バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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魔王討伐終了後

 

 

 

朱雀戦から数日後。いよいよ俺の討伐イベント最終日。レベルリセットを阻止せんとするプレイヤーがなりふり構わずと襲い掛かってくるが、空へ逃げたりマグマの中に潜ったり、クリスタルモンスターブラザーズを嗾けたりして襲撃を交わし続けた。途中でログアウトして時間を潰すこともしていたら・・・・・。

 

『ワールドイベント〈恐怖の大魔王討伐〉の終了を、現時刻を持ってお知らせします』

 

『「恐怖の大魔王」の称号を持つプレイヤーの撃破が確認されませんでした』

 

『冥界の魔王が人間界の魔王を討伐せんとした冒険者から全ての力を奪います』

 

空が急に曇り出して地上が暗黒の世界と化した。その雲が人の顔の形作り口を開いた。

 

『私は冥界の魔王である。地上の人類よ、異邦の地から来た冒険者共よ。これより我等は地上の支配をするため冥界から人間界へ進出する。そのためにまず―――忌々しい神聖教和国を滅ぼす。その国の人間も一人残らず滅してくれる』

 

大きく口を開く顔の雲に禍々しい球状の塊が集束しつつ膨らみ始める。・・・・・あのー。俺のレベルも下がっているんだが魔王さん? ステータスの方も減るのですかそうなのですか・・・・・。

 

『・・・・・神聖教和国め、無駄な足掻きをしてくれた。だが、全ての力が集まらずとも運命は変わらん。滅ぶがよい―――!!!』

 

禍々しい塊が極太のレーザーと化してどこかに飛んで行った。まだ見ぬ神聖教和国がどうなったのか次にアナウンスで知った。

 

『魔王の一撃により神聖教和国は消滅しました。歴史の一ページにも刻まれ大陸に悪魔族が輩出されます』

 

『今後はモンスターが大量に発生し、強さがさらに増します。黒いモンスターが出現するようになります。モンスターやアイテム、スキルに「呪い」が加わります』

 

『旧大陸は悪魔の支配を受けます。全プレイヤーのステータスが旧大陸にいる限りマイナス10%減少します』

 

『悪魔族に転生、もしくは冥界の住人の証たる「名誉国民」の称号を持つプレイヤーのみ除外されます』

 

『ワールドクエスト〈魔王討伐〉の対象はプレイヤーからNPCに切り替わります』

 

『旧大陸からの脱出は東西南北の第12エリアからです。新大陸に目指すプレイヤーは協力し合ってプレイをしましょう』

 

『これからもニューワールドオンラインをお楽しみください』

 

楽しめれるかぁー!! せっかく朱雀戦に向けてレベルとステータスを上げたのにまた減ってしまうなんて!! こんなんゲーム離れされても仕方がない・・・・・うん? 暗雲が晴れたまでは良いが神々しい輝きが落ちてきたぞ?

 

『よーく聞こえるか下人達よー!! 儂は天界に住まう神の一人ゼーウスだ!!』

 

「は・・・・・ゼーウス? なんでこのタイミングで・・・・・」

 

『災難な目に遭ったお前達を見て哀れだと我が主神様達は感じた。故に主神様達はお前達に【神獣の恩恵】を授けることに決めた。その恩恵はこの大陸のみで活かされるが新大陸には無意味なものとなる』

 

『【神獣の恩恵】それすなわち数多の神獣の眷族となり、眷属の主神となる神獣からお前達に力を授けることだ』

 

『獣等の眷族となることで通常の2倍も早く成長するが、主神となる神獣の力は千差万別。良くも悪くもなるのでお前達の直感を信じ、どの神獣の眷族となるか決めるがよい』

 

『そして力を奪われた者のみだが。儂等神々の眷族になってもらう条件で奪われた分の力を与えよう』

 

『最後にこれは儂個人からある者へ向ける言葉だ。人間界の魔王ハーデスよ! お前の言う通り儂等は人間界の未知を体験しに天界から降りることにした!! どこかで会ったら酒を交えて話し合おう!! 以上だ!!』

 

天から流星群の如く落ちる神々しい光。もしかしてあれが全部神々なのか? 結構散らばっているけど新大陸の町や国に落ちて行くのかな。

 

「ま、どうでもいい。イベントも終わったから―――【蒼龍の聖剣】に戻れる!!」

 

イッチョウに連絡して合流場所で彼女と会い、【蒼龍の聖剣】のメンバーとして復帰できた上にギルドマスターとして返り咲いた。

 

「お疲れーハーデス君。やっと帰ってこれたね?」

 

「そしたらこの展開だぞ。まさかゼーウスに言ったことを実現されるとは思わなかった」

 

「ああ、自覚ある一因があったんだ。それじゃあ、ギルドマスター。どの神獣の眷族になるか考えてる?」

 

「というか、魔王の俺が眷族になれるものか? 種族も悪魔族だぞ」

 

あ、そっかと思い出したイッチョウと悩む。こういう時は一番知っていそうな奴に訊くのが早い。

 

「ということなんだが、どうなるんだ?」

 

『『『『うーむ』』』』

 

神獣の麒麟と黄竜と鳳凰に訊ねてみた。でも、こいつ等でも俺の扱いが判らないでいるようだった。

 

『我々以外の神獣が異邦の者達を眷族として集めるようになったのも驚きだが』

 

『神獣の眷族となる者に魔王とは・・・・・』

 

『そもそも今回のようなケースは一度もなかったのだ。我々が正否を決めてもな』

 

『最終的に決めるのは当事者である。そしてお主の心次第だ』

 

俺次第か・・・・・。

 

「ん、でも? 【神獣の恩恵】を受けれるならそれ以上前に俺はお前達と7人のゼーウス達の主神から恩恵を色々受けているぞ。鳳凰の【金炎の衣】と麒麟と黄竜が生んだ神獣ネコバスがそうだしこれは?」

 

『『『『・・・・・』』』』

 

あ、こいつら俺からそっぽ向いた! おいこら、顔をこっちに戻せー! 掴めやすいメスの鳳凰の顔を掴んで視線をこっちに戻す奮闘を始めることになるとは。く、こいつ意外と首の力が強い、何でそこまで抵抗を!?

 

『い、今の状況と考慮すれば、お前は既に私達や主神達の眷族と同等だ。神々も放置も無視も出来ないが、眷族にする事はないと思う、ぞ』

 

「神獣が歯切れ悪い言い方すんな、ハッキリと言えハッキリ!」

 

『わ、我々も資格ある者に複数も神獣の力を授けたことがないのだ。それはあまりにも余剰すぎる力だというのに、全力の四神達まで倒し力を得たお主はもう普通の資格ある者ではなくなっているのだっ』

 

『資格ある者よ。・・・いや四神を倒した者に、もはや挑戦者として意味を込めた呼び方をするのも終わりにするか。―――英雄よ、お前は次のステージに立っている』

 

次のステージ? どういうことなんですかね?

 

『今までの資格ある者達はベヒモス、ジズ、リヴァイアサンを乗っ取った悪魔と全力の四神を相手をして勝てなかった。そして7人の主神と神々に認められなかった。が、お前はそれらを見事にしてきた。その偉業を果たしたお前は次に神の頂を目指すに必要な―――半人半神の資格を得ることだ』

 

「・・・・・俺、悪魔族で魔王なのにそんな大層なモンの資格を得ることができるわけ?」

 

『元よりお前は人の身であった。一度死して半人半神として生まれ変わる意味を兼ねた転生をすれば可能なはずだ』

 

あー、もしかしてイベント中にプレイヤーに倒されたら悪魔族もなくなって元の人間に戻っていたのか?

 

「そのためには新大陸に行く必要があるんだな」

 

『おそらくは。前も言ったが我々はこの大陸を守護する存在。海の彼方までのことは7人の主神と神々しか知らぬ』

 

「じゃあ、新大陸を守護するお前達みたいな神獣もいるんだ?」

 

『それも不明なのだ。しかし、不穏な気配を感じさせるのは確かだ』

 

不穏な気配?

 

『新大陸へ赴くならば努々気を付けるのだ。その気配の持ち主はおそらく新大陸最強の存在かもしれぬ』

 

「・・・なら、その最強にも仲間と挑んで勝ってやるだけだ」

 

『ふっ、英雄はその意気でなければな。それはそうと、願いを叶えたあの道具は活用できているのか? 他の者ならば自身の力を高める願いをすると思うのだが』

 

あの神社のことか。うん、そりゃあもう活用しているよ。俺だけじゃないがな。

 

「自分のために使おうと思ったんだが、他の冒険者も利用できるって言うなら大いに活用しない手はないだろ。今頃俺の足跡を辿って冒険しようとしているプレイヤーがたくさんあの神社を利用していると思うぞ」

 

『役立っているならば構いません。あなたも後悔していないのであれば私達も何も言いません』

 

「そっか。ところで神聖教和国、滅んだようだけど何か困りごとが起きたりしているのか?」

 

『いや、一国が滅ぶことなど珍しくはない。・・・・・しかしだ』

 

うん?

 

『・・・・・国が滅んでもあの国の民達が一人残らず全員生き延びただけでは終わらず、大陸全土に散らばって再興・復興・新興を目的として入信書を片手に、あの手この手を尽くして信徒を増やそうとしている事実を知った』

 

『・・・・・おそらく魔王は野に放ってはいけない恐ろしいモノを放ったかもしれません』

 

え、なに。あの極太のレーザーから国民も逃げ延びて四方八方に散らばって勧誘活動をしてんの!? 国民のNPC達、やっぱり色々と凄すぎじゃねぇっ!?

 

『いずれこの町にもやってくるかもしれません。魔王のあなたや魔王の娘にも注意してください。出会い頭に神聖魔法を放ってくるかもしれないので』

 

そんな野蛮な教会の人間がいるのか? いや、それが普通なのかこの世界では?

 

「ハーデスくーん」

 

と神聖教和国の連中の危険度を改める俺にイッチョウが、呼んできた。全員が旅館のホームに集まり出したようだ。まぁ、これからのことを考える為に俺がお願いしたんだがな。

 

 

 

十数分後―――。

 

 

「えー、皆。恐怖の大魔王こと俺、死神・ハーデスは無事に【蒼龍の聖剣】に返り咲くことができました。心配かけてゴメン、そしてただいま」

 

『お帰りー!!!』

 

ほぼ全員、作業を切り上げたりレベル上げを中断、遠いエリアから来てくれた皆に感謝と労い、謝罪を込めて頭を下げた。メンバーの皆は異口同音で歓迎と拍手喝采をしてくれた。

 

「やっと【蒼龍の聖剣】に欠けていたピースが揃ったね」

 

「もうハーデスがクエストで他のプレイヤーから狙われなくなったみたいだしな」

 

「前のようにゲームを楽しめるな」

 

「今も楽しんでいるから変わらないと思うわよ?」

 

「お帰りなさい、ハーデス」

 

「白銀さん、お帰りー!」

 

「いぇーい!!」

 

「俺達細工師プレイヤーも待っていたぜー!」

 

「待ってましたー!」

 

聞こえてくるメンバー達の歓迎の声。俺ってこんなに人徳なんてあったっけ? と自分に苦笑してギルドの皆を両手で制止て静まってもらった。

 

「帰りを待っていてくれて本当にありがとう。俺のせいでレベルもステータスも下がったってのにな。なーぜか魔王の俺も皆と同じく減らされてしまったがな」

 

「え、そうなの!?」

 

「本当だよ。ほら」

 

俺のステータスを見せると前列にいる皆は凝視した後に、真実だと後ろの皆にも伝え始めてくれた。

 

「あ、あのー・・・・・何故か俺はステータスが変わらないままなんですけど、これはどういうことですか?」

 

第2陣のテイマーのプレイヤーがおずおずと周囲を窺いながら挙手しつつ発言を述べたら。

 

「「「ハーデスさん、私もです!」」」

 

「そうだね。私もそうだから気になってたところだよ」

 

「私もステータス、減らされなかったよ?」

 

「僕もだね」

 

イカル達・・・・・第2陣のプレイヤーの全員からもステータスの変化はなかったと報告が挙がる。

 

「うーん、予想だけど第2陣のプレイヤーの前。つまりNWOがサービス開始がされてから遊んでいる初期のプレイヤー、第1陣のプレイヤーのみレベルとステータスを下げられたのかもな。その理由は運営しかわからない前提でな」

 

「まーた運営か! 悪戯と悪意を振りまきやがって!」

 

「でもこれ、初期から遊んでいる俺達と第2陣のプレイヤー達と立場が入れ替わったよな。スキルと装備は変わってはいないけど」

 

「運営は何を考えてこんなことしたんだか問い詰めたい。というかいましよっと」

 

旅館の広間はあっという間にざわめき立つが2、3度手を叩いて意識を集めた。

 

「そいう現状を踏まえて【蒼龍の聖剣】の今後の方針を皆と考えたい。まずは12の神獣の眷族のことだ」

 

さて、長い話になりそうだ。慎重に決めなくちゃなー。

 

「俺は12の神獣がどんな感じなのか、勝手な予測をさせてもらえるなら十二支だと思う。もしくはそれに似た何かだな」

 

「十二支って、あの子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥のことか?」

 

佐々木痔郎が挙手しながら思い浮かべた考えを口にしてくれた。

 

「そうかもしれないな。わざわざ12の数と神獣にする必要があるとは思えないし、中国神話の四神も登場した以上、十二支もゲームに取り込んでもおかしくはない」

 

「だとしたら、12の動物から【蒼龍の聖剣】はどれを選ぶかって決め合うのか?」

 

「決め合うってか・・・一つのギルドが一匹しか選べないのか、ギルドメンバーが全員12の神獣のどれかを選べることができるのか、俺達はまだ知らないわけだ。後者は自分の十二支を選ぶなり違う十二支の年を選ぶなり自由にしていいが、前者はどうするか相談したい」

 

そう言うことか、と納得の雰囲気を醸し出す仲間達。

 

「それで、ハーデスの判断は?」

 

ペインの質問は【蒼龍の聖剣】の総意、代弁ものだろう。静まって俺の考えを耳に傾ける皆に対して、考えた結論を俺は口にした。

 

「俺は・・・・・敢えて眷族にならない方を選ぶ」

 

「選ばないって、凄い大胆な決断だな!?」

 

「理由はー?」

 

当然の反応を受け止め、しっかりとその理由を告げる。

 

「まだ覚えているだろうが、ゼーウスがいった12の神獣の力は千差万別、俺達プレイヤーには良くも悪くもなると言っていた。つまりプレイヤーのスタイルによってハズレの神獣がいるってことなんだ。12の神獣の中からどれを選んでも、必ず一人や二人ぐらいハズレの力を得てしまう可能性もあるなら選ばない方がいいと思っている」

 

「んー、例えば戦闘能力が欲しいのに選んだまだ何も分かっていない神獣から得た力はその戦闘力を代償に生産力が高まってしまった的に? しかも逆もあり得ると」

 

イッチョウの指摘に頷く俺を見た皆は揃ってそれは困ると表情を浮かべる。

 

「実際どうなるか判らないから憶測の範囲内に留まっているが、流石に俺もそんな賭けみたいな事をして皆のプレイ活動に迷惑をかけるわけにはいかない。さっき言ったギルドメンバー全員が個人で選べるならそれは自分で選んで構わないしさ」

 

「そうだねー。神獣の眷族になることで普段の2倍も速く強くなれるのはいいけど、良くも悪くもなる恩恵がどんなのか、どれなのか私的にはもう少し様子を見てから決めたいかな?」

 

「俗に人はそれを人柱と言うのだよイッチョウ君」

 

「わー、失礼だなー。慎重派って言って欲しいですよセンセー」

 

「誰が先生だ、廊下に立ってなさい」

 

急に教師と生徒のコントをしてしまったが、気を取り直して皆の意見を参考に問う。

 

「とまぁ、俺の考えは以上だ。前者の場合【蒼龍の聖剣】はどの神獣の眷族になるべきか―――」

 

「あの、白銀さんすみません! そのことについて運営から教えてもらったんですけど!」

 

メンバーの一人、美容師の職業を選んだ少女のプレイヤーが俺の言葉を遮って報告してきた。

 

「運営から? なんだって?」

 

「えっと、はい、白銀さんの想像通りでギルドが選べる12の神獣は―――個人ではなくギルド単体で一匹のみだって・・・・・」

 

『・・・・・』

 

運営から聞き出してくれてありがとう。そして安易に決めることができなくなった。広間が静まり返り少しの間だけ沈黙が続いた。

 

「それってソロのプレイヤーは眷族になることはできないってこと?」

 

「ううん、ソロのプレイヤーも眷族になることはできるんだけど、一度選んだら変えられないって。神獣の眷族ってギルドみたいな風で神獣からクエストが発生することもあるらしいの」

 

「ギルドみたいなって、ギルド対抗戦みたいなイベントもあるのかもしれないなこりゃ」

 

「えー? 私、戦いはしなくても構わないって誘われて入ったのに強制的に戦わされるのは嫌だよ」

 

「あー、眷族になるってプレイヤーの意見を考慮されなくなるのか? 決めるのは主神となる神獣だったら」

 

「好戦的な神獣も絶対いるだろうし、逆にそうじゃない神獣もいるとなると生産職プレイヤー的には戦闘を好まない神獣の方がいいのか」

 

「敢えて選ばない白銀さんの考えに俺は賛成だな」

 

「それはまだ判らないからだろ? どんな神獣なのか調べてからでも決めるのは遅くはない筈だ」

 

「そう言うことなら12の神獣を探して調べようぜ! 勿論、皆の自由なタイミングで!」

 

「さんせーい!」

 

「強くなったモンスターの戦闘に慣れる必要があるしな。全ての神獣の特徴と性格が判るまで【蒼龍の聖剣】はこれまで通り変わらない活動をするってことでいいんじゃない?」

 

「異論無し!」

 

「同意!」

 

・・・・・うん。自分の考えを他者にぶつけ合い、上の者にだけ決めさせない決断と行動力、コミュニケーションをしてくれる。

 

「はい、わかった!」

 

もう一度こっちに意識を集めて結論を出す。

 

「【蒼龍の聖剣】はしばらく神獣の眷族にならないこと、神獣を熟知するまで調べ上げながらギルドメンバーのみの間で教え合う事、そして眷族になるかならないかは二の次ってことでいいか?」

 

『はーい!!』

 

『おう!!』

 

『うん!!』

 

「よし、じゃあ今度は12の神獣、十二支の神獣がいそうな場所の特定だが・・・・・サイナ、皆にも見える大型の画面の機械を造ってくれ」

 

サイナに頼みキーボードで文字を打ったものが画面に映し出せる機械を創造してくれた。

 

「まずは皆に分りやすく、このNWOの創設神話とノーム達の隠れ里を参考にした十二支の知識を覚えてくれ」

 

木 亥 卯 未

 

火 寅 午 戌

 

金 巳 酉 丑

 

水 申 子 辰

 

 

東 寅 卯 辰

 

南 巳 午 未

 

西 申 酉 戌

 

北 亥 子 丑

 

 

「うわ、わかりやすい!」

 

「うーん、ノームちゃんの時もこんな解かりやすい情報があったらよかったのにぃ~」

 

「あれはしょうがないって。誰も知らなかったし、里に入るに必要な土の結晶だって何に使うか白銀さんが情報を公開するまで存在すら知られなかったんだからよ」

 

「それなー、扱い方も装備の強化ぐらいしか使い道がなかったって思うぞ」

 

「えっと、今日は日曜日だから早くて火曜日の寅と牛と戌、東は寅で南は牛、西が戌か」

 

「東と南と西に行けば見つかるんだな? でもエリア的にどこまで進めば?」

 

「多分だけど奇数のエリアにいるんじゃない? ちょうど三匹だし」

 

「案外偶数のエリアだと思うぜ?」

 

「その辺は皆が時間がある時に探して見つけて報告すればいいよ」

 

「そうだな。でも、くれぐれも眷族になる話だけはするなよ!」

 

「話してすぐに眷族になる選択肢が出たらどうすればいいんだ?」

 

「普通に拒絶すればいいだろ。神獣とまずコミュニケーション! 白銀さんを見倣うんだ!」

 

「神獣が可愛い人型の女の子だったら・・・・・こ、断り辛いっ」

 

「ハッ! まさかそっち方面なのか!?」

 

「いやいや、それはさすがに・・・・・ないよな?」

 

「ちょっと男共! 誘惑に負けたら承知しないわよ!」

 

「眷族になる決定って、ギルドマスターじゃなくてもいいの?」

 

「そう言えばそれもまだ判らないな。仮にギルドマスターが決めるんだったら、誘惑に負けても安心してお話ができるぜ!」

 

「自信満々に言うことじゃないと思うよー」

 

パンパン!

 

「えー、皆、12の神獣が出現するかもしれない曜日と方角を頭で覚えたか? 判らないなら覚えている仲間から教えてもらうか、リアルで調べてくれ、いいなー?」

 

『はーい!』

 

「それじゃ、【蒼龍の聖剣】の集う会はこれでお終い。解散! お疲れ様でしたー!!」

 

『お疲れ様でしたー!!!』

 

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