『敵NPCの全滅を確認しました。獣魔国防衛イベントは終了します』
獣魔国から出てきた悪魔族と魔獣の参戦によって、イベントはユルゲーとなった気分で勝利に収めた。一度元にいたフィールドに転送されるプレイヤーと別れて、俺は日本家屋の中に戻されたところでラプラスに話しかけられた。
「魔王になってしまったのだな」
「なってしまったもんはしょうがない。で、冥界に行く方法は獣魔国内にあるんだな」
「今更隠さないさ。そうだ、冥界と繋がっているゲートは獣魔国が蓋をするように閉ざして隠されているのだ。獣魔国の王もそれを認知している」
グルだったってことか。魔獣ケルベロスを使役していた奴もいたけど、まさかな話だな。
「今ならゲートを通って冥界へ行くことができるんだよな?」
「その通り。だがしかし魔王になったお前が一度冥界に入れば、しばらくの間はこの世界に戻れなくなるぞ」
「オルト達は?」
「残酷な事だが手放す他ないだろう。冥界の空気は人間界のモンスターにとっては毒だ。毒で死ぬか、魔獣に変貌するかだ」
・・・・・マジで?
「どうする。お前を魔王として迎えに来る使者が現れるぞ?」
「―――まぁ、その使者は僕なんだけどね」
空間に裂け目が出来て、そこから女装魔王とハーヴァが出てきた。・・・・・ドン引きすんぞおい。
「・・・・・魔王として、流石にその恰好はどうかと思う」
「仕方ないじゃないか!? 僕だって、僕だってこんな姿で来たくなかったよ!! キミと対等の立場で話をしたいのに、魔王としての威風堂々たる服を彼女が隠してしまったんだから!!」
一言で言えばバニーガールの出で立ちで現れた涙目の魔王。さすがにおれも同情を禁じ得ないぞそれは。
「ごめん、この姿で真剣な話をされても迷惑だよね・・・・・僕、魔王なのに・・・・・」
「・・・・・なんかごめん」
なんだこれ、なにこれ・・・・・微妙な空気は一体・・・・・。
「まったく、しょうがない奴だ。ほらこれを羽織ればよい」
ラプラスが気を利かせ、黒い大きな布を魔王に手渡した。それを羽織り首から下まで隠すことで、まぁマシになった。兎耳の装飾も外して座り、気を取り直す魔王が一つ咳を零す。
「改めて、話をしよう魔王に至った勇者死神・ハーデス。キミはもうこの世界にはいられない存在となった。キミ以外の全てが敵となった今、命が欲しければ冥界に逃げるしかない。だが、冥界も悪くない。当たらな魔王として誕生したキミを快く迎え入れてくれる民や部下達がいる。魔王としてキミが命令すれば部下達はその通りに動くし、たくさんの妻を娶ることも出来る。そして人間界の土地を支配することも出来る」
「・・・・・」
「僕は魔王になってから人間界の土地の支配に力を注いだ。もう一度人間界で暮らすためにね。支配せずとも暮らせる方法はあるだろうけど、魔王としての務めもしなくちゃいけないんだ。このやり方が間違っていようともね」
話を聞く姿勢でいる俺に魔王の言葉は止まらない。
「新たな魔王死神・ハーデス。キミはどっちを選ぶ。冥界で生き長らえるか、人間界で常に命を狙われ続ける恐怖に怯えて生き続けるか。二つに一つだよ」
「それは絶対か?」
「絶対だ。僕もその選択を突き付けられ、冥界で生きることに選んだんだ」
誰しも通る道ってことか。・・・・・うーん、だったら俺はこうだな。
「みんなと別れたくないからな。人間界で生きるよ。人間界の魔王としてな」
「人間界の魔王・・・・・?」
キョトンと不思議がる魔王に首肯する。
「そうだ。人間界にも悪魔族が生きているなら、魔王もいるべきだろ。冥界と人間界に二人の魔王がいりゃあ色々と融通が利きそうだしな」
「本気で言っているのか? 本気で出来ると思っているのか?」
「本気でやるなら、冒険者を活用すればいい。世界を跨ることが目的の異邦の人間達だ。お前が人間界で暮らすって望みも案外簡単にできるかもだぜ」
押し黙る魔王。静かに口を開くのを待っている間、俺も黙った。返答は如何に?
「・・・・・キミは、本当に変わった勇者だね。僕がまだ勇者だった頃にキミも勇者で僕と肩を並んで戦っていたら、人生は違っていたかな」
「いや、あのルシファーに狙われた時点でそう変わっていないと思うぞ」
「私も同感だ。あいつの可愛いモノ好きは今に始まったことではないからな」
ラプラスまでそう言うほどなんだから、魔王は心なしか肩を落とした。
「変えられない運命ってあるのか」
「「諦めが肝心だ」」
それから受け止めるのも気が楽だと思うぞ。抵抗感が激しくあってもな。
「・・・キミの選択はそれでいいんだね。後悔はしないかい」
「後悔したら人生やってられないぜ?」
「そうか。後悔の無い人生を送るのも人ということか。ちょっと、キミが羨ましいな」
立ち上がる魔王の背後にまた空間の裂け目が出来て、踵を返す魔王が言う。
「わかった。キミは人間界の魔王として生きろ。冥界に来てもキミを縛り付けない。自由に遊びに来てくれ。魔王城にもね」
「それを聞いて安心できたよ。また会おう先輩」
「魔王に至った今、人間界で暮らすのは不便だ。冥界の町や都市、国を利用するといいよ僕の後輩。それとこれは餞別だ」
アドバイスどうもありがとう。餞別にスキルをくれた魔王とハーヴァが、冥界へ戻って行く背中を見送ると空間の裂け目が閉じた。
「あの女装魔王の言う通り今のお前と接しようとしたい人間はおらんぞ。代わりの者を使うのがコツだ」
「それがゼロでサイナか」
「正解だ。だが、既に娶ったお前の妻のエルフはそうではないから安心するがよい」
それは本当に良かった。じゃなかったらショックでしばらく落ち込んでたぞ。立ち上がって畑が見える縁へ足を運んで腰を落とすとオルトが来た。
「ムー」
俺の手を掴んで引っ張ろうとする。畑の方へ連れて行かれる俺の周囲に他の従魔達も集まり、あっという間に騒がしくなった。いや、本当に騒がしいな!?
「なーんだ、ちょっと様子見をしに来たら相変わらずだねー」
「ん? イッチョウか。イベントお疲れ」
「はい、お疲れ様! いや、最後は凄かった。悪魔族に全部掻っ攫われてイベントが終わった感じで」
「今思えば、あのイベント自体がプレイヤーから魔王を作るためのモノだと思うぞ。勇者がNPCを倒しちゃならない設定だし」
「そうですね。私もハーデス君みたいな【血濡れた残虐の勇者】の称号を貰えずに済んだよ。他はどうか知らないけど」
教えたから大丈夫だろ。・・・・・多分な。
「それと知ってる? 今のハーデス君、指名手配されてるよ」
「うん? それは告知されてるのか? 知らないぞそんなの」
「じゃあ、ハーデス君だけ知らされていないのかな。冒険者ギルドでクエストとして受けれるようになってたし」
そう言うことか。それなら俺が知る由もない。
「懸賞金は?」
「ハーデス君が所持している金額とほぼ一緒」
「はっ? ぜってー倒されてやんねー!!」
「当然の反応だけど、そのクエストを受けたら場所を問わずPK行為が出来るみたい。だからホームの中でも畑の中でも安心できないよ?」
ほう、つまりはギルドメンバーでもそのクエストを受けられるということか。
「メンバーを脱退させてフレンド登録から消せばいいか」
「最初にその言葉が出てくるのは驚きだけど、ギルドメンバー以外のプレイヤーでも問答無用に出来る行為らしいから」
「マジか・・・・・だったら対策を考えないとな。魔王って不便だわー」
「実際、魔王になったら称号とかスキルを手に入れた?」
否が応でもな。イッチョウに手に入った称号とスキルを教える
「【恐怖の大魔王】の称号のことは教えたな。NPCの好感度が-100。全プレイヤーから討伐の対象になるって」
「うん」
「スキルは【堕天の王】。一日一度、解除しない限りこのスキルは光属性以外の全てを無効化する。物理と魔法もな。逆に被ダメージは3倍だ。それから魔王から餞別としてくれたスキル【魔王の権威】。一日一度、自分よりレベルの低い相手ならば即死効果の攻撃を放つ効果だ」
「うわ、ほぼぶっ壊れチートスキル」
「しっかり弱点があるが確かにそう言わしめる強いスキルだ。こんなスキルが手に入るなら魔王になってもいいプレイヤーもいてもおかしくない」
その反面、凄く困りごとが満載なんだがな!! 現に今だって・・・・・。
「あ、入れた・・・ここが魔王のホームか」
「あそこにいたぞ! 倒せば莫大な懸賞金が手に入るぜ!」
「この瞬間をどれだけ待っていたか! お前、今まで生意気なんだよ!」
「死ねや!!」
フレンド登録した覚えもギルドにも入れた覚えのない知らないガラの悪いプレイヤーが、無断で押し寄せてきた。あれか、これが魔王城に入って来る勇者を待ち構える魔王の感じなのか? 待て、だとしたら俺のホームが全部魔王の城みたいになるのか?
「―――まぁ、人の畑を荒らす輩は許さないがな」
『うむ、全くその通りだ』
『我らの憩いの場を荒らす者は許しませんよ』
叫ぶ俺の後、空から久しぶりに見る黄龍と麒麟が降りてきて俺を討伐しに来たプレイヤーの前に立ち塞がる。
「な、なんだよこのモンスターは!?」
「邪魔だよ、どきやがれ!」
『邪魔なのはお前達だ。この場所はどこだと思っている』
『彼と戦いたいのであれば、町の外で戦ってもらいたい。ここは私と黄龍の憩いの場所。無作法な戦いは禁じます』
「俺達に倒されるだけのモンスターなんかの言うことを誰が従うか!」
「ああ、そうだ! ったく、邪魔だなこの畑は! ファイアー!」
植えていた近くの作物に火魔法を放ちやがった。それに便乗する他の連中も・・・・・あ、雰囲気が変わった。特にオルト達がプレイヤー達の周りに集まった。
「ムー!!」
「クマクマ!」
「フマー!」
「―――!」
「フム!」
「ヒムムー!」
オール従魔達がプレイヤー達を囲い、こいつら許さねぇ! って気持ちを露にしている。うん、それは俺も同じなわけだ。大事な黄金林檎にも損害を与えてくれやがって・・・・・!!
「全員、そいつらを押さえつけろ!」
「ガルルルッ!!」
「ヒヒーンッ!!」
『おいらの前に平伏しがいいにゃん!!』
『グオオオオオオンッ!!』
ミーニィが巨大化までして抑えにかかった。さりげなくテイマーの勇者奥義を使ってオルト達の強化をした。
「うわっ!?」
「くそったれがぁああああっ!!」
「俺達より弱いくせになんだよこいつら!!」
「ちくしょう!」
全方位から攻撃されてボコボコに、ゆぐゆぐとウッドの蔓で縛られあっという間に無力化にされた。
「いや、雑魚すぎだろ。確かにお前等の方がオルト達より強くてもよ」
「うるせぇっ!? 正々堂々と戦えよ!!」
「人のホームに無断で入ってくる輩に、人の畑を斬った輩に礼儀してやる必要あるかな? あと俺は魔王だから卑怯な手も正攻法になるんで」
「この―――!!」
おー、ピーでピーな言っちゃいけない発言のオンパレードを言ってくれるな。俺、こいつらに罵詈雑言を言われるようなことした覚えはないんだがな。
「イッチョウ、俺もPK行為ができるんだっけ」
「できるよー」
よし、正当防衛が出来るなら快くやろう! こいつらを縛る蔓を一纏めに持って―――。
「黄龍、ちょっと俺を空高く運んで落としてくれないか?」
『資格ある者よ。鬼だな』
理解したか。そう言いつつも俺の身体を掴んで空へと昇ってくれる黄龍に釣られ、四人のプレイヤーも昇る。始まりの町の全容が見える高さまで昇ってくれたら、離してもらい四人と一緒に地上へと落ちていく。当然ながら、物凄い勢いでな。
「ぎゃああああああああ!?」
「う、うわあああああああああああああ!!?」
「お、お前、死ぬぞ!! こんな高さから落ちたら死ぬぞ!?」
「止めろ、やめてくれえぇえええええええええ!!」
「お前らと違って俺は一撃じゃあ死なないスキルを覚えているから問題ないんでな! 死ぬのはお前等だけだバーカ!!」
螺旋を描きながら垂直落下、人がいない空間に目掛けて四人を縛る蔓を両手で持って地面に向かって思いっきり振り落とした。―――ただし【身捧ぐ慈愛】のスキルを使った。
「地面とキスをしやがれ!!!」
「「「「っ!!?」」」」
ドォオオオンッ!!! と衝撃音と衝突音が聞こえるほど四人のプレイヤーは顔面から叩きつけられて―――も、HPは一ミリも減らずこいつらはただただ高い所から俺に叩きつけられただけの体験をしたのである。
「ふぅ、うん、スッキリッ!」
「「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」」
周りの視線は痛いがな!! スキルを解除するとようやく俺のことを気付いた様子のプレイヤーが話しかけて来る。
「は、白銀さんですか?」
「今じゃ魔王白銀さんですがなにか」
「あ、はい。えっと、空から落ちてきたんですか? その四人は一体・・・・・」
「魔王の俺を討伐するクエストを受けたプレイヤーで、人のホームに無断で不法侵入してきて、人の畑を滅茶苦茶にしてくれて、あと俺の可愛いオルト達にも攻撃しやがったから、空から思いっきり地面に叩きつけたところだ」
「え、あのクエストって白銀さんのホームに入れるようになるんですか?」
「みたいだな? 魔王の俺がいるところはゲームでよくある魔王の城になるっぽくて、ギルドメンバーでもないフレンドでもないのに入られるようになるのがわかったよ。―――こいつらのおかげでな」
ゲシッ、とプレイヤーを小突いた。
「他にも俺を討伐するクエストを受けたプレイヤーもいると思うけど、礼儀の良くないプレイヤーは悪逆非道の仕打ちで仕返しをするつもりだからよろしく。因みにお前も俺を討伐する口か?」
「い、いえいえっ!? とんでもない! 寧ろしたらゲームが出来なくなるから絶対に受けないあんなクエスト!」
「うん、出来ればそうして欲しい。これからもお互いゲームを楽しもうな。それじゃあ、こいつらをマグマに捨てて来るわ」
【魔王】とんでもないことになったあの人について語るスレ1【正直びびった】
1:大言氏
ビビった
2:デデーン
説明求ム。一体何が?
3:大言氏
いきなり天使が空からプレイヤーを四人地面に叩きつけた現場に居合わせてしまって、誰だと思ったら白銀さんだった。
4:満○
??? 経緯が全くわからない件
5:最終兵器鬼嫁
何を仕出かしたんだ? というかプレイヤーに攻撃したって認識でよい?
6:大言氏
もしかして知らないのか? 冒険者ギルドで懸賞金が懸かった白銀さんを討伐するクエストがあるんだ。それを受けると白銀さんに限りPK行為が可能になるんだ。居場所も把握できるそうだぞ。懸賞金額も莫大だ。
7:チョイス
マジで? ちょっと見て来る。
8:サジタリウス
運営からそんな話も告知も見聞していないけど本当か?
9:大言氏
既にタラリアにも情報が流されている。だからマジだから。
10:ぽろろん
現場にいた大言氏さん。何か情報はないのか?
11:大言氏
『魔王の俺を討伐するクエストを受けたプレイヤーで、人のホームに無断で不法侵入してきて、人の畑を滅茶苦茶にしてくれて、あと俺の可愛いオルト達にも攻撃しやがったから、空から思いっきり地面に叩きつけたところだ』以上、一言一句聞いた言葉をそのまま伝えたからな。
12:最終兵器鬼嫁
わかった!! 白銀さんに喧嘩売っちゃダメなのが良ーくわかった!! 同じ目に遭いたくない!!
13:チョイス
魔王の城=白銀さんの従魔の巣窟=フルボッコ=魔王の鉄槌だな。
14:満○
魔王の城=白銀さんのホーム=白銀さんの従魔の憩い=見守り隊+従魔ファン多数=あいつら誰だ? =魔王でも白銀さんと可愛い従魔に手を出した? =怒りの大爆発=追放。
15:デデーン
本当に怒らしてはいけないのは前者ではなく後者であったか・・・ッ!?
16:チョイス
確認してきた。本当にそんなクエストがあったし、試しに受けてみたら白銀さんの居場所がわかるマップが表示された。ある意味これ便利だな。それにマジで莫大な懸賞金・・・狙ってみようかな。
17:満○
おいよせヤメロ!? ちょっと掲示板を遡って見直せ! ゲームが出来なくなるぞ!!
18:最終兵器鬼嫁
これ、白銀さんを追いかける口実にもなってしまうんじゃないのか? 堂々とストーカー行為が出来るぞ。見えないところならな。
19:大言氏
そう思うよな? 運営は対処するのだろうか。
20チョイス
見た。ヤバい、見守り隊と従魔ファンに殺されかねないことになってるじゃん俺!?
21:ぽろろん
何もせず大人しくしていれば殺されずに済む方法だろう。破棄は出来ないのか?
22:チョイス
できないっ。失敗しても何度でも挑戦できるワールドクエストなんだよこれ!
23:サジタリウス
まじかー。
24:ぽろろん
挑む気がないならさっきも言ったようにすればいいだけだ。オーケー?
25:デデーン
逆に挑むプレイヤーが多そうだな。それで負けたら空高くから魔王の鉄槌がされるのがなんとも怖すぎだろ。
26:大言氏
ちなみにその四人のプレイヤー、マグマに捨てられたかもしれない。
27:サジタリウス
あ、悪魔・・・っ!! いや、魔王だったな!! 納得してしまう所業だ!!
【農業】農夫による農夫のための農業スレ54【ばんざい】
:NWO内で農業をする人たちのための情報交換スレ
:大規模農園から家庭菜園まで、どんな質問でも大歓迎
:不確定情報はその旨を明記してください
:リアルの農業情報は有り難いですが、ゲーム内でどこまで通用するかは未知数
78:チチチ
大変だ、魔王になってたあの人に早速挑んだプレイヤーが現れたらしい!
79:ノーフ
俺達のギルマスが魔王になってしまったこともまだ驚いているのにか。
80:チチチ
しかもそいつら、あろうことか白銀さんの畑を滅茶苦茶にしやがったらしい!
81:つるべ
な・ん・だ・と?
82:セレネス
あのファーマーの宝物庫でもある俺達の聖域を、滅茶苦茶にした?
83:ネネネ
イチゴも滅茶苦茶にしたって?
84:プリム
白銀さんのホームを不法侵入したってこと? どうやって入れたの?
85:チチチ
さらに大変なことに、白銀さんの従魔にも攻撃したって話題が湧いてて・・・・・その掲示板の住民とかプレイヤーがすんごい激怒してて、凄いことになってる。口に出すのも怖い。
86:タゴサック
そいつらの自業自得だ。白銀さんの従魔の人気ぶりを知らないわけでもないのに。よりにもよって白銀さんに限らずファーマーが大事に育てている畑を滅茶苦茶にするなんて許される筈がない。
87:チョレギ
知っていても関係ないのならば、手を出すんじゃないか?
88:つがるん
それは単にバカなだけだろ。自分の身を滅ぼす結果にならないと思っていないなら尚更だ。
89:佐々木痔郎
あー、やっぱりここもその話をしてたか。
90:テリル
白銀さん追いかけの人! 何か情報とかない?
91:佐々木痔郎
無いわけじゃないけど、どこもかしこも似た情報だからな。怒られる覚悟であの聖地に入ってみたら、本当に畑が滅茶苦茶にされてた。だからいまオルト君に許しを得て手伝っているところ。
92:ダイチ
おまっ、さりげなくなんて大それたこともとい羨ましいことをしてるんだ!?
93:佐々木痔郎
因みに俺だけじゃなくて・・・・・。
94:イカル
私も手伝っています!!
95:つがるん
あ、納得した。
運営side
「急遽、変更してよかったですね」
「問答無用の冥界入りじゃなくて選択肢の設定にすれば、白銀さんの従魔と別れずに済む選択を選べることができるっす」
「ああ、白銀さんも人間界の魔王としていてくれれば従魔達と別れなくなる。―――俺達の想いが伝わってくれて本当によかった! プレイヤーからのクレームも回避できたぞぉっー! イヤッハー!」
「ふぅ・・・ほんと、残業&徹夜した甲斐がありました。問答無用に身一つで冥界の魔王にさせたら、徹夜どころではなかった話ですってこれ」
「だけど、彼の今後のプレイがどうなりますかねー? NPCとの好感度が最初から-100ですよ? 0にするまでがかなり大変です。そこから+100にするのも、全部で一ヵ月以上は掛かります。一人のNPCに対してです」
「ちょっと、厳しくありません? 彼だけ影響が出ますよ」
「うぅむ・・・やっぱり?」
「逆に魔王だからこそできるプレイもありますけどね。それを差し引いても9割は大損です。直接やらないと駄目なクエストやイベントがあるんですから。不貞腐れてNWOから離れたら私達もそれなりに困るかと」
「白銀さんだけでなく全プレイヤーにもNPCに対して役立つ何かが必要かと。そうすれば公式的に白銀さんだけ贔屓していない救済処置として認識されると思います」
「度重なるクエストをこなしての好感度アップとプレゼントによる好感度アップ以外か?」
「魔王になってしまいましたけど、白銀さんってNPCの間ではかなり有名ですから。神々の祝福を受けた最初のプレイヤーとして」
「いっそ、その神々のクエストを設定する? 達成出来たら魔王でも好感度関係なくNPCとの会話が元の感じになるとかで」
「それ、全てのNPCがツンデレになりません? アリだけど無しで」
「寧ろ彼だけそのエリアの町と村、都市に国のクエストを全部こなせばNPCの好感度が0になる方がいいです」
「右に同じです」
「わかった。少しその辺りの設定を考えよう。他に何かあるか?」
「魔王になったプレイヤーは指名手配されて懸賞金が付きます。変更は?」
「それに伴い彼だけいつでもどこでもPK行為が可能になります。逆も然りですけど現状維持で?」
「一度誰かに倒されたらレベル1の状態に戻して魔王の称号を消去するのもアリでは?」
「一気に言うな! 変更は無しで現状維持だ! 最後はアリで! 倒せたら真の勇者と書いて【真勇】という称号をプレイヤーに与える設定をしよう!」
「了解っす。でも、他のプレイヤーが白銀さんを粘着しませんかね」
「そこはほら、見守り隊がいるから。白銀さんに迷惑行為をしようとするプレイヤーは即座に運営に報告するし、純粋な戦闘を挑むだけだったら白銀さんも応じるだろう」
「最後は他力本願ですね。わかりました」
「呆れた感じで言わないでくれるかな!? しょうがないだろ、事件や騒動の現場はゲームの中で起きるんだからさ! 運営の俺達が直接手を出せないし!」
「じゃあ、NPCの衛兵でも配置しますか? 悪さしたプレイヤーのところへ瞬間移動して牢屋にゲーム内で数日間も閉じ込める設定で」
「・・・・・それ、いいな?」