バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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信仰と供え物

 

思いもしなかった出会いに集合写真を撮らせてもらった。みんなデカすぎてスクショ機能が優秀で助かったから取れたけどな。

 

『我が眷属よ。我との決まりを忘れておるのか?』

 

俺の主神から突然そう言いだした。はて、約束?

 

「闇神と決めたって、アレのことか? それは闇神の神殿に行った時の話じゃ?」

 

『・・・・・樹母神、我々を呼び寄せておいてまだ何も語っておらぬのか?』

 

『後々お前たちを呼ぶのであれば遅かれ早かれ変わりないだろう? それに我だけでなく他の者達も会いたがっていることを知らぬわけではない』

 

何やら語ることがあるのかね。二柱が話し合っている間に闇神の力を得て変わった【至高の堕天使】を発動した。

 

「これでいいか?」

 

『うむ。それでいい。ふふ、いつ見ても飽きぬ姿だ』

 

あー、この姿が随分とお気に入りのご様子で。

 

「樹母神、供え物はどうすれば? というか、どこかに行ってしまったのだが」

 

『問題ない。既に我が手中に収めてある』

 

そう言う樹母神の片手に用意した水瓶と虹の実が載っていた。あろうことかそれらを俺の目の前でポイっと口の中に放り込んで呑み込んだ。

 

『確と受け取った。闇神には初めての眷属の記念を取られたが、信仰と供え物は我が初めてであるな?』

 

『・・・・・ふん』

 

あ、拗ね方が可愛い。

 

『故に我もサービスとしてこれを贈ろう。我が要望に見事に応じた褒美だ』

 

俺に向かって翳す樹母神の手から放たれた光りに包まれる。

 

『樹母神の恩恵を得ました。【至高の玉座】が強化されました。スキル【樹母神の加護】を獲得しました。アイテム【月桂冠】を取得しました。樹母神への信仰度が高まりました』

 

【樹母神の加護】は・・・系統:木属性の全ての効果が二倍となり、MPを払えば内包されている以下のスキルを使用できる効果だ。【海神の加護】と同じだな。

 

 

『月桂冠』:この装備をしている間に経験値取得量が二倍になる

 

 

これは嬉しい装備アイテムだ。大事に使わせてもらおう。

 

『我からの贈り物だ。心から感謝せよ?』

 

「次に供える時は虹の実のゼリーを用意するよ」

 

『どのような物かは知らぬが期待しておこう。さて、本題に入るが闇神の眷属、魔王ハーデスよ。お前の要望に応じて我等が創造した世界に生きる人工生命体たちから信仰と供え物を捧げる我等の神殿を構えた。これで相違はないな?』

 

「ああ、その通りだ」

 

『そして一柱だけでなく我等全員に信仰と供え物を捧げる環境を求めた。そこまでは我等も応じてもいいだろうと思うのだが、一つ確認しておきたいことがある』

 

樹母神の問いに俺は頷く。

 

『闇神の眷属となったお前という存在がいる以上、我等も眷属を抱える考えは如何様だ?』

 

「それは信仰心の度合いと創造神達の判断で眷属にするか否か決めていい」

 

『我等に対する信仰心の度合いか』

 

「生半可、中途半端な者ではなく、真に信仰がある者を見定めるのは出来る筈だろう。もしも殆ど同じ信仰心が複数も高い場合は、信仰を捧げる者に問いかけて眷属になるか問えばいい。信仰を捧げるのは複数で構わないが、眷属は一つのみ・・・それが闇神に願った私の要望の真意だ」

 

七柱の神々は一瞬だけ互いに目を向け合い、視線を俺に戻した。

 

『ならば、神獣の眷属になった者らの処遇はどうする? 神の眷属は一柱のみと申すお前の考えは神獣達とて例外ではないが』

 

「それは異邦人達次第だ。この大陸とは別の大陸にもいる天界の神々の眷属になる者もいるだろうが、それまで創造神達の眷属に至れるまで成れるか、それもまた異邦人達次第だ」

 

『それまで信仰心を絶えず我等に捧げると思うか?』

 

「信仰心と供え物次第で異邦人たちに細やかな贈り物、祝福を与えればいい。異邦人たちは結果がハッキリわかること信頼が欲しいからな。その度合いは神々達で決めてほしい」

 

『ふむ・・・・・よく考えているな。闇神の眷属として恥ずかしくない者よ』

 

『当然だ。我が眷属に死角などない』

 

あ、胸を張ってドヤ顔をする闇神。スクショゲット!

 

『では最後に問おうか。万も超す異邦人達の来訪の対応は?』

 

「来訪の対応・・・・・」

 

振り返って見渡す。百人以上は収容できそうな広間だが・・・・・そう言えば。

 

「質問を質問で返して悪いが、樹母神以外の神々の神殿の広さは? 闇神は?」

 

『樹母神のこの神殿と同じ広さにしてある。他の神達もそのぐらいは当然のように神殿を作っているはずだ』

 

「それぞれ、どこに神殿を?」

 

と、俺の質問に闇神が口を開いた。

 

『樹母神を除き、我々は各精霊の里に神殿を立てた。しかし安易に神と会う環境は神として威厳が損なわれる故に神殿に入る条件を設けた』

 

「わかり易くていい場所だな。条件は何だ?」

 

『我々と同じ属性の強大なモンスターを倒すことだ』

 

七柱と同じ属性の強大なモンスターって・・・・・。

 

「私が倒したモンスターを例えるなら地はベヒモス、風はジズ、水はリヴァイアサン、火はラヴァ・ゴーレム、木と闇と光のモンスターはなんだ・・・・・?」

 

『光は聖獣でよいだろう。光神』

 

『・・・・・』

 

問われた白い鎧の神が無言で頷いた。聖獣はさすがに限定的過ぎじゃありませんかね。他のプレイヤーが倒せないぞそれ。

 

「木は?」

 

『それならば、既にお前は倒しているどころか従えているではないか』

 

「ああ、あれでいいんだ」

 

樹羅四苦八苦のモンスター、樹木の恐竜なら確かに強大なのと戦ってテイムしたわ。

 

「じゃあ最後、闇は?」

 

『月の生物共を駆逐した。これも問題はない』

 

「月以外だったら?」

 

『闇と呪いの生物だ』

 

ノロワレを倒さないとダメとはキツイ案件ですなそれ。

 

「四神を倒した場合も適用するか?」

 

『適用する』

 

うーん・・・・・それなら、今のところは問題ないか。

 

「七柱が設けた条件なら万も超す異邦人達はしばらく来訪してこない。なにせ一握りの異邦人しか四神すら倒せていない」

 

『そうか。それならばいい。我等の考えも無駄ではなかったということだ』

 

「寧ろそれが妥当だと思う。闇神がいる月まで向かう手段は本当に運良く手に入ったようなものだ。運がなければこうして七柱の神々と出会うこともせず一生を終えていた」

 

『確かにな。闇神だけでなく、我々もそれぞれ似たような場所で本殿の中に悠久の時を過ごしていた。お前の凄まじい働きぶりで我等と出会えた幸運をこれからも大切にするのだぞ?』

 

「わかっている。それと樹母神の神殿はどこにある? 樹精の隠れ里は存在していないか、単純に見つけていないかだが」

 

『水臨大樹の上に入り口を設けた。地下にいる精霊の迷惑を考慮している』

 

お優しい樹母神様だ。

 

『さて、これで互いに問題はないと見做しこの話を終えるが、気になる点はあるか?』

 

「そうだな。一日の信仰を供え物の回数は?」

 

『一日に一度としている』

 

「そうか。それならば今はない」

 

樹母神は頷くと徐に指を弾く。その音に呼応するかのように闇神達がそれぞれの炎に包まれて樹母神だけ残して消えた。これからすぐに闇神の所へ顔を出さないとな。

 

『では、そろそろ行くがよい。闇神がお前を待っているだろう』

 

「そうさせてもらう。また明日会おう樹母神」

 

『ゼリーとやらを持ってくるのだぞ?』

 

どうやら待ち遠しいらしい。俺もパティシエになってゼリーを作れるようにしておく必要がありそうだな。振り返って外に繋がる出入り口へゆぐゆぐ達と歩み、扉を開け放った。

 

「・・・・・本当に水臨大樹の上だったのか」

 

第三陣のプレイヤーも加わって始まりの町は数倍広くなって建物も増え、色々と大きくもなった。

 

「ん? ・・・・・おおう、メールの数がいっぱいだ。戻るぞ」

 

「「「「はい」」」」

 

【色彩化粧】で姿を隠しながら【念動力】でゆぐゆぐ達を浮かせながらマイホームへ向かって空を飛ぶ。何故か呼集していないにも拘らず、温泉旅館に集まっているし・・・・・。遅れながら俺も温泉旅館のいつもの大広間に顔を出すと、待っていたと言わんばかりに大勢の仲間達が視線を向けてきた。その中でサブマスのイッチョウがにこやかな笑みのまま催促して来た。

 

「さてさて、どこで何をしていたか教えてくれるよねー?」

 

「お前が呼んだのかイッチョウ」

 

「呼ぶまでもないよ。死神・ハーデスが樹母神の神殿を解放したーってアナウンスを聞いたら、ギルマスしか知らないことをどうやって知れると思うの?」

 

うんうんとイッチョウの言葉に仲間一同が頷く。それはそうなんだがな。

 

「先にこれを見てもらおうか」

 

スクショした創造神達の姿を大きく拡大させて見せつける。仲間達から驚嘆の声が聞こえ、一層ざわめきが立つ。

 

「魔王様! 闇神も写っているってことは全員創世神話の神達ですか!?」

 

「ああ、その通りだ。そして七人の神達はこの真ん中にいる樹母神と言う女神を除き、それぞれ精霊の隠れ里の中に神殿、もしくは神殿の出入り口を設けて私達を待っている」

 

「神殿に入る条件は!?」

 

「各七つの属性の強大なモンスターの撃破。三大天災と四神を含むレイドボスや新大陸のモンスター、ユニークとレイドボスの撃破だ」

 

「「「「できるかぁあああああああああ!!?」」」」

 

うんまぁ、そう言う感想をぶちまける気持ちは仕方がないとして。

 

「しかし諸君、忘れていないか? 第二陣のプレイヤーの一部以外、大体そういう強大なモンスターを倒していることを」

 

騒いでいた連中がピタッと止まった。

 

「【蒼龍の聖剣】が倒せる、倒したモンスターは月のモンスター、樹木系の恐竜、聖獣のオウホウ、ラヴァ・ゴーレム、クラーケン、それらを属性に言い換えると闇・木・光・火・水だ。地と風は一部のプレイヤーを除き、全て倒しているが、それ以外でも五つも神殿に入る条件は満たしているぞ私達は」

 

「あ、そうだった!?」

 

「土と風だけかぁ・・・・・もしかしなくてもベヒモスとジズ、四神なら玄武と青竜?」

 

「あの水晶蠍って地属性なら俺は行けるぞ!」

 

また騒々しくなり、手を叩いて皆の意識をこっちに戻す。

 

「樹母神に関しては水臨大樹を一番上まで登れば神殿に入る扉がある。そして私の要望通りに七柱の神々への信仰と供え物を捧げ一定に達すると祝福を与えてくれる。それが何かは毎日根気よく信仰と供え物を捧げる必要があるが。何を供えるかは私も把握できていない。質問ある?」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

何十の手が一斉に挙手した。うん、多いな。

 

「じゃあ、ネネネ」

 

「白銀さんのように神の眷属になれますかねー?」

 

「毎日信仰と供え物を捧げると一つだけ眷属になることができる話はしっかり聞いておいた。神獣の眷属のプレイヤーの場合だと一度眷属から脱退しないといけないらしいこともな。次はイズ」

 

「やっぱり神の眷属になる時は統一した方がいい?」

 

「いや、それは個人の自由で構わない。今後創世神話の神同士による代理戦争的なイベントがあるとしても、神獣の眷属のように芋づる式にギルドメンバー全員まで同じ眷属になることはないからな。次はヒャッハー」

 

「ヒャッハー! その信仰と供え物は一日に一回、一人の神だけかぁ~?」

 

「一日に一回は当たっている。一人だけじゃなく七人全員に信仰と供え物を捧げることはできるぞ。次はタゴサック」

 

「祝福ってのは水臨大樹の地下にいる精霊と同じ感じか?」

 

「消費アイテムは貰ってないが、私の場合は装備とスキルを貰った。装備している間に経験値が二倍上がる効果が付与されている装備の名前は『月桂冠』。スキルの方は【樹母神の加護】だ。何を捧げたのかは・・・・・秘密だ」

 

口の前に人差し指を立てて不敵に笑むと一部が黄色い声を上げた。特に魔王のお姉ちゃん大好きっ子が一番大きかったと言っておこう。

 

「これで私が知っていることは教えた。各自、自分が入れる神殿に赴き、直接神々に会いに行くといい。この情報は私と今知ったお前達しか知らないが、お前達の行動ですぐに他のプレイヤーが勘付く。要はスタートダッシュだ」

 

「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」

 

「当然、お前達に質問責めをしてくるだろうから、それを避けたいならば・・・・・各自の判断で行動するべし。いいな?」

 

「「「「「「「「オオオオオオー!!!」」」」」」」」

 

「それでは、解散!」

 

と宣言した瞬間に慌ただしく広間を後にして旅館から出ていくプレイヤー達。残った一部のメンバーが近寄って来た。

 

「ハーデス君。この情報をタラリアに売らないの?」

 

「すぐに知れ渡る。情報を規制していないからな。私が言うまでもなく誰かが教えるし、誰かが皆の行動で察する。今頃ミィ達辺りが火霊の里に向かっているんじゃないか?」

 

「あながち間違いなさそうね。うーん、お供え物かぁ・・・・・何を用意すればいいのかわからない?」

 

「樹母神には虹の実と神水を供えた。といっても私を試すかのように樹母神が要求してきたものだがな」

 

「樹母神、樹木、木・・・・・こういう感じかな?」

 

「あん? 何がだよ?」

 

「連想ゲームの要領で考えたらすぐに思いつくよ。でも、全部が全部、そうとは限らないだろうからやっぱり試行錯誤で供え物を用意するしかないよね」

 

「そういうことだ。それじゃあ、私は闇霊の里と光霊の里に行く」

 

「私もお姉ちゃんと一緒に行きます!」

 

「俺もいいかな。光霊の里にある神殿へ行きたい」

 

拒絶する理由の有無関係なく受け入れ、ペインも一緒に廃墟へ同行することになった。

 

 

 

それから【テレポート】で俺達は廃墟に移動した俺とイカルは闇霊の里、ペインは光霊の里へ分かれて入った途端。

 

「お待ちしておりました」

 

闇霊の里の長、勝手に命名したがユエに出迎えを受けた。

 

「ユエ? お待ちしておりましたとは?」

 

「我が神があなた様をお待ちしておられてますので、その出迎えを私が。さぁ、こちらです」

 

以前と態度と言葉遣いが違うユエに案内されて里の中を歩くとベンニーアたちの仲間が俺達に道を譲って深々と頭を垂らす。えええ・・・・・闇神の眷属になると闇霊達はこうなるのか? 微妙な気持ちになる俺と神妙な顔で闇霊達を見るイカルとユエに続いて歩くと、天井まである巨大な扉がそこにあった。少なからず里にいたプレイヤーが大鎌を構える闇霊達に阻まれて近づけずにいて、遠巻きで見ているしかできないでいる。

 

「道を」

 

「「「「・・・・・(コクリ)」」」」

 

しかしそこへユエが短く言って闇霊達が道を開けた。そんな様子を見ていた他のプレイヤー達は俺とイカルを見て、「え、白銀さん・・・なのか?」「何だよあの姿・・・!?」「トゥンク、なんだ、この心のトキメキは・・・?」「後で情報を・・・・・」などと呟いていたのを聞こえなかったからな。

 

「ここから先はお二人だけでお進みください」

 

「わかった。ご苦労ユエ」

 

「・・・・・はい」

 

嬉しそうに口の端を上げるユエに俺も薄く笑って扉に向かって話しかけた。

 

「闇神、来たぞ。開けてくれ」

 

聞こえるか分からないが、一応言ってみた直後に一人で勝手に扉が開いて解放した。中は深淵のごとく真っ暗だ。この中に入れと言わんばかりに開かれた扉の向こうへ潜るしかない俺達は、足を進め闇の中へ。

 

バタンッ!

 

「きゃっ!?」

 

「大丈夫だイカル」

 

「は、はい・・・」

 

背後で勢いよく閉まった扉の音。驚いた拍子に抱き着いてきたイカルの頭を撫でると、完全に暗黒の世界に閉ざされた俺達の視界に・・・・・星々の煌めきが春の訪れを知らせる花々の如く咲き誇って照らした。

 

「わぁあああああ・・・・・・っ!!!」

 

「・・・・・これは」

 

見事な演出としか言えない光景だ。宇宙空間の星の輝きに囲まれ、目の前でどこかへ流れて向かう流星群を見れて先にイカルが前に出て歩くと光る川が俺達の足元に浮かび出した。

 

「お姉ちゃん、光りの川が!」

 

「天の川だな。この川の向こうに闇神がいるのかも」

 

「行きましょう!」

 

ただし飛ぶ。【飛翔】でイカルと低飛行で移動しつつ、天の川に手を入れると、光りの水が水しぶきを上げる光景にイカルも真似をして川に手を入れて光る水で遊ぶ。

 

「きれーい!」

 

「ああ、本当にな。マイホームでも見てみたい」

 

「私もですー!」

 

そうして飛び続けていると巨大な女性が玉座に座っている場所へと辿り着くことができた。白亜の石畳の上に降りて彼女の前に寄る。

 

『約束通り一番で来たな。別の意味では一番ではなかったがな』

 

「あんなことになるとは思いもしなかったこちらの身にもなってくれ。その代わり、樹母神より先に渡す予定だった供え物を用意して来たからへそを曲げないでくれ」

 

『曲げてなどおらぬわ。・・・・・しかし、それで許してやらんでもない』

 

内心苦笑する。変なところで子供っぽいところがある闇神にインベントリから出した虹色のゼリーを差し出した。俺の隣でイカルは神酒を出した。

 

「イカル、いつの間にそれを?」

 

「いつか使う時が来ると思って手に入れていました! 神様のお酒ならこれを飲んでもらいたくて!」

 

『ほう・・・それが樹母神に出すはずだったゼリーとやらか。それに世界の神々が飲んでいる酒も供えてくれるとは良い心掛けよ』

 

俺達の目の前で黒い台座が石畳から浮かび上がった。察するにここに置けという事だろう。先に俺がそこに置くと真似するイカルも酒壺を置いた矢先に消失した。

 

『・・・・・なるほど、これが味とやらか。気に入ったぞ』

 

とっくに飲食が終わったようで唇を舌なめずりする闇神がいた。

 

『闇神への信仰が高まりました』

 

そして信仰が増えた模様。

 

「主神、信仰はわざわざ祈らなくても供え物を捧げれば増えるものなのか」

 

『手段の一つだ。供え物がない場合は跪いて我に祈れば信仰が高まる。また両方をすればお前達の信仰心はさらに高まる』

 

祈る、か。もっと増えるならばやっておいていいだろう。

 

「イカル、闇神に祈ろう。こうやって闇神に感謝を込めてな」

 

「はい、わかりました」

 

その場で跪き、手を組んで闇神へ祈りを捧げる俺達は3分間も沈黙を保った。

 

『・・・もうよい』

 

闇神からそう言われて姿勢を戻した時『闇神への信仰がさらに高まりました』という青いパネルのメッセージが目の前に浮かんだ。

 

『熱心に信仰を高めようとするその姿勢に呆れる』

 

「酷くないか?」

 

「です」

 

『そう言うな。我なりの誉め言葉だ』

 

わかるか! と突っ込みたいところだが言っても無駄な感じがするので出掛かった言葉を喉の奥に呑み込んだ。対して闇神は遠い目をして何かを感じているようにも見える。

 

『・・・・・表が騒がしいようだな。だが、この場に来れる生物は今のところいないものお前達の邪魔となるな。この里の最高の試練すら乗り越えていない生物に、我が神殿に足を踏み入れる資格はないのにな』

 

「イカルはしていないが?」

 

『その生物は四神の一角を倒しやお前の力を受け継いでいる。もう一人もそうだが、我が眷属に相応しい故に問題はない。いや、既に眷属にしているからいつでもここに足を運んでも構わぬ』

 

そうだったのか!? という気持ちでイカルに振り向いたら、当の本人はその通りだと頷いて肯定と示した。

 

それからというもの、闇神に樹母神の神殿前、水臨大樹の一番上に転送されるとイカルと一緒に残りの創世神話の神々の神殿へ赴き、その内の一柱の下へ訪れた天神にメリープの羊毛で作った抱き枕&布団をお供えすると。

 

『うわぁ~、これぇ~、うわぁ~・・・・・すごくいい、いいよ~、ふわふわでもこもこで温かい・・・・・』

 

おっとりとした口調で天神並みの大きさに変化したメリープの羊毛の布団の中で枕に抱き着く天神。一目見てこういうお供え物が好きそうだなと確信したが、予想的中した。めっちゃ喜んでおりますわ。

 

『闇神の眷属くん~とっても気に入ったよ、ありがとうねぇ~・・・・・はい、私からの祝福だよぉ~』

 

『天神への信仰が絶大に増えました。【至高の玉座】が強化されました。スキル【天神の加護】を取得しました。【荒天の嵐神刀】を獲得しました』

 

・・・・・天神から刀が出るとは思わなかった。しかもレジェンダリーだし。

 

『それはねぇ~、絶対に倒せない敵を無理矢理倒せるようにしちゃう~力が宿っているんだぁ~』

 

「・・・・・マジで?」

 

『マジでだよぉ~・・・ふぁ~っ・・・眠くなってきちゃった・・・・・ごめんねぇ~、今日はこのまま寝るから代わりの子に対応させるからぁ~、後から誰かが来ても大丈夫、続けて・・・・・ぐぅ』

 

寝たし・・・・・しょうがない。次に行くか。おやすみ天神。

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