バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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新たな従魔と可能性

旧大陸に戻って解散し、思い思いに過ごすことにしていた。テイムした蚕の能力を確かめようとしたかったが、オルト達が忙しなく知らせに来てくれた。

 

「ご主人! 卵が!」

 

「お、やっとか」

 

高級孵卵器にセットしておいた卵。スライムとフェンリルの群れに訪れた時にもらった卵。安置した居間の方へ足を運べば、ゆぐゆぐ達が既に集まっていて新しい仲間の誕生の瞬間を待っていた。卵の方は罅が広がっていたからギリギリ間に合ったようだ。俺が二つの卵の前に座ろうとした時、卵が割れたから。

 

「ガウー!」

 

卵から白銀の長髪から犬耳と腰辺りにモフモフな尻尾を生やした15、16歳ほどの少女が出てきた。スライムの卵からは金色のスライムが出てきた。

 

 

 

名前:サラ 種族:人狼(フェンリル)

 

契約者:死神ハーデス

 

LV30

 

HP 570/570

 

MP 120/120

 

 

 

【STR 75】

 

【VIT 59】

 

【AGI 85】

 

【DEX 51】

 

【INT 50】

 

 

 

スキル:【凶暴化】【狼化】【嗅覚】【超加速】【神殺し】【斬撃強化】

 

    【弱肉強食】【本能】【遠吠え】【咆哮】【捕食】【採取】

 

    【狩人】【狩猟】 

    

    

 

 

 

名前:ゴールデン 種族:スライム

 

契約者:死神ハーデス

 

LV10

 

HP 10/10

 

MP 60/60

 

 

【STR 1】

 

【VIT 12】

 

【AGI 15】

 

【DEX 1】

 

【INT 1】

 

 

 

スキル:【悪食】【捕食】【収納】【物理無効】【魔法無効】【逃走】

 

    【超巨大化】【増殖】【擬態】【偽装】【模倣】【液体金属】

 

    【アイテム融合】

 

 

サラの【神殺し】の効果は凄いと言わざるを得ない。なんせ破壊不能のモンスターにHPを付与した上でダメージを与えてくれるのだ。【遠吠え】はフェンリルの群れを呼び、対象に攻撃させるスキル。【本能】は危機を察知したりクリティカルヒットを与えやすくなるスキルらしいな。【弱肉強食】は言わずともサラよりレベルが下回るプレイヤーやモンスターのステータスがその分加算して、サラの方が下回るとステータスが-50まで下がってしまう。

 

 

ゴールデンの方はもはやチートだろ。状態異常でなきゃ倒せんスキル構成だぞこれ。にしても面白いスキルばかりだ。【擬態】は俺自身に変身するがスキルの威力は半分になってしまうが便利なのは違いない。【偽装】は【擬態】のように俺が装備している武器か防具になって被ダメージを肩代わりにしてくれる。【物理無効】と【魔法無効】のスキルを持つゴールデンならば、状態異常以外の攻撃ならば全て守ってくれる頼もしさがある。【液体金属】の方は身体を液体状にして相手の攻撃を防ぐスキル。『宇宙の星塊』みたいなもんだな。【アイテム融合】はその名の通り、二つ以上のアイテムをまったく新しい一つのアイテムにする錬金術師のプレイヤーが欲しがりそうなスキルだ。【模倣】は相手や俺のスキルを見た後に真似て使用するカウンター系のスキルだ。

 

「二人共、これからよろしく頼むな」

 

「ガウ!」

 

サラは満面の笑みで頷き、ゴールデンはぷるんと揺れた。

 

「さて、最後はお前だ」

 

蚕神の雲頭を撫でる。こいつはこいつで生産職のスキルがあるんだよな。特にこれが興味ある。

 

【万物糸生成】

 

蚕神の幼虫に与えた素材アイテムを糸に生成するスキル。

 

 

ということで、試しに糸をつくってもらった。素材アイテムなら、オリハルコンはどうだと気持ちで出してみるとあら不思議。最も硬い鉱石がガリガリと囓り食べるではないか。完全に食べ終えるまで見守る俺達の目の前で、硬い鉱石を食べた幼虫は一本の糸を吐き出した。キラキラ輝くそれは束になっていき、綺麗な繭が出来上がった。

 

『最硬金属製の繭』

 

品質10 レア度10

 

【ステイタスポイント】+550

 

 

世界一硬い繭。この繭を扱うには熟練者の手腕が必要となる。

 

 

ほう・・・・・、古匠のような職業のNPCの協力が必要と? しかもこれは何だ、この繭を装備に製作した後にポイントを振り分けることができるのか? じゃあ次は思いきって宝石にしてみようか! ほーら、これも糸にしてくれー。

 

興味津々て蚕幼虫にあれやこれやと繭を作ってもらっていれば、身体を魔改造したラプラスが現れて、製作意欲を高ぶらせてしまって、試作品を作りたいとねだられては渡して作らせるしかない。正直、ラプラスが作るアイテムは俺も気になるからな。

 

なので、ある程度の繭を確保できたら布を扱う生産職プレイヤーに持ち込んでみたら。

 

「ちょっっっ!! なんなのこれぇえええええええ!!?」

 

素っ頓狂に驚き、籠から大量の繭を取り出して【鑑定】するプレイヤー達は目を疑う。

 

「はっ・・・・・? 宝石の繭に金属の繭って、なに?」

 

「蚕にオリハルコンと宝石を食べさせたらこんな繭が出来た。さらにこれらを融合させたらこんなのが」

 

新種の素材、布になり得る繭を見せると鬼気迫る女性プレイヤーから肩を掴まれて懇願された。

 

「・・・・・ちょっと、これを買わせてください。こんな未知な糸が、布が出来上がるアイテムを目の前にされちゃあ黙っていられないです」

 

「普通に譲るぞ。だけど極めて少ない上に生産性が厳しいから腕を極めてから扱ってほしい。完成したら見せてくれ」

 

「わかりました―――全員、集合ッ!! 気合いをいれる会議を始めるわよ!」

 

彼女の号令で集まった男女のプレイヤー達。俺から受け取った繭のサンプルを囲んで、わいわいと盛り上がる。今のあいつ等の段階でこのアイテムを手出しできるか分からないが・・・・・布、服か・・・・・あ、そう言えば。

 

「―――お母様に会いたい?」

 

ホームに戻ってノームと畑仕事をしているアカーシャにアポを求めた。

 

「そう、魔王の奥さんは服を作るのが凄いという話を聞いたことがあってな」

 

そう言った途端にアカーシャが憐れみと同情、心配する顔になったのはなぜか。

 

「・・・・・あなたもついに女装を」

 

「違うからな?」

 

満面の笑みで固めた顔でスゴむ。理由が見当違いのまま勘違いされたくないから実物を見せた。

 

「なにこれ」

 

「これから糸が作れて、糸で布を作るものだ」

 

「布が・・・・・ああ、そういうことね?」

 

わかってくれたか、と理解してくれたと思って頷いた。が、アカーシャはいたずらっ子の笑みを浮かべた。

 

「あなたが自由に女になれるから、自分用の可愛らしい服をお母様に作ってほしいのね」

 

よーし、そこまで俺にお仕置きされたいなら喜んでやってやる!

 

「なに? ちょっと、私の頭の横に拳を(グリッ!)にゃああああああああ!?」

 

 

数分後・・・・・。

 

 

「・・・・・っ」

 

「次、からかったら攻撃力極振りの状態でしてやるからな」

 

「止めてよ!? 私の頭が穴空いちゃうよ!」

 

だったらもう止めろ、と割りとマジな目で見つめるとアカーシャは降参した。ようやく本題に戻れる。

 

「これを糸にするには相当の腕の技術が必要となるみたいなんだよ。ルシファーならこの繭を扱えるか聞きたいんだ。あわくば、ギルドメンバーに先達者として教えてやってほしい気持ちもある」

 

「なるほどね。そういうことならお母様は喜んでやってくれそう。いま聞いてくるわ」

 

冥界と繋げた空間を潜って座敷部屋からいなくなった。待っている間にリヴェリアが蚕の繭を見て、実家に持ち帰りたいと言い出された。

 

「これを布にできるエルフかいたのか?」

 

「このような繭は見たことありませんが、私達の衣類は自然から作っているのです。虫が出す糸を道具にするなど珍しくありません。しかし、金属の糸と宝石の糸は生まれて始めてみました。これはとても美しい物ですね・・・・・これらを布にしたらどのような物になるか興味深いです」

 

掌で繭を弄るリヴェリア。なら今度、これらを渡してよこんでもらおううか。

 

「連れてきたわよ」

 

帰ってきたアカーシャの後ろにルシファーがゲートから出てきた。

 

「おー久しぶり、来てくれたんだ」

 

「とても興味深い布ができる糸の素材を見たくて」

 

「ではご覧あれ。これがそうだ」

 

ルシファーは繭を見た途端に目を輝かした。そういや、冥界ってどうやって布を作っているんだろうか?

 

「これはっ、布を扱う生産職の世界で革命が起きるわ! 輝くだけでアクセサリーしか用途がない宝石が、布にも使えるなんて夢みたい!」

 

現実ですがねー? や、仮想現実世界だから夢みたい、なのか?

 

「この技術はどうやって?」

 

「技術ではないんだ」

 

雲蚕を呼んで、実際に宝石の繭を作ってもらい三人に感嘆の息を吐かせた。

 

「与えれば何でも繭にできる?」

 

「金属と鉱石、宝石もできたからおそらくは」

 

「ならば、冥界しか手に入らない魔宝石も繭にしてくれない?」

 

まほうせき? 魔法の石のことかと聞けばニュアンスは同じでも物が違うようだ。

 

「魔力が宿った宝石、それが魔宝石。純度が高いほど悪魔の力を高め、魔法の威力も増大する。本来なら加工して武器や防具、装飾品に装着するものだけど、それが布になるならばこれほど便利な物は他にないといっても過言じゃないわ」

 

「聞くだけでもとても私達エルフも他人事ではない代物ですね」

 

「あなたも興味ある? だったら魔王の妻同士、後で語り合いましょう?」

 

「ええ、喜んで。しかし糸の製作にあたってやはり相応の道具が必要では?」

 

リヴェリアの指摘は的を得ていると同意するルシファー。

 

「魔宝石の加工にも、ミスリル鉱石が必要なのよ。魔力の伝導率が高い道具が無ければ魔力が籠ったものはどうすることもできないから」

 

「魔法石を繊維にしてしまうから特別な道具は必要ないんじゃないか?」

 

「それは通常の物とミスリル製の道具を使い分けて実際に作ってみないと分からないわ。完成した物の性能に大きな差が無ければどっちでもいいとは思うけれど、差があるなら性能が高い方がいいじゃない? というわけであなたにお願いがあるわ」

 

自然に発生したクエスト。・・・糸繰の道具の素材を大量に持ってこないといけないのかい。求められる品質も最高だし、これは一苦労するな。

 

「集めることは出来なくないが、道具自体作れる職人はもちろんいるんだよな?」

 

「悪魔の寿命は伊逹じゃないことを証明してみせるわ。それじゃあ、楽しみにしているわ人間界の魔王」

 

ルシファーは冥界に帰ると早速、素材集めに精を出す。さっきの話を聞いたら素材も魔力がある方がいいだろう。となれば・・・・・水晶樹がまた必要になるな。

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