バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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神獣 その名は青竜

「さて、四方にいるレイドボスの一体を挑戦するか―――【蒼龍の聖剣】」

 

おおおーっ!!

 

後日誘った戦う意思がある戦闘職、生産職のプレイヤー総勢30人が始まりの町から出陣した。その光景は他のプレイヤーの目にも留まり、なにか大規模な事をするに違いないとざわめきの声が聞こえてくる。

 

「さぁ、行くぞ。初の第11エリアへの進出は【蒼龍の聖剣】がもらう!!」

 

「皆、頑張るよー!」

 

なお、本当に移動距離が長いため全員に空飛ぶ道具を持参してもらった。俺は【機械神】で飛んで行くがな。そしてこれは、他のプレイヤー達ができるだけついてこられないようにする処置だ。故に俺達はそれぞれ空に飛んで獣人の里まで移動する。洞窟の前で降りて辿り着いた里を経由し、第10エリア分の距離をまた空飛んで長く移動する。

 

「ギルドメンバーでレイドボスは初めてだねー」

 

「そうだな。そしてこれからもあるさ。その時は大いに派手な戦いをしよう」

 

そう、例えば突如目の前で雷が帯びた竜巻が発生したみたいに―――えっ?

 

「全員避けろぉーッ!!!」

 

俺の叫びの疾呼にメンバー達が左右に分かれて竜巻を避ける。

 

「ちょっ、何で竜巻が発生しているんだ!?」

 

「まさか三大天災のジズ!?」

 

「それはあり得ない! あれは冒険者ギルドでしか依頼を受けれない設定だ!」

 

「じゃあ、あれは何かのギミックか?」

 

「白銀さーん。また何かやらかしましたかー?」

 

俺が何かした前提の話まで聞こえてくる。一切合切、何も身に覚えもございませんがねぇっ!? あ、竜巻が治まった。

 

『久しぶりだな。資格ある者達よ』

 

「せ、青竜・・・・・? なんでここに? いや、どうして突然現れた?」

 

『東方は私の持ち場です。そして大勢の下界の者達を引き連れて移動するならば―――私と否が応でもあなた達の力を示してもらう』

 

「ちょっと待ってー!? こっちのレイドボスをする心の準備ができてねぇー!!!」

 

突然の四神の一角である青竜の登場&奇襲に俺達は慌てふためいてしまう

 

「ハーデス、どうするの!? 青竜と戦うつもりはなかったでしょ!!」

 

「現れる事すら想定していなかったよ!! ―――【蒼龍の聖剣】!! 目標を青竜に切り替える!! 目の前の四神の一角を倒さない限り第11エリアへ行けないと思え!!」

 

うおおおおおおおお!!

 

『その心意気やよし!! 挑んでくるがいい・・・資格ある者達よ、異邦の者達よ!!』

 

雷と竜巻が同時に襲い掛かって来る。俺以外のメンバーは空飛びながら戦うスキルがないからどうしても青竜を地上に引きずり落とさないといけない。もう既に何人かが死に戻ってしまっている。

 

「青竜を地上に落とす!」

 

「どうやってっ!?」

 

「方法はある! ―――サイナ!」

 

ジズ戦の時と同じだ。相手の視覚を奪う! レイドボスのために連れて来たサイナは、肩に担ぐ長い砲身を青竜へ標準合わせていて俺の意図を酌んで光の弾を打ってくれた。

 

『私の視界を奪って身動きが取れなくなったところを一斉攻撃・・・・・幼稚過ぎるではないか?』

 

迫って来る光の弾をあっさりと躱し、遥か頭上で太陽よりも眩しい光量が弾けて青竜を照らすが、直視をしないよう下を向ているから失敗した―――と思うだろう?

 

『む? 資格あるあの者はどこに?』

 

―――ここだ。

 

「【太陽神】!!」

 

サイナが撃って外した光弾から背中に三対六枚の黄金の翼、背負う五重の円光と頭上に降臨を浮かべせている俺の登場に青竜は、首をこっちに振り替えて目を見開いた。

 

「【天照】」

 

『しまっ―――!?』

 

巨大な光の円が出現して、蛸竜に大ダメージを与えたあの虫眼鏡で太陽の光熱を放った。技の速度はこっちの方が早く直撃した青竜は呑み込まれ、HPを減らしたはずだ。でも、一割程度だろう。

 

『ぐぅっ・・・その姿は、砂漠の太陽神ラーの・・・!』

 

「見惚れている場合じゃないぞ青龍、【太陽結界】!」

 

青竜を逃がさんとする光の球状。中で破ろうと暴れ回るが敵わずにいる結界を地面に下ろして半球状のドームと化する。

 

「青竜の動きを封じた! 中からは出られないが外から入ることが出来る結界のこのスキルは、俺のMPが続く限り結界は継続する! その代わり俺はこの場から動けず攻撃も出来ない。お前達が倒せ!」

 

「わかった。キミの作ったチャンスは無駄にしない!」

 

「白銀さんが青竜を抑えている間に攻撃するぞー!!」

 

「「「「「うおぉおおおおおおっ!!!」」」」」

 

 

イッチョウside

 

 

地上に降りて太陽の結界の中へ侵入する。四神の青竜でも破れない結界って凄くないかな? でも、それ故に消耗するMPも凄い筈。ハーデス君がどれだけMPポーションを抱えているか分からないけれど、無くなる前に倒さないとね。

 

『してやられた。さすがは資格ある者達・・・・・いいだろう。限られた空間だろうと私はお前達の挑戦を受け入れる。挑むがいい!!』

 

お言葉に甘えて挑ませてもらうよん!! 空にいられるよりはだいぶマシになって攻撃が当てやすくなったしね!!

 

「【超加速】! 【トリプルスラッシュ】!」

 

「【断罪の聖剣】」

 

「【多重光砲】!」

 

「【パワーアックス】!」

 

「【超加速】!」

 

ペインさん達も限られた空間の中で積極的に攻撃する。同じ土俵に立つ相手となら彼等の戦闘力も発揮するねぇ~。生産職のプレイヤー達も戦闘職のプレイヤーに負けず頑張っている。何より―――。

 

「一番頑張ってくれた人は俺の従魔と半日間独占させる権利を与える! 頑張ってくれー!」

 

というハーデス君の言葉に他の皆のやる気のボルテージが臨界点突破した。

 

「オルトちゃんを独占!? 絶対に倒してやるぅうううううっ!!!」

 

「クママちゃんの身体を堪能するチャンスがキタァアアアアア!!!」

 

「ゆぐゆぐちゃんを半日でも独占・・・だと? うぉおおおおおおお燃えて来たぁあああああああっ!!?」

 

「「「「「あの子を独占!!!」」」」」

 

「「「「「絶対に手に入れてみせる!!!」」」」」

 

わぉ・・・・・欲望に忠実だねん。青竜も意味が判らないとそんな表情を浮かべながらも応戦しているし。

 

「おいフレデリカ。あいつがあんなこと言っているんだから、ハーデスを半日独占する権利を貰えばいいんじゃないか?」

 

「そうだね」

 

「ちょっ、何を言い出すのさー!?」

 

「仲間の夫婦愛を応援するってことさ」

 

・・・・・それ、いいかも? そう思ってしまった瞬間。私の中の彼への対する欲が強まって、彼の代わりに頑張ろうと思いで苛烈に攻撃を加えた。

 

 

セレーネside

 

 

彼の話を聞いて戦闘に参加するよりも彼のサポートした方が賢明かも。私は地上に降りてすぐハーデスの傍に寄り、MPに関するアイテムを生産し始めるとイズも遅れてハーデスの結界維持の為にMPポーションを作り始めた。この勝負は青龍を自由にさせない前提で始まった。結界が無くなると空へ飛んで行かれてしまえば、限られたプレイヤーだけしか攻撃が届かない。絶対に勝つために結界を解かせちゃいけない。

 

 

イズside

 

青竜との戦いからおよそ10分が経過した。窮屈な空間に閉じ込められてる青竜でも、私達にとっては広い空間なのは変わりないので魔法攻撃をすれば確実に届く距離。でも、それは相手も同じなわけで蛇のような横長の身体を少し動けば、半数以上の仲間達にダメージを与える。

 

「何人死に戻った」

 

「6人、まだ10人以下で留まっているわ。でも外から攻撃は出来ないの?」

 

「できるならピクシードラゴンを従魔にしてるノーフ達にそうさせてる」

 

実際、巨大化したピクシードラゴン達が青竜の周りを飛んで魔法攻撃をしている。MPポーションを補給してMP回復に努めるハーデスは、たぶん歯痒い思いをしているのかもしれない。

 

「ハーデス、どう思う? 何とか勝てそう?」

 

「玄武みたいに天変地異をしないならば勝率は2割かな」

 

「意外と低いね。理由は?」

 

「五行思想または五行説って知ってるか?」

 

五行思想・・・・・? セレーネと顔を合わせても私達は知らなくて首を横に振った。

 

「古代中国に端を発する自然哲学の思想五行って古代中国の・・・・・まぁ、噛み砕いて言えば火・水・木・金・土、それぞれ相生と相剋の話だ。他にも―――」

 

「相生・・・相剋?」

 

ごめんハーデス、そこまで勉強したことが無いから解からないわ・・・セレーネも同じ気持ちのようで難しい顔をしている。

 

「うーん・・・知らないのは無理もないか。ま、この話は長くなるから青竜に関する事だけ言わせてもらえば、見ての通り風と雷を操ることが出来る」

 

結界の中で竜巻と雷を駆使している青竜。確かにそうね。でもそれが?

 

「他の四神も八卦に例えて玄武は水、朱雀は火、黄龍と麒麟は山・地、白虎は天・沢と決まっている。そして玄武が言っていたように他の四神の力の一部が使える話だから・・・・・」

 

皆が戦っている青龍に変化が起きた。怒っているみたいに全身が赤く染まって炎を纏うだけでなく、攻撃手段として振るっていた風と雷にも炎が纏ってさらに【蒼龍の聖剣】を追い詰め始めた。

 

「もう解っているが相手は四神だ。三大天災より強いのは明らかだろ。俺が戦闘に加わっても4割程度だ。青龍が空に居座っている前提でな」

 

「じゃあ、地上にいたら?」

 

「5割・・・・・仲間もだいぶ減ったな」

 

ハーデスの言葉に30人もいたはずの皆が、もう10人しかいなくなっていた。外にいる私達も含めて14人、半分以下になった。

 

「しょうがない。自由にさせてしまうが俺も戦闘に加わる」

 

仲間の奮闘を無駄に出来ないとハーデス自身も動き出した。

 

 

フレデリカside

 

 

私とペイン達、イッチョウと生産職と戦闘職の五人しかいなくなってしまった。玄武と白虎の時もそうだったけど青竜もハンパなく強すぎる! こっちの土俵に引きずり込んだと思ったのに、その土俵にスリップダメージの攻撃をされちゃ回復が追い付かないよ! 唯一、イッチョウだけは一撃もダメージを食らっていないのが呆れるほど凄いけどさ!

 

『ここまで私と渡り合えただけでも称賛に値する。しかし、どうやら私を侮っているようだな資格ある者達よ』

 

「侮っている? どういうことだよ」

 

『お前達の事は知っている。勇者の存在に成ったのだろう。何故、勇者の唯一無二の攻撃をしない?』

 

「「「「・・・・・」」」」

 

勇者スキル・・・・・あっ。

 

『・・・・・よもや、自分がどんな存在か忘れていたわけではあるまいな? それとも四神たる私達に魔に対する攻撃を放つのが躊躇っているのか?』

 

えっと、前者の方だね・・・・・。普段使わないスキルなのもあるけれど、ペインの勇者スキルのデメリットはハーデスが証明した。安易に使えないスキルだよ強力なのは自他共に認めれるものだけれど。

 

『遠慮はいらん。お前達の全てを賭した戦いを私に示すがいい』

 

「じゃあ、そうさせてもらうぞ青龍!」

 

青竜の催促の言葉に応じた第三者の声。太陽の結界が突然消えだし、青龍の真上から落ちてくるようにハーデスが片手で持ち上げていた禍々しい大剣を青竜の燃える身体に突き刺した!

 

『ぐああああああああああああああああああああっ!!?』

 

「呪いの魔剣グラム、龍殺しの力の味はどうだ!!」

 

『呪いの魔剣、だと・・・!?』

 

私達じゃああそこまで悲鳴を上げさせることすらできなかったのに、ハーデスの魔剣がそうさせた。今のでもしかしてかなりHPを減らしたんじゃ? 見えないけどさ。

 

『資格ある者がそのような武器を持つなど信じ難いぞ! 身を滅ぼすぞ、それでも構わないのか!』

 

「心配してくれてありがとう。だが、その対策はしてあるんでな」

 

赤い指輪を見せつけるようにして、青龍から迸る赤いエフェクトが指輪に吸収されていく。

 

「呪いは決して悪いことばかりじゃないんだぜ? 呪いは祝福にも変わる表裏一体がある。魔剣の呪いは今の俺にとっては祝福も当然なのさ! お前を倒せる力が秘めているんだからな!」

 

『・・・・・私を倒すために敢えてその身に蝕む呪いを祝福と言うか。―――いいだろうッ』

 

青竜が空高く昇ってしまい、もう私達の攻撃が届かなくなってしまった。

 

『玄武には言えなくなってしまうが、資格ある者のその強い意志と覚悟に私も全力を以って相手をしてやらねばな!!』

 

何か仕出かすつもりの青竜からハーデスが離れた矢先。

 

『【フィールド・ダウン】【天変地異・海】』

 

・・・・・。・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。

 

玄武と同じ、フィールドを消滅させる技を発動しやがった! この辺り一帯の地面が陥没した風に奈落の底へ落ちて行ってしまった。それから地面が無くなった代わりに、玄武の黒い海と違って青い海と化したフィールドで青竜は数多の超巨大なハリケーンを発生させた。

 

『さあ、お前達の全力を見せてもらおう』

 

現在残ったのは―――宙に逃れたサイナと俺とペインのみだ。奈落の底に落ちる皆を全員助けることが出来なかった。違う、ペインを俺にイッチョウ達が託したんだ。ドラグがペインの背後から斧でスイングして地面に落ちながらも俺の方へペインを吹っ飛ばしたんだ。

 

「ぜってー勝てよ!」

 

「いい報せを待っているよ!」

 

「私達の分も頑張ってね!」

 

「白銀さん、ペインさん。応援してまーす!」

 

そう言って地の底へと呑み込まれたように落ちていった皆。俺達はその声援を受け止め、スキルで海の上に立つ(性転換中)。

 

「ハーデス。皆に託された思いを必ず報いるよ」

 

「ああ、青竜を倒してな」

 

『ならば、かかってくるがいい』

 

言われなくとも!!

 

「サイナ、ペインに機械の翼を!」

 

「かしこまりました」

 

一足早く俺は【飛翔】で飛び青龍に接近する。手を動かしてハリケーンを操り攻撃と言う名の接近を妨害する青竜に、【アルマゲドン】を放った。複数の巨大な隕石が大海原に落ちてきて躱す青竜の姿を捉え、隕石の陰に移動しながら隠れつつ・・・・・。

 

「【クイックチェンジ】【血纏い】」

 

蛸竜戦と同じく短刀から『ハーデスの大鎌』に変更してHPを一割だけ残して【STR】に注ぐ。

 

「もう一度【クイックチェンジ】【反骨精神】」

 

全ての【VIT】の数値が【STR】に変換された状態で装備を大槌に変え、【三天破】以外の装飾アイテムを【救いの手】にし、計六つの大槌を装備した状態で。

 

「【超加速】! 【八艘飛び】!」

 

『むっ!?』

 

俺の存在に気付く青竜。口を開いて炎を放った直後、炎に呑み込まれながら大槌を振るった。

 

「落ちろッ!」

 

青龍に肉薄して近づき、最大火力で頭に大槌を深く突き刺す感じで叩き込んだ。

 

『ぐがあああああああああああっ!!?』

 

 

ペインside

 

ハリケーンに襲われながらも回避し続けて、ハーデスが空から叩き落してくれた青竜の姿に一日一度のスキルを放つ姿勢は出来ていた。

 

「【勇者】」

 

レベルが10も減ってしまうスキル。しかし、今この状況においていつ使う話になる。みんなに託された思いをこのスキルの一撃に注ぐ。天に掲げる剣が極光の粒子を一身に集めて輝きを強めていく。

 

「【エクスカリバー】!!」

 

『ッッ!?』

 

縦に振るった剣から極光の斬撃が放たれた。真っ直ぐ青竜へと向かっていくが、俺の一撃が身の危険を覚えたようで紙一重で惜しくも避けられた。―――だけど。上から極光の斬撃が俺の放った斬撃を巻き込んで落ちて来た。

 

「食らいやがれ!! 【連結】―――【勇者】【龍殺し】【悪食】!!」

 

俺の白い斬撃波とハーデスのどす黒い斬撃波が入り混じったそれが一つの塊となって青竜を襲った。俺と同じスキルを使ったという事は、ジョブを剣士に切り替えたのかあの一瞬で。あまりに大きいその一撃は俺も巻き込まれてしまうが、ハーデスのドールに救い出されて回避できた。一方青竜は・・・最後の足掻きと炎の大竜巻と膨大な量の水の壁で俺達の斬撃波にぶつけて対抗するも、突破され―――。

 

『・・・・・見事!!』

 

俺達の最大の一撃に呑み込まれながら海の底へと沈んで行った直後。リヴァイアサンが起こした高波を割った天を衝く極光の極太の柱が海中から立った。

 

『神獣の一角「青竜」を撃破しました死神・ハーデス、ペインは【勇者の光輝】を獲得しました』

 

『スキル【相乗効果】を取得しました』

 

「これが・・・・・」

 

白虎の時はもらえなかった物が青龍で得れた。ステータスが20%も上昇する装飾品アイテム。それに知らないスキルも手に入れた。

 

 

【相乗効果】

 

三つまでスキルをセットして同時に発動することが可能。使用したスキルは均一再使用時間1分。その間、他のスキルに変更可能。

 

 

取得条件:二人以上のプレイヤーが同時に複数の同じスキル系統+異なる攻撃でレイドモンスターを倒す。

 

 

「おーいペイン。やっと倒せたな!」

 

「そうだな。皆の仇も取れたよ」

 

「死に戻りはしたが・・・・・いや、野暮なことは言わん。でも、皆の苦労が報われただろうな」

 

全員の協力があってこそ、青竜を倒せた。ハーデスはそのことを深く受け止めている。同意して頷く俺が立っている海が、視界を一瞬奪われるほどの光量を突如放った。次に目を開けるときは元の地面のあるフィールドに戻っていて、横になっている青龍と。

 

『あなたまで何をしているのですかぁああああああああ!!!』

 

『ぶほっ!!?』

 

ハーデスのホームに居座っている麒麟が青竜の身体に凄い勢いでぶつかって吹っ飛ばした。ハーデスが大槌で殴り飛ばした比ではない。

 

『玄武だけでなく青竜までその気にさせてしまうほどの戦いは、見届けさせてもらったぞ資格ある者達よ』

 

黄竜も現れ俺達にそう告げる。

 

『しかしながら、下界の一部と言えど環境破壊をこうも立て続けに・・・・・今回の資格ある者達は神獣を本気にさせ全力を引き出す何かが秘めているとすれば世界が危うくなるのも事実。これは場を設ける他あるまいな麒麟』

 

『ええ、その方がよろしいかと。今までになかった事態なので対応を怠った私達の責任でしょう。朱雀、白虎、玄武と交えて相談するべきです黄竜』

 

『であるな。資格ある者達よ。先の残りの神獣達との戦いはしばらくできなくなるがいいか?』

 

「理由が理由なら構わないよ」

 

「ハーデスと同意見だ」

 

『すまない。感謝する。そして青竜を倒したお前達に―――おい青竜』

 

『わかっている・・・・・資格ある者達よ。また機会があればもう一度戦おう』

 

 

『スキル【東方風神】を取得しました』

 

 

【東方風神】

 

全ての攻撃に風属性が付与する。ダメージ量は【STR】の20%。

 

 

通常攻撃に属性のダメージも入るスキルか。フレデリカの【金炎の衣】みたいなスキルを得た俺に対し、ハーデスはなんだろうか?

 

『それと、あの者達にも授けよう。惜しくも敗れたが資格ある者ではない者達でも、私と渡り合える強さを見せてくれた。黄竜、あれが人間の力なのだな』

 

『その通りだ。資格ある者の言葉は誠だった。よって、これからは私達も認識と在り方を変えるべきだと思う』

 

『そのためにも他の者達と一度、話し合うべきです』

 

『わかった。では、行こうか。さらばだ資格ある者等よ』

 

青竜達は空の彼方へと飛んでどこかへ行ってしまった。残された俺達も一度、ホームへ戻ることにしたら。

 

「イエーイッ! 二人ともお帰りぃー!!」

 

「お疲れ様ぁっー! おめでとーう! そして、ありがとーう!」

 

「レベルアップと新しい称号が手に入ったぁあああっ!!!」

 

死に戻った彼等が凄く盛り上がっていた。理由は聞かずとも口々に言っているからわかる。

 

「ちなみに何て称号だ?」

 

「『青竜に認められた者』。効果は全ステータスが永久的に+10です! 10も何て凄すぎっしょ!?」

 

青竜と戦った者だけが得られた称号のようだ。それを含めてステータスが増えるなら喜ぶのは当然だろう。

 

「ペインとハーデスは何を手に入れたんだ?」

 

「俺は【東方風神】というスキルだ。ハーデスは?」

 

「スキル【青竜の逆鱗】だ。もらったスキルは違うようだな」

 

そうなのか。ともかく四神青竜との戦いは俺達の勝ちだ。

 

「ハーデス。これから改めて第11エリアへ向かうの?」

 

「みんなが良ければな。戦闘の直後だし」

 

立て続けにレイドボスを挑むことになる。ハーデスは今すぐでなくとも今日中に攻略するつもりであることを告げて、『蒼龍の聖剣』のみんなは消耗した装備とアイテムを補充してからという答えに、2時間後に再び向かうことになった。

 

 

そして・・・・・。

 

《獣人の隠れ里の交易路を攻略したプレイヤーが現れました。最初に第11エリアに到達したプレイヤーたちに、称号『新世界』が授与されます》

 

『第11エリアに到達しました。称号『突破者』が授与されます』

 

その日の内にログインしてる『蒼龍の聖剣』のほぼ全員が全プレイヤーより先に未到達領域に足を踏み入れた。

 

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