バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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ギルド対抗戦2

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ギルド対抗戦二日目。【蒼龍の聖剣】は拠点を放棄、他ギルドからオーブを10個集めるまでは回収しに行かないと旨も伝え、もしもの時はオーブを餌にして生き残るように言った。

 

「せっかく集めたオーブを捨てるなんて」

 

「何言ってるんだ? 向こうのオーブを返さない限りは得点にならないんだ。俺のように拠点のオーブを持って移動しているわけじゃないから、奪われても自分達の拠点にオーブがないんじゃあただの宝の持腐れだぞ」

 

「もしも奪ったオーブも返したら?」

 

「やることは変わらない。自分達じゃできないなら仲間を呼んで、もう一度敵をせん滅して奪い返せばいい」

 

【蒼龍の聖剣】出撃!

 

皆とは一緒に行かず単独で動く俺が最初に運んだ先は中規模のギルドがいる拠点だった。俺の姿を見るなり相手は絶望に打ちひしがれた表情を浮かべているが、慈悲はない。

 

「今まで新装備を使うまでもなかったが、ここは使わせてもらおうか」

 

水晶の大盾を二つ両手で持って装備する。

 

 

『魔水晶の大槍盾』

 

【VIT+20】

 

【INT+15】

 

【蛇腹槍】

 

【魔結晶】

 

 

『魔水晶の大剣盾』

 

【STR+20】

 

【AGI+15】

 

【蛇腹剣】

 

【魔結晶】

 

 

 

【蛇腹槍】

 

10メートルまで伸縮可能になる。

 

【蛇腹剣】

 

10メートルまで伸縮可能になる。

 

【魔結晶】

 

一日に一度。二対一対の大盾を結合することで使用者自身に新たな鎧となって装着した時、内包されている三つのスキルが使用可能。

 

 

二つの大盾と重ね合わせた状態で【魔結晶】を発動すると、大盾から溢れ出るように俺ごと水晶と化した。それから水晶の塊から出る俺はスキルの説明文通り、新しい鎧となった装備を装着して出て来た。三対六枚の水晶の翼を背中に生やし、水晶の鎧の姿を身に纏った姿で。・・・・・大盾の要素はどこへ消えた?

 

ふむ・・・・・元々装着していた装備のスキルも使えるのか。そして内包されてるスキルは・・・・・。

 

「まぁいい。倒そう 【連結】【エクスプロージョン】―――【咆哮】」

 

無差別ではなく【咆哮】の効果を受けたプレイヤーのみ確実に【エクスプロージョン】が直撃した。うわ、こんな応用も出来るのか・・・・・となるとマグマの海に動けばマグマが爆発できるようになるのか? この機に色々と試してみよう。オーブも回収っと。

 

「次、大規模ギルドに行くか」

 

 

セレーネside

 

 

「えい!」

 

「せやっ!」

 

中規模のギルドのプレイヤー達がいる拠点へ、イズと爆弾を投げて相手プレイヤーを爆破していた。一緒に来てくれてるメイプルちゃんとイカルちゃんの防御力があって、相手の攻撃を防いでくれるから安心安全で爆弾を投げられる。そんな私達の傍で花火の洞筒を構えて敵に向かって爆弾を放った。何だか、爆撃部隊になった気分・・・・・。いなくなった敵の拠点にはオーブがあって無事に回収できた。

 

「結構な人数だったけれど、何とか倒せたわね」

 

「イズさん達の爆弾の威力が凄かったです!」

 

「目の前で花火が見れるのも凄く新鮮でした!」

 

「まだまだ改良の余地はある。だから素材と製作に必要なお金は、ここで一気に解消できるって誘い文句を魅力的に感じて入ったんだけどな」

 

「私達もハーデスから資金援助を受けてるから気持ちはわかるよ」

 

生産職のプレイヤーはハーデスの恩恵、国家予算以上の有り余っているお金の援助を受けて現実世界でお金持ちになったって言う人が多い。でも、金の切れ目が縁の切れ目って諺があるから少し心配。

 

「次はどこに行きますか?」

 

「そうね。私達だけなら中規模のギルドと戦えるから・・・・・あら、メールだわ」

 

他の仲間の人からのメールかな。イズが読み終えるのを待つと、内容を教えてくれた。

 

「ここからそう遠くないところで味方が救援を求めてるわ。行きましょ」

 

「わかりました。ミーニィちゃん、私達を乗せてくれる?」

 

「キュイ!」

 

極振りの二人がいる私達は移動が遅い。ハーデスがその考慮をしてくれてミーニィを貸してくれたのは凄くありがたい。巨大化したミーニィの背中に乗って早く救援要請した味方のところへと飛んで行ってくれる。到着すると、相手は三人と戦っているメタルスライム達の姿が見えた。

 

「お待たせー! ってあら、クロムじゃない」

 

「イズッ、ってことは【蒼龍の聖剣】か!」

 

「知り合い?」

 

なんだか血塗られてて呪われそうな、大盾使い用の装備をしている男性プレイヤーとイズの仲が気になった。

 

「素材集めに何度も付き合ってくれてるフレンドよ。ところでクロム、私が作った装備はどうしちゃったのかしら?」

 

クロムという男性は気まずそうにイズから視線を反らして指で頬を掻いた。

 

「あ、あー・・・すまん。壊れた。代わりにこの装備で使ってるんだ」

 

「あらあら・・・・・私の装備を壊したこと何も言わず鞍替えしちゃったのねー?」

 

笑顔だけど、凄いプレッシャーを感じるっ。両手に持ってる爆弾が「私の作った装備を、許さない」って物語っているような気がするよ・・・!

 

「いやっ、それについては本当に悪いと思ってるっ」

 

「うふふ、ふふふ・・・・・っ! 爆死、確定ね♪ てやっ!」

 

「おわっ!? あ、あぶなっ!!」

 

大盾でイズの爆発を防ぐクロム。相当強そう、上位のプレイヤーなのは間違いないようだね。

 

「メイプルちゃん、イカルちゃん。防御お願いね」

 

「「はいっ!」」

 

「刀使いには気を付けててくれ。スキルで高速による斬撃が厄介だ!」

 

メタルスライムからの警告に長い黒髪の綺麗な女性プレイヤーが、こっちに振り返った。スキが無い。この人もトッププレイヤーの人だってわかる。

 

「ミーニィちゃん、空から援護お願い」

 

「グルル!」

 

「ドラゴンか・・・・・攻撃の届かないところから攻撃されるのは厄介だ。先に倒しておこう」

 

鞘から刀を抜いた瞬間。彼女の服装が変わった。腕と胸にサラシが巻かれて紫色の炎が灯し出した。

 

「ユニーク装備、かな」

 

「一目で見抜くとは。流石は生産職のランク2位のプレイヤーだけある」

 

「そういう貴方は確か、カスミさんだよね。刀使いの職業ランク1位のプレイヤー」

 

「【蒼龍の聖剣】にいる職業と総合ランクの上位プレイヤーの前では霞んでしまうさ。だがいつか、そちらのギルドマスターと刀で戦ってみたいと思っている」

 

・・・・・その刀は融合しちゃってるから今持ってないよ。なんて言ったらどうなるかな。

 

 

 

サリーside

 

 

イッチョウとマイとユイ、刀使いとファーマーの佐々木痔郎さんと一緒に中規模ギルドに襲撃を開始した。

 

「さて行くかね。レチム、火炎弾!」

 

「グオオオオッ!」

 

ピクシードラゴンに炎の塊を放ってもらって敵を倒すだけでなく分断もしてくれる。

 

「朧、【狐火】」

 

イベントで手に入れた白い毛並みの狐にも火炎を放ってもらい一部のプレイヤーを炎で閉じ込めた間。

 

「「【ダブルスタンプ】!」」

 

孤立した敵を強力すぎる一撃で以て倒し、イッチョウさんは生み出した水分身で炎の中にいるプレイヤーを攻撃させていた。佐々木痔郎も刀のスキルで斬り倒してしまった。私も相手からの攻撃を紙一重で躱し、素早く斬りつけて全滅させていく。オーブも私が回収済み。

 

「ハーデス君以外のピクシードラゴンを見るのは新鮮だねぇ。あっちは純白だけどこっちの子は水色なんだね」

 

「ピクシードラゴンは体毛の色次第で魔法の威力が違ってるっぽいようだ。俺のレチムは水色だから水魔法の威力が他の魔法より強いみたい」

 

「なら、ハーデス君のピクシードラゴンは白だから光魔法の方が強いのかな?」

 

「魔法の威力はどうであれ、もふもふで小さくも大きくにもなれるドラゴンを、俺も手に入れたのが嬉しいからな。白銀さんにはホント感謝だわ」

 

白銀さん=死神ハーデス。私にとっては馴染みのない名前のプレイヤーだけど、現実世界ではノーフェイスといういつか倒したい好敵手として私の中で一杯になっている。私の全力を前に悠々と風のように受け流して、大嵐のように激しく攻め立てる彼の腕前に何度も敗れ、リベンジに燃えているからだ。

 

「よし、みんな乗ってくれ。次のギルドに行くぞ」

 

「「はい!」」

 

生産職もしているのにドラゴンを手に入れる。なんて不思議だろう。他の人達もそうだけどね。

 

 

ノーフside

 

 

「ドラゴン部隊、下の連中に魔法攻撃!」

 

巨大化したピクシードラゴンの背中に騎乗した俺達ファーマープレイヤーは、こんな形でイベントを楽しめるとは思いもしなかった。ドラゴンの背中に乗って空から様々な属性の魔法を撃ち込んで攻撃していく。ピクシードラゴンをテイムしたファーマーは優に30人以上だ。そしてその人数が【蒼龍の聖剣】に所属している。【蒼龍の聖剣】の構成員の半分以上は生産職で占めてるのが何とも不思議なギルドだって思う。普通は戦闘職のプレイヤーが殆どで、残りは生産職のプレイヤーを抱えてるかそうでない。なのに白銀さんはその逆のことをしている。それも戦闘を両立しているかしていないプレイヤーを手当たり次第誘ってた話を聞いた時は、何がしたいんだろうと思ったけどな。

 

「いいねぇ、最高の光景だよノーフ。大規模のギルドって上位のプレイヤーもいるのに、非戦闘職のファーマーである俺達が倒しているなんてさ」

 

同じファーマーのつるべが手も足も出せないでいる大規模のギルドのプレイヤー達の姿を見て愉快そうだった。ファーマーの俺達が30体以上のドラゴンで一斉に襲撃しているから、いくら大規模のギルドでも空からの攻撃には防ぎようもないだろう。俺だったら絶望する。魔法や矢で迎撃してくるけれども、躱したり避けたり、地上に降りて魔法で牽制したりしているからか、まだ誰も倒されていない。

 

「オーブを奪い取ったぞー!」

 

「よし、殲滅次第次のギルドへ向かおう! 白銀さんの恩を勝利と共に返す!」

 

「わかったー!」

 

「今まで私の苺を盗み食いした分、働いてもらう」

 

「だからさっさとテイムすればよかったんだよ、ネネネよぉ・・・・・」

 

恨めしそうに俺達の説得を受け、物凄く渋々で結局テイムした黒いピクシードラゴンを見つめるネネネ。

女子の食べ物の恨みは本当に面倒そうだわ。

 

・・・・・。・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。

 

今のところ、昨日みたいに大人数でやられたという仲間はいない様子だ。十個も集めた味方の方へ赴いたのも3回目。そして今俺は赤色を基調にした多くの敵がいる大規模のギルドのオーブを回収してても、居座るように大天使の姿で玉座に座って寛いでいる。

 

「どうした。もう終わりじゃないだろう。もっとかかってこい」

 

「・・・くっ!」

 

赤黒く光る円陣に足を踏み込めばダメージが入り、遠距離からの攻撃をすれば大したダメージを与えられず、攻撃した90%のダメージが反射して受ける。そして、HPが減少する度に相手プレイヤーからHPを自動的にドレインしてくれる指輪の効果で、常にHPはフルの状態を保つ。そんな俺の脅威の現実を目の当たりにした相手プレイヤー達は攻めることも近付くことすらしなくなった。金髪緑目の女性と白黒のマントを着ている男性も攻勢に出てきたが今では様子見をするようになった。

 

退屈になってきたので『暁の境界Ⅹ』のスキルを発動した。

 

「【ブラックホール】」

 

ガゴッ! と大盾の中心が口を開いて物凄い吸引力が発生した。このスキルの効果は―――無情にも相手のインベントリから全てのアイテムを吸収、消滅するものだ。敵から出て来る様々なアイテムが俺の大盾に吸い込まれていく光景は敵にすれば絶望的だろう。

 

「ヤ、ヤバいヤバい・・・何なのさアレッ・・・・・盾じゃない、絶対に盾じゃないよっ」

 

「困りました。ミィのMPポーションがすべてなくなってます」

 

ミィ? どこかで聞き覚えがある、とそう思った時に目の前で荒ぶる炎柱と一緒に、長い赤髪と赤い目、赤い衣装にマントを身に着けた女性プレイヤーが現れた。登場シーンが格好いいな!! というか彼女・・・・・はは~ん、なるほど。

 

「「ミィッ!!」」

 

「遅れてすまない。戦況は」

 

「ごめんなさい。手も足も出せないどころかMPポーションを全て奪われてしまいました」

 

「・・・・・最悪のようだな」

 

あれ、キャラ違くないか? まぁ、聞けばいいか。

 

「なるほどな。どこのギルドのところだと思えば【炎帝ノ国】だったのか」

 

消した玉座から立ち上がりミイに近づく。

 

「蒼天の出身、【炎帝】のミィ。同郷のプレイヤーと出会えて嬉しいねぇ」

 

「例え同郷の者でも今は敵同士だ。【炎帝】!」

 

「そうだな。悲しいことに同郷の相手と戦う事になるとは残念だ。それもリアルでお前と言う人間を知っている者として更に残念でならないよ」

 

飛んでくる火炎にひょいひょいと躱す俺の発言で、ミィの目が大きく見開いて動揺の色を窺わせてくれる。同じ蒼天の人間だから俺の言うことは嘘ではないと信じているようだな。

 

「・・・・・ゲームの中で現実世界の話を持ち込むな【炎槍】!」

 

「【悪食】! それもそうだな。じゃ、このイベントが終わったら二人きりで会おうぜ。ミィの本音を聞きたいからな。【金炎の衣】! 【大竜巻】!」

 

炎の槍をMPに変える悪魔のようなスキルで無効化した後、全身に淡い金色の炎を纏い、俺ごと火砕旋風と化した【大竜巻】の中に閉じ込められたミィ達のHPが減っていく。

 

「ははは! 炎使いが炎の持続ダメージを受ける気分はどうだミィ! 【炎上耐性】を持っていようとスリップダメージまでは俺と一緒で耐えられまい!」

 

「それならば、お前もダメージを・・・・・」

 

ミィ達から溢れる赤いダメージエフェクトが俺の指輪に吸収され、俺のHPが回復していく。

 

「自己回復の指輪があるからお前等が先にHPを無くす」

 

「~~~くそっ!!」

 

自棄を起こしたようにミィがこっちへ駆けだしてきて、懐に飛び込んできた。

 

「【自壊】! 一矢だけでも報いてみせる!」

 

そんなミィの体を炎が覆って天高く火柱を上げて俺ごと燃え盛った。

 

「自爆か? 悪いが爆発耐性を無効にするスキルがあるから通用しないぞ」

 

「―――は?」

 

呆ける彼女の身体を抱きしめ、耳元である言葉を囁いた。そしたらミィは愕然の色を顔に浮かべた最後に俺を残して散った。他の【炎帝ノ国】のプレイヤー達も成す術もなく死に戻った。

 

 

 

生き返ったミィは今でも耳朶を刺激するハーデスから告げられた言葉に身体を硬直させていた。

 

「(死神ハーデスが、あの方・・・・・? あ、ああっ・・・!? だ、だとしたら私は何て言動を!? とにかく、イベントが終わったらすぐに会いに行かないと!!)」

 

普通ならば信じる要素がないために聞捨てるのが当然である。しかしお互い蒼天出身のミィとハーデスしか知らない事実を囁かれてしまえば、彼女にとっては信じる以外できなかった。そんな頭を両手で抱え蹲る彼女の情緒不安定な姿に、生き返った【炎帝ノ国】のメンバーは今後の戦闘に悩んでいるギルドマスターに見えたのか、情けない自分達に申し訳なく感じ【炎帝ノ国】を持ち上げんと士気を密かに高めていた時、空は朱色に染まり夜の帳を下ろそうとしていた。

 

 

 

 

 

二日目も日が落ちた頃、総出で集めてくれたオーブは【蒼龍の聖剣】のオーブの中にいっぱいになっていた。

 

「自軍オーブが自軍にある場合、六時間ごとに1ポイントを得られる恩恵を捨てても、こうしてたくさん他のギルドから集めたオーブを三時間防衛すれば、それ以上の得点を得られるからメリットの方が大きいね」

 

「俺達のオーブを奪いに来たのに、オーブがないんじゃあ奪えるものは奪えないしな」

 

「私達が奪ったオーブは、常に動き回り続けるハーデス君のところに集まって、奪われたオーブの動きが判るからハーデス君を追いかけるプレイヤー同士が自然にぶつかって」

 

「衝突して戦闘に発展することで勝手に自滅してくれるってか」

 

「ここまで成功すると策士だよハーデス」

 

や、そこまで考えに至らなかったんだが・・・結果的にそうなるなら御の字だわ。

 

「それで、夜になったら全員ここに集まって防衛も万全にすると」

 

「他の人達が取り返しにやってきても、私達は負けないもんねー!」

 

「「私達も敵を倒します!」」

 

うん、それじゃあ頑張ってそうしてくれよ。今がその時だから。拠点の周りを動き回り続けてる巨蟲を駆使するエリンギから、俺達より上回る数の他ギルドの襲撃に遭っているそうだから打って出ないと。

 

「残り二時間だ。敵を押し返せ。イズとセレーネは崖の上でポーションの生産を頑張ってくれ。長期戦になりそうだ」

 

「ええ!」

 

「適材適所、だね」

 

ミーニィに二人を崖の上へと運んでもらい、俺はイベントに参加してもらった12人の音楽プレイヤーへ振り向き、演奏開始の合図として頷いた。音楽のスキルの効果範囲は演奏する音楽が聞こえるところまで。装備とアイテムが揃えば500M先にいるプレイヤーやモンスターにバフとデバフを付与することが出来る。それらの装備とアイテムはいま、全て揃えている。彼女達が演奏を始め出した途端、俺のステータスに様々なバフが付与された。HP自然回復速度・大、MP自然回復速度・大、ステータス10%上昇、状態異常耐性・大・他にも武器やスキルの攻撃・防御力の上昇やMPの消費が減少するバフとかも・・・・・。流石だな!

 

彼女達に歓心を寄せていた時、オーブがある台座で演奏している彼女達の傍にいた俺のところへ外の守りを突破した敵プレイヤーが襲い掛かって来た。防御の構えをして武器を打ち下ろした敵と一度の衝突後。敵の後頭部に矢が刺さって一瞬の硬直を見逃さず、短刀を大剣に変えて首を切り落とした。セレーネの援護であることを認識しても、次から次へと敵が一本の道から押し寄せて来る。

 

【連結】【悪食】の後に【溶岩魔人】で敵プレイヤー達と対峙する。

 

「あっ、汚いぞ!! 総合ランク1位のくせっ・・・!?」

 

セレーネの矢が再び刺さる。狙撃手がいると俺から目を反らした敵には【溶岩流】で逃げ道を塞いだ後に【悪食】の効果が付与された溶岩パンチを食らわせ、一撃で倒したのだった。

 

「静かにしろ。演奏中だぞ」

 

と言っても三度目の襲撃してくるプレイヤー達に言ってもしょうがないか。ほらもういっちょ、溶岩パーンチ!!!

 

 

3時間後。

 

 

俺達のオーブに集めたオーブが大体無くなった頃には、襲撃も止まり軽く反省会をした。

 

「で、確かお前等が担当していた方角だったよなユージオ達。一点突破されたか」

 

「すまねぇな。この馬鹿がバカなことしたから」

 

「僕だけのせいにするなよ! ユージオが戦ってる最中に翔花ちゃんと夫婦喧嘩している隙に吹っ飛ばされたから僕がカバーに入ったのに!」

 

「夫婦じゃねぇっ!! そういうお前も吹っ飛んできた女性プレイヤーに巻き込まれる形で押し倒されて、ヒルデガルドとキューレに折檻されて侵入を許しただろうが」

 

「あれは不可抗力だよ!?」

 

・・・ゲームの中でも変わらないなこいつら・・・・・はぁ。

 

「ユージオ、ラック、翔花、ヒルデガルド、キューレ。どんな理由や事情であれ、味方同士の喧嘩と攻撃は絶対に止めろ。それで負けることになったら場の空気が悪くなるんだから。これはお願いじゃなくてギルドマスターとして命令だ。イベントが終わったら好きなだけじゃれついていいから」

 

「ちっ」

 

「ごめんなさい・・・・・」

 

「わかったよ」

 

「何で私まで・・・・・」

 

「申し訳ございません」

 

遺憾だと不貞腐れるのと素直に受け入れる二つの反応に、他のメンバーたちは呆れと苦笑する。

 

「ハーデス君、明日も同じやり方でいいのかな?」

 

「うんや、見ての通り順位は俺達がダントツだ。少しだけやり方を変更する。内容は―――残滅作戦」

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