バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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探検1

 

 

俺も恐竜狩りに打って出たる前に、独占した安全地帯はギルド以外のプレイヤーも来ることが可能なのか試したかった。拠点にした安全地帯の場所に『世界の社』を設置して3分後・・・・・他のプレイヤーが転移してくる気配がない。

 

「来ないな。よし、他にも独占できる安全地帯が複数あったら社を置くぞ。【蒼龍の聖剣】出発する! 水瓏に乗り込め!」

 

『『『『『おおおー!!!』』』』』

 

別の場所へ目指す【蒼龍の聖剣】。【飛翔】で水瓏を浮かせて空から移動すると見渡す限り森ばかりだ。

 

「ハーデス君。どこを目指すの?」

 

「水がある場所だ。地図を見れば大陸の中心辺りだな」

 

「海に生きている恐竜と戦いたいのか?」

 

「それもあるが、山もあるんだ。採掘場所があるかもしれない」

 

「そうだね! 早く新大陸の鉱石を見つけたいよ!」

 

「どんなアイテムが手に入るか楽しみねー」

 

セレーネさんがこんなに張り切っているんだから、是非とも見つけてほしい。おっと、肉眼でも見れるようになった巨大な山脈。その向こうに対面する二頭のティラノサウルスの腹部あたりに囲まれた海がある。徒歩なら長時間も掛かるだろうが俺達は難なく乗り越えて目的の場所に着くことができた。

 

とても澄んだスカイブルー。リアルでも外国に行かないと中々お目に掛れない綺麗な海で魚がよく見えそうなうえに泳いだら気持ちよさそうだ。

 

「奇麗じゃない」

 

「ハーデス君の無人島のホームみたいだね」

 

「恐竜はいないけどな。でも、ここを独占できる安全地帯があるか探してみようかな」

 

さぁ、水瓏着水! 真っ白な砂浜の前に降りて停止すれば水瓏から足場が伸びた。

 

「全員、到着したぞ。自由に行動していいが、モンスターには気を付けるように」

 

野に放たれた仲間達が黄色い声を上げながら足場を渡って上陸したり、水瓏から海に飛び込む。

 

「さーて、俺も行くぞ。恐竜を狩りに! お前たちも自由に楽しめ!」

 

「はい!」

 

「山に行きましょうセレーネ」

 

「行こうイズ」

 

「じゃあ、私もお供するねー」

 

皆思い思いに動き出す。俺もそのつもりだけど、念のためにバフを掛けておこう。

 

 

 

「ん? お、ペイン。ハーデスからプレゼントが送られたぜ」

 

「VITとHPがかなり増えたな。それに【身捧ぐ慈愛】と【飛翔】に【悪食】や【生命簒奪】、【雌雄の玄武甲】までもか」

 

「恐竜狩りに捗るねー」

 

「そうだな。何かレアなもんを見つけたら返すとしようぜ」

 

 

「イズ、これでモンスターに襲われても大丈夫だね」

 

「ハーデスが気を遣ってくれたわね。これで何も見つけられなかったってことは無いようにしましょう」

 

「じゃあ、さっそく空を飛ぼう二人共。歩くより飛んだ方が早いよん」

 

 

 

これでよしと。俺と一緒に行動をしたいようで見上げているイカルと傍に控えているサイナと水瓏から降りる。

 

「サイナ、再度聞くようだが水中に潜航することは?」

 

「肯定:問題ございません。完璧なインテリジェンスを求め、マスターのあずかり知らない間に潜水に適した装備を整いました」

 

「さすがだな。俺の指示以外で独立して言動することもまたインテリジェンスだ。新大陸の先は旧大陸にいる時よりもさらに高度なサイナのインテリジェンスが必要となる。頼りにしているぞ」

 

「当然:いついかなる時も私はマスターの期待にお応えします。対してマスターも私の期待に応じてください」

 

「わかっているさ。それじゃあ海の中を探検しようか」

 

どんな装備を整えたのか興味があり、サイナの変化を見守った結果。

 

「サイナ・・・・・その『乗り物』は?」

 

「海底調査、海中での移動や沈没した船や物資の確保に適した装備を求めた結果です」

 

分らなくはないが・・・・・よりにもよってタコみたいな機械の乗り物かい。コクピットの部分には強度がありそうな半球状のガラスで外と隔離し、野太い機械の触手はどれも大きくて長い。

 

「因みに海中での戦闘は?」

 

「電気ショックで無力化します。マスター達には麻痺に対する適性がありますので問題ございません」

 

「仮に問題があったら?」

 

「こちら採掘用のドリルで貫いてみせましょう」

 

触手の先端が金属音を五月蠅く鳴らす鋭いドリルに変形した。

 

「更には独立して行動する偵察機のドローンも用意してあります」

 

自信満々、誇らしげに語るサイナに取り敢えず称賛の言葉を送りながら親指を立てた。

 

「じゃあ、潜るぞ。溺れて死に戻りすることはないから息を止めなくていいからなイカル。むしろそうしたら死に戻りしそうだし」

 

「はい!」

 

ということでこっちも久しぶりにペルカとルフレーズを召喚! みんなが揃ったことでようやく俺達は海中へダイブした。海の中は人類が今まで見たことが無い景色で広がっていた。古代の魚や虫、貝の生物がたくさん棲息していて俺とイカルはその光景に目を奪われがちだ。サイナが後ろでタコの乗り物を動かしてついてくるが、機械のボスに追いかけられている構図になっている気がしてならない。

 

「―――!」

 

イカルが俺の腕を触れる。何か言いたいが口から気泡がたくさん出るだけで何を伝えたいか分からない。メールで意思疎通を図る。すぐに返答が来た。

 

『ハーデスさん、海が綺麗ですね! 変な海の生き物もいっぱいです!』

 

『恐竜が生きていた時の生き物たちばかりだからな。変な生き物も多いぞ』

 

『いっぱい探しましょう! 変な生き物!』

 

『・・・・・イカル、そういう生物が好きなのか?』 

 

『大好きです! 見ていて面白いですから!』

 

なお、一番何が好きなのかと言えばイソギンチャクらしい。

 

 

セレーネside

 

不馴れな飛行スキルを使って空を飛ぶ私たち。飛行アイテムを持っていなかったから慣れれば便利なスキルのおかげでモンスターに襲われないでいる。採掘ポイントがありそうな場所を探し続けてるけど、中々見つからない。洞窟、どこかな? とMPを回復しながら探して十分ぐらいだった。草木が生えていない場所に山が割れて崖になっている場所を見つけた。イズとイッチョウちゃんとそこへ降りると、採掘ポイントがあちらこちら見つけた!

 

「これロープで降りて身体を固定しないと採掘できないわね」

 

「でも、空を飛べる今ならできるよ」

 

「さてさて、さっそく掘りましょうか」

 

ピッケルを持って宙に浮きながら採掘できるポイントに向かって打ち下ろした。すると、見たことない新大陸しか手に入らないアイテムがさっそく手に入った!

 

「二人共ー、洞窟を見つけたよー!」

 

しばらく夢中に採掘していた私達を呼ぶイッチョウちゃん。イズと向かえば奥まで続いている真っ暗な洞窟が本当にあった。

 

「恐竜の時代にも洞窟があってもおかしくないけれど、何がいるか分からないから警戒しないとね」

 

「ちょっと待ってて。マップにマーク付けておくから」

 

「わかった」

 

前からイズ、イッチョウちゃん、私という順に並びイズとライト付きのヘルメットを装着して移動する。

 

「そう言う装備もあるんだ?」

 

「これならランタンいらずで暗い中を照らしながら移動できるし、採掘できるからね」

 

「なるほど。じゃあ私はこれを装着しよっと。まさか、使う時が来るとは思わなかったけど」

 

そんな感想を漏らすイッチョウちゃんは暗視ゴーグルを装着した。

 

「あら、どこで手に入れたの?」

 

「機械の町で偶然。何となく買ってみたけどこういう洞窟ほどじゃないと使い道が無くて半ばお蔵入りになってたよん」

 

「そうなの。あ、気を付けて下り坂だわ」

 

自然にできた滑り台のように滑らかな坂を見下ろす。ハーデス君から送られた【飛翔】スキルが無かったらロープが必要な高さだけど、私達は浮いて降りた。上を見上げればどんどん入り口から漏れる光が見えなくなるほどどうやら底が深いみたい。

 

「私が前に出るね。このゴーグル全体的に暗い中でも見れるから」

 

「わかった、お願いね」

 

位置を入れ替え先に進む彼女をついて行く途中で立ち止まった。イッチョウちゃんは左右に首を振ってからこっちに振り返った。

 

「右と左、どっちも行けるけどどうする?」

 

「うーん、じゃあイッチョウちゃんの直感で行きましょうか。セレーネ、いい?」

 

「いいよ。行き止まりだったら引き返せばいいんだしね」

 

イズの提案に乗ることでイッチョウちゃんは左へ進みだす。でも、ただひたすら一本道で別の道が見つからず下り坂になって来た道にどこまでも歩いた時だった。後ろから何かが転がってくる凄い音がして来た。

 

「・・・これって、もしかしなくても」

 

「嘘でしょ」

 

「・・・・・」

 

三人で嫌な予感を覚えながら振り返った。歩いてきた道の空間を塞ぐほどの大きな岩の塊が、押し潰さんと転がって来たのを見て声を上げながら岩から逃げるように急いで飛んだ!

 

「どうしよう!? このまま逃げても行き止まりだったら押し潰されちゃうわ!」

 

「岩を破壊できない!?」

 

「破壊不能だよ!」

 

ハーデス君がいたら何とかしてくれたかな!? あ、この状況を教えたら打開策を考えてくれるかも! 彼にすぐさまコールするとすぐに出てくれた!

 

『どうした? 何か見つけた?』

 

「狭い空間に転がってくる破壊不能の大岩から逃げてるの!」

 

『理解した。数十秒だけ待ってくれ。今から付与するスキルで逃げ切って。【大地の揺籠】ってやつだ』

 

頼りになるよハーデス君! それから本当に数十秒後に【大地の揺籠】ってスキルが・・・・・それに二つ目のこれも万が一の場合にも生き延びれる!

 

「二人共! ハーデス君からスキルが付与されたよ! 【大地の揺籠】!」

 

「「!!?」」

 

飛ぶ事を止めてすぐにスキルを確認した二人は叫んだ。

 

「「「【大地の揺籠】!!!」」」

 

転がってくる大岩に押し潰される直前で、私達は水の中に沈む感覚で地面の中に潜れた。それからすぐに顔だけ地面から出すと、遠くで大岩が何かとぶつかる衝突音が轟いてきた。

 

「い、行き止まりだったのねこの先・・・・・」

 

「セレーネさん、ナイスだよ!」

 

「ハーデス君のおかげだよ・・・・・じゃないと私達、大切な装備が全部この中に置いて死に戻りするところだった」

 

「「確かに。それは凄く嫌すぎる」」

 

それにハーデス君は、もしも失敗した場合の保険として【不屈の守護者】ってスキルも付与してくれた。

 

「これ、引き返した方がいいかも。最悪、ここで死に戻りする覚悟が必要だよ」

 

「そうね。この先も気になるけれどこういうトラップまであるなんて思いもしなかったし」

 

「私も賛成かな」

 

ハーデス君に調べてもらってから再度突入した方がいいと思った矢先。またあの地鳴りが・・・!?

 

「まだくるの!?」

 

「・・・・・違う・・・・・っ! 二人共、ここから逃げるよ!」

 

「下って・・・・・」

 

スコープ越しで何かを見て危険を判断したイッチョウちゃん。彼女の判断に疑わず飛んできた道に戻りながら後方をジッと見つめるとさっきの大岩―――じゃない、大岩を背負った生き物が激しく洞窟を震動させながらこっちに走って来た! イッチョウちゃんの言う通り、やっぱり引き返した方がいいみたい―――!

 

 

フレデリカside

 

 

「おいおい、何で恐竜の時代にこんな連中がいるんだよ! 時代錯誤だろう!?」

 

「誰も知るかよ!」

 

「運営ー!!」

 

「叫んでも仕方がないさフレデリカ」

 

【飛翔】でちょっと遠出しようと話し合った結果。ドレッドの言う通り恐竜の時代なのに不自然極まりない存在がいた。それは・・・・・。

 

「ウォッウォッウォッ!」

 

「「「オオオオオオオー!!!」」」

 

「ウッホ! ウッホ! ウッホ!」

 

原始人達である! ジャングルの中に降りた直後に私達を囲みながら現れた原始人の武器は石斧や石の槍・・・・・というかあの石、よく見たらさぁ・・・・・。

 

「武器に使われている石、見覚えなーい?」

 

「ああ・・・・・あるな」

 

「右に同じくだ」

 

「俺もだ」

 

石というかさ、オリハルコンのだよね絶対に。え、なに、ここってオリハルコンが手に入るの? イズとセレーネが驚く発見だよねこれ?

 

「てっことは、俺達の装備も貫通するよな」

 

「やっばいねー、ペインどうしようか」

 

「ハーデスの真似をしてコミュニケーションを取ってみるか」

 

「融和を図れる自信があるのかよ?」

 

相手は一応NPC、話し合えばわかる・・・わかるわけないじゃん! まだ言葉という人語が操れているように見えないもん! 動物の声真似のような言葉しか言ってないし! あ、本当にコミュニケーションを取ろうとするの!? 原始人に近寄るペイン―――。

 

「言葉がわかるかな。俺達は決して君たちに危害を加えるつもりは・・・・・」

 

ヒュルルル、シュバッ!

 

原始人の背後から投げ縄が飛んできて、捕まりそうになったペインが剣で斬り捨てて警戒態勢に入った。ダメだ、何とかしないと。こう言う時はハーデスに聞くしかない!

 

「ハーデスのようにはいかないか。コミュニケーションはこんなに難しいものとは」

 

「最初っから警戒している相手に友達になろうと言われたら拒絶されても当然だと思うぜ」

 

「拒絶まではいかないが、先に戸惑うだろう」

 

「・・・・・ハーデスに原始人と話し合う時は最初に何をすればいいか質問したけど、郷に入っては郷に従えだって」

 

「「「郷に入っては郷に従え?」」」

 

つまりハーデスが何か言いたいのかと具体的に挙げれば。

 

「原始人と同じ格好をすれば、少なくとも警戒される度合いが下がるんじゃないかってさ。昔の異国同士の人たちがスムーズに会議や交流ができるよう実際に行われたコミュニケーションの方法の一つだって」

 

ちなみに原始人の格好は、腰に動物の毛皮を巻いていて、上半身裸、特徴的な紋様を化粧で施している。

 

「つまり、近代的な装備をしている俺達は警戒されても仕方がねぇって?」

 

「原始の時代、俺達の祖先や先祖たちは豪勢な武器や防具なんて作る知識はなかったんだから当然だろうな」

 

「じゃあ、今の私達がする事は一つしかないよね」

 

「そうだね」

 

四人で頷き合い、私はインベントリから手の平サイズのアイテムを取った。

 

「逃げるぞ!」

 

ドレッドの疾呼の声と同時に【飛翔】で空へと逃走と同時に私はアイテムを落とした。その直後に原始人達を眩く照らす光が迸るように発光した。飛んだままの私達はさらに別の場所へ移動すると、原始人達の住処も発見できて場所を特定・記録した。ハーデスに交流させたらどうなるかな。原始人と友達になっていそうな気がするけど今頃ハーデスは何をしているんだろう?

 

 

 

 

イカルside

 

「ははは、随分と沖に来てしまったなーイカル」

 

「そうですねー」

 

昔の海の生物を見ながら歩いたり、大きな海の恐竜と戦ってテイムしたり、大好きなイソギンチャクが手に入ったりと気付いたらハーデスさんと新大陸が見えないほど離れちゃっていた。だから帰ろうとしたんだけど、沈んでいる船を見つけてしまって何かないか気になってしまって・・・・・さ、探し終えたらすぐに帰るよ?

 

「お、この船の船長か?」

 

さっそく何かハーデスが見つけたものを一緒に見たら偉い人が着ていそうな服を着た人の骨が立って・・・・・どうして立っているの? それにその近くには大きな宝箱がある。ハーデスさんは近づいたら、こっちに首だけ顔の骨が動いた!?

 

『侵入者メ、俺様ノ宝ハ渡サン』

 

「宝? 入らないぞ。船の中を見させてくれるならなにも取らないよ」

 

『ナラバ対価ヲ払エ』

 

対価、とは何のことだろう? 後でハーデスさんに訊いたら欲しいものをお金で払うように、お金以外のもので払うことだって教えてくれました。

 

「対価って?」

 

『当然、見学料ダ。一人十億Gヲ払エ。デキナケレバ、俺様ノ子分トシテ永遠二働イテモラウ』

 

そんな大金払えないだろうって、言わずともこの骸骨はとっても凄く意地悪なことを言っているのが私でもわかる!

 

「わかった。ほら、二十億G」

 

でも、ハーデスさんはポンと私の分も払ってくれた。骸骨の人はポカーンと口を開けて、床に大量のお金を置いたハーデスさんを見た。

 

「これでいいだろ? それじゃ中を見させてもらうよ」

 

対価を払ったから文句は言わせないからな、と言うハーデスさんだけど、骸骨がまたとんでもないことを言い出した。

 

『待テキサマ! 十億デハナク百億ヲ払エ! ソシタラ我ガ船ノ中ヲ入ルコトヲ許可スル!』

 

「ほいよ」

 

『ナン、ダト・・・・・』

 

また払えってとんでもないことを言う骸骨の目の前にさらにもっと大金が床一面に金色ばかりにしてしまった! はー、とても凄い光景だー。

 

「これでいいだろ? それともまだ足りないか? 一千億もだっていうなら、払うぞ」

 

『キ、キサマ・・・! イッタイドレダケノ財産ヲ持ッテイルトイウノダ!?』

 

「1極、ほぼ無限に等しい金がまーだ有り余っているぞ?」

 

あ、骸骨がお金の山に倒れ込んじゃった。これが完全勝利っていうのかな? 骸骨は何か話し出した。

 

『カ、カツテ・・・コノ世ノ全テノ財宝ヲ手二入レタ海賊王ノ俺様ヨリモ財宝ヲ持ッテイルモノガ現レルナンテ・・・・・』

 

「お、海賊王? ここ最近俺も海賊の知り合いがいるんだけど、海賊王が実在しているなんて初めて知ったよ」

 

『・・・・・未ダニ海賊ガイルノカ。海ヲ渡ル命知ラズデ無法者、シカシ同時二ロマンヲ追イ求メル勇敢ナル海ノ男達ガ』

 

上を向いて見つめる骸骨さん。何だかさっきより怖くはなくなったような?

 

「なんだ、未練でもあるのか? こんな海の底で一人だけ、骨になってまでもまだやり残したことでもあるのか? 全ての海を制覇した海賊の王が」

 

『・・・・・キサマニハ関係ナイ』

 

「そうか。それなら首を突っ込まないよ。イカル、帰ろう」

 

ハーデスさんのそんな言葉に私は驚いた。

 

「え、船の中を見ないんですか?」

 

「その気がなくなったよ。散財したが、昔の海賊王の供養ってことにするさ」

 

私の手を掴んで船から降りるハーデスさん。離れたところで待たせていた海の恐竜達を呼んで、新大陸に目指した。

 

でも・・・・・。

 

「・・・・・ハーデスさん、あのお船が」

 

「俺達が歩いている先と同じだけなんだろう」

 

そうだといいんだけど。でも、凄く速くこっちに来て・・・・・あ、通りすぎていった。海底の砂を巻き起こして目の前が何も見えなくなってしまって、だからいつの間にかハーデスさんが散りばめたはずの大金が詰まった袋の口に、ボロボロな小さい袋もあったこともわからなかった。

 

「・・・・・まったく、不器用な海賊王だな」

 

 

何かハーデスさんが言った気がしたけど私は聞こえなかった。 どうしてなのか呆れた顔でお金と袋を回収してまた歩きだすハーデスさんとのんびり新大陸に戻ったら、夕陽が浮かんでいた。あ、仲間の人がこっちに気付いた。

 

「やっぱり凄いことして帰ってきたー!?」

 

「海の恐竜をテイムするなんて、サスシロ!」

 

「モササウルスに巨大な海ガメ、それにシーラカンスとクジラもかよ!」

 

「イカルちゃんも、もう立派なテイマーだね」

 

ハーデスさんのお陰です! 今日も楽しみました!

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、これからみんなが発見した報告会をしよう。まずは陸の方はどうだった? 手元の地図にそれぞれ言った場所で見つけた情報を記入してくれ。報告を入れながらでもいいから」

 

「セレーネとイッチョウちゃんとの洞窟の探検は中断せざるを得なかったわ。破壊不能の見たことのない、たぶん恐竜のモンスターに出口まで追いかけられたから」

 

「俺達は原始人が暮らしている場所を見つけた以外、古代の獣のモンスターの発見も採取と採掘できるポイントをいくつかね」

 

「イカルとサイナと探索した海の方はぼちぼちだ。帰りに海賊王の船と白骨化した海賊王と話をした程度だよ。まーこの辺で海底でもアイテムが手に入るポイントを見つけたが」

 

水瓏の集会場で、【蒼龍の聖剣】がこの大陸の地図に発見したものを記して明確にしていく。次にその場所へ行ってみたい仲間やこの情報を独占するためでもある。

 

「はいはい、俺達はこの森辺りで古代の昆虫をそれなりに見つけてテイムしてきた!」

 

「巨大なムカデを見つけた時は凄く興奮しました!」

 

「私達はこの辺りに綺麗な花の群生を見つけたわ」

 

「ここでダチョウみたいな巨大な鳥を見つけたんだけど」

 

「俺達も恐竜に追いかけられながら・・・・・」

 

ある程度、ほんの一部だろうとも情報が集まっていく。中にはとても気になる情報が。

 

「ここに行ったら遺跡を発見した」

 

その遺跡の写真を撮ったとのことで公開してもらうと、どこかの地下の洞窟の中にストーンサークルみたいな構造物が写っていた。

 

「試すことはできたか?」

 

「できなかった。使用できる条件が満たされていないってシステムが表示されたから」

 

条件付きのオブジェクトか。それが何なのか解明できれば使えるな。

 

「よし、大体の情報は集まったな。まだ行ったことが無い場所もあるし、気になるオブジェクトもある。なので多数決をしよう。明日もここに留まりたいか、次は反対側の大陸に行くかだ」

 

二つの選択肢。皆の手が上がった数が一番多かったのは・・・・・前者の方だった。

 

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