。どうか、お名前をお聞かせくださいませ!」

 

「ハーデスだけど?」

 

「・・・・・は? ハーデス、だって? ふぁっ・・・!」

 

目の前にいるプレイヤーの顎を添えるように触れると、たちまち顔を朱に染めて初心な反応をした。それを愉快気に微笑み、二十メートルぐらい離れて俺は黒い翼を生やす堕天使の姿となり出現させた玉座に座る。王の足元まで近づくのは許されないばかりの赤黒く光るサークルの中心から語り掛けた。

 

「我は王、堕天の王ハーデス。私の使徒達よ、まだ戦う気力があるならば再び死地へ赴きオーブを集めて来なさい。一番集めた者には相応の報酬を約束するわ」

 

―――っ!!!

 

不敵な笑みを浮かべ死に戻りしたばかりの男性プレイヤー達に命令した。すると、何かに触発されたのか、骸骨の仮面と黒いマントを着用し、本来の武器ではなく大鎌を装着したのだった。

 

「我が主よ! 我が命を貴女様の為に捧げると今ここに誓います!」

 

「「「「「誓います!」」」」」

 

「ならば我が愛しき使徒達よ。その誓いを我がギルドの為に貢献をしなさい。敵をせん滅しオーブを全て夜までに私の元へ集めるのがあなた達の義務。期待、しているわよ?」

 

ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

欲望に忠実な俺の使徒となったプレイヤーは興奮して雄叫びを上げると、死に戻ったばかりだというのにオーブを奪取しに走り出していった。彼等を見送った後は元の姿に戻って呆れる。

 

「あいつらアホだな」

 

「本当にお前だったのか! なんださっきの姿は!?」

 

「スキルの効果だけど何か? ほら、お前達もさっさと戦場に戻ってオーブを集めてこい。ここに戻るのは早過ぎるぞ」

 

「・・・・・新作入荷」

 

「したいならば結果を出せトビ。協力はしてやる」

 

ユージオ達ももう一度オーブを奪いに向かった。オーブを防衛する俺達は、その後も奪いに来る他ギルドに警戒する時間を過ごした。

 

 

・・・・・。・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。

 

 

その日の夜。バトルフィールドの全体図のマッピングを終えたイッチョウとサリーが一度集結した皆の前で公開する。一日でよく調べ上げてくれた二人とミーニィに大きな拍手を送り、どこのギルドから奪ったのか教え合ってオーブを奪う順番も決めた。

 

「現在【蒼龍の聖剣】は早くも一位なのは幸先がいいな。皆お疲れ様ー」

 

「防衛の方も大変だったんじゃない?」

 

「そーでもない。動きが遅くとも攻撃と防御の極振りプレイヤーが集まれば多人数相手でも勝てたぞ。主にメイプルとマイとユイがな」

 

「ハーデスは何してたの? サボり?」

 

「・・・・・俺を見るなり逃げられるんだよ」

 

「ハーデスさんと戦っても勝てる筈がないーって言いながらです」

 

戦いすら起きなかったのは一度や二度だけではない。質問したフレデリカはイカルの言葉に物凄く納得した様子で、そっかと相槌を打った。

 

「テイマーの皆もご苦労だった。テイムしたモンスターも倒されやすいから戦闘面は苦労しただろうに」

 

「それを承知でイベントに参加したんだ。明日も頑張るぜ」

 

「このギルドの為にちょっとでも役に立ちたいからニャー」

 

「他のギルドには見かけなかったテイマーやサモナーが【蒼龍の聖剣】で活躍してるんだ。テイムしたモンスターと戦えることをこのギルドで証明してみせる! なぁ、皆!」

 

おうっ! とオイレンシュピーゲルの声に応じるサモナーとテイマーのギルドメンバー達。負けても勝つ意欲は変わらないのはいいことだ。俺やペイン達がいるから、どんなイベントでも上位になれるという期待感も含まれているだろうがな。

 

「さて、それじゃあイッチョウとサリーのおかげで明日の【蒼龍の聖剣】の動きを伝える。【蒼龍の聖剣】は小規模ギルドを絶対に一切手出ししない」

 

「それは何で? すぐに集めれるのに」

 

「その気持ちは他のギルドも同じだ。だから敢えて襲わない。その代わりに大規模と中規模のギルドのみ戦力を集中させる。そうすればオーブを奪われた後じゃなくて奪った後に、【蒼龍の聖剣】が奪える。敵を倒してもオーブがない空振りは時間と体力の無駄になるからな」

 

「なるほど、効率よく集めるならそれが一番かもね」

 

納得してくれてありがとう。

 

「そして標的のギルドは必ず一人も残さず全滅するぞ。四回も倒せばペナルティでステータスはかなり減るから俺達の敵ではなくなる。今の順位を固定するためにも相手にオーブを与えず消滅させたほうが楽だし」

 

「オーブを集めつつギルドを壊滅させてオーブを消滅させる、か。随分と面白い考えをするんだなハーデス? それは何日で出来ると予想しているんだ?」

 

ユージオの質問に対して指を四本立てた。

 

「四日、早ければ三日かな? ま、急いでやることじゃない。明日から【蒼龍の聖剣】は大規模と中規模のギルドのみを狙う方針は変えないがな」

 

「私達のオーブの防衛担当は誰に?」

 

「俺が持っていく。オーブがなければ他のギルドは奪えもしないからな。誰が俺達のギルドのオーブを持っているかなんてわからないし、皆が手に入れたオーブは俺が取りに行けばすぐに集まる」

 

「奪われたオーブは居場所をマップで表示するから・・・ああ、ハーデス君から奪い返すなんてほぼ不可能だねぇ」

 

理解したイッチョウを始め、ペイン達も同感だと頷きだす。

 

「ということで【蒼龍の聖剣】は総戦力で動くぞ。明日に備えて今日はゆっくり寝てくれ。寝ずの番は俺達がする」

 

フェルとフレイヤ、ミーニィに目を配らせ使えなくした道以外の三つの道へ待機してもらいに行った。

 

「白銀さん、一人で大丈夫ですか?」

 

「大丈夫だ。心配ならそっちはそっちで寝ずの番をしててくれ。フェル達も絶対ではないから、寝込みを襲われないようにそっちも気を配ってくれ。でも、明日は総戦力で行く。寝不足になるのは覚悟しろよ」

 

「わかりました。では、こちらはこちらで相談して決めますね」

 

エリンギと話し合った末に外と中の見張りをする事にして、俺はエンゼとルーデル、ベンニーアと一緒に残りの一つの道でオーブを奪われたギルドの侵入を阻む壁となった。

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