バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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闇神の眷属【堕天の王】

 

闇神が口の端を少しだけ吊り上げた。

 

《さて、せっかく死の空間まで来てくれたのだ。我の為に余興をしてもらいたい》

 

「余興?」

 

《この月には様々な海があるように様々な生物がいる。それらをお前達のやり方で攻略してみよ。その様子を我は見ている。そして攻略した暁には我から褒美を授けよう。特にいち早く終えると与える褒美の数は多い故、励むがよい》

 

ここでクエストが発生した。エクストラクエスト【月を完全攻略せよ】―――時間制限はないのはありがたい。しかもギルドのクエスト?

 

「闇神、死の空間まで連れて来た俺達の従魔達も活動できるよう頼めるか?」

 

《すでにしてある。言ったはずだ。我が敷居内であれば不細工な物を着る必要ないと。我が敷居はこの月全体である》

 

月全体か・・・ということは・・・・・。

 

「勝手に月の砂と石を集めて持ち帰ろうとしちゃっているけどダメだよな?」

 

《構わぬ。些細な量で喜ぶのであれば世界に持ち帰るがよい。何に使うか興味があるがな》

 

「ありがとう闇神。完全に攻略するまで余興を楽しんでくれ」

 

《うむ》

 

闇神の神殿=闇の神殿と呼称させてもらう神殿を後にする俺達。船の近くで遊んでいた仲間達にも同じスキルとクエストが発現したらしく俺達を待っていた。

 

「白銀さん質問! 月に海があるってマジで?」

 

「情報として月にはそう呼ばれている部分がある。『雲の海』、『しめりの海』、『みきの海』、『静かの海』、『ゆげの海』、『晴の海』、『危機の海』、『夢の湖』、『寒の海』、『雨の海』、『嵐の大洋』ってな」

 

「多いな!? その海も攻略しないといけないのか?」

 

「いやでも、攻略対象はモンスターっぽいぞ」

 

「月兎、月蟹、月光獅子、ムーンアリゲーター、月の魔女、月ロバ、月光蝶、ムーンマム、ムーンフロッグ、それ以外のたくさんのモンスターを一定数倒すだけの簡単・・・・・ではないだろうなぁ」

 

だって天界にいた巨人がレベル五百なら、さらにその果てのこの月のモンスターだったらその二倍にじゃないかって思う方が自然だろう?

 

「とにかく全員散らばって探そう。どこに何がいるのか教え合えば迷わずに済むし」

 

俺の提案に皆は頷き、四方八方に散らばる行動を開始する直前、元気よく挙手するプレイヤーが。誰かと思えば、俺の目の前に出てきた百派。

 

「ヒャッハー!」

 

「ああ、そうしようか」

 

『なにが!?』

 

今の会話のやり取りが成立した俺と彼が意味不明しすぎて総ツッコミをされてしまった。いや、百派が出てきたら自然とわかってしまうんだわ。

 

「歩くには広いからな。乗り物を出すからそれで移動してくれ」

 

「ヒャッハー! 以心伝心だぜ白銀さんよぉー!」

 

ということで【統率者】のスキルで強化と様々な乗り物に乗って、月面を駆ける仲間達と別行動する俺も従魔達とリヴェリア達を誘って歩いて移動する。

 

 

『いたぁー!! レベルは不明だけど超強い! ギリ勝てなくはない!』

 

『こっちは本を呼んでる女性がいるけど、格好的に魔女で魔法を使ってくるー!』

 

『ロバ、はぇーっ!!』

 

『追いかけてくるワニもめっちゃ速いぞ!?』

 

『ホワイトライオンを見つけたけど、テイムできないかな・・・・・』

 

『それ言ったら月ウサギちゃんもテイムしたいわよー!』

 

 

掲示板で報告し合う仲間達の投稿を眺めながらフェルとセキトの背に乗せたリヴェリア、アカーシャ、白雪と綺麗に咲いている花畑を見ていた。

 

「綺麗ですね。月に咲く花を見られるなんて」

 

「お母様が喜びそう。持ち帰っていいかな」

 

「冥界に月はないから地上でしか咲かないと思うぞ」

 

「うむ、後輩の言う通りだ。であれば月のエネルギーが宿った資源を集めて私の錬金術で咲かせる試みをしよう」

 

ということで集めてほしい、と促すラプラスに俺達は資源を回収するが、花畑の奥から月光を帯びた蝶の群れが現れて襲い掛かってきた。

 

「【相乗効果】【咆哮】【パラライズシャウト】【呪いの王】」

 

麻痺と呪いを浴び月光蝶達が花畑に落ちて継続的ダメージを受ける。更に呪いを重ねるとダメージが倍増した後に全ての月光蝶が散った。

 

「呪いか。恐ろしい力を得た後輩だな」

 

「本当なら使った反動がくるが、呪いに対する耐性が無効のお陰でリスク無しだぜ」

 

毒竜と同じく、無効化まで高めてからHPドレインで倒したら手に入った。【呪いの王】の効果はプレイヤーが死に戻りしても残る永続のダメージにデバフ。それもランダムだが身体機能を一部だけ奪う新規のデバフもの。MPを消費すれば内包されているスキルも使用できるのも同じだ。

 

「『月光蝶の翅』に『鱗粉』のドロップアイテムか。ラプラス、使えないか?」

 

「試してみよう」

 

受け取ったアイテムを調べるラプラスを見つつ、他のところはどうしているかなと仲間に意識を向けた。

 

 

 

フレデリカside

 

「【クインタプルスラッシュ】!」

 

「【反骨精神】【勇者の三閃・破砕】!」

 

「【瓦割り】!」

 

「【相乗効果】! 【悪食】! 【海大砲】!」

 

十メートルはある巨大カニの甲羅に防御力を大幅に下げる一撃を叩き込んだ後、三回の斬撃に伴う防御力の低下効果が付与した状態で連撃と膨大な水の塊をぶつける私達。無駄にHPが高くて防御力があり、動きも素早いモンスターを倒すのに苦労させられていた。

 

「硬い! 速い! ハーデスか!」

 

「いや、こっちの方が柔らかいだろ」

 

「それでも思ったより長引くぞこのクエスト」

 

「飛行能力を持っている蟹と戦うのは初めてだから仕方がない」

 

そう、地上で動き回っているだけでも翻弄されるのに空まで飛ぶんだよこの蟹。ハーデスからスキルを共有してくれなきゃこっちも対応できなかった!

 

「えっと、今ので5匹目だから残りは・・・・・45匹かぁ・・・・・」

 

「まず巣穴を見つけ出さないと倒せねぇからな」

 

「地上から探すのは骨が折れるぞ。空から探すっきゃねぇ」

 

「他の討伐の進行状況は・・・・・一部、もう倒し切ったモンスターがある」

 

どれどれ? ああ、月光蝶って蝶々か誰か・・・・・多分、絶対にハーデスだと思うけど頑張ってくれるね。マップ上で調べると私達と違う遠い場所にいるから、すぐに合流することもかなわないか。

 

「【月歩】」

 

ドレッドが宙を歩き始め、高い所から月蟹の巣穴を探し始めたところである方角へ指した。

 

「見つけたようだ。行こう」

 

「おう。さっさと終わらせようぜ」

 

「そうだね」

 

 

イッチョウside

 

うーん・・・モグラたたきもとい、ゲームセンターで見たことあるワニたたきを見ることになるなんてね。

 

「「えいえい!」」

 

ムーンアリゲーター。鋼のように硬くてゴツゴツとした外皮に覆われてて、斬撃系はちっとも通用しない。なんなら魔法だって当てようとするなら海に潜られて逃げられるし、回復されてしまう。そんな相手に困っていた仲間達の中に大活躍しているのが【STR】極振りのマイちゃんとユイちゃん。ワニに当てると一撃で倒してしまい、攻撃と同時に発生する複数の【火砕旋風】に巻き込まれて消えていく大量のワニ。私達も共有してくれたハーデス君のスキルと防御力、【反骨精神】で防御力を攻撃力に変換して今までにない力で戦っているのに、斬撃や刺突、弓矢が通用しないなら高い攻撃力は無意味・・・の筈なんだけど、打撃は何故か通用するという謎の設定が・・・・・。いや、ほんと何で?

 

ドッバアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

 

海から大爆発が起きた。見れば海に向かって爆弾を投げているイズと近づいてくるワニに複数の異形の手を従えて持たせているピッケル共々自前のピッケルと一緒に打ち下ろして攻撃しているセレーネに、何でピッケル? と首を傾げる。

 

「セレーネ、なんでピッケルで攻撃するの?」

 

「え? あ、えっとねムーンアリゲーターって見た目はワニなんだけど、ゴーレムみたいなモンスターだってわかったからだよ」

 

「・・・・・?」

 

「手に入ったドロップアイテムが鉱石系のアイテムなのよ。それも月の光を浴びると自己修復するって優れた効果付きのね。ピッケルで戦うのも、ハーデスと一緒に何度も岩石系のモンスターと戦う時はたまにピッケルで倒していたから」

 

ワニがゴーレム? って心底不思議がった私の心情を察したのかイズが説明してくれた。

 

「理解できたけど、その浮いている手って凄く見覚えがあるんだけど」

 

「ハーデスに頼んで集めてもらったの。採掘や伐採の時は凄く便利だよ」

 

「因みに私も集めてもらったわ」

 

あ、そうですか・・・・・。うん、この調子でノルマ達成できるなら問題ないよね。でも、だからって任せっぱなしにするつもりはないよ!

 

「ハーデス君の真似をさせてもらうよ! 【相乗効果】! 【悪食】! 【大嵐Ⅰ】! 【大竜巻】!」

 

【悪食】の効果がある二つの自然の力を目の前の海に放った。海水が吸い寄せられ、潜んでいたワニも巻き込まれる形で死の大嵐と大竜巻引き寄せられる。

 

「俺達もするぞ!」

 

「イッチョウと同じスキルを使うんだ!」

 

「「「【相乗効果】! 【悪食】! 【大嵐Ⅰ】! 【大竜巻】!」」」

 

他の仲間達も海に向かって私と同じことを始める。まさに自然災害の再現。これ、スクショ映えするよね。それに、ムーンアリゲーターの討伐数がどんどん増えて・・・あ、達成できた。まだ倒すべきモンスターは多いけど、ハーデス君が一番頑張ってくれるから今日中にクエストを終えるよね?

 

 

 

10時間後―――。

 

 

 

「ま、まさか・・・・・」

 

『ここまで時間がかかるとは・・・・・』

 

全てのモンスターを倒し切った。そこまではいい。だが、一度神殿前に集まった俺達は深ーい溜息を吐く。なんせ、月の裏まで遠征しなくてはいけなかったし、月の表にいたモンスターより裏にいたモンスターの方が遥かに強かった。侮っていたわけではないが、天界の巨人と挑んだ時のあの感覚を思い出すほどだ。俺だけでなく他のみんなもそんなモンスターを死に戻りしながらも倒してようやくだ。しかし、ここまで時間がかかるのはベヒモスと初戦闘以来だな・・・・・。

 

《ふむ、数日は掛かると見込んでいたが、半日で終わらせるとは》

 

神殿から闇神の声が聞こえてきた。彼女の下へ赴き再会した。

 

「すぐに終わってしまっては余興とは言えないか?」

 

《我が一回の瞬きをしている間に終わらせてしまったのが確かに余興とは言えんな。だが、その一瞬が中々の濃密であったのも事実。しかし、・・・ふふ、ロバを追い回す生物を見た時は笑えたものだ。故に我を愉しませた褒美を加えて―――闇を司る神と名のもとにお前達の願いを三つ叶えよう。それが報酬だ》

 

パッと青いパネルが俺達全員の前に浮かび上がった。

 

《そこに己の欲望を三つ具現化するとよい。己が勇者になりたいなら勇者にしてやるし、武器や防具が欲しいなら我の力で用意しよう》

 

「逆にできないことってあるか?」

 

《良き質問だ。例えるならばこの我を欲することができぬ唯一のことだ。神を欲するならば神にならねば話にならぬ。ああ、付け加えさせてもらえるならば超常の存在に転生することはできない。他に質問はあるか?》

 

「勇者にしてやるって言ったけど、あれは伝説上のモンスターを倒さないいけないはずだが」

 

《それはあの世界のか弱き生物たちの間で定め、認めた唯一無二の人間の称号。ならば世界を創造した我々神が認めた生物を勇者と認めたら同じ事であろう?》

 

神と人間の些細な上位互換ってことかーい!

 

《それにここは死の空間。さらに言うなれば我が創造した世界から進出した偉業をお前達が初めて成し遂げた異邦の者達。これを認めずでは神として格が堕ちる》

 

「なるほど、教えてくれてありがとう」

 

なら、ここに居る全員が勇者になる資格を得ているという事か。

 

「え、本当に勇者になりたいって望んだらなれるの白銀さん?」

 

「神がそう言っているんだ。嘘を言う理由もない。今勇者になりたいプレイヤーは・・・・・あれ、闇神。英雄になりたいと願ったら?」

 

《それは勇者の資格を持つ者のみ至れる生物の更なる至高の称号。英雄に至るための試練を全て乗り越えてこそ相応しい》

 

勇者まで許さないってことか。それを知った仲間達は青いパネルに自分の望みを具現化(筆記)していく中、俺も望みを書く。

 

《時に魔王ハーデス》

 

「ん?」

 

《お前は性別を自由に変える術を持っている。今一度我に見せてみよ》

 

何でそんなオーダーを言うのか分らない闇神に怪訝な心で【堕天使変化】をしながら新衣装をお披露目する。

 

「これでよいか?」

 

《・・・・・ふむ》

 

綺麗な顎に指を添えて見つめる闇神。何を思ったのか人差し指を俺に向けてクイっと動かすと身体が勝手に宙に浮いて闇神の手の上に載せられる。

 

《このままお前を帰しては、他の神々に目を付けられる可能性がある。魔王ハーデス、我の眷属にならぬか? このような提案をしようと考えることも初めてであるが、我が闇の力を濃く宿しているお前を手放すのが惜しくなった》

 

「眷属? 神獣の眷属のようにか?」

 

《主神の眷属と獣の眷属とはわけが違う。獣の眷属は戦闘能力を高める力を促すが、我の場合は【系統:悪】の力を高めてやろう。さらには我に信仰と供物を捧げることで祝福を与えるぞ》

 

・・・・・ん?

 

「信仰と供物を捧げるのは私だけじゃなくてもいいではないか?」

 

《理由は?》

 

「おまえは闇を司る神。特定の神だけ信仰や供物を捧げたい奴がいれば、幅広く色んな神々に同じことをして祝福を受けたい世界の人類は多いからだ」

 

《それは節操がないではないか?》

 

はい、ここでコミュニケーション能力が試されるときであるな?

 

「だとしてもだ。今の今まで本当に実在しているのか判明できていなかった創造神の存在を証明できる機会だと思うんだ。だから望みの一つは―――信仰か供物を捧げる闇神・戦神・海神・樹母神・天神・地神・光神の神殿だ」

 

《―――クッ》

 

一度目を見開いた闇神から声が漏れ、次に高らかに哄笑をした。神殿が震えるほどの声量で、俺を含めイッチョウ達も鼓膜が破れないよう耳を押さえて耐えるしかなかった。

 

《ハァー・・・・・よもや、ここまで我を笑わすほどそのような望みをされるとは思わなかった。魔王ハーデス、随分と愉快な奴よ。だが・・・その望みは我々にとってもいい機会であることには違いない。感謝するぞ》

 

「どう致しまして。それで、闇神の眷属になれば私の仲間も闇神の眷属となるか? 神獣達のように」

 

《案ずるな、そのようなことにはならん。が、世界を創造した他の神々とそれについて話し合って決める。しばし待て》

 

「そうか。そういうことなら待っている。それと闇神―――」

 

眷属の提案、受け入れる。と言うと彼女は嬉しそうに口唇を緩めて俺を両手で包み込もうとする。

 

《初めての眷属の記念にサービスをしてやろう》

 

そう言う闇神の両手に包まれる形で闇に閉ざされた俺は・・・・・。

 

『全てのプレイヤーの中で死神・ハーデスが初めて創世神話の一柱『闇神』の眷属になりました』

 

『称号【闇神の眷属】を取得しました。称号【闇神の寵愛】を取得しました。スキル【ダブルハイエナジーサークル】を取得しました。スキル【至高の玉座】を取得しました。ユニーク装備【堕天の王冠】と『堕天の靴』を取得しました』

 

というアナウンスを聞きながら闇に光が差し、最初に闇神の顔がドアップで視界に映り込んだ。

 

《ふふふ、私に相応しい眷属にしてやった。お前の活躍はこれからも我だけでなく他の神々も見守っている。どんな困難でも乗り越えてみせよ》

 

「わかっている。絶望すら乗り越えてみせる」

 

そう言い残して皆の前に降りる・・・・・うん? なんだ、この何とも言えない雰囲気は。どうしてこっちをみるんだ?

 

「あー・・・ハーデス君。姿が変わってるの、気付いていない?」

 

「・・・・・変わってる?」

 

自分でスクショした写真を見た。えーと・・・堕天使の翼が、宇宙そのものが翼になったように星々の輝きを孕みつつ炎のように瑠璃色で燃えている。頭に黒い輪っかではなくて、翼と同じ色の二つに分かれて大きく曲がった状態の一対の翼と尖りがある輪っかになっていた。カードの『堕天の魔王ハーデス』が着ていたドレスを再現してもらった『魔王の衣』の色も宇宙を閉じ込めた感じなデザインに変わっており、俺の周りに虹色のガラスの破片のようなが浮いている。

 

「・・・・・」

 

装備を調べるとやはり変わっていた。『魔王の衣』じゃなくて『堕天の王衣』に変わっていて頭装備に『堕天の王冠』、足装備に白いハイヒール『堕天の王靴』が装備されていた。堕天シリーズの装備か。スキルの方も【堕天使変化】じゃなくて【至高の堕天使】になってら。

 

面白いことに、これらの装備が揃っていないと使えないスキル【叛逆の障壁】が付与されている。それに称号【闇神の寵愛】で【闇神の加護】っていうスキルが手に入った。【海神の加護】と同様の効果だな。

 

 

【叛逆の障壁】

 

MP消費を250必要とするVITの数値異存のバリアを張る。相手のありとあらゆる攻撃を反射する場合は消費するは二倍

 

 

そして調べた限り装備にステータスがないのに【魔力操作】【多重操作】【形状記憶】装備スロット空欄があるのは【魔王の衣】を引き継いだ感じか。

 

「え、スルー? コメントとかないの?」

 

「外見だけ変わって中身が変わってないからコメントのしようがない」

 

・・・・・よし、これでいいだろ。俺が残りの二つの願いを込めたのは―――。

 

 

『ランダムアイテムボックス×100』

 

『ランダムスキルスクロール×100』

 

 

そして最後の願いは七柱の主神達の神殿だ。

 

「闇神、私の願いを叶えてくれ」

 

《受け入れよう》

 

 

『ランダムアイテムボックス』×10

 

『ランダムスキルスクロール』×10

 

 

―――さすがに100は多すぎるだろって感じに、ボックスとスクロールの数は10に変更されたか。が、望み通りの物が手に入った! 得たアイテムに握り拳を作ってガッツポーズした。

 

《望んだ物は得たか》

 

「ああ、感謝する。神殿の方も楽しみだ」

 

《しばし待つがいい。我があの世界に介入するまでの時間は少々かかる故にな》

 

「わかった。出来上がったらすぐに向かうよ」

 

《うむ、強いて望むならばその姿で我に信仰と供物を捧げてほしいものだ》

 

「わかります! お姉ちゃんは素敵ですから!」

 

興奮している様子のイカルが熱弁した! 闇神はイカルの言動に愉快そうに見て伸ばした人差し指を彼女の頭に触れた。

 

《なるほど、ここまで魔王ハーデスに対する憧憬の念が強いとは。同時にお前ともう一人も我が力を濃く受け継いでいるな。ならば、これも受け継いでもらおうか》

 

パチンと弾いた闇神。何をしたのか分からないが、イカルともう一人・・・恐らくメイプルだろう。二人にしか分からない変化を促したのだろう。

 

《さて、我はしばし眠りにつこう。今日という日と時間を夢の中でも噛みしめながらな》

 

「じゃあまた来るときはたくさん話し合おう闇神。私の主神よ」

 

《ふふふ・・・・・しばらくは楽しめそうだ》

 

その後、俺達は闇神に始まりの町まで転送してもらい、時間も時間なのでお開きした。

 

そしてそれから翌日。ついにアップデート期間に入った。

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