バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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恩恵と恐竜のパレード

 

 

 

ギルド専用の掲示板でも同じギルドメンバーにも連絡して、モンスターのドロップアイテムを捧げるとEXクエストが出来るという話が瞬く間に伝わって、水瓏を介して戻り山頂にある祭壇に集まる【蒼龍の聖剣】のプレイヤー達。報酬は不明だが新大陸のエクストラクエストならば、それ相応の報酬に違いないとモンスターの狩猟に熱が入り出す仲間達を他所に、じゃんじゃんアイテムを捧げる俺がいたとさ。

 

「水晶系のモンスターのドロップアイテムでも生贄にできるとは嬉しい限りだ」

 

「ハーデス君だけだよ。あのエリアを完全攻略できてるの」

 

「倒すだけならイッチョウでもできるだろ」

 

「四方八方から全速力で突っ込まれても生き残れるわけないじゃん! 一対一なら何とか出来ると思うけど!」

 

倒せるならもう一人前のプレイヤーじゃないかな? 

 

「というか、別に完全攻略なんてした覚えは無いぞ俺」

 

「あのエリアボスを倒してるのに?」

 

「隅々までエリアを探ったわけじゃないからだ。モンスターを倒してエリアを攻略したというのは少し違うだろ」

 

のんびりと座るに適した岩に腰を落としているイッチョウと話ながらもアイテムを捧げる。どれだけ捧げればいいんだって思うぐらい100以上はもう数えていないほど消費している。

 

「それ、復活まであと30%だよん。クエストが達成したら戦うことになったりして」

 

「もしそうだったら全力で乗り越えるまでさ」

 

さらに集め戻って来た仲間達のアイテムを捧げて数十分後。とうとうその時が来た。青いパネルにあと一回で100%になるから全員集合の呼集をしてから10分後。全員が揃ったのを見計らって最後のアイテムを生贄に捧げると、恐竜の骨が眩く輝き出したのだ。黄金色の輝きに包まれる化石が立ち上がると俺達の目を潰す光量を放った隙に完全な姿に変貌していた。これが恐竜王? と思うほど黄金の鱗に覆われ一対の翼を持つずんぐりむっくりではなく、すらっと細い身体をした恐竜が知性が孕んだ青い瞳を俺達に向ける。

 

{若き神獣使い。そしてその仲間達、私の復活に尽くしてくれて感謝いたします。あなた方の労力に報いるため私の力の一端を差し上げましょう}

 

天に向かって咆哮する恐竜王の玲瓏な声に聞き惚れる俺達に金色の光の柱が落ちてきた。

 

『称号【恐竜王の恩人】を取得しました』

 

『スキル【恐竜王の光翼】を取得しました』

 

『スキル【恐竜化】を取得しました』

 

 

称号:恐竜王の恩人

 

この称号の保有者の特に高い数値のステータスが永続的に+200

 

 

【恐竜王の光翼】

 

1日に一度、10秒の間のみ全ステータスが+1000も増加する

 

 

【恐竜化】

 

テイムした恐竜と一つとなり、恐竜の力がプレイヤーに反映する

 

 

称号とスキルが手に入った仲間達の歓喜の雄叫びが五月蠅かった。皆が喜ぶのも無理はないが個人的に【恐竜化】はいらなかったな。似たスキルはあるし。

 

ピロリン♪

 

ん? メール? 誰だと思ったら運営で・・・・・イベントのお知らせだった。内容は俺達がいる新大陸で一週間のサバイバルを過ごすものだった。

 

{特に若き神獣使いよ。あなたの献身的な行動に感服しました。どうかもう一度、神獣使いの眷属にしてくださいませんか?}

 

「お前は何番目の神獣使いの従魔だった?」

 

{それはわかりませんが、私は『クロエ』と呼ばれていて彼女と共に世界を渡り、協力し合って敵と戦いました}

 

「敵?」

 

{この世界に暗黒を齎す4匹の獣、四凶です。クロエを含め3匹は封印されましたが、最後の1匹の四凶はまだ健在。私以外の眷属は倒れ、この私も致命傷を受けここで死に堪えました。彼女は泣きながら謝罪をした時の記憶が未だに鮮明に残っております}

 

新大陸のどこかにそんな四神と対なるレイドボスモンスターがいるのか。

 

{若き神獣使い。彼女の後継者としてどうか私を眷属に迎えてほしい。必ずあなたの力となり役立つことを誓います}

 

「・・・・・そんな事情を訊かされて、断れるわけないだろう恐竜王。よろしく頼む」

 

{申し訳ございません。そして感謝します}

 

こうして神獣と同類のNPCモンスターである恐竜王ダイナを仲間に加えた。後にダイナを特殊召喚が出来る指輪を貰い早速試した。

 

「ダイナ、人の姿になれるか?」

 

{もちろんです}

 

俺の意図を察してクズハのように人の姿に慣れるスキルでダイナは人間の姿になった。うーん・・・・・お前も性別は女の方だったか。イカルが好きな豊かな物をお持ちで。容姿は金髪碧眼で凛々しくクールビューティーな顔立ちと俺と同じぐらいの身長だ。服装は蛇柄もといダイナの鱗柄の格好いいマントを羽織っている青い服装で身に包んでいる。彼女は俺の目の前で跪き騎士がするような礼儀作法をした。

 

{改めて名を申し上げます。私は恐竜王ダイナ。若き神獣使いの名をお聞かせてください}

 

「死神・ハーデスだ。神獣使いでありながら守護神であり、元勇者、現魔王の者だよ」

 

{な―――神獣使いだけではなく、神を司る力を秘めながら魔王!?}

 

「あ、魔王はダメな方か?」

 

それならそれでしょうがないと思ったけど、ダイナは首を横に振った。

 

{魔王は元人間の勇者であることは知っております。しかし、魔王でありながら神獣使いの人間が世に存在するとは思いもしませんでした。私の死後の間に色々と変化が起きたようですね}

 

「まぁーな。これからも俺の傍でその変化を見届けてくれ」

 

{わかりました。若き神獣使い、主ハーデスよ}

 

よし、話は終わり! ということでダイナの手を握り【同化】をしてみたらずっと俺達を窺っていた男性プレイヤー達が興奮した声をあげてスクショを取り始めて、その中にイカルまで交じっているぅ・・・・・。

 

「お姉ちゃん、カッコいいです!」

 

「ありがとうイカル。さぁ、皆。丁度集まったところであるスキルを使ってバフを付与する。場所も最適だ」

 

なおそれはNWOのCM&主題歌の協力をした時に報酬として得たスキルの一つである。その名も―――!!!

 

「【NWO】!!!」

 

足場が盛り上がり、リアルのようなステージができた。真っ暗になった空からライトが照らす俺はダイナとの合体が解除して【海竜人】の姿でNWOの主題歌を歌い始める。その途中、夜空から大天使と堕天使のNPC―――俺が【身捧ぐ慈愛】と【救済の残光】で大天使、【届かぬ渇愛】と【滅殺領域】で堕天使になった姿の俺がNPCとしてステージに舞い降りては三人で歌って踊る。

 

「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおー!!!」」」」」」」」」」

 

「「「「「白銀さああああああああああああん!!!」」」」」

 

「キャー!! お姉ちゃーん!!!」

 

「ゲームの中で、本格的な生ライブに行ったような体験できるなんて凄すぎるだろう!」

 

仲間達はいつの間にか特別なエリアに移動させられていた会場席に座らされていて、ステージで歌う俺を見て盛り上がってくれていた。それからも最後まで歌って踊り続けた結果、ログインしているギルドメンバーの皆のステータスにバフの効果が。

 

「お、おいステータスを見ろ! とんでもねぇことになってるぞ!」

 

「嘘だろなんだこれ!?」

 

「一定時間、経験値取得量が100%!? しかも【蒼龍の聖剣】のギルドメンバー限定でプレイヤーの経験値が共有状態となって取得する経験値の20%も得られるってなんだよそれ!」

 

「しかも全ステータスが一時間の間だけ+1000!?」

 

驚くのは無理もない。それは絶対に旧大陸にいる全プレイヤーもそうだろう・・・・・。

 

 

カラーン、カラーンと荘厳な鐘の音が鳴り響く。ログインしている全プレイヤーの殆んどがまたかと耳を傾ける。初めてプレイするプレイヤー達は初めて聞くアナウンスに思わず動きを停めて耳を傾けた。

 

 

『ニューワールド・オンラインをプレイされている全てのプレイヤーの皆様にお知らせ致します。たった今、プレイヤーの死神・ハーデスがスキル【NWO】を使いました。全てのプレイヤーの皆様に一定時間の間、経験値取得量が100%になります。一度きりのスキルなので二度と使用できません。これからログアウトするプレイヤー、もしくはログアウト中のプレイヤー、さらに新規でログインするプレイヤーは経験値の取得量が一定時間100%のバフが自動的に付与されます。繰り返します―――』

 

アナウンスの放送中、この時の全プレイヤーは足や手を停めて繰り返すGMからの放送の言葉を咀嚼し、頭の中で理解した途端。プレイヤー達は大爆発したかのように活発的に行動を取った。それはもう鬼気迫る勢いだ。

 

 

「―――モンスター狩りじゃああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

「何でこんな時にぃいいいいいいいいいいい!?」

 

「うぉおおおおおおおおお!!! 今の内にレベル上げなくちゃ死ぬほど後悔するうううううう!!!」

 

「お前ら急げ!!! 絶好の狩場が独占されるどころか、モンスターも確保できず仕舞いでレベル上げができず仕舞いになるぞ!!」

 

「おうよ!」

 

「わかってるわよー!!!」

 

 

「いよっしゃー! ラヴァ・ゴーレムに挑みに来てよかったー!!」

 

「経験値うまうまだぜヒャッハー!!!」

 

「レベルが爆上げじゃーい!!!」

 

 

「やっと水晶蠍を倒せたと思ったら一気にレベルが90も超えたんだが!? さっきのアナウンスも何なんだよ!? 経験値取得量が100%だと!?」

 

「急いでポイントを振って蠍を倒すぞ! ここは間違いなく絶好の狩場になるって!」

 

「あ、他のプレイヤーが大量に来た!? ぎゃー! 蠍の群れも来たー!!?」

 

「焦るな! もう一度同じ連携で倒すんだ!」

 

 

―――っと、旧大陸ではきっとこんな感じにお祭り騒ぎになっているだろうな。

 

「―――みんな、さっきのアナウンス通りそういうスキルなので、頑張って! 本当にこの効果は使ったらは二度と使えないから!」

 

「なんだってー!? ま、それは当然だわな!」

 

「そうだな! こんなチートスキルが簡単に使える筈がない!」

 

「話している場合じゃないぞ! 急いで恐竜狩りをしなくちゃレベルが上がらない!」

 

「この機にレベル100以上にしなくちゃ!」

 

「お先に失礼するぜー!!!」

 

「パーティーを組もう! 誰か、パーティーを組んでくれるお仲間はいらっしゃいませんかー!」

 

「ここにいるぞー!」

 

行動に移す仲間達を見ていると、イッチョウと目をキラキラ輝かせてるイカル、イズとセレーネが寄って来てパーティー申請を送って来た。ペイン一行は・・・・・迅、もういなくなってるし!

 

「よーし、数多の恐竜をおびき出して一網打尽の作戦をするわ」

 

「探すより向こうから現れる方が楽だしね」

 

「頑張りましょう!」

 

「セレーネ、行けるわね?」

 

「うん、準備は整ってるよ」

 

ということで俺達は山頂から降りて森の中で火を放ち、数多の恐竜を帯び寄せては事前にサイナが工作してくれた大穴の落とし穴に落とし、言葉通り一網打尽にして経験値を多く得た。全員分の経験値20%が互いの経験値として増えるから面白いほどレベルが増えていく。

 

{脱帽ものです。クロエが見ていたら驚きます}

 

「そのクロエは神獣使いのみで世界を渡ったのか?」

 

{戦闘力はありませんが、装飾品を創っていた記憶があります。どれもお世辞にも素晴らしいものではありませんでしたが、私の死後でもきっと何かを最期まで創っていたと思います}

 

装飾品・・・・・。もしかして、神獣使いの指輪だったりするのかな? あとで確認してもらうとして、イッチョウがお代わりを連れてきた恐竜というごちそうを平らげないとな! ―――おい待て、何でケツァルコアトルまで!? ―――しかもユニークのぉおおおおおお!!!

 

一時間後・・・・・。

 

「おおー! みんな、かなりレベルアップしたなー!」

 

艦に呼集してもらったメンバー全員が、100レベルを越えていた。主力のプレイヤーを除けば、平均レベル115~130台だ。それに比べて主力の俺達は―――。

 

「勇者の称号を持ってるプレイヤーは180~211だな。第2陣プレイヤーのイカルまで150も超えてるし、メイプルはその下の140台か。他の第2陣のプレイヤーも無事に100レベルを越えたか」

 

「お前のスキルがここまでチート過ぎるんだ」

 

「だよねー。だから公式ランキングで全プレイヤーの総合レベル順位が100位以上先まで【蒼龍の聖剣】のみんなで占めて、総ナメになってるよ?」

 

「掲示板でも騒いでるよ。レベル上げ祭りが始まったーって」

 

ハッハッハー。チートではないよ? スキルの恩恵だから、大量の恐竜を倒して得た経験値とレベルだからチートではないよ?

 

「因みにイカル。【NWO】ってスキルは?」

 

「えっと、ないです」

 

「運営の計らいか。ま、当然か。俺の報酬なんだし」

 

「その報酬って何をしたら貰えたのよ?」

 

そりゃイズさん。

 

「CMと主題歌の協力」

 

「あ、納得。もしかして他にも貰ってる?」

 

「一言で言えば・・・・・イカルが凄ーく喜ぶスキルを少々」

 

(((((((絶対に女の姿になる変身スキルだ)))))))

 

なんか、悟った目で見られてくるのは気のせいだと思っておこう。

 

「んんん! さて、諸君! 新大陸で活動するのに必要な最低限のレベルにまで上がったと思うが、他の新大陸には200も300も、さらにもっと上なレベルのモンスターがいるのは確実だ」

 

会議室にて腰を落としているメンバー全員に告げる。

 

「最低限のレベルとはいえど、簡単には負けない強さを得た。ぶっちゃけ、ユニーク以外の恐竜なら勝てるだろ俺達はって気分だ」

 

同意、同感の意味が孕んだ笑い声が聞こえた。

 

「俺はこの後、ビーチに『世界の社』を設置してくる。その後【蒼龍の聖剣】は別の新大陸に目指したいと思ってる。質問は?」

 

「はい!」

 

「はい、ウンディーネ大好きオイレン君」

 

「何その名指し!? 合ってるけど! えっと、次の新大陸はどこに行くか決まってたり?」

 

「んー、この大陸の周辺にある新大陸の一つ『フェアリーテイル』って名前の国だ。名前的に妖精が住んでいるんじゃないかな?」

 

「妖精、イイネ!」

 

「妖精キター!!」

 

小さい妖精がたくさんいる国に、迷惑が掛からないのだろうかそこが心配ではある。

 

「ダイナ、因みにだが擬態する恐竜の見分け方はある?」

 

{簡単です。恐竜の皮を纏い自然一体と化して擬態したまましばらく待てば擬態する瞬間が見れます}

 

「それ以外は?」

 

{可能ならば嗅覚が鋭いモンスターを従えるのがコツです。姿を隠し通せても匂いまでは隠し通せませんからね。恐竜の皮を嗅がせて探してもらうのが一番ですよ}

 

予想通りの方法だったか。臭い・・・・・匂いか・・・・・?

 

「ありがとうダイナ。えー、話を戻させてもらうけど違う新大陸に行く日は明日で一週間だから、区切りのいいところで明日の朝9時から出発する。ビーチに別の『世界の神社』も設置するから、まだこの大陸に残りたい者は神社を介して来てくれ。お前達いいかな!」

 

「「「「「わかった!」」」」」

 

「「「「「はーい!」」」」」

 

「おし、それじゃあ時間取らせて悪かったな! 自由に活動してくれ! 死に戻りしたプレイヤーは他のプレイヤーに助力を求め、助けを求められたら可能な限り助けて、助け合ってほしい! 話は以上、解散!」

 

と、そう言った直後に一人のプレイヤーが挙手した。

 

「白銀さん! 一度旧大陸に戻って恐竜パレードをしたいんだが!」

 

「どこからどこまでだ?」

 

「11エリアから始まりの町まで!」

 

提案したプレイヤーの他に、結構乗り気なプレイヤーが多い。ふむ・・・・・そういうことなら。

 

「じゃあ、パレードの企画に参加したいプレイヤーは待機して、参加する気が無いプレイヤーは自由に動いていいぞ。ただ、パレードの時に恐竜の背中に乗ってみたいなら後でギルド掲示板で開催時刻を投稿するから確認してくれ」

 

了承の声が多々上がり、恐竜をテイムしたプレイヤーの殆んどが会議室に残って、企画の準備を始める。やるからには映画を超えるようなド迫力な演出をしたくなるのはしょうがないよなー?

 

 

運営side

 

 

「白銀さんからのメールが来た?」

 

「っす。何でもある曲を夜間限定、それも一定時間流してほしいそうです。その内容がまたぶっ飛んでおりまして」

 

「どれどれ・・・・・上に許可を貰ってくるわ」

 

「即答とは珍しいですね」

 

「当然だ。まだ旧大陸にいるプレイヤーの刺激になるかもしれない頼みだぞ。プレイヤー達は流れる曲と共に目の前で見せつけられる実物を見て驚きながらも、いつか絶対に行きたいって思うはずだ。プレイヤー達が向上心に燃えてくれる独自のイベントをプレイヤー達がするなら、運営の俺達もそれぐらいはしなくちゃよ」

 

「俺達の負担にもならないっすしね」

 

「これで二度目ですね。プレイヤー達が自分達でイベントを興すのは。主任こういうのはどうです? 今度のイベント、各々のギルドが考えた催しを開いてもらって楽しんでもらうのは?」

 

「ははは! そいつはいい! 自主性があって盛り上がるな! それも今から運営に掛け合ってくるわ」

 

「絶対に許可を貰ってくださいっす! 運営が徹夜せずに済むイベントは一度ぐらいあってもいいっす!」

 

「私からもお願いします」

 

「ちょっと本腰を入れてくるわ」

 

 

まさか運営が許可をしてくれるとは。しかもメールには『自主的なプレイヤーのイベントを参考に次のイベントも決定しました。運営一同は【蒼龍の聖剣】一同に感謝します』って内容のメールが送られてきた。俺達の考えたイベントで次のイベントが決まったって・・・・・大丈夫なのか運営?

 

とにかく運営も協力してくれたのはデカい。やっぱりあの曲が流れた状態でパレードをしたい。そのことをパレートに参加する仲間に教えれば大盛り上がりだ。恐竜パレードの決行は・・・・・今日の夜。東西南北の第9エリアから始まり、別れて始まりの町へ進む・・・・・。ただそれだけのイベントだが、数多の恐竜が歩く大名行列だ。俺達を見てくれるプレイヤーの感想が早く見てみたいもんだ。

 

「楽しむぞ【蒼龍の聖剣】!」

 

「「「「「「「「「「よっしゃー!!!」」」」」」」」」」

 

まだ始めていないのに気合を入れる仲間達に不敵の笑みを浮かべながら拳を突き上げる。

 

 

―――21:00

 

 

静かなNWOに耳を疑う出来事が起きた。それは存在しない筈のMMORPGに曲のBGMが流れだしたのだ。足を思わず止めてしまうプレイヤー達は考察する。

 

「何だこれ、何の音楽だ?」

 

「イベントの告知か?」

 

「運営からのお知らせにはそんな告知は無いぞ」

 

「・・・・・これ、恐竜映画の音楽じゃん。でもなんで?」

 

「これから何かが起きるのか―――?」

 

「―――なんだと!? いや、それマジなのか!?」

 

「うお、なんだよお前? 何かわかったのか?」

 

「俺の友人が東西南北の第9エリアで恐竜の大群が歩いているって!」

 

「アホか。旧大陸に恐竜なんているわけないだろ」

 

「・・・・・いやお前、どうやら本当らしいぞ。掲示板にもそんな話が挙がり出して証拠のスクショもたくさん投稿されてる」

 

「え、本当なの!?」

 

「しかも、恐竜の背中に乗っているプレイヤーがいてだな。間違いなければ【蒼龍の聖剣】だ。ペインの姿が確認できてる」

 

「―――いつもの白銀さん現象かよぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

「じゃあ、この流れている音楽も白銀さんの仕業!? テイムした恐竜をたくさん連れて!?」

 

「いや、殆どの恐竜・・・・・全部プレイヤーの名前が浮かんでるから、ベヒモスに変身できる白銀さんのように【蒼龍の聖剣】のプレイヤー達も恐竜に変身できるようになったんだと・・・・・思う」

 

「「「「「えええええええええええええええええええええええ!?」」」」」

 

東西南北、夜に紛れて歩く大量の恐竜達の姿がプレイヤー達の視界いっぱいに入る。鈍重な足音を鳴らし地面を揺らす恐竜たちの背にはプレイヤー達が跨って、歩く恐竜の動きに合わせて身体を揺らす。途中のエリアでエンカウントしたモンスターは恐竜達を目の当たりにし、一目散に逃げ惑った。

 

 

オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

 

ブォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!

 

ガオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

 

ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオー!!!

 

 

やがて我が物顔でエリアを闊歩する恐竜達を見たいがためにプレイヤー達が集まり、一緒に歩いたり無遠慮に身体に跨ってそのまま便乗する形で始まりの町へ向かう。途中にある洞窟に進まないと先に行けないエリアがある時は、集合場所へ転移した。BGMが流れた同時に歩き出して始まりの町へ目指した別動隊は。

 

「きょ、恐竜だぁああああああああああああ!!?」

 

「本当に歩いてきている! しかも何か奇妙奇天烈な恐竜が多いな!?」

 

「やべぇー! この音楽に合わせて歩く恐竜が格好良く見えるー!!」

 

「うぉおおおおおお!!」

 

各平原や森を抜けて、始まりの町に着いた。それも同時に四方向からたくさんの恐竜達が着いて合流を果たし、始まりの町に入らず周回するように歩く。その時間は10分。呆然と自分達の姿に目を焼き付けるプレイヤー達の反応に満足したのか、全員来た道へ戻って始まりの町を後にした途中で。

 

「「「「「【テレポート】!」」」」」

 

全ての恐竜が一斉に忽然と何かを言って姿を消した。恐竜の背中に乗っていたプレイヤーは、高い所から落ちる羽目になったが誰も気に留めず、恐竜のパレードについて掲示板で多く語り合った。それを一緒に見ている【蒼龍の聖剣】は反応は上々と判断して大いに沸いた。

 

「いえーい! 凄く楽しかったぜー!」

 

「ふははは! 俺の恐竜を見て驚いていやがったぞー!」

 

「俺なんて直接プレイヤーに飛び掛かって驚かしてやったぞ!」

 

「俺も俺も!」

 

「はー楽しかったー! またいつかやってみたいなー」

 

「わかるわ。だから本当にこのギルドに入れて心底よかったと思うよ!」

 

「本当それな! 他のギルドじゃあ絶対にやらないって!」

 

「こういう楽しみ方もあるんだな・・・・・!」

 

「あったりまえだろ! 強くなることや物作りすること以外の楽しむことがあるさ!」

 

【テレポート】で【蒼龍の聖剣】のギルドハウスに戻って、新大陸に停泊している水瓏へトランスポーターで帰るメンバー達を他所にハーデスは久しぶりに戻った家にいるリリア達と過ごした。

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