バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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南極大陸のクエスト後

 

 

あの後、テイムに成功した九尾のキツネ=ユニークモンスターの幻獣、クズハやお供のキツネ達を連れて頂上に来てみると、雪に積もった祠があって祠の扉を開くと1つの無骨な銀色の指輪を入手した。テキストにも「昔、忘れ去られた誰かの指輪」とだけだ。それから農村に戻り、そんな俺たちを出迎えたのは、なんと村人全員だった。なにこれ。こんなイベント知らないんだけど。

 

ざっくりと、簡単に説明しようと思う。

 

視聴者から訊いたがイベントの流れは、ボスを倒して村に戻ると、村そのものがなくなってる、という終わり方だった。この理由はずっと不明のまま。報酬も当然もらえない、本当によく分からないクエストだったのだ。

 

これでボスが強かったら苦情も多かっただろうけど、幸いと言うべきか、倒せなくはない強さだから特に問題なくクリアできるクエストなので、そういうイベントなんだろうと一応は納得できた。

 

ただ、人によっては、村は残ったままだったとか、そんな報告もあったみたいなんだけど・・・・・。

 

で、今回、村人さんたちから話を聞いて、その理由も分かった。

 

とても、とても、単純な理由。九尾と村がグルだった。九尾が倒されてしまったから村人たちは逃げ出した、というのが真相だったみたいだ。

 

―――フェルが村に振り返った理由がようやくわかった。あの村人たちが全員、化けた狐だったからだ。

 

だが困ったことに九尾が俺にテイムされちゃったので、百匹を越える狐達は俺と共に来たいらしい。いや、流石にそんな大勢来られると!?

 

「・・・・・そうだ」

 

困り果てた俺があることを思いついた。取り敢えず町までついて来てもらおう。フェルの背中にイカルと乗ってしゅっぱーつ! 速いのが苦手な様子のイカルの為にいつもよりゆっくりフェルに走ってもらったから、いつもより時間は掛かったもの町に戻ることができて狩猟のおじさんに報告をしに顔を出した。

 

「おじさん、ただいまー」

 

「ただいま戻りましたー」

 

「おお、戻って・・・なんだその大量のキツネ!? しかも九尾のキツネもいるじゃないか!」

 

「えっと、そのことについてお願いがあるの」

 

驚き、困惑する狩猟のおじさん。

 

「お願いって、なんだ?」

 

「町の食糧を盗み食いしていたのは、ずっと雪山暮らしで退屈な上に食料が足りなかったみたいなの。だからおじさん達の手伝いをする代わりにこの町に住まわせてくれないかな」

 

「そ、そんなこと俺に言われても困る! そもそも九尾のキツネがお嬢ちゃん達と居る理由は何だ!?」

 

「お友達になりました!」

 

その証拠だとクズハの背中に乗ったり顔を触らしてもらったら、開いた口が塞がらない狩猟のおじさん。

 

「とても信じられねぇ・・・・・本当に、説得しちまったのか」

 

「できたよ。この町の食糧をつまみ食いしちゃダメって話したからもうしないよ」

 

「・・・・・本当だろうな」

 

おじさんはクズハに向かって訊ね、クズハはその通りだと頭を下げると他のキツネ達も頭を下げだした。

 

「おじさん、お願いします。この子達の居場所を作ってください」

 

「お願いします!」

 

土下座する。九尾のキツネから降りるイカルまで俺の真似をして土下座。しばらく俺達の様子を警戒する目で見ていたおじさんの口からため息が出た。

 

「ここまで九尾のキツネ達を連れて来た時点で、キツネ達も嬢ちゃん達の説得に応じたようなもんか。わかった。俺から町長や皆に話を付けておく。決して悪いようにはしないと、今度は俺が不可能だと思っていたことを可能にしてみせた嬢ちゃん達に示さなきゃな」

 

「「ありがとうございます!!」」

 

よっし、成功した!! ドワーフとドリモールの問題の経験がここで活かせれた!!

 

 

『こ、この人やりやがった!!』

 

『すげーコミュニケーション。人とモンスターの融和を結んじゃったよ』

 

『そもそもモンスターなのにプレイヤーの言うことを訊くのはなんでです?』

 

『クエスト関連のモンスターだからじゃないか? 村人に変化していたキツネ達はNPCで九尾のキツネとグルだった。そんな九尾とお供キツネを餌付けに成功してNPCの村キツネと合流したら、モンスターじゃなくてNPCとなって白銀さんの言うことを従っているんだと思うぞ』

 

『な、何て奥深い・・・・・!』

 

『だけど今後このキツネ達の扱いってどうなるのかな? テイムはもう二度と出来ない感じ?』

 

『それはこれから現地で確かめればわかることだろ。ということで今から行ってくるぜ』

 

『私も!』

 

 

善は急げとおじさんは町長の家に向かうので俺達もついていく。町長と会えるとついてきた俺達も交えて話し合いをした。

 

「・・・・・なるほど。君達が町の悩みを解決したということか。キツネ達も本当に盗み食いせず、町の皆の手伝いをするというなら共存をしよう。皆には私から伝えるとしよう」

 

これで本当の意味でクエストが達成して報酬は、また氷の結晶の鍵だった。

 

「どこの鍵?」

 

「わからぬ。幼い頃、あの魔女が住んでいる山の麓で見つけたものだ。この辺りに鍵を開ける場所も物も建物もなどないから、見当がつかない」

 

なら外に? と狩猟のおじさんに聞いてみると。

 

「誰も寄り付かなくなった教会なら知ってるが、あそこは常に開けっぱなしだから違うだろうな」

 

「教会?」

 

「私達が生まれる前からあった。何のために作られたのかは誰も知らない。だが、夜になると誰も行ってはいないはずなのに大鐘楼が鳴り響く。その原因を調べる物好きはこの町にはおらんがな」

 

 

 

 

 

『教会って?』

 

『白銀さんが見つけた場所の1つだな。南極大陸に行けるようになったその日の内にさっそく行ってみたぜ』

 

『俺も教会に行ってみたけど、中は氷の世界に閉じ込められた感じで、真っ白な棺桶があったぞ』

 

『中身は? 見たのか?』

 

『棺桶の中身を見たのか、質問する人間の神経が理解できない。開けずとも蓋の部分はガラスだったから、敷き詰められたたくさんの花に囲まれた美女が眠っているのが見えた。すっぽんぽんで』

 

『眠れる美女? 起こし方の説明はなかったかな?』

 

『まだおねんねしているなら、起こしに行ってあげるよ』

 

『寒い場所で寝たら危ないから裸同士で添い寝をしてあげるぜ』

 

『一緒に寝ている間に川の字ができているかもしれないけどな!』

 

『一気に変態が湧いたんだが』

 

『無視だ無視。だが、俺も興味湧いたから今から向かうぜ。場所はどこだ相棒』

 

『見に行く気満々じゃないですかやだー』

 

んー気になる情報も湧いたんたな。それからたくさんのキツネと別れ、イカルと日本家屋のマイホームへ戻る。改めてクズハのステータスを確認する

 

 

 

名前:クズハ 種族:妖狐

 

契約者:死神・ハーデス

 

HP 110/110

MP 280/280

 

【STR 138】

【VIT 126】

【AGI 151】

【DEX 149】

【INT 259】

 

スキル:【憑依】【影分身】【身代わり】【人化】【狐憑き】【治癒】【火遁】

 

装備:【九尾の羽衣】

 

 

フェルとセキト以外の久しぶりな幻獣でクズハもレベルの概念がない。そして攻撃系スキルがないかと思えば【火遁】が三つの炎系の攻撃系スキルを内包していた。【九頭龍】と【狐火】【業火球】だ。

 

 

「ハートマークの胸毛のそれは癒しの力が使える証みたいなものか。地味に俺の従魔には足りなかった回復できるモンスが従魔になってくれてありがたい」

 

「ハーデスさん、とてももふもふですっ」

 

イカルさん、すっかりクズハの白毛に魅了されちゃってますな。視聴者の皆も羨ましがっているし。

 

「クズハ、ちょっと試させてもらうぞ。いいか?」

 

「コヤ」

 

「じゃあ最初は【人化】!」

 

クズハのスキルの一つを確認。四肢型の動物が光に包まれながら人型となり、光が無くなると白と青と金を基調にした露出が高い毛皮付きの着物姿で、頭にキツネの耳と腰辺りから九本のキツネの尾を生やした姿になった。

 

「おー、綺麗な美人になるんだなクズハ」

 

「コンッ!」

 

「声は人化前のままと。じゃあ次は【憑依】だ」

 

次に気になるスキルを使った。人の姿のままのクズハの身体が青白い炎となって俺に迫った。炎の中で身体から九つの白い尻尾、頭からキツネの耳が生えた俺はまーた性転換した。長い白髪なのはわかるが目の色は分からない。おそらく青色だと思うけど・・・・・。

 

「お、お姉ちゃん!?」

 

「あーあーあー・・・・・うん、声も女声だけど【海竜人】の時の声と違う」

 

装備を解除するとクズハが人化した時の着物姿ではなく初期装備の白と青の服装だった。こっちは何の変化もないのか。胸の大きな膨らみを除いてな。そしてこの状態はスキルの使用に問題はなく、クズハのスキルを使えるどころか種族が一時的に悪魔じゃなくなって『妖狐』になるのか。

 

「どうイカル。また違うお姉ちゃんになっちゃったわ」

 

「こっちのお姉ちゃんも綺麗です!」

 

「ふふふ、ありがとうイカル」

 

九本の尾を使ってイカルを胸の中に包み込んだ。なお視聴者達の反応は―――。

 

 

『着物姿の九尾のお姉さん・・・・・だとっ!?』

 

『九尾のお姉ちゃん、僕も抱きしめてくれないかな!!』

 

『あのもふもふの中に包まれるイカルちゃんが羨ましい!!』

 

『ちくしょう! あの時先にキツネの親分をテイムできていれば俺が九尾のお姉ちゃんになれていたのにぃー!』

 

 

「お姉ちゃんの尻尾、もふもふで柔らかくて温かーい。あと、柔らかくて大きいお胸からいい匂いがしますー」

 

 

『イ、イカルちゃん・・・?』

 

『あの、具体的にどんな匂いなのかちょっと教えてもらってもいいですか?』

 

『う、羨ましくないもん! そんなニセ乳なんて羨ましくないもん! 中身は男だから決して羨ましくはないもん!』

 

『俺は一向にニセ乳でも構わんがな!』

 

『くそっ! 白銀さんのホームに無条件で入れるクエストが終わってたから突撃が出来ねぇっ!!』

 

『いいなー、性転換いいなー』

 

『実際に凸ったら追放申請ものだぞ』

 

 

あ、性転換で忘れかけていた。ちょっとイカルにどいてもらい、視聴者に見えるようラプラス謹製の幼女になれる薬を並べた。

 

「これから幼女になれる薬を販売するけれど、死に戻りしないと元の姿に戻れないデメリットがあるから、それを承知の上で一人一つだけ買ってね?」

 

 

『はーい!』

 

『もう無人販売機にスタンバっているぜ!』

 

『はようカモン!』

 

 

何、もう並んでいるのか? 早過ぎだろ。マモリを呼んでこれから売ってもらう薬を渡して無人販売機に置いてもらおう。―――ということでマモリ頼んだ。

 

「あーい!」

 

 

 

 

運営side

 

 

「あれー、おかしいな・・・・・九尾のテイムで南極の次のステージに進行したのはいいんだけど、キツネ達が町に住みつくのは予想外なんだけどー?」

 

「九尾のキツネをテイムしたら他のキツネもテイムできる条件かそうじゃない設定にしたじゃありませんか」

 

「いや確かにしたよ? そうしたんだぞ? だけどさ、村から一匹もキツネがいなくなる事態になるなんて誰が想像した?」

 

「何言っているっすか主任。白銀さんは神獣使いっすよ? 無制限のテイム枠と編成枠の状態であのクエストを攻略したらあんなことになるのは予想の範囲内っす」

 

「同感です」

 

「予想していたらどうして教えてくれなかったんだ!?」

 

「「白銀さんがどうするか見たくて」」

 

「お前らなぁ~!!」

 

「あの村自体も失敗したらなくなる設定だったし問題ありませんよ」

 

「まだあの雪山を活用したいなら隠しエリアを加えればいいっすよ」

 

「・・・ほぉ~? 問題なくて隠しエリアを加えればいいと? じゃあお前らだけでそうしろ。いいな」

 

「「げっ!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【農業】農夫による農夫のための農業スレ29【ばんざい】

 

:NWO内で農業をする人たちのための情報交換スレ

 

:大規模農園から家庭菜園まで、どんな質問でも大歓迎

 

:不確定情報はその旨を明記してください

 

:リアルの農業情報は有り難いですが、ゲーム内でどこまで通用するかは未知数

 

 

 

 

 

 

443:タゴサック

 

白銀さんが発見した南極にはなかったはずのおしること餅とあんこの一件で俺も南極で探ってみたら、あったぞ。新しく販売されていた

 

 

444:ノーフ

 

マジか! じゃあ、もち米も手に入るんだな?

 

 

445:タゴサック

 

大量購入はできないが、稲も確保できるぞ。こっちのほうが大量生産が望める

 

 

446:プリム

 

おもち! おもちが大好物な私にとってそれは嬉しいお知らせです! 今すぐ南極に行ってきます!

 

 

447:ネネネ

 

おこたに入ったままおもちを食べるのもアリ

 

 

448:チャーム

 

磯辺焼きも作れると知った俺は思わず涎が出てしまった

 

 

449:佐々木痔郎

 

一応ファーマー兼刀使いの俺は侍としてお供にキツネが欲しかったところであってだな・・・・・いぇーい! お稲荷様をゲットできたぜぇー!!!

 

 

450:つがるん

 

スレ違いだろうけどそれはおめでとう。テイムは特殊な方法だったりする?

 

 

451:佐々木痔郎

 

いんや、白銀さんの真似をして餅関係の料理を食べさせまくったらNPCからテイム状態になったんだ。本当に食いしん坊で10個以上も食べたぞ。そうそうユニークみたいな子ぎつねもいるからテイムしたかったら今の内だぞ。あれ競争率が高い可愛さだったわ。これスクショ⊃□。

 

 

452:とーます

 

マジで? ちょっと行ってきますわ

 

 

453:チチ

 

おおー、本当に可愛いじゃん

 

 

454:セレネス

 

今現地にいるけどさ、プレイヤーの密度が凄いわ。白銀さんが置いた神社のおかげで南極に楽々と行けるようになったからだろうけどさ

 

 

455:テリル

 

払ったGは白銀さんの懐に直行?

 

 

456:佐々木痔郎

 

賽銭は神や仏に奉納するモノだから個人のプレイヤーにGが納めるとは思えないな。賽銭って元々は幣帛(へいはく)とか米を捧げるものだったらしいけど

 

 

457:タゴサック

 

神にか・・・・・このゲームでは神は存在しているが、奉納の意味はあるのか?

 

 

458:ノーフ

 

米か・・・ちょっと試しに米を奉納してみよう。受け付けなかったら問題ないだろうしな

 

 

459:つがるん

 

結果の報告よろしく!

 

 

460:プリム

 

やっと南極に着いたー! でもプレイヤーがおおーいよー!

 

 

461:ネネネ

 

行かなくて正解だった。私の分もよろしくねー

 

 

462:チャーム

 

飛行機や船で外国に行くよりも行きやすくなった弊害が出ているようだな。南極からまたあんことか餅とか姿を消すんじゃないか?

 

 

463:チチ

 

あ、ありえる!?

 

 

464:タゴサック

 

プレミアな食材となりそうだな。今の内に量産しておくか。

 

 

465:佐々木痔郎

 

そうだなー。お稲荷様と出会わせてくれた白銀さんの奉納品として稲を育てよっと

 

 

466:テリル

 

うーん、貰ってばかりだからたまにはそうするか

 

 

467:ノーフ

 

結果発表:何か知らないけど祝福を受けた。これ白銀さんも知らない隠し要素ぽい

 

 

468:ネネネ

 

祝福? どんな感じー?

 

 

469:ノーフ

 

えーと、選択肢だけど『レベル10分のステータスポイント』『祈願』『神饌』だった。他にもプレイヤーがいるから試しに神饌を選んだら、神の酒と書いて神酒って書かれた壺が手に入った。今試しに飲んだら、一発で酩酊状態になった上にステータスが全部一定時間+150まで増えたんだが

 

 

470:タゴサック

 

なんだそれは!?

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