バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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ダンジョン独占法

 

思わず二人を連れてマイホームから逃げ出してしまった。とばっちりを避けるべく始まりの町から出て離れたところで止まる。

 

「イカル、さっきのスクショを送って来たのは誰だ」

 

「ネネネさんです」

 

「俺達まで巻き込んだな・・・・・」

 

今度会ったらほっぺをこねまくってやる! 気を取り直してここは・・・ああ、懐かしいな。

 

「蟲の森か。イカル、メイプル。姿を消して移動してみようか」

 

「はーい」

 

「どうして姿を消すんです?」

 

「また押し寄せられたいか?」

 

「嫌です」

 

【色彩化粧】のスキルで姿を消し、プレイヤーを探すことにしてみた。まぁ、そう難しくはなくすぐに見つけられたんだけど・・・・・。

 

「これでようやく50匹めぇ・・・・・」

 

「まだ、まだあの爆発の魔法まで程遠いぃぃぃ・・・・・・!」

 

「【悪食】が本当に手に入ったー!!!」

 

「ヘヘヘ・・・こうもパチパチするの、長く感じると炭酸系のお菓子を食べている気がしてきた・・・・・」

 

「納得いかない。何でモンスターに味をつけるんだ運営ィィィィ・・・・・」

 

うわ・・・・・と表情が引き攣ってしまうほど、爆発テントウを無表情で食べ続けるたくさんのプレイヤーがいたんだ。嘘は言っていないけど、こう・・・どこぞの外国の部族が栄養満点の虫を食べている光景を彷彿させるが、これは子供が見たら泣くかもしれない。

 

「この調子だと『毒竜の洞窟』も長蛇の列が作ってそうだな」

 

「見に行ってみます?」

 

「そうだね。行ってみよう!」

 

メイプルが見に行く気満々なので取り敢えず行ってみた。まぁ、案の定だが俺の助言通りに準備をしただろうプレイヤーが・・・・・なんか言い合いをしていた。武器を手に掛けていたり臨戦態勢を取っている辺り他眷属同士なんだろう。

 

「喧嘩してます!」

 

「あーいや、あれは多分違う。眷属同士のプレイヤーが言い合っているんだ」

 

「違う眷属同士のプレイヤーが? でも喧嘩しているのは本当ですよね?」

 

二人は知らなかったな。俺も教えてもらったことをそのまま語り聞かせると納得した面持ちで「なるほど~」と口から漏らした。

 

「じゃあ、止めなくていいんですか?」

 

「うーん・・・・・今回だけ止めたところで、違う眷属同士のダンジョンの独占行為は止められない。俺よりも運営がどうにか対策してくれた方が効果的だ。ああいうことになることをわかってて作ったのは運営なんだから」

 

「でも、私達のように遠くから見ている人がたくさんいるよ?」

 

メイプルがそう言うように、毒竜の洞窟の前で言い争う他眷属のプレイヤーに当惑している、迷惑だとばかり冷めた視線、厳しい目つきで見ている新規や他の眷属、無所属のプレイヤー。眷属のプレイヤーはともかくまだ(敢えてなった)無所属のプレイヤーの妨げにもなってしまっているのか。それを見てしまうと、あの現状を見て何もしなかった事実を抱える日々を過ごす俺を想像するとすげー後味が悪い気分になるなぁ・・・・・。

 

「・・・・・はぁ、しょうがない。止めに行くか」

 

「「はい!」」

 

透明化を解除してダンジョン方面に歩く。どんどん正面から近づく俺達に言い合う連中のプレイヤーの一人と目が合い、そいつは仲間にも「白銀さんが来てる!」と伝えている。その一声で言い合いは少しずつ納まり、言い争いが完全に無くなった時、俺達がプレイヤー達の前に立ち止まった。

 

「まず最初に一言だけ言わせてもらう。ダンジョンの前で言い争うな。何でなのかわからないなら、周りを見ても分からないならそいつはプレイヤーとして害悪だからな」

 

「な、なんだよ急に来やがって。俺達に勝ったからって偉そうに言うんじゃねぇよ!」

 

「偉そうに言っているんじゃなくて、もっと他にも方法があるだろうって話をしに来た。他の眷属同士のダンジョンの独占の邪魔はする気なんてないが、ダンジョンを奪い合う戦いをわざわざ無所属プレイヤーの邪魔してまで大切なことか?」

 

食って掛かるプレイヤーに淡々と言い返す。俺の後ろにいるプレイヤー達の存在に初めて気づいたか、あたりを見渡すプレイヤー達の仕草が見受ける。

 

「そんなこと言うなら、なんか解決策でもあるのかよ白銀さん」

 

「神獣の眷属専用の掲示板を作れ。そこでこれからどこの眷属がこれから独占したいダンジョンを先に独占している眷属に勝負を申し込めばいいだろ。独占したいダンジョンが複数も被ったら新大陸でバトルロワイアルをすればいいだけだ」

 

「なんでわざわざ新大陸でしなくちゃいけないんだ?」

 

「第三陣のプレイヤーの邪魔になる以外、他に理由があるとでも? 俺達初期や第二陣プレイヤー以外、第三陣のプレイヤーは新大陸じゃあ自殺願望者でしかないからだ」

 

徐々に俺の解決策を興味持ったようで聞く姿勢に入るプレイヤー達。

 

「各ダンジョン争奪戦は一日一回にしろ。仮にだが、その間に漁夫の利をして勝手に独占をした眷属のプレイヤーがいるようなら、構わず勝者の眷属が独占し直せばいい。えーと一定時間眷属のプレイヤー達がダンジョンに入れば独占できるって話だったが合ってるな?」

 

「それは合っている。正確には10人以上が3分ほど立っていれば占領できる仕様になっている」

 

重戦士の中年の男性が紳士的に教えてくれた。

 

「そうだったのか。教えてくれてありがとう。さて、俺からのダンジョンの独占を懸けた方法を提示したが、これより方法があるなら今すぐ実行してほしい。もしくは俺の提案を受け入れず、自分勝手に他のプレイヤーを巻き込む迷惑を続行するってんなら、一プレイヤーとして運営にダメ出ししながら追放案件を申し込ませてもらうぞ。掲示板で【蒼龍の聖剣】と見守り隊、俺の従魔のファンのプレイヤーも巻き込んだ上でだ」

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

「「「「「止めてくれ!!?」」」」」

 

絶句する、顔を青褪める、慌てて制止を掛けるプレイヤー達の反応が分かりやすい分かりやすい。こういう時だと数の暴力が一番強いんだよなーほんと。

 

「何なら、お前らの現状をずっと見ていた他のプレイヤーがもうしている頃だと思うがな。故に訊こうかお前ら。ゲームができなくなってもいいぐらい、ダンジョン一つを巡る言い争う価値が本当にあるんだな?」

 

首だけ後ろに向け様子を窺うだけのプレイヤー達に視線を送る。今になってそれは困ると本気に思い、胸中にそう抱きだしたプレイヤーの言動が分り易かった。

 

「俺は嫌だぞそれ。クエストだからダンジョンを確保したいだけであって、ゲームから追放されるほどまで迷惑を掛けたいわけじゃない」

 

「・・・俺もだ。もっとスマートに独占できる方法があるならそっちをやりたいわ」

 

「無駄に言い争ってばかりで無駄な時間を使っちまうぐらいなら、白銀さんの提案通りにするか」

 

「バトルロワイアル込みで一日一回だけのダンジョンを懸けた勝負。これだったら時間も作れるよな。俺、本当ならレベル上げしたかったんだぞ。こんなに時間が掛かるなんて思ってもみなかったし」

 

「その気持ちは分かるよ。だからこれ、他の眷属の連中にも言っておこうぜ。眷属の代表者も決めてもらってよ」

 

「賛成だ、そうしよう。取り敢えず『毒竜の洞窟』の独占は保留な。仮に他の眷属が白銀さんの言う通りになったら構わず占領すればいいんだし」

 

「だな。じゃあ解散しよう。いったんこの場から離れて掲示板にこのことを伝えて・・・決闘は南極大陸でいいか? 恐竜の方はさすがに死ぬわ」

 

「ああ、そいつは心から同意する。南極は南極で厳しいけどモンスターのレベルはマシだし」

 

話し合い、認め合い、同意し合う両眷属はどちらからでもなく握手を交わし、俺に向かって謝罪とお礼を述べてから『毒竜の洞窟』を後にした。去る彼等の背中を見送ったら、俺達は後方にいるプレイヤーに向かって手を振った後にイカルとメイプルと一緒に空を飛んで別のエリアへと移動した。

 

「ハーデスさん、凄かったよ! 説得できるなんて!」

 

「格好よかったですよハーデスさん!」

 

「話が通じて貰えてよかったよ。中には全然言うことを訊いてくれない人間は絶対いるんだからな。そう言う人間とリアルでも出会わないように二人も気を付けなよ」

 

「「はーい!」」

 

「・・・・・よう、楽しそうな話をしているじゃないか」

 

「―――タ、タゴサック・・・気が済んだんじゃなかったのか?」

 

「元凶のネネネにはログアウトされて逃げられて、他の連中も逃げられてよ・・・・・お前らを丁度見掛けたもんでなぁ・・・・・ちょっと一発ブン殴らせて記憶を消させてくれや。特にお前だイーカールー!!! ついでにメイプルもだ!!!」

 

「ひっ!? タ、タゴサックさんが怖いです!!」

 

「お前も道連れっぽいぞメイプル」

 

「私も~!?」

 

空飛んでいる最中の俺達の背後からピクシードラゴンに乗ったタゴサックと遭遇してしまった!

 

 

運営side

 

 

「白銀さんの説得のおかげで修正しなくて済んだ」

 

「マジ感謝っす。いや、そうするよう仕向けたのは事実っすけど、もっとルールを組めばクレームのメールが届かないで済んだっすよね」

 

「そうだよな。白銀さんが紳士的でこっちも安心できる。別の意味で困ることが多々あるが」

 

「仕方ないっす。驚かされるのがお互い様っすから」

 

「・・・・・も、戻ったぞ」

 

「あー主任。お勤めごくろうさまっすー」

 

「ご苦労様ですね。随分お疲れのようで」

 

「・・・・・一方的なイベントにするなって絞られたわ。プレイヤーを馬鹿にするAIも設定するなって。だから仕切り直しも兼ねてイベントを作れって言われたわ」

 

「「えー・・・・・」」

 

「で・・・俺がいない間はどうだった」

 

「ダンジョンの独占の問題がまた起きました。眷属プレイヤー同士が言い争って喧嘩して他のプレイヤーに迷惑を。そのクレームのメールが多数」

 

「ぐぬっ・・・!!」

 

「そこへ真摯な白銀さんが登場っす。場を納める解決策を提示してプレイヤー達を納得させて解散させたっす。今後はスムーズにダンジョンの独占を懸けたバトルロワイアルで決まるっすよ」

 

「ありがとう白銀さんっ、ありがとう白銀さんっ、俺から個人的に感謝の贈り物をしたいぐらい感謝したっ」

 

「やらないでしょうけど、それは贔屓になるのでやらないでくださいよ」

 

「わかってるよ! で、仕切り直しイベントだが、戦闘面じゃあどうしてもどの眷属も【蒼龍の聖剣】には敵わんよな」

 

「レベル的にもステータス的にもスキル的にも群を抜いちゃってるっす。あのギルドに所属してる第二陣のプレイヤーなんて第一陣のプレイヤーに交じるほど強くなってるっす。あ、魔王が白銀さんだけじゃなくなりましたよ。イカルとメイプルも魔王になりました」

 

「ぬぐ・・・! だ、だから仕切り直しイベントは―――にしようと思っている」

 

「なるほど。―――ですか。それなら直接他のプレイヤーと戦わずにできます」

 

「実際に参加するプレイヤー次第となるっすねそれ」

 

「だろ! さらに特殊設定でプレイヤーを規制するんだ! それならばいかに【蒼龍の聖剣】といえど今まで通りにはいかない!」

 

「・・・・・微妙に特定のプレイヤーだけ不利にする感じじゃないですか? しかもギルドも巻き込むなんて」

 

「不利な状況でも笑って乗り越えたプレイヤーがいるんだが? いるんだが?」

 

「あー、わかったすよ。わかったすから顔近づけないでくださいっす。娘さんに嫌われるっすよ」

 

「やかましぃわ!」

 

 

 

【ダンジョン×ダンジョン】※白銀さんの提案【独占を懸けた決闘の申し込み場】

 

・神獣の眷属のみの掲示板です

 

・それ以外のプレイヤーはROMでお願いします

 

・相手に罵詈雑言、侮辱をするプレイヤーは掲示板から永久追放

 

・白銀さん、ありがとう

 

 

申の眷属

 

なるほどね。そういう方法で決めるならもう周りから白い目で見られずに済む

 

戌の眷属

 

代表は誰にするかだけどさー。ぶっちゃけレベルが高い奴でいいんじゃない? あと責任感があるプレイヤー

 

巳の眷属

 

代表と副代表を設けようぜ。どっちか片方がいれば話が通るだろ。どっちもいなかったら知らん

 

辰の眷属

 

いっそのこと生徒会役員みたく代表、副代表、巨乳美人秘書、書記を決めるべきだ

 

未の眷属

 

欲望が交ってる交ってる(俺もそれはアリだ)

 

子の眷属

 

バトルロワイアルをするにあたってのルールは?

 

亥の眷属

 

とっとと決めたいなら一対一でいいじゃない? それか【蒼龍の聖剣】みたくイベント的な感覚で100対100でバトルロワイアルをするとか

 

寅の眷属

 

【蒼龍の聖剣】(というか白銀さんの暴力)でどの眷属が一番強いか有耶無耶にされたから100対100でやってみたい気持ちはある

 

酉の眷属

 

じゃあさじゃあさ! 初回だけ純粋にイベントの仕切り直しの意味を兼ねてそうしない!? その後はダンジョンの独占を懸けた勝負をすればいいんだ!

 

卯の眷属

 

ノリノリな眷属がいるけど俺も賛成だ。ここいらで白黒をハッキリさせたいのはみんなも同じ気持ちじゃないか?

 

丑の眷属

 

ふ、面白い。俺一人だけでも受けて立とうではないか

 

午の眷属

 

不完全燃焼、バトルロワイアルで真っ白になるまで燃え尽きる戦いを見せてやらぁー!!!

 

巳の眷属

 

や、一人だけなら不参加で頼む。微調整が面倒くさいだろ

 

丑の眷属

 

数が合わなかったら他が合わせるしかない。最低20人ぐらいでいいでしょ

 

酉の眷属

 

バトルロワイアルをするにしたって土曜か日曜がいいよな。それまで代表等を決めておかないと

 

辰の眷属

 

うちんとこは【炎帝ノ国】が代表になるだろうな。絶対に好き勝手やっている連中には代表に務めさせるわけにはいかない。なった日には無視すればいいだけだが

 

子の眷属

 

一定数、必ずと言ってそういう害悪プレイヤーはいるよね。こっちにもいるぞ

 

亥の眷属

 

いない方が不思議では? 【蒼龍の聖剣】にはいないだろうけどね!

 

未の眷属

 

あそこはテイマー、サモナー、総生産職ばかりのギルドだから縁はないって

 

戌の眷属

 

え? 世紀末の暴走族がいるのに?

 

卯の眷属

 

―――お前は知っちゃあならねぇことを知ってしまったなぁ・・・・・

 

申の眷属

 

いいなー。ヒャッハー! ってなんか開放感がありそう。一度でいいからやってみたーい

 

申の眷属

 

やっちゃだめだ! 戻って来られなくなるぞ!?

 

丑の眷属

 

私、サングラスをかけてバイクに乗るクママちゃんを見てみたい!

 

午の眷属

 

それだったらバイクに乗る俺の後ろにクリスちゃんとドライブがしたいよぉ~!

 

亥の眷属

 

俺は運転するゆぐゆぐちゃんのお腹に腕を回して後ろから抱きしめたい!

 

辰の眷属

 

甘い、甘いよみんな! ここは女堕天使の白銀さんの凄い運転テクに翻弄されながらも「しっかり私に掴まっていろ!」って心から安心させてくれる頼もしい言葉と背中の温もりを感じないと!

 

辰の眷属

 

よくぞ言った同志!

 

巳の眷属

 

ちょっと、見て見たくなるじゃんそれ。同乗するのはもちろん俺だけどさ

 

戌の眷属

 

そもそも、バイクってどこで手に入る? 機械の町? 探しても見つからない

 

未の眷属

 

カジノのVIPルームだよ。一億ぐらい集めないと中に入れないって。一億分のGをメダルに換金して増やしてたらそのルームに入れたってフレが言ってた。そしてあろうことかフレまでヒャッハーになってた・・・・・

 

丑の眷属

 

意外と抜け道があるのか。俺もそうしよっとヒャッハー!

 

申の眷属

 

私もやっぱりするー! ヒャッハーを目指すー!

 

申の眷属

 

待ってマイフレンドー! カムバーック!

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