バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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クラーケンと対ギルド戦イベント2

追い掛けてきた他ギルドは、クラーケンの出し方を探していたらしい。そこに俺達がクラーケンと戦っていたから、方法を教えてほしくてずっと追い掛けたと・・・・・。

 

『どうする白銀さん?』

 

「交戦をしない条件に海鳥のヒントだけ教えていいぞ」

 

『わかった』

 

他のギルドに釣りをすることを勧めながらも、こっちはそのギルドの目の前で釣果を出している最中だ。またマグロが大漁に一本釣りして、釣りをしたことがなかったプレイヤーは心なしか楽しそうにしている。

 

『ひゃあああっ!? なんですかこれー!?』

 

『またイカルちゃんが変な魚を釣ったどー!!』

 

『顔が太った貴婦人みたいな魚だー!』

 

『え、ちょっ、それ、テキストの説明じゃ、この世界の海で10匹いるかいないか探し出すのも不可能に近い幻の魚の女王だって!!』

 

『な、なんだと・・・・・っ!?』

 

『あ、モンスター図鑑見てみたら更新されてるよ! そいつ食用だけどモンスターだ!』

 

『逃がすな、攻撃しろ!』

 

『ちょっと待ってくれ!? 板前の職人としてそいつの捕獲をさせてくれー!!』

 

『言ってる場合か! 攻撃してきてるんだぞ!』

 

『あぶぬるんっ!?』

 

『あ!? 一人海に落ちた!』

 

・・・・・楽しそうダナー。

 

『ギャア~~~!! クラーケンが出たー!!』

 

『こんな時に出てくるなよタコすけー!?』

 

『へいそこのギルドの諸君、一緒にクラーケンを倒すの手伝ってくれ!』

 

『一応競争相手なんだけど、協力してもらうのはいいのか?』

 

『敵の敵は味方ってことでいいんじゃない?』

 

『念のために白銀さんに乞おうか』

 

もちろん俺は許可した。教えを乞いにきた他ギルドと連携してクラーケンの打破に協力したことで、貴婦人の魚もなんとか捕獲することができたようだ。石田がイカルに迫る勢いで欲しがっていたが、周りの奴らが石田からイカルを守って断念せざるを得なかった。それじゃ次の魚群を探しに向かうとしようか。あ、忘れる所だった。海に落ちた仲間は無事救助できた。プレイヤーが落ちたら即死の死に戻りするかと思えばそうではなかった。

 

「全員に告ぐ。これから海中に潜って魚群を探す。急いで船内に戻―――」

 

ヒュ~・・・・・ドォンッ!!

 

風切り音が聞こえたと思えば、いきなり水瓏を揺らす衝撃に襲われた。味方の悲鳴と驚愕の声が聞こえてくる。水瓏の耐久値を調べる・・・・・うん、俺と連動しているからHPは一ミリも減っていない。砲撃をかましてくれた船はどこのどいつだ!?

 

『白銀さん東だ!』

 

疾呼する敵の位置を訊き東方面に船を旋回すれば、整列を組んで砲撃をしながら突っ込んでくる3隻の船。―――同じ神獣の眷属か!

 

『どうする迎撃するのか!?』

 

「不意打ちされたんだ。売られた喧嘩は当然買うぞ。イズ、セレーネ、砲撃準備! 戦闘をしたくないプレイヤーは船内に避難!」

 

指示を出している間にも砲弾が飛んで来る。連中の船は船首の部分に砲身を設置して砲撃を繰り返してくる。・・・・・ふむ。俺はある作戦を思い付きフレンドコールをした。

 

「セレーネ、水瓏を建造する際について質問いいか?」

 

 

 

 

ドカァン!!

 

「よぉし、また命中! 見ろ、黒煙が昇ってんぞ!」

 

「海上での戦いなら俺達に有利だからな! このまま連携して撃て! 打倒【蒼龍の聖剣】!」

 

「いくぞー! バミューダアタック!」

 

三隻の軍艦が水晶艦と砲撃の合戦しながら接近し、先に二隻の軍艦が水晶艦の逃げ道を封じるように背後へ回り込み、ダメージを甘んじて受ける軍艦が正面に。三方向からの同時連続攻撃に水晶艦は三回も大爆発を起こしながら、立て続けに爆発を巻き起こしながら爆炎に包まれる水晶艦は海に沈んでいった。プレイヤー同士の戦いを想定して甲板に待機していたプレイヤー達が、その光景を目に焼き付けながら歓声の雄叫びを上げた。

 

「勝ったー!!! あの【蒼龍の聖剣】に勝ったぞー!」

 

「バミューダアタックは最強だ!」

 

「さすがのあのギルドも三隻同時で連続攻撃に対応できなかったみたいだな!」

 

「ははは! ざまーみやがれ! 今度から俺達が最強のギルドだ!」

 

「掲示板にも自慢しよう! 証拠もあるんだからな!」

 

勝鬨を上げるプレイヤー達。興奮して熱を持つプレイヤー達を見て冷静になっていたあるプレイヤー達がいた。

 

「・・・・・なぁ、向こうの甲板にプレイヤーを見かけたか?」

 

「いや、見かけたというよりいなかった。船の中に避難したならわかるけど、最強の盾と矛がいるギルドだぞ? 潔すぎるぞ」

 

「なーんか矛盾してないか? それにあっさりしすぎて逆に不気味なのは俺だけか?」

 

「そもそも、他のギルドの船を沈めて判ったけど、煙も爆発なんてしないだろ」

 

「嫌な予感がして来たぞ・・・・・」

 

冷静に分析するプレイヤー達の呟きは大勢のプレイヤー達の喧騒に掻き消される。やがて水瓏が完全に海中へ沈没して爆炎と黒煙が途切れるように消失するが、海面に布地が少ないナイトドレスを着たダイナマイトボディの白銀の女性が佇んでいた。騒いでいたプレイヤー達は不自然なまでに静まり返り、その女性を見下ろした。

 

「―――【絶凍絶華】」

 

女性の呟きと共に三隻の軍艦を中心にして満開に咲く花のように、氷河期が訪れたように海がどこまでも広く半径100メートル程も凍り付いて軍艦を封じ込んだ。

 

「な、なんだっ!? 海が凍り出したぞ!?」

 

「これじゃあ船が動かねぇ!!」

 

「誰だあの女!?」

 

「あ、あああああっ!?」

 

さらにプレイヤー達を愕然とさせることが起きた。凍結されていない外側の海から沈没したはずの水晶艦が四つの四連装砲と中部から無数の大砲を向けてくる無傷の状態で海上に浮上したのだ。水瓏を発見してしまったプレイヤー達は言葉を失っている間、銀髪の女性は呟いた。

 

「出撃、砲撃開始」

 

400メートル先から水晶の砲弾が一斉射撃をし、横っ腹を見せる一隻の軍艦を貫き、水晶の柱を生やした。それが海戦の合図だと言わんばかり、水晶艦から大勢のプレイヤーが氷の大地に降りて敵軍艦に押し寄せた。中にはテイムしたモンスター、魔獣、征服人形が入り交じっていた。一番目立つ数匹のダンゴムシの様な巨大な虫モンスターと二体のベヒモスの進撃にまだ軍艦の甲板にいたプレイヤー一同は戦慄した。

 

「た、戦うぞ!? 大丈夫だ、こっちの数はあいつ等より三倍以上いるんだ! 数で押し返すんだよ!」

 

「お、おお! それもそうだな!?」

 

「迎え撃つぞ!!」

 

一隻からプレイヤー達も氷の大地を戦場として降り立ち【蒼龍の聖剣】のプレイヤーに向かって駆け出し、入り乱れながら交戦した。そして海上を氷漬けにした女性はいつの間にか姿を暗ましていて、一隻の軍艦の甲板の上に立っていた。

 

「【闇影の兵士】」

 

彼女の足元の影が広がりそこから数多の黒いモンスターが這い上がり、目の前のプレイヤー達に襲い掛かった。物量に勝るも劣らない数のモンスターに迫れて、プレイヤー達は限られた場所で缶詰め状態に陥った。

 

「こ、こいつ白銀さんだぁー!?」

 

「ぎゃああああー!? サソリー!!?」

 

「ムリムリムリ! 甲板の上じゃ戦い辛いわ!?」

 

「おい下がるな!? 前に行けよ! 戦えよ!」

 

「うわ!? こんなところで魔法を撃つな! 仲間を巻き込むってば!」

 

二隻がそんな状況下にフリーの一隻の軍艦にいるプレイヤー達は味方の応援をする暇はなかった。水瓏をずっと追いかけていたギルドの船から襲撃を受け、【蒼龍の聖剣】の援軍として戦いを仕掛けられていたのだ。彼のギルドが敗北すれば次は、自分達が沈められる我が身の危なさと可愛さのために。

 

 

故に一対一というギルド同士の戦いに奇しくもなったことで数の利を活かされることはなかった。互いのギルドから魔獣が召喚されて空に飛び交い、さらに上空からピクシードラゴンの魔法攻撃が落ちてくる。制空権を得た【蒼龍の聖剣】に苦戦を強いられ、切り込み隊長となっているペインの剣の一撃で確実にプレイヤーは倒され、遊撃を発揮しているドレッドとサリー、多彩な魔法で敵を翻弄するフレデリカや強力なスキルの一撃を駆使するドラグに負けないイカルとメイプルは度々氷の大地に穴を開ける。

 

従魔と合体した状態で戦うテイマーやプレイヤーも直接軍艦に攻撃して耐久値を減らす。船を沈めればプレイヤー達も無人島へ戻されるシステムとなっているため、全プレイヤーを倒すより楽に決着がつく方法なので、ギルドの船を攻撃するプレイヤーへの当たりは強いのも当然だ。

 

「おいどうしたペイン。辺りを見渡してよ」

 

「俺達みたいな戦闘系プレイヤーが少なくて、生産系プレイヤーが多いギルドなのに戦えているなと」

 

「弱くはないだろう弱くは」

 

「単純にステータスが低いだけあって、サブ職業の戦闘系のスキルも使えるしねー」

 

「フレデリカの言う通りだ。その上、生産系のプレイヤー同士の交流が盛んで【蒼龍の聖剣】限定で高品質の装備やアイテムを自分で用意できるからな」

 

「そのトップが身内にいるから当然だろうがな」

 

遠くから水晶の砲弾を撃ち続ける水瓏にいるプレイヤー達の顔を浮かべるドラグ。

 

「その上、私達のギルドマスターがポンと大金やユニークアイテムの作成に必要な素材アイテムを出してくれるしね。私もそれで強くなったしー」

 

「世話になった」

 

「右に同じく」

 

「俺もだよ」

 

一番の要因はやはり一人のプレイヤーだと認識して、襲い掛かって来る敵プレイヤー達が乗っていた軍艦が水瓏の砲撃でとうとう消失した。それに伴い、無人島に転送される敵プレイヤー達が【蒼龍の聖剣】の目の前で消えた。

 

「お、船が破壊されるとプレイヤーもいなくなるのは本当なんだな。楽でいいぜ」

 

「そうだねー。残りは一隻だけみたいだよ」

 

「案の定、ハーデスが一人で破壊したんだろ」

 

「さすがだね」

 

「それはどうも」

 

白銀と純白の布地が少ない目を隠す氷の仮面を被った銀髪の女性が、いきなり何もない所から現れた。

 

「もしかして・・・ハーデス?」

 

「正解。この姿を維持しないと解除するスキルだから」

 

人差し指を下―――氷の大地に指した。スキル由来の創造した大地ならば仕方がないとして。

 

「なんて格好をしているのー!! 殆んど裸で歩いているじゃんかー!」

 

「このドレスがこの氷の大地を作るスキルを付与しているのだからしょうがない」

 

「マジかよ。目のやり場に困るな・・・・・」

 

「その仮面はなんだ?」

 

「これ? 氷の魔女の討伐の際に手に入れた。MP消費0にするスキルが付与されてる」

 

それは便利だなーと男性陣と違って魔法職のフレデリカが羨ましすぎるといった眼差しを向ける。

 

「でも、リスクはあるんだー。装備したらリアルの時間で一日経たないと外せないし、女性限定のアイテムだから元の性別に戻せない」

 

「・・・・・それ、別に問題なくない?」

 

「他にも問題がある。他の装備も装着できないってことだよ。さすがにそれはヤバいでしょ。今ならフレデリカに押し倒されちゃうほど弱体化してる。MP消費0にするスキル以外にもINTにHPとMP以外のステータスを変換して、INT極振り状態にするスキルもあるんです」

 

そう告白する女性ことハーデスに近づくフレデリカ。徐に両手を出して反射的にその手を掴んだハーデスは押し合いにあっさり負けた。

 

「本当に力出しているわけ? 手加減してる?」

 

「そもそも、ゲームのキャラクターがリアルのプレイヤーの肉体の身体能力を十全に反映できない。精々相手の動きを見て自分も動く反応速度や脊髄反射ぐらいよ」

 

「あー、言われてみればそうだな。リアルじゃあり得ない身体の変化も出来るわけだしな」

 

「ハーデスの防御力極振りが実際に相手との数値の差を物語らせているから、嘘を言っていないね」

 

「つまり今なら本当に一撃与えるだけでもハーデスを倒せてしまう状態なのか」

 

逆にスキルは使いたい放題、MPの管理を気にしなくていい状態なのはある種の強みであるが、それを鑑みてもハーデスの弱体化は変わりない。

 

「そんじゃあ、これからどうする。まだ残っているぞ一隻」

 

「あれは放置。他のギルドと戦っているから撤「お姉ちゃんだー!」」

 

言葉を遮られ金髪の少女に抱き着かれる。苦笑いを浮かべ改めて【蒼龍の聖剣】はこの場から撤収すると告げるハーデスにペイン達は異を唱えず、周りにいる味方にも伝えながら水瓏へ帰還する。

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