バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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神獣の代理戦争

 

近日始まるイベントに備え始める始まりの町。

 

「ギルド【暁の団】、新人プレイヤーを募集していまーす!」

 

「有名プレイヤーを見守るギルド【見守り隊】のメンバーとして一緒に活動しませんかー!」

 

「ノームちゃんのノームちゃんによるノームちゃんのためのギルド【ノームラブノーム】に入りたいプレイヤーはいませんかー!」

 

「水精霊を愛する愛好会ギルド【ウンディーネ愛好会】に入りませんかぁ!?」

 

「誰よりも強くなりたいと思うプレイヤーは【ガチ勢】に入ろう!」

 

各ギルドのリーダーのプレイヤーがギルドの勧誘の呼びかけをしていて、何人かの第三陣らしき新人プレイヤーが興味を持ったようで近づき、話し合うと握手し合ったので加入するつもりのようだ。他人事のように歩きながらマイホームへ戻る俺にも・・・・・。

 

「あ、あのっ、白銀さん、死神・ハーデスさん、ですよね?」

 

ウンディーネを従えた初心者からギルド加入希望者を申し込まれた―――。

 

―――二日後。

 

第三陣記念イベントが始まった。生産職の仲間達の要望で俺達は無所属の勢力として参加する。

 

「全員、準備を終えたかー! 今の内に最後のチェックをしとけー!」

 

天空の城のギルドホームに集まるメンバー達は俺の声に不備はないか確かめるが、殆どはそんなことする必要ないと自信に満ちた顔をしていた。連れて行く従魔を侍らせ、既に従魔の姿のプレイヤーもいる。うん、殺る気満々だな。

 

「ハーデス、絶対に勝とうね」

 

「私達も頑張るよ」

 

「久し振りのイベントだからな。みんなで楽しめる形で終わらせたい」

 

懸念があるとすればどんなフィールドなのかだ。ま、それは転送されてからのお楽しみか―――。

 

『神獣の代理戦争の開始時間となりました。参加するプレイヤーを特別フィールドへ転送いたします』

 

光に包まれる俺達は、イベント専用のフィールドへと送られた場所は何かの建物の中に立たされていた。四方に櫓がある・・・・・城か? でも城の象徴の建物がないし代わりに大きい結晶が浮いている。

 

「・・・・・んーと?」

 

「あ、通知が来てるよ」

 

「ほんとだ、どれどれ」

 

運営から俺達をその場から一歩も動かさないための通知を送られてきた。

 

『今回のイベント期間は一週間。時間を促進しておりますのでリアルの時間では三時間とさせていただきます。そして、勝敗の条件は―――各神獣の眷属は最後まで誰よりも多く生き残る、また守護する城の耐久値を0まで減らさない事が勝利です。敗北条件は他の眷属よりプレイヤーの数が下回るか、城の耐久値が0にされることです。無所属のプレイヤーも同じ条件に該当します』

 

『神獣の代理戦争中に許されるプレイヤーの敗北は一度まで。それ以降は別の待機部屋にてイベントが終わるまで待機していただきます。説明は以上でございます。それではイベントの開始まで10分の間、待機してください』

 

 

アナウンスの開始宣言と同時に―――。

 

 

『我等の代理とは言え、この聖戦に入り込む不届き者共よ。我等の言葉をよく聞くがよい!』

 

『万が一でもお前等が生き残ることは不可能ですぞ』

 

『多勢に無勢です。どうか速やかにお引き取りを』

 

『蟻ごときが象に勝てると思っているのか?』

 

『我等の眷属を相手に勝ち残るつもりでいるならそれは傲慢であり、世界を知らぬ蛙よ』

 

『先に聖戦を邪魔する邪魔者であるお主らを我が眷属たちで潰してくれるわ』

 

『ぎゃははは! おめーらは無様に数の暴力に押し潰されんだよ!』

 

『いやー頭の中が空っぽな人間を眷属にしないでよかったね! うん!』

 

『哀れ。私達の誰かに属さなかったのが愚かな選択でしたね』

 

『特にそのような過ちを犯した愚かなお前達のリーダーは・・・・・』

 

『無能である』

 

『・・・・・いや、待て。そこにいるお前は―――!』

 

最後、誰かが何かを言いかけたが途切れた。一方的に言われ放題な無所属のプレイヤー達の間でざわめき立つ。

 

「さてさて、ギルマス、どうする? なーんか、勝手に一方的なことを言われたんだけど?」

 

「・・・・・うん、そうだなー。取り敢えず一つだけ絶対にやりたいことができた」

 

味方に背を向けて、空に向かって高らかに叫ぶ。

 

「このイベント、一日で終わらす!!! 俺達を怒らしたことを後悔しやがれぇ神獣共がぁああああああああああああああああー!!!」

 

『『『『『『『『『やったろうぜぇええええええ!!!』』』』』』』』』

 

ふふふ・・・・・ムカつく事を言われて同じ気持ちの仲間がいると頼もしくなってくるわ!

 

『―――聞こえますか、英雄の死神・ハーデス。麒麟です』

 

「・・・・・麒麟?」

 

頭の中に直接話しかけられたような感覚に思わず鸚鵡返しをした。

 

『あなた達の勇猛ぶりを見させてもらおうと黄龍達や四神の青竜達と眺めていましたが、神獣達の会話を聞き我々はこれが同じ神の名を冠する者達かと誠に遺憾でなりませんでした』

 

『おうそうだぜ! あいつら、なーんもお前のことを知っちゃいねぇ!』

 

『実に愚かなのはどちらなのか、言うまでもないでしょう』

 

『あれ等と儂等と同視されたくはないわい』

 

『玄武に同感だ。故に死神・ハーデスよ。どうかこの聖戦とやらを勝ってもらいたい』

 

『口惜しくも力を貸すことは出来ぬ我々の代行者として、奴らを蹴散らせ。もしも勝利した暁にはお前とその場に居るお前の仲間全員に願い事を一つだけだが叶える。勝てさえいれば敗北した者にも変わらず願いを叶える報酬を与える』

 

麒麟と黄竜、四神も十二支の神獣達に思う所があるようだな。そしてこの破格の報酬・・・・・。

 

「わかった。必ず勝つ。お前達と全力で戦うより簡単なこの聖戦とやらをさっさと終わらせてな」

 

『ハハハ! それでこそ俺達を倒した魔王だぜ!!』

 

『うむうむ、そうでなくてはの。期待しておるぞぃ』

 

『では、頑張ってください』

 

『見守っていますよ』

 

『我等の分身を上手く活用するのだぞ』

 

『応援している死神・ハーデスよ』

 

頭の中から麒麟達の声が止まり、空を見上げ息を吐いた。

 

「・・・・・ハーデス君?」

 

「ああ、悪い。・・・・それじゃあ全員座ってくれ。後、無所属のギルドの代表者は俺のところに来てくれ」

 

「わかった。おーい、全員座れってよー!」

 

「無所属のギルドのリーダは誰だー! 白銀さんがお呼びだぞー!」

 

仲間同士が声を掛け合って俺の前で自由な姿勢で座り出す。そしてまだ座っていないのは神獣の眷属に所属していない第三陣プレイヤーのみ。数える為、空に浮いて把握する。・・・・・うーん、無所属のプレイヤーが思いの他多い。中には上級プレイヤーも交っているんだよな。・・・よし、決めた。

 

「全員、まずは顔合わせをしよう! 【蒼龍の聖剣】ではなく俺達は無所属のプレイヤーとしてイベントに参加している。先達者の俺達プレイヤーと初心者のプレイヤーはお互い何も知らないままだ。自己紹介しつつ同じ理解を深め合おう! 今大切なのは戦闘よりも交流! いいな!」

 

「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」

 

「人見知りの初心者のプレイヤーがいないとは限らないから、いたら絶対に紳士的な対応と優しく接しろよー!」

 

「「「「「「「はーい!」」」」」」」

 

俺の指示で交流を始める先輩と後輩のプレイヤー達。言い出しっぺの俺のところにも初心者が集まり出し、挨拶を交わす。めっちゃ交わす。六人の精霊と樹精、クママとファウ、ミーニィだけ召喚してオルト達にも挨拶をさせると初心者のプレイヤーが感動したように歓喜してた。

 

「本物だ! 白銀さんのゆぐゆぐちゃんだ!」

 

「オルトちゃんと握手できたー!」

 

「クママちゃーん!」

 

「ルフレちゃーん! アイネちゃーん!」

 

「生のファウちゃんが可愛すぎる!」

 

「ヒムカ君ー!」

 

「俺も光霊と闇霊の精霊を手に入れる・・・・・!」

 

「ミーニィちゃんの体毛がふわっふわ! ピクシードラゴン、欲しいなぁー!」

 

うーん、第三陣のプレイヤーにも人気とは凄まじい知名度・・・・・。イベント中の交流会はあっという間に時間が過ぎて10分が経った。その瞬間俺は【樹海降臨】を使い、100体の樹木のモンスターを召喚、城を隠すように森を生やす。同じスキルを持つ身内にも【樹海降臨】を発動してもらい、さらに【統率者】で同じギルドのみ俺のスキルを共有し、【八門遁甲】でさらに壁を囲ってガードを固める

 

「これで立派な要塞だよん。それからどうする?」

 

「スナイパーライフルのような数Kも離れたところから攻撃が可能にする全般を気を付けるだけだ。全員を強化したら攻め込むぞ。幸いにも相手の代表者を倒すだけで終わるイベントだ。一日で終わらすのも出来なくはない」

 

しかしながら今回のイベントは勇者にとって鬼門ではないだろうか。いや、地獄の門だな。

 

「時に勇者の諸君。今回のイベントは魔王にチェンジできる機会だが?」

 

「プレイヤーを千人倒すのが条件だっけか?」

 

「魔王になったらお前みたいにモンスターを召喚できるようになるんだよな?」

 

「うん。でも、魔王にジョブチェンジしたくないならできるだけ倒さないのがオススメ」

 

「私はハーデスさんと同じ魔王になってみたいです!」

 

「私も!」

 

同じ防御力特化の少女達が元気に挙手する。うむ、大歓迎である。

 

「でも、千人も倒すのはシンドくない?」

 

「そこはほら、ベヒモスやリヴァイアサン、ジズ、じゃなかったラー・ホルアクティに変身して【相乗効果】で【咆哮】と【エクスプロージョン】で倒すと楽に倒せるから。俺もそれで魔王になったし。なんなら【巨大化】したリヴァイアサンの姿で転がりながらプレイヤーを潰せばいいし」

 

「ああ・・・・・それができちゃうかもなのね。どれもこれも、水攻撃と魔法が苦手なモンスターに変身しちゃうことになるけど大丈夫?」

 

「初見殺し、相手より先に攻撃すればいいだけさ。なにより【咆哮】と【エクスプロージョン】の合わせ技は殆ど使ってないしどう対処すればまだ判明されてないのが強みだ。というわけで、イカルとメイプル。この方法でやってみようか」

 

「「はい!」」

 

「じゃあ、最初はどこを?」

 

「もちろん―――」

 

 

 

 

「なぁ、今聞こえたよな・・・・・」

 

「やばいやばい・・・・・! 白銀さんがブチきれたぞ!」

 

「ふざけんなよ!!! クソ主神がッ【蒼龍の聖剣】を怒らしやがってぇえええ!!!」

 

「ま、魔王様のお怒りだァアアアアアアアアアアア!?」

 

「それもヤバいがあれ見ろよ! 完全に鉄壁の要塞になってるって!」

 

「ああ、あれ・・・・・一つにつきHPが1000もある巨大な門だったな」

 

「げ、それってあの巨大な門を破壊しないと先に進めないってことじゃないのか」

 

「壊すことは簡単だ。防御力がないから数分で壊せるぞ」

 

「・・・・・じゃあ、あのー黒い波の対処方法を教えてくれませんかね?」

 

「【悪食】で抵抗するしかありませんな! 【エクスプロージョン】を手に入れたプレイヤーも応戦しよう!」

 

「よ、よし・・・! どっちも持っている俺なら勝てるはずだ! 頑張るぞぉー!」

 

「じゃあさー、空から落ちてくる隕石についてコメントをお願いしやす」

 

「あ、全力で逃げましょう!」

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