バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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南極大陸のイベント(12)

 

 

 

最後の一体、因縁ある空を飛ぶクジラと戦闘開始―――! 戦闘フィールドに突入するや否や、地上を覆いつくす暗雲からあのクジラが出てきた。

 

すぐさま『黄金の対秤』を使用して数々のスキルを全員に付与した。【耳栓】【不屈の守護者】【悪食】【生命簒奪】【生命の樹】【氷結無効】【飛翔】【溶岩無効】【風圧無効】。そしてHPとMPに【AGI】と【INT】を最大10000まで増やした額は・・・・・軽ーく億を超えたぜへへへ・・・・・。必要出費とはいえど、これで負けたら落ち込むぞ俺でも。

 

「【同調リンク】っと。そんでいつもの攻撃力極振りに・・・・・終わり! イカル、【天上天下唯我独尊】を使ってくれ! 【天上天下唯我独尊】!」

 

「はい! 【天上天下唯我独尊】!」

 

イカルの防御力が全プレイヤーに付与された。当然俺もで俺の数十万の【AGI】の数値が全プレイヤーへ付与してやった。

 

「ハーデス、準備終わった? 向こうも話終えたわよ」

 

誰のことだと思うなかれ。クジラだけかと思えば、氷の魔女もセットで現れて、なんか話をしていたが俺は天秤を弄るのに夢中で聞いていなかった。改めてみるとクジラの頭の部分に下半身だけ埋まって裸の上半身の氷の魔女がそこにいた。

 

「なんでリヴァイアサンとレヴィアタンみたいに?」

 

「省略すると、合体した力で自分の美しさを理解しない私達に絶望を与えるって」

 

「氷の魔女まで参加するのかよ。予想外なんだが」

 

 

「うぉおおお!!!」

 

「今ならベヒモスをワンパンできそうだぜぇー!!」

 

「もう二度とこんなステータスの数値を拝めることはできないからスクショだ!」

 

 

こっちはこっちで、狂喜乱舞で盛り上がっているな。しかし魔女がクジラと・・・・・お、そうだ。サイナ、メガホンをおくれ。

 

「えー、この場にいるプレイヤーに伝える。いまクジラと魔女がくっついているが、おそらくクジラを倒すと魔女が分離すると思う。つまり、上半身裸な魔女の下半身も含めて全裸が見える予想がある」

 

メガホンから大声量の俺の声がこの場に広がり他のプレイヤー達の耳に届いたと思う。

 

『・・・・・』

 

何せ、静まり返ったり俺に振り向いて視線を送ってくるんだからな。

 

「何が言いたいかと思っているプレイヤーに一言。魔女を直接クジラから引っこ抜いたらスタイル抜群の魔女の裸を拝められる。先に引っこ抜いたプレイヤーが魔女を独占できると言うことだ。その為にMPを消費して空を飛べる【飛翔】というスキルを付与してやった。あとは諸君の働きによるからしっかり魔女をクジラから引っこ抜いてやれ。ただし味方に攻撃はするなよ? それじゃ早い者勝ち競争、開始だ!!!」

 

次の瞬間。数百人のプレイヤーが一斉にクジラがいる空へと飛びだって、欲望の炎を燃やしながら魔女の下へと向かっていった。

 

「魔女の全裸を見るのは俺だぁー!!」

 

「ぬかせ、俺が先だ!」

 

「魔女さんを誰よりも速く保護しなくちゃーな!」

 

「まーじょさーん、あっそびましょー!!」

 

男達の咆哮が絶えないまま、あっという間にクジラと接触し、エサに群がる軍隊アリのよう一ヵ所に蠢くプレイヤー。

 

「よし、誘導成功」

 

「誘導!? 何であんなことを言ったのかと思ったら・・・・・」

 

「どうして誘導したの?」

 

当然の疑問だな。

 

「あのクジラは守り神だったらしいじゃん」

 

「え? うん」

 

「そうね。あの名匠のNPCもそう言っていたわね」

 

「うん。倒すと困るって言われたし、まさか魔女がクジラとくっついて登場するとは思いもしなかったが、ウッドドラゴンの要領で魔女を引っこ抜けないかと思って、あいつらで試している」

 

クジラの上で魔女を引っこ抜こうと奮闘しているプレイヤーと、恐れ知らずなプレイヤーを近付かせないと氷の魔法を放っている魔女が見受けれる。クジラも駆使してプレイヤーを落とそうとしてるが、空を飛べるから執拗に迫られている。

 

「上手くいっていないみたいよ」

 

「クジラに群がる魚みたいです」

 

「捕食する側なのにその魚から逃げているんだよなー。でも、プレイヤーから逃げているってもしかすると予想的中かな? だったら俺達も動きを止めに行こうか」

 

「どうやって?」

 

フフン。それはなー?

 

 

 

 

 

 

 

氷の魔女は畏怖していた。空を飛んでくるのは気にしなくとも自分を見る目が嫌悪感を覚え、己の魔法が直撃しても倒すまでには至らずゾンビのごとく迫ってくる。クジラの巨体を活かして振り払い、打ち落とそうとしてもすぐに追ってくる。何なのだこの異邦の人間は!? と最大の大技を放とうとした時に、不自然な揺れを覚えた。クジラの身体に巻き付く何かによって動きを封じられていたのだ。原因、元凶を見た氷の魔女は目を見開いた。巨大な水晶の戦乙女の腕から伸びる無数の触手に絡め取られていたのであった。

 

しかも、クジラもろとも麻痺の状態異常を受けるおまけつきである。

 

シュルッ! ガシッ!!

 

「捕まーえた!」

 

仕舞いには白銀の髪の大盾使いの男の身体から生えて伸びた触手にも魔女の身体に巻き付かれた。

 

「さぁーみんな! 魔女に巻き付けた触手を掴んで引っ張れー!!」

 

おおおー!!!

 

殺到するプレイヤー達が無数の触手を掴み、また触手を掴んだプレイヤーの身体を掴んで全力で引っ張りに掛かった。

 

「グゥッ!? や、止めろ・・・この気持ち悪いモノを、離せ、私を解放しろッ・・・・・!!」

 

「だが?」

 

『断る!! 美女の全裸を見たいんだぁあああ!!』

 

総計数千万の【AGI】の数値は伊達ではなく、引っ張られる魔女とクジラを繋いでいた肉の部分に亀裂が入り―――丸く繋がるとクジラから魔女の下半身が抜け出し、美脚が拝めることができた。

 

否ッ!!

 

「よくもやってくれたな貴様らぁ!!?」

 

触手を瞬時に弾き飛ばし、氷のドレスに身に纏ったので氷の魔女の全裸は見ることが叶わなかった。代わりに怒り狂った彼女が頭上に巨大隕石と紛う氷塊を作り出し、クジラもろともプレイヤーを潰さんと落とした。

 

「痴れ者共が、死ぬがいいっ!!」

 

「いや、それはお前だ氷の魔女」

 

いつの間にか背後から刃付きの大盾が回転する大剣という死の鉄槌を振りかざすハーデスに、氷の魔女は何重の氷の氷壁を張り出した。迫り来る氷塊を気にもかけない理由は・・・・・。

 

「みんな、頼んだぁ!」

 

『任せろぉー!!』

 

ハーデスを除いた水晶の戦乙女と全プレイヤーが落ちてくる氷塊を削り、ハーデスの憂いを無くすからだ。打ち落とした斧が氷壁を薄氷の如く粉砕していって、最後の一枚も破砕すると氷の魔女とハーデスの視線が交じり重なった。

 

「・・・・・いいだろう。此度は貴様らに勝利の美酒を飲ませてやる。だが忘れるな、この世で一番美しいのは私であるとな」

 

「その仮面を取ってから判断してやるよ氷の魔女」

 

最後まで強者の威厳を損なわない氷の魔女。ハーデスの回転する斧の一撃を受けた氷の魔女の身体が砕け散り、同時にHPがなくなったクジラが力を失い地上に墜落した。

 

「みんな、ご苦労様。俺達の勝利だぞぉー!!!」

 

『よっしゃあああああっ!!!』

 

暗雲が消えていき、晴れ晴れとした青空と暖かい太陽の光が地上の雪を溶かし、凍らされて時を止められていた拠点の町やNPCも溶けて、凍らされていたことすら気付いていない様子で、何事もなかった風に動き出したことを気付かない一同は―――ムクリと起き上がったクジラにも一部のプレイヤー意外気付かず、クジラが大きく開けた口の中に成す術もなく吸い込まれてしまうと、明後日の方へ吐き出す水の塊と一緒に飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・~~~~ぁぁぁぁぁああああああああああっ!!?

 

ドッスゥゥゥウウウウウンッ!!!

 

「~~~ぷはぁっ!?」

 

地面に突っ込んだ顔を上げて息を一つ。あ、あのクジラ・・・助けた恩はこれなのかっ。俺以外のプレイヤー達も続々と何が起きたのか訳がわからないと立ち上がり、水晶の戦乙女も身体を起こした。やっぱりあのクジラとはケリをつけなきゃいけないようだなぁ・・・ッ!!

 

「んで、ここは・・・・・?」

 

周囲を見回して、掲示板であるプレイヤーが言っていた海上の拠点が見える陸地にいることに気付いた。海上の拠点と繋がってる石造りの橋もあり、水瓏に近付く俺と真逆に他のプレイヤーは橋へ近付いていく。

 

「あれって次の拠点か?」

 

「防衛失敗すると拠点に入れず魚介類のモンスターと戦うことななるらしいぞ」

 

「俺達は中に入れるだろ。行ってみようぜ」

 

橋を渡るプレイヤー達を尻目に水瓏から出てきた四人に労いの言葉を掛けた。それから艦を回収して俺達も橋を渡る。

 

「今日でイベントが終わるわね」

 

「あっという間にだったね」

 

「大変でしたー。でも、お姉ちゃんの歌っている姿を見られて嬉しかった!」

 

「報酬は何が出るかなー(すっとぼけ)」

 

橋を渡る前のプレイヤーの背中を追いかけ、歩き続ける俺達も海上の拠点の中に入った。

 

わぁあああー!!!

 

何かNPC達から歓迎された。まるで魔王を打ち倒した勇者の凱旋を祝うかのようだ。唖然とする俺達だが、不思議と足を止められず進んでいくと終着地点と城の中に入ってしまう。そして、この城の王様が居座る王座の間に500人が揃うと目の前にいる王様が口を開いた。

 

「異邦の大陸から来た冒険者達よ。よくぞ氷の魔女を打ち倒してくれた。お前達の活躍でこの国は平和を取り戻しただろう。感謝する」

 

そう言う王様は次に大臣と思うNPCから羊皮紙の巻物を広げて高らかに告げた。

 

「此度の活躍により冒険者一同には【南極大陸の英雄】の称号を授ける!」

 

 

称号:『南極大陸の英雄』

 

効果:氷雪のモンスターに対して100%の与ダメージと披ダメージ。南極大陸のNPCの友好度が100%、会話時に補正が入る。

 

 

「そして、彼の王国の被害を三割で守りぬいた貴殿等に国庫から金一封と宝箱を一つ授与する!」

 

そのメッセージが目の前に浮かぶパネルで把握して、宝箱はレアなアイテムが入っていると期待させる金色のランダムボックスだった。無傷だったら貰える宝箱は増えていたのかもしれないな。そう思うと惜しい気がしてきた。

 

「最後に此度の防衛で最も貢献をした上位五名の者には『砕氷のツルハシ』を授ける!」

 

・・・・・当然のように俺のインベントリに当初のお目当てのアイテムを手に入れ、隣で目を輝かせている鍛治師が二人。よかったなー。でも、あんなに頑張って苦労した割にツルハシが報酬なのはちょっと納得いかないけどな。

 

『ならびに、貴殿等の中で真の意味で活躍した一名のみ、我が国の家宝を授けよう』

 

誰がその家宝を受け取ったのかなど言わずもだが、俺のインベントリに加わった家宝を見た時、絶望を覚えた。―――何でナイトドレスが、どうしてナイトドレス一式が家宝なんですかねぇ・・・・・っ。ムカつくほど内包されているスキルは強いけどさぁ・・・っ。

 

 

「以上を持って授与式を終わりとする。冒険者よ、またこの国の危機に瀕した時はよろしく頼む」

 

 

直後。アナウンスが鳴り響く。

 

 

『防衛イベント終了まで、残り30分となりました』

 

 

おっ、まだ一日あるのにもう一抜けできるのか? 他のサーバーのプレイヤー達はまだレイドボスと戦っている頃だろうに。王座の間から退出しながら聞こえたアナウンスにそう思っていると、イズから「宝箱を開けない?」と誘いに断る理由はない俺達は頷いた。

 

外に円卓と椅子を置いた店を利用、そこで頼んだ料理が来るまでに金色の宝箱を同時に開けるお披露目会を始めた。

 

「「「「せーのっ」」」」

 

煌めく光が俺達の顔を照らした後に、宝箱に入っていたアイテムを手に取った。

 

 

『氷花結晶の種』

 

極一部の地域にしか咲かず、太陽の光に浴びたり高い気温でもすぐに溶けてしまう幻の花を咲かせる種。

 

 

直ぐに溶けてしまう花か・・・・・今の神オルトなら品種改良お茶の子さいさいで溶けにくくなる花を咲かせてくれると信じよう。

 

「ハーデス、いいモノ手に入った?」

 

「幻の花の種を手に入れたー。三人は?」

 

イズ達は何を手に入れたのかな? 訊いてみると宝箱が消えた代わりに手に入れたモノを円卓に置いてみせてくれた。

 

「釣竿に黄金のガントレットに・・・・・盾のシール?」

 

なーんか、黄金の宝箱から出てきた割には普通な感じを覚えさせるモノが三人の手に納まった。

 

「イカル、釣竿の名前と効果は?」

 

「『太公望の釣竿』です。効果は何でも釣れることです」

 

「・・・・・何でも?」

 

「何でもです」

 

・・・・・それ、『ドラゴン族の宝玉』にも売られているんですが。他にも手に入れられる方法があったのね。

 

「イズの盾のシールは如何に?」

 

「これ、どうやら装備アイテムじゃなくて付与そのものらしいわ。好きな装備に張ると【VIT】が+10も増えるのよ。こういうアイテムがあるのねー。イベントが終わったら試しに製作の挑戦をしてみるわ」

 

「成功したら教えてくれ。最後にセレーネのそのガントレットは・・・・・」

 

「アイテムとして使える事が出来てね、ガントレットにスキル【ロケットパンチ】が・・・・・」

 

「運営のネタスキルだな。名前の時点でもうそれしかない」

 

しかも効果もまた地味に凄い。どんな相手でも10メートル先までノックバックにする事が出来るらしい。一日一度の制限があるがな。宝箱の話はお終いにして手に入れたツルハシを出す。リアルにも売っていそうなツルハシではなく、氷の塊がツルハシになったような物珍しい方だ。『ラヴァピッケル』の氷バージョンと言えよう。

 

「ふふふ、『砕氷のツルハシ』が手に入ったわね。こっちの方が私的に嬉しいわ」

 

「うんうん。私はイベントが終わったらすぐに採掘しに行くよ」

 

「私も試したいです。一緒にいいですかー?」

 

「勿論いいよ?」

 

「同伴いい? 南極から離れたらもうこのツルハシを使う機会が無いだろうから」

 

セレーネは喜んで了承してくれた。・・・・・よし、このまま話を逸らせば。

 

「―――で、ハーデス? 家宝ってどんなモノだったのかしら?」

 

イズさーん!!?

 

「・・・・・何でそれが手に入ったと、聞くまでもない?」

 

「「うん、ない」」

 

「ハーデスさんが一番頑張ったからです!」

 

チクショウッ、イカルの言う通りだよ!! 渋々と深いスリットが入っている空色のナイトドレスを出すと三人は凝視した。

 

「・・・・・ドレスが、家宝なの?」

 

「そう思うだろう。事実、これが家宝らしい」

 

「これ、殆ど透けて・・・・・胸部が・・・ええ・・・・・???」

 

「奇麗なドレスですねー」

 

顔を真っ赤にするセレーネの反応が正解だよイカルちゃん。もう露出狂と言われてもしょうがない透明度が高すぎるドレスなんだこれは。

 

「このドレス、スキルがある?」

 

「当然のようにある。名前は【白銀の世界】、効果はフィールド全体に雪と氷の世界にしてその中でプレイヤーのMPを消費する代わりに多彩な攻撃や防御を繰り出すことができる。そしてスリップダメージが入る」

 

「強いスキルね。ドレスの意匠はともかく」

 

「私だったら恥ずかしくて絶対に着たくない」

 

「そうなんですか?」

 

【海竜人】で性転換後、理解できていないイカルの為に、この『薄氷の貴婦人』を装備した。肩を晒し胸の部分が一切布地がない代わりに二枚の細い布を垂らすだけのものしかない。腰までスリットが入り脚が丸見えも相まって生地自体もドレスの下を隠すはずの裸体も殆ど丸見えだ。

 

「お、お姉ちゃーん!!?」

 

「「うわ、破廉恥・・・・・」」

 

ですよねー?

 

 

 

【南極】南極大陸イベントのリベンジを語るスレ15【防衛隊】

 

 

809:防衛隊員

 

いやー、終わった終わったー。称号と新しいアイテムも手に入って満足な俺でーす

 

 

810:防衛隊員

 

お疲れー。白銀さんがいるサーバーは当然だとして、他は片手で数えるぐらいしか防衛成功していないか

 

 

811:防衛隊員

 

成功も失敗もしていないサーバーが殆どか。空を飛ぶボスモンスターはやっぱりつらたんだよ。この際、弓か銃でも扱えるようにしておこうかな

 

 

812:防衛隊員

 

新大陸にもいないとは限らないから俺もそうしよっと。空を飛べる白銀さんは羨ましいなぁー

 

 

813:防衛隊員

 

ライブで盛り上がった第11サーバーが凄く羨ましい。次は白銀さんとイベントをしたい

 

 

814:防衛隊員

 

≫813 みんな同じ気持ちダヨ

 

 

815:防衛隊員

 

南極大陸のイベントが終わったら次は新大陸への進出に向けて頑張ろう

 

 

816:防衛隊員

 

クエストは熟してるけど、最終的に船を用意しなくちゃならねぇんだよなぁ・・・誰か、船に乗せてくれない?

 

 

817:防衛隊員

 

同じ神獣の眷族同士で行ってこいや

 

 

818:防衛隊員

 

≫809 何か貰えた?

 

 

819:防衛隊員

 

自分、フレンドもいない孤高の狼=ボッチなので

 

 

820:防衛隊員

 

NPCの船に乗れないかなー

 

 

821:防衛隊員

 

称号:【南極大陸の英雄】と金一封と黄金色のランダムボックスを貰ったぞ。宝箱から手に入ったのはユニーク武器の氷でできた弓だ。これスクショな⊃□

 

 

822:防衛隊員

 

うわ、羨ましいしチョーカッコイイ弓じゃーん!!

 

 

823:防衛隊員

 

防衛成功するとユニーク装備が手に入るのか?

 

 

824:防衛隊員

 

いや違うぞ。俺も第11サーバーにいるプレイヤーだけど、ランダムボックスを開けたらアイテムを手に入れた。氷の花の花束だぞ。誰に渡せっていうんだよ・・・・・

 

 

825:防衛隊員

 

俺は鹿もハスキーもいない大きめのソリだった! 現状使えないアイテムで落ち込む俺以外の他の奴らもスキーやスノボーを手に入れたって話が聞こえた

 

 

826:防衛隊員

 

・・・・・男なのにウェディングドレスを手に入れてしまった

 

 

827:防衛隊員

 

なんか、色々だね?

 

 

828:防衛隊員

 

≫826 待てw ウェディングドレスってwww

 

 

829:防衛隊員

 

性転換できるなら大事に着なさい! きっと誰かが≫826をお迎えに参るだろうから!

 

 

830:防衛隊員

 

・・・・・幼女でも?

 

 

831:防衛隊員

 

幼女・・・・・犯罪でしか件について

 

 

832:防衛隊員

 

ロリとショタ同士ならギリギリセーフ?

 

 

833:防衛隊員

 

誰得なんでしょうかねー?

 

 

834:防衛隊員

 

スクショ⊃□

 

 

835:防衛隊員

 

イベントは失敗したけど、今回はレベルもたくさん上がったから良しとしよう

 

 

836:防衛隊員

 

≫834 無言で張るんじゃ―――へ?

 

 

837:防衛隊員

 

ちょっっっっっっっ!!?

 

 

838:防衛隊員

 

エ゛ッ!!?

 

 

839:防衛隊員

 

ハァーーーーー?

 

 

840:防衛隊員

 

あ、あの・・・・・白銀さん? すんごいお恰好をしておられますね?

 

 

841:防衛隊員

 

何このドレス、八割裸当然でわ?

 

 

842:防衛隊員

 

隠すつもりはないだろ白銀さーん! 男を誘惑しちゃうドレスを着たまま大通りで歩いちゃいけません!

 

 

843:防衛隊員

 

逮捕しちゃうぞ!!

 

 

844:防衛隊員

 

悟った。この花束は彼女に渡すためのものだということを!!

 

 

845:防衛隊員

 

そ、そうか!? このウェディングドレスは彼女に着させるためのモノだったのか!! そして俺が新郎になれと神様からのお告げだったんだ!!

 

 

846:防衛隊員

 

横乳どころか八割も豊かな双丘を晒しちゃってまぁー。布を垂らしただけの乳布が羨ましすぎるんだけど???

 

 

847:防衛隊員

 

≫845 それだけはぜってぇ譲れないんだよなぁー?

 

 

848:防衛隊員

 

因みにウェディングドレスの意匠はどんな感じよ

 

 

849:防衛隊員

 

こちらホワイトスネーク。件の白銀さんの周りを囲う変態共が撮影会を始め出した。しかし、妹分のプレイヤーが爆裂魔法を放ったので数多くのプレイヤーがお空へと吹っ飛んでいった。おっと、花束とウェディングドレスを持った二人のプレイヤーが爆裂魔法直後に来たおかげで被害を受けずお見合いの展開になった。

 

 

850:防衛隊員

 

なんか急に実況が始まったんだけど

 

 

851:防衛隊員

 

≫849 それでどうなった。軍曹、報告を続けたまえ

 

 

852:防衛隊員

 

こちらホワイトスネーク。双方、アイテムの受け取りも告白も拒絶された。しかし、アイテムだけはと諦めきれないフラれた側の熱意に負けた様子の彼女は彼等に話しかけ、アイテムをトレードとして受け取った後に感謝の印か・・・・・ウェディングドレスを着て笑顔で自分の胸に一人ずつ押し付けるように抱きしめ、ほっぺにキスをしたぁああああ!!?

 

 

853:防衛隊員

 

は・・・なん・・・・・だって?

 

 

854:防衛隊員

 

怒怒怒怒怒怒

 

 

855:防衛隊員

 

あの、白銀さんのステキお胸にダイブできただとぉー!?!?!?

 

 

856:防衛隊員

 

待て、それはいくらなんでも羨ましすぎる!? 性転換した男のプレイヤーでもノータッチでなきゃダメじゃなかったのかよー!?

 

 

857:防衛隊員

 

ホワイトスネーク! 彼等は軍法会議ものの罪を犯した! 今すぐうらやまけしからん二人を裁判所にまで連れてこい!

 

 

858:防衛隊員

 

ギルティー!!!

 

 

859:防衛隊員

 

そのほっぺに俺の熱いベーゼで上書きしてやる! 間接キスの刑をしてやらぁー!!

 

 

860:防衛隊員

 

こちらホワイトスネーク! 怒り狂った暴徒の(プレイヤー)集団に迫られて二人が仲良く逃げ出した! 俺も後を追いかける!!

 

 

861:防衛隊員

 

その中に俺もいるぜー。さーてこいつらどうしてくれようか・・・・・捕まえたら顔をスリスリして白銀さんのお胸の感触を消し去ってやろうか・・・・・!!!

 

 

862:防衛隊員

 

それは嫌すぎるー

 

 

 

 

あれからイベントを終えて南極大陸の教会に戻された俺達は。ゲーム内で五日ぶりの【蒼龍の聖剣】メンバーと再会&合流をした。

 

「で、ハーデス君。その恰好の説明をしてくれるかなー?」

 

「他のプレイヤーから慈善でくれた。タダでもらうのは悪いから10億Gで交換した」

 

ウェディングドレスを着たまま戻ってしまったから、周りからの視線が凄い。元の性別といつもの装備に着直して改めて全員に話しかける。

 

「えー、皆お疲れ様。それぞれのサーバーで頑張った後で悪いが、今後の【蒼龍の聖剣】の活動方針をちょっとだけ報告する。ぶっちゃけ、本腰を入れて新大陸を目指そうって話だ。これは強制的じゃないから時間が空いたらでいい。一人ではできないことだったら皆で協力しよう」

 

はーい、と返事をするメンバーとは解散して俺とセレーネとイカルは早速、氷塊がある場所へと目指した。『銀狼の衣』を纏ってフェンリルに変身した俺の背中に乗せた状態で着くと、出入り口は氷塊で塞がっていた。なので『砕氷のツルハシ』で試しに使ってみると。

 

「凄い凄い、前は苦労したのに、このツルハシだとこんなに軽々と氷塊が掘れちゃう!」

 

「ははは、気持ちがいいなー。イカルどうだ?」

 

「初めてですけど、採掘ってこんな風にするんですね!」

 

ガンガンと氷塊を砕いて掘って削って抉って行く。それほど力は入らず疲れ知らずだと錯覚してしまうほどに面白いぐらい掘れて、初めてクジラに襲われた洞窟の中にまでツルハシを振るった。

 

「んよし、中に入れたぁー・・・・・?」

 

「えーと・・・・・」

 

「・・・・・」

 

うん、どうしようか? まさか、あのクジラがこっちに尻尾を向けているなんて誰が思う? まだこっちに気付いていないようだけど・・・・・。

 

「・・・・・逃げようか」

 

「「はい」」

 

負けはしないが、もうしばらくは戦いたくないのが本音なので掘って来た道に戻り外へ出た。それに守護神だし倒しちゃアカンだろ。

 

「ハーデス。神獣の方はどうする? もう場所も方角も判明したし」

 

「・・・・・いや、実のところ。皆に内緒で無難っぽい神獣に顔を出したんだ。行っては見たんだが」

 

「行ってみたけど?」

 

鸚鵡返しをするセレーネに当時のことを思い出しながら事実を打ち明ける。

 

「・・・・・俺限定でダメだった。眷族にはできないとよ」

 

「え、ハーデスさんだけなんですか?」

 

「そう、俺以外ならいいって。理由は単純。四神の恩恵を受けているから。他の神獣のところに行っても同じことを言われるってよ」

 

なーに足を引っ張っているんだかなー俺。後日そのことを皆に説明しないといけないや。

 

「さて、南極でのクエストが終わったら新大陸に行くか」

 

「何かやってたんだ? 頑張ってね」

 

「お手伝いすることがあれば私も手伝いますね!」

 

「ありがとう。ああ、その前に八岐大蛇を全員で挑まないとな」

 

思い出した風に告げた次の日。運営からメールが届いた。内容は・・・・・省略すればGMから話があるか。・・・GMと話? なんだ? とりあえず聞いてみるから受理のYESを押すと俺だけ別の異空間に転移させられ、そこにいるビシッと決めた黒スーツの若い男性と出会った。

 

「あれ、イベント中に出会ったGMと違うな?」

 

「初めまして私はNWO社の宣伝部長を勤めさせて頂いております」

 

「宣伝・・・・・え、まさか、そういう依頼?」

 

「さすがは死神・ハーデス様。ご理解が早くて助かります」

 

ここで俺の中でイヤーな予感が・・・・・まさか、そういう依頼?

 

「昨日のイベントから今日、宣伝部長が直接ってことは・・・・・性転換した姿の俺でNWOのオープニング的な事をさせられるのか?」

 

「宣伝する者としてはそれも大変魅力的ですね。しかし、今回は死神・ハーデス様のキャラクターをCMに使わせて頂きたい運営側からのお願いであります」

 

「ん・・・? 俺のキャラクターだけを?」

 

「その通りです。まずはどうぞお腰を掛けてください」

 

促されて会談用の椅子に座ると、GMから話の続きを聞かされる。

 

「死神・ハーデス様が昨日イベント中に二度目のライブをしたことで、外部の・・・・・つまりMTubeやSNS、ブログといったインターネット上で大変いい意味で炎上しております。ゲーム内でリアルのようなことができるという新鮮さをまだNWOに触れていない人々が興味をお持ちになられております」

 

「マジか・・・・・そー言えば、NWOのCMって見たことが無いような?」

 

「ええ、まだ放送しておりません。NWOの顏となり得るプレイヤーが現れるまでずっと控えておりましたので。それがこのプレイヤーだというプレイヤーが今目の前に」

 

複雑で極まりないんですけどー? 性転換した俺がNWOの顏になれって恥ずかしいですけどー?

 

「話を催促するようで申し訳ないんだが、俺自身ではなく俺のキャラクターを使わせて欲しい理由は?」

 

「はい。実は女堕天使の以外にも大天使の時の死神・ハーデス様のキャラクターを同時にCMに出演させるのが決定しまして。そうなると死神・ハーデス様が2キャラクター分の操作をしなければならないので、そうなると死神・ハーデス様のお時間を長々と費やさせてしまいます」

 

「大天使もか」

 

「そうです。なので死神・ハーデス様の堕天使と大天使時のキャラクターを運営側が操作させていただく間に死神・ハーデス様はログインに何の影響も与えないと誓って約束いたします」

 

んー・・・まぁ、ガワだけ使いたいなら問題ないか。

 

「わかった。問題ないので使っていただいても構わない」

 

「ありがとうございます。CMの完成の際には死神・ハーデス様に運営側からプレゼントを贈られるでしょう。心お待ちくださいませ」

 

自分のキャラがCMに流れるたびに嬉しいような恥ずかしい気持ちになるけどなー。

 

「時に死神・ハーデス様はリアルではよく歌っておられるのですか? ギルド対抗戦イベントと昨日の防衛イベントの時も綺麗な歌声で歌っておりましたが」

 

「んー、昔は歌っていたけど今は歌ってないな。あ、言っとくけど俺は男だからな? リアルの性別は女じゃないからな」

 

「わかっております。・・・もしもなのですが、NWOの主題歌を歌ってくれませんか? 報酬はもちろんお出しします」

 

「・・・・・はい?」

 

それからも話を交わし続け、交渉を成立したGMと話が終わると元の場所に戻された。はぁ・・・・・よもや報酬のためとは言え主題歌を歌わないといけないなんてな・・・・・。

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