自由にスキルが使える開放感を兎御殿のスキルショップに戻りながら味わう俺。
改めてスキルを組み合わせに来た事を伝えると、俺の前にウィンドウが表示される。見れば今現在俺が習得したスキルが羅列されており、二つ選べばどのようなスキルが生まれるのかを事前に見ることができるらしい。
成る程、何ができるか分からないみたいなタイプではないようだ。ええと何々、これとこれを混ぜてこれになって・・・・・。
「ああそうだぁ、レベルがあるスキルって高いもの同士で組み合わせた方がぁ、より良いスキルになるわぁ」
「ふむふむ」
そう言われるともっとレベルを上げたくなるけど、今からだと時間はかかるからまた今度にしよう。ちゃちゃっと決めるか。
「あ、合体させたスキルってもう解除できない?」
「できるわよぉ、でも、かなぁりお高いから慎重にねぇ」
おっしゃ! それならお試し期間でやってみようじゃないか!
・・・・・10分後。
合体させたスキルは以下である。
【同調リンク】【天上天下唯我独尊】=【統率者】:一日に一回、自身のステータスと一部を除くスキルを同ギルド、同じエリアにいる全プレイヤーに付与する
【海王】【水神の加護】=【海神の加護】:潜水時、溺死しなくなる。MPを消費することで以下のスキルが使用可能になる。
【海神の海】:『海』を召喚し意のままに操ることができる。
【フリアティク・エクスプロージョン】:一定の確率で『燃焼』の状態異常を付与する
【深淵の海】:すべての攻撃を無効にする。再使用時間5分
【低体温症】:スタミナの減少をさらに早める
【生命簒奪】【精気搾取】=【魂魄喰者】:20%の確率でダメージを与えた相手から25%分のスタミナを奪い、さらにその半数を自身のスタミナに変換するスキル。容量オーバーのスタミナはHPの回復に蓄積される
【水中探知】【地中探知】=【ダウジング】:目では見つけれない場所にあるアイテムを発見するスキル
【身捧ぐ慈愛】【大天使変化】=【ガブリエル】:HPを消費することで以下のスキルが使用できる
【等価交換】:HPを500消費することで死に戻りしたプレイヤーを復活させる
【聖歌の祝福】:自身を含め同じエリアにいる味方プレイヤーに自然回復(大)、状態異常無効、『系統:悪』のスキル無効の効果を付与する
【身捧ぐ信仰】:このスキルを発動したプレイヤーに信仰を捧げたプレイヤーが【カバー】の効果が得る
【フリーダム】:全攻撃を反射する。使用にはHP500が必要
【連結】【連鎖】=【アサルト・チェーン】:対象を拘束し、スキルと逃走を不可にする
【太陽神】【黒帝鳥】=【
【太陽フレア】:MPを250消費することで半径三十M内でスリップダメージが生じる炎を残す爆裂魔法を放つ
【ゴットバード・ストライク】:10秒間、STRとAGIが+500となり、ありとあらゆる攻撃を無効化にする。その後、30分間は使用不可
【熱殺光線】:炎と光系統スキルに20%の即死効果を付与する。
【
【光合成】:使用すると、十秒で最大HPとMPの10%HPとMPを回復する。効果持続時間は十分。消費MPなし。【光合成】時にはあらゆる攻撃行動を取れなくなる。
【戦神の火吹】:半径二十M以内にいる相手に無数の火炎を放つ
・・・・・こんなもんでいいだろう。
「エルお姉さん、お勘定よろしくー」
「あはー、ありがとうございまぁ~す!」
結構な額を払いながらすっごく上機嫌な兎にあることを尋ねた。
「兎御殿で商売するより人間がいる大陸で商売した方がいいんじゃないのか?」
「そうなのだけどぉ、スキル同士を統合させることできるのは私だけでぇ、私を狙う悪い人が攫う危険があるわぁ」
ヴァッシュの計らいか? 俺の店に来て働いてみないかって誘っても今は断られそうだな。
「そういうことだったら今の状況が安心できるか。俺が暮らしている始まりの町って場所で商売すれば今よりかなり儲かるけど、そう思っているなら金より命の方が優先しなくちゃな」
「あらぁ、本当に儲かっちゃうのぉ?」
「俺達冒険者は優先的に強くならないとだめだからな。大金を積んででも強くなって色んな場所で冒険がしたいのさ」
「そうなのぉ、う~ん、そういうことならぁ、おとーさんに相談してみようかしらぁ」
自分の国に引き籠っていないで、外の世界を見た方がいいぞと気持ちを抱きながらエルと別れスキルショップを後にした。小休止しようと借りれる居間で腰を落としたところで質問。
「そうだ、エム」
「なんですわ?」
「俺達冒険者がラヴィッツから離れた後、どうやってまたラヴィッツに来ればいいんだ?」
「それでしたらおと・・・カシラからこう言われているんですわ」
―――おめぇらの目で見た見込みがある、力を貸してやってもいいヴォパール魂がある奴に手ぇ貸してやんな
「と! ですのでアタシが魔王サンの力になるんですわ!」
『魔術兎エムを正式に仲間にしますか? YES/NO』
ここんとこ、NPCを仲間にするパターンが多くなってきたな。YESを押すとエムが嬉しそうに跳ねて喜んだ。
「よろしくな」
「よろしくですわ!」
兎の手と握手を交わし、エムのテレポート魔法で旧大陸に戻った。・・・・・NPCにもその魔法があんなら、俺のテレポート不要じゃね? と思ったが、エムがその魔法を使うには各エリアの町まで赴き、そこで座標を登録しなくちゃならない必要があるとのこと。うん、まんま俺のテレポートのスキルと同じですねぇ!
「エムのテレポートは俺だけしか入れない?」
「他の冒険者サンも一緒に入れるのですわ」
ただ唯一違うとしたら、他のプレイヤーも利用できる点だ。どうやら他の兎も各々、兎御殿に行き来する術はあるものエムのように複数人以上通ることはできないようだ。
「でもでも、それはラヴィッツに案内できる話ですわ。兎御殿はカシラとラヴィッツの王様のエーお兄ちゃんが認めた冒険者サンじゃないとダメなんですわ」
「なるほど、教えてくれてありがとう」
日本家屋に戻り皆にエムのことを紹介するつもりでいたが先客がいた。
「マスター、ルシファー様がお待ちです」
「意外と早いな」
彼女が待っている部屋へ訪れると、ルシファーだけでなくアカーシャの父親である魔王までいた。
「やぁ後輩。小国といえ、王侯貴族から国を奪うとはやるじゃないか。冥界も久しく歓声で沸き上がったよ。特にその後の戦争が特に幹部も含めて民達がキミのことを称賛しているよ」
「先輩は俺みたいなことしなかったのか?」
「する余裕がなかった、としか言えないかな」
「あー奥さんに二重の意味で毎日迫られていたからか」
「違っ―――!」
「半分は当たってるわね。ええ、二重の意味でね? もう半分は水面下で裏工作に力を入れていたから貴方のようなことをする余裕がなかった」
ほほう? 迫られていたのは事実とはお熱いですな先輩? ほれ、羞恥心でいっぱいだからってぷるぷる震えていないで要件を言え。
「で、魔王はルシファーの付き添いで? あ、ラプラスとは会った?」
「会っていないよ。別に彼女と顔を会わせる必要がないし。僕は後輩に提案をしに来たんだ」
「提案?」
改めて冥界の魔王にならないか? って誘いか? それだったら断るが・・・・・。
「冥界の悪魔達、特に魔王軍をキミの元に置く気はないかな?」
「魔王軍の? 何で?」
「キミの周辺は何かと争い事が堪えない。今回だって僕たち魔王軍と無関係な戦争が起きたし、これからもきっと後輩を中心に戦争が起きるかもしれない。そのための兵力だよ」
あんまり否定できないことを言われると、必要かもしれないって思ってしまうわ。
「魔王軍の兵力ってどんぐらいだ?」
「ざっと100万だ」
「多い・・・・・少ないか?」
「僕が魔王になる前でもこの数だったよ。後で知ったんだけど、悪魔の出産率って低いみたいで中々新生児が増えないんだ」
どこかで聞いた話ですねぇー。ま、そんな低い確率で二人の間に愛の結晶が恵まれたのはよかったと思うよ素直に。
「アカーシャが生まれてよかったな」
「時間も場所も問わず頑張ったからね」
「シルファ!?」
・・・・・会えてなにも言うまい。
「魔王の提案は否定できない部分はあるけど、仮に受け入れたらどーすんの?」
「戦争の時だけ、キミの号令で駆け付けれるよう手配をするよ。キミのホームを駐屯地にしないから安心してくれ」
「拒絶したら?」
「なにも変わらないよ。ただ、この提案は後でからでも有効だから後輩を煩わせることも面倒もかけないよ」
そういうことなら・・・・・そうだな。
「取り敢えず保留だ」
「わかったよ。必要だったらアカーシャに言ってくれ」
「あいよ。さて、次はルシファーだけど、完成したのか?」
「もちろん。用意してくれた素材がよかったから完成度も高いわよ」
ルシファーの前に発現した魔方陣から出てきた物。なんか、なんだこれ・・・? 俺が知っている道具の形状が違うぞ・・・・・?
「これが? 初めて見たけど冥界では糸を作る道具なのか? 」
「ええ、私も使いたいぐらい最高品質で最高級、冥界産の糸を作る道具よ。これを作った技師たちも全身全霊であなたの為に作り上げた一品」
『冥界産 水晶紡績機』
レア度10 品質★10
「あと余った素材で織機も作らせたけれどよかったかしら」
「十分すぎる!」
『冥界産 水晶織機』
レア度10 品質★10
ルシファーが召喚したそれらは、水晶樹の輝きを損なわせてない紡績機と織機だ。冥界にいる技師の悪魔達、凄く感謝するよ。
「気に入ったようでよかったわ。彼等も名誉だと喜ぶでしょうね。だからこそあなたにお願いがあるのだけれど」
「なんだ?」
「また水晶の木材を確保してくれない? 冥界にいる職人たちが水晶の木材と鉱石をとっても欲しがってて」
「時間をくれるなら集めてくる。その代わりと言ってなんだけど、またこの二つをもう五つずつ作ってほしいんだけど」
不思議そうに首を傾げるルシファーに理由を言うと、微笑みながら頷いてくれた。
「わかったわ。それじゃあ用意出来たら娘に教えてね?」
「近い内に用意するよ」
「キミが織機で完成させる物ができたら見せてくれ。楽しみにしているよ」
冥界へ帰る魔王夫婦を見送った。敢えて指摘しなかった魔王のチャイナ服はとても似合っていたのが心底複雑だった。こんな俺の気持ちよりも魔王自身の方が複雑極まりなかっただろうよ。
「さて、気を取り直してリリムの服の下準備をしなくちゃ」
忙しくなるぞー!