バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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ユニーク恐竜

太古の結晶を手に入れたことで再チャレンジしにストーンサークルに向かった。それは採掘したプレイヤーの半数が手に入ったのだから、気になっていたプレイヤーと一緒に赴く。

 

「よし、捧げるぞ」

 

「お願いしまーす!」

 

「古代の精霊とかいたりするのかな」

 

「白銀さんの報告が待ち遠しいぜ」

 

人柱として先に俺が確かめることになって、ストーンサークルの中心に立ち『太古の結晶を捧げますか?』というメッセージと共に浮かんだ青いパネルのEYSを押すと、さらにメッセージが浮かび上がった。ストーンサークルが俺を包み込む光の柱を発生・・・・・いつの間にか別の空間、たくさんの恐竜の骨に囲まれてる場所に立っていた。その中で調べると、こういうのが好きなプレイヤーは必ずいるということがわかった。なので、仲間達のところへ戻って教えた。

 

「報告するぞー。このストーンサークル、見つけた化石の復元や恐竜のモンスター限定でモンスター同士を好きなように合成、カスタムできるオブジェクトだここ」

 

「「「恐竜をカスタム!?」」」

 

「「「合成!?」」」

 

ほぼ全員ハモった。手持ちの恐竜でも合成できるが、合成しても良くはならないだろう。他の恐竜も探さないと。

 

「しかも中にはそういう関係者アイテムも売られていた。太古の結晶もだ。だからかここを利用する度に太古の結晶が必要らしくて、永続的に利用できない設定だ。面倒くさいな」

 

『『『『『・・・・・』』』』』

 

「そういうことだから、恐竜が欲しくて格好良く自分だけのオリジナルの恐竜をカスタムしてみたいなら、恐竜をテイムしてから利用した方が無難だぞみんな。ということで、俺からの報告は以上だ。後はみんなの頑張りに懸かっている」

 

そうしやすいように【手加減】のスキルも付与して去ろうとしたら、何か周りから掴まれた。

 

「・・・・・なにかな?」

 

「是が非でも白銀さんのご協力が必要不可欠なんです! どうか俺達に救いの手を!」

 

「え、数万のステータスを付与しているのにそれでもダメなのか、お前ら?」

 

「それもあるけど、欲しい恐竜と遭遇しない方が多いんだ・・・・・」

 

「・・・・・俺に特定の恐竜の道案内をしてほしいと?」

 

何人かが頷き、俺の指摘通りだと否定しない仲間達。あー、あっちも擬態しているから見つからないのか。

 

「因みに何を狙ってる?」

 

「勿論、大型の肉食恐竜!」

 

「俺は映画を見てから好きになったラプトルを狙っている」

 

「やっぱり最大級のブラキオサウルス!」

 

「ステゴサウルス。あの背中の背びれをカスタムに使いたくて」

 

オーダーが多い多い・・・・・うーん、どうにかおびき出す必要があるなこれは。・・・・・だとしたらあれしかない。

 

「よし、火を使うか」

 

「え、マジで? 確かにそれなら向こうから恐竜は来るけど白銀さん大丈夫か?」

 

「大丈夫だ。仮に俺だけ手に負えなかったらお前らを頼るつもりだからな」

 

「うっす! 任せてください!」

 

「当然俺達も黙って見ているつもりはないからな!」

 

意気込む仲間達もやる気が十分ある。これなら多少の無茶ぶりでも付き合ってくれるだろう。

 

「作戦を考えよう。被害を最小限にテイムする方法をだ」

 

『『『おおおー!!!』』』

 

 

―――十数分後。

 

 

「うおおおおおー!!? 【ファイアボール】! 【ファイアボール】! 【ファイアボール】!」

 

「走れ走れー! 【炎弾】! 【ファイアーウォール】!」

 

「【フレイムアロー】!」

 

森に火を放ちながら遠いところから駆け抜ける。それに呼応して擬態していた恐竜達が数を増やしながら仲間を追走する。巨大で足が遅そうな恐竜まで交じっている恐竜の大激走の光景は、空から撮影している仲間から後で見せてもらった。

 

「後ろがコエーよ!!!」

 

「振り返るな! あれを俺達がテイムするんだ、失敗はできねぇぞ!」

 

「白銀さーん、助けてー!」

 

AGIを大盛りにバフしたからレベル差があっても逃げ切れてる仲間達は、指定した場所・・・・・俺達がいるところに姿を見せた。ジャングルの中でも開けた場所は中々見つからず大変だった。

 

ならば、捕獲専用に開拓したら? 

 

という提案が浮上したときは目から鱗が落ちた。なので半径数百メートル範囲内の伐採をする羽目になろうとは誰が思ったか。それが終わるまでひたすら木に斧を叩き込んだものだった。

 

そして今はこの場所に恐竜を集めまくった仲間達が来た。おー、結構な数だ。100はいるかも・・・・・いや、集めすぎぃー!?

 

「お前ら急げー!」

 

「よく頑張ったな!」

 

「こっちだー! こっちー!」

 

死に戻りする覚悟で集めてきた仲間に俺達と待機していた他のプレイヤー達が声援を送る。命からがら合流してきた三人を出迎えた同時に数多の恐竜の群れがここ開けた場所に進入してきて・・・・・。

 

 

ズボッ! ドドドドドドドーン!

 

 

サイナ特製の機械式巨大落とし穴の底へと落ちていく。その様を見て歓喜の声が上がる。だがまだ後続が少なくとも足を止めて落ちずにいた。フハハハッ、それも想定済みよ!

 

「落とせ!」

 

指示を誰かに下した時。森から巨大なリヴァイアサンが現れて残りの恐竜を全て追い落とした。―――ナイス、イカル!

 

落とし穴は10M程の深さまでサイナに掘ってもらった。そこに【手加減】と【アルマゲドン】を放ってHPを一割まで削る。

 

「そして、最後にサイナ!」

 

―――わざわざこのために船をここまで寄越したのだ。サイナが船を操り、巨大な砲身を落とし穴に向けて電撃を放った。直撃した恐竜達は一匹残らず感電して麻痺状態にしてもらうために。

 

そして性転換した俺は氷の魔法を使い、恐竜達の足を地面ごと凍らせて身動きを封じた。

 

「全員、今の内に!」

 

『おおおー!!!』

 

我先と落とし穴に降りて目的の恐竜をテイムし始める。もしもダブっていたら、ということもあるのでじゃんけんして最初にテイムしたプレイヤーが一回失敗したら、次のプレイヤーにテイムする順番を代わる決定にしてもらった。

 

順調に恐竜をテイムしているが、目当ての恐竜のテイムを外してショックを受けるプレイヤーが大半だ。これ、もう一回か二回ぐらいテイム大会した方が良さそうだな。慟哭や嘆いている仲間がいるいる。

 

あ、麻痺状態から解放された恐竜が出始めた。俺も落とし穴に降りて【パラライズシャウト】で再び麻痺状態にした。

 

「誰か、この恐竜をテイムしたいプレイヤーはいる!?」

 

「ここにいるぞー!」

 

名乗り上げる味方に譲って付与した状態異常が回復した恐竜達の近くにいる仲間を介して【カバームーブ】での移動を繰り返した。

 

 

その後・・・・・。あれだけ落とし穴にいた恐竜が姿を消して今や従魔にした仲間達が、場所を変えて【テレポート】でストーンサークルへ殺到する様子を見送り、樹木の陰に隠れていたプレイヤーをあれこれしてビーチに戻った。

 

「お姉ちゃーん!」

 

なお、そこで黒い布地に赤い薔薇の絵がある水着とパレオを着たイカルと遊んでいた。俺は白い水着姿で(強い希望による)イカルと召喚したオルト達と水遊びをしてると。

 

「あ、イカルちゃーん。可愛い水着だねー」

 

探検から戻ってきたメイプルがサリーとマイとユイと俺達のところに来た。

 

「あれ、あなたは?」

 

「うん? あー、この姿を見たの初めて? ハーデスよ」

 

「・・・・・何度見ても、本当に性別が変わることができるんだこのゲームと思わされるわね」

 

サリーの反応と俺の身体を見る視線に気持ちはわかると心の中で頷く。

 

「マイとユイも知ってるわよ。ね?」

 

「はい!」

 

「あの時と違いますけど、今のハーデスさんも素敵です!」

 

「どんなお姉ちゃんも素敵だよ!」

 

「へぇーそうなんだー!」

 

うーん、なんか、複雑!

 

「四人は休憩?」

 

「うんそうだよ。それに海があるからみんなで遊ぶことにしたの。そしたらイカルちゃんが見えたからねー」

 

「結構なモンスターを倒したからね。レベルも上がったしほどほどに休憩しよってことで」

 

バフを盛って上げたといえど、レベルの差は歴然だったはず。それをものともせず倒すサリーも人間離れしているよな。

 

「ところで、他のギルドのプレイヤーはもう来ている?」

 

「そうみたいよ。森の中で出会ったわ」

 

「じゃあ警戒はしておく必要があるね。襲ってきたら返り討ちするけど?」

 

「ご自由に」

 

停泊中の水瓏へ歩みだす四人を見送ると、船からイズが出てきた。彼女もまた水着姿で彼女が用意しただろうパラソルと白い背凭れがある椅子に腰を下ろしてリラックスする姿勢に入った。

 

「イカル、もう少し遊んだら休憩しましょうね」

 

「はい!」

 

たまには、殺伐がないこういうのんびりとした時間も大切だろうさ。―――だというのに、それなのに。

 

『カロロロロ・・・・・』

 

明らかにユニークモンスターだろう真っ赤で明らかに熱を帯びた陽線を噴き出す、通常個体のティラノサウルスより二回りも三回り身体が大きいティラノサウルスがビーチに現れて俺たちを見下ろす。そのレベル―――120オーバーだ。こんな奴、この大陸のどこに隠れていたんだ。

 

「この大陸の唯一のボスか? 人の有意義な時間を土足で踏み込むとどうなるか、その骨身の髄まで教えてやるわ」

 

―――真っ赤なネーム、SCAR-RED・T-REX。

 

「オルト達、戦闘!」

 

「わかった!」

 

「任せてください!」

 

各々は目の前の敵に立ち塞がって攻撃を開始した。その間に装備を整えながら情報収集をすると、かるーく絶望を抱かされた。

 

 

 

 

名前:SCAR-RED・T-REX。種族:恐竜

 

LV129

 

HP:9700/9700

 

MP:7900/7900

 

 

 

【STR 9921】

 

【VIT 7861】

 

【AGI 9485】

 

【DEX 7852】

 

【INT 6948】

 

 

 

スキル:【不沈】【絶望】【超嗅覚】【執着心】【悪食】【生命簒奪】【脱皮】【追跡者】【ニトロ】【跳躍】【捕食】

 

 

 

「・・・・・バランスブレイカー」

 

てか【不沈】!? 絶対に沈まないって、倒せないってことか!? ならどうやって・・・・・!

 

「うわぁー!!」

 

オルトの悲鳴! 目を向ければ薙ぎ払われる尾の一撃で皆が吹っ飛び、光となって消えてしまった。幻獣のフェルやセキトにクズハだけは何とか生き延びたが、目を離した隙にもう既にHPが一割ってヤバすぎるだろ!

 

「お姉ちゃん、皆が!」

 

「くそっ! 完全に私より格上の恐竜だわ! 【機械神】!」

 

地面を爆発させた反動で空に飛び、空中から全武装を展開して攻撃する。うーん、やっぱりダメージは軽微か。

 

「【相乗効果】【大嵐】【悪食】!」

 

砂を大量に巻き上げる大嵐を巻き起こす。少しの間は閉じ込めるが、中で爆発が生じた音が聞こえだした。何をした? 最初に抱いた疑問に考えると赤いティラノサウルスが【悪食】のスキルが付与されているはずの【大嵐】を真正面から突破、俺の目の前に飛び出してくる姿が視界いっぱいになって、思考が停止しかけた。

 

「なんっ・・・・・!?」

 

最初に驚いたあまりに緊急旋回したのが遅かった。ガチンッ! という音が俺の片腕と片足を奪った―――。

 

 

イズside

 

 

ハーデスが、あのハーデスが一方的な蹂躙を受けている光景を見ることになるなんて想像もできなかった。どんなモンスターに対しても勇ましく、雄々しく、楽し気に戦って勝って来たハーデスが片腕と片足を食いちぎられるなんて・・・・・!

 

「お姉ちゃああああああああん!!!」

 

イカルちゃんの悲痛な叫びに私は弾かれたように我に返ってイッチョウやペイン達にコールした。

 

「皆、今すぐ水瓏の所に戻って来て!」

 

『どうしたんですか? 他のギルドがまた襲撃を?』

 

「ハーデスが突然現れたユニークモンスターに襲われて片腕と片足を奪われちゃったの! このままじゃあ彼が負けてしまう!」

 

『あのハーデス君の防御力を超える攻撃力のモンスターがいるのー!?』

 

『白銀さんのピンチとあらば駆け付けない理由はない! 今すぐ行くぜ!』

 

「因みに、オルトちゃん達もそのモンスターに倒されちゃったわ。食べられちゃった子もいるの」

 

『はぁあああああああああ!? ゆ、許すまじー!!』

 

『絶対に仇を取ってやるわー!!』

 

『何度死に戻っても倒し切るまでは戦い抜いてやらぁ!!』

 

『わかった! 私達も【テレポート】で戻るよ!』

 

忘れていた。【蒼龍の聖剣】は彼の従魔ファンが大半だったわ。ゾンビのように何度も死んでも戦いに挑むことも厭わないのね。

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