バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

257 / 326
第三の町へ

 

 

騎士団の殲滅を終えた同時に俺達の前に青いモニターが現れる。

 

クエスト【限界集落5】発生。

 

また、【限界集落】クエスト1から4での集落の改善の時間とNPCへのダメージの基準値が下回っているため。

 

エクストラクエスト【南極大陸の覇権】or【春の回帰】が発生しました。

 

どちらかのルートを選択して下さい。

 

「「「んんん?」」」

 

通常クエストが【限界集落5】ってことなんだろう。これは【身捧ぐ慈愛】のクエストをした時と同じクエストの流れ過去の感じは。

 

「名前からして前者は戦争系のクエストだ。スノウリー王国とアイムソウリー王国の二つの国の全面戦争に参加するクエストだろうな。後者は・・・・・南極大陸の救済かもしれない。冬の季節を春の季節に戻す感じだ」

 

「冬から春にするってどんな感じなんです?」

 

「わからないな・・・・・考えを変えれば寒い南極大陸を暖かい南極大陸にするってことなら・・・・・」

 

「じゃあ、こっちのクエストにしよう! 戦争をするよりいいよ!」

 

メイプルが片方のクエストを望む。無言でイカルに視線を送ればメイプルに同意する風に頷く。確かに戦争よりこっちの方がハードかもしれないな。その分の報酬も極めて高い物が貰えそうだし・・・・・。

 

「わかった。【春の回帰】にしよう」

 

「「はい!」」

 

エクストラクエスト【春の回帰】を選択すると、身体を震わせながら一人の老人が杖を突きながら現れる。

 

「旅人の者よ・・・・・年寄りの最期に温かい料理を食べさせてくれて感謝します」

 

「お爺さん・・・・・」

 

「しかし、しかし最後に一つだけ・・・・・この地に春を再び戻してくださいませんか」

 

あるのか。それならその方法でやって見せようと意思表示を示す俺達に老人はポツリポツリと語り出した。この老人、というかこの集落は代々ある物を守っていた部族であったが、困窮によって部族の身内から守っていた者を持ち出してスノウリー王国に献上して集落の困窮を脱したのが始まりだ。しかし、それは南極大陸を支配する力が宿っていてそのことを知ったアイムソウリー王国の手の者に奪われ、奪い返すことができたもの半分に割れてしまった。両国は半分ずつ持つことで戦争を起こさないことを誓いを立てたが、永遠の冬の訪れの切っ掛けになることを知らなかったようだ。二国とその周辺だけが割れてしまった大事な物の力で暖かい気候が保っているが、他は現状を物語っている。

 

「再び、一つに戻せばこの大陸に春が戻るやもしれません・・・・・とても危険ですが、どうか・・・・・・ぁ」

 

説に懇願する老人が力なく倒れだして・・・・・光となって昇天してしまった。そしてそれが呼び水として大鐘楼の音が鳴り響いた。

 

『南極大陸にてアイムソウリー王国がスノウリー王国に最終決戦の宣戦布告をしました。スノウリー王国およびアイムソウリー王国は全プレイヤーに戦争参加の呼びかけをしました。一週間後までどちらかの国の陣営に参加することを南極までお越し選択してください』

 

あれま、結局どっちを選んでも戦争待ったなしだったか。

 

 

『このウェーブ、乗らない理由はないな!』

 

『もっちろん、白銀さんは当然参加するよねー?』

 

『レジスタンスも参加する!』

 

 

こいつら・・・・・でも、それはそれとしてだ。視聴者達に話しかける。

 

「南極にいないプレイヤーは苦労するな。社を経由しないと来れないだろうに」

 

 

『フッフッフッ。いつまでも変わっていないと思っちゃ困るな白銀さん。俺達は自分のマイシップを持っているんだぜぇ?』

 

『白銀さんの船ほどではないが、みんなギルドの船を作ってあるんだこういう時のためにね!』

 

『新大陸に船を停泊しておけば、ギルドのホームからギルドのマイシップに移動できる寸法はもう【蒼龍の聖剣】だけじゃねぇんだぁー!』

 

『俺達はもう何歩も後れを取ることがなくなっているのさ!』

 

『フハハハ! もはや我らに死角はないと思え!』

 

 

ほうほう、それは関心だ。他のプレイヤーも成長しているのはいいことだよな運営にとっても。

 

「そうか。それなら今後はあの社を設置しなくても構わないということだな。であれば【蒼龍の聖剣】しか知らない、海図でしか行けない新大陸に社を置くことを止めておこう。ここ最近は女しかいないグラビアモデルが多いアマゾネスの新大陸を攻略したばかりだが、自力で行けるということなら余計なお世話はしないことにしよう。ほぅら、これがその証拠―――大勢のアマゾネスのお姉さんと混浴中のスクショだ」

 

俺を中心に美幼女美少女美女美熟女達が湯の中でも群がり、女ヶ島の真の女王までいるのにその女王まで俺を女王扱いして入浴の世話をしてくる最中のスクショだ。スタイル抜群のアマゾネス達に囲まれて両手に花どころか俺を中心に大輪の華を見たプレイヤー達は予想通りの反応をコメントに残してくれる。

 

 

『―――ってのは冗談だよ白銀さんやだなぁー!!?』

 

『そうそう! 俺達もそういうことができるよーって伝えたかっただけだからさー!』

 

『へへへ、魔王様。肩をお揉みしますよ。その間、是非ともアマゾネスの国のことをちょこっと、ね?』

 

『調子に乗ってすみませんでした! 俺達は【蒼龍の聖剣】が残した軌跡を辿らないとアマゾネスの国に行けない木っ端なプレイヤー!』

 

『頼むゥッ、その国の場所を教えてください白銀様魔王様死神様ァッ!!』

 

 

ふん、掌を返す欲望に忠実なプレイヤーどもめ。

 

「ならば、私のために働きアイムソウリー王国に打ち勝て。そうすれば教えてやろう」

 

 

『( ノ;_ _)ノハハー!』

 

『( ノ;_ _)ノハハー!』

 

『( ノ;_ _)ノハハー!』

 

『( ノ;_ _)ノハハー!』

 

『( ノ;_ _)ノハハー!』

 

 

これでスノウリー王国の戦力不足はなくなった。悲しい性に逆らえない男達に別れの一言を残し配信を止めて一息吐く。

 

「ユキメ、空いている家を貸してくれるか」

 

「では、私の家にご案内します」

 

ボロだが、住めば都と考えれば住めなくはない家の中に入った。冷たい隙間風が入ってきて無人の家の中を冷ます。またログハウス用に集めた木材を確保して、集落の家も建てて貰うか。今度はアシハナ達を連れてだ。ユキメが庵に火を点けて暖を取る。まぁ、【耐寒】と【氷結耐性小】スキルを持ってる俺達は寒さには強いけどNPCはそうじゃないか。

 

「のんびりしたら町に向かおう」

 

「「はーい!」」

 

・・・・・ん? 微妙にどうでもいいことを忘れているような?

 

 

 

「・・・・・おい、俺達はいつまで隠れ過ごさなくちゃいけないんだよ」

 

「白銀さんが動くまでだろ・・・・・お、どうだった?」

 

「あー、ダメダメ。NPCが使用しているからか扉が堅く閉められて開けられないし、入れる家は殆どないわ」

 

「やっと着いた! おーい、現状報告してくれるかー?」

 

「白銀さん達がNPCの家に籠ってから待ち惚けだよ。かれこれ20分ぐらい続いてる」

 

「そうなのか。こっちはメスゴリラに阻まれてダンジョンに行けずで温泉に入り浸るプレイヤーが増える一方だ」

 

「あのゴリラを倒せないようじゃあ貝竜も倒せないってことダヨナー」

 

「まぁ、こうして有名プレイヤーに便乗しようとしている時点で、な・・・・・」

 

「言うな言うな言うな!」

 

「始まりの町じゃあ最初の頃はイケイケブイブイな俺達だったのに、今じゃすっかり白銀さんに追い越された・・・・・」

 

「信じられるか? 出遅れていてもステータスの差が俺達の三倍強かったらしいんだぞ」

 

「『出遅れた者』って称号の効果でそうなったんだろ。今じゃそれを知った新規プレイヤー達がこぞってその称号を手に入れようと動いている。手に入れたプレイヤー達は大体第三陣だが時間があれば確実に俺達より白銀さんのように強くなる」

 

「それ知ってキャラを作り直す業のプレイヤーがいるぞ。ソースは俺のフレンド。一緒に前線で戦ってたのに突然フレンドから消失してゲームを止めたかと思えば、『出遅れた者』の称号を手に入れるために全部リセットしていやがったんだ」

 

「ガチ勢じゃんw」

 

「それだけならともかく、先日の神獣の眷属同士のイベントが終わるまであいつは無所属だったから・・・・・第三陣と一緒にまた強くなったと知った俺の気持ち・・・・・わかる?」

 

「行動力がモノを言わす、ってことだろうよこのゲームは」

 

「出し抜かれた感がハンパねぇ・・・・・」

 

「・・・・・あっ、白銀さん達が出て来たぞ!」

 

「「「「「!」」」」」

 

 

 

小休止を終えてユキメと別れた。30分も森の中を歩いてきた道へ戻った先は白銀の世界・・・・・。

 

「・・・・・見慣れてしまうと、雪で歩きづらい場所を見ると億劫、面倒に思えてくるな」

 

「じゃあ、空を飛びます?」

 

「そうしてもいいが・・・・・」

 

森の中に見え隠れしているプレイヤー達がまだいた事実に、きっと俺達を追うことを止めないだろう。であれば、勝手についてくればいいと思うところ。・・・・・お、そう言えばまだ試していないことがあるな。

 

「クズハをホームに返還してっと。ペルカ、力を借りるぞ」

 

「ペンペーン!」

 

ペルカと【同化】して俺自身がペルカになった状態になる際【相乗効果】で【溶岩魔人】+【大型化】のスキルを合わせたら・・・・・。

 

「ははは! こういうことも可能にするか!」

 

「「おおっ!」」

 

等身大溶岩のペンギンとなれた俺を見上げるイカルとメイプルの感嘆の声。となると、オルト達も例外なく同じスキルの構成でこういうことができることになるな! これなら・・・・・二人共、背中に乗るよう催促して腹ばいになって寝そべる俺の背中に跨ったのを確認すると―――。

 

「行くぞ【相乗効果】【ペンギンハイウェイ】【溶岩流】!」

 

発動した【ペンギンハイウェイ】は本来、光の帯の道が宙に敷かれるが積もった雪を融かす溶岩流の道ができた。その上を【高速遊泳】で速く移動して第三の町へ目指した。

 

「・・・・・嘘だろ」

 

「ペンギンが溶岩の身体になれるってどういうわけだってばよ」

 

「めっちゃ速ぇええええええ!!!」

 

「だ、だけど俺達的にもこれで移動がスムーズになるよな?」

 

「あの、溶岩の道の上を歩けと言うのかお前?」

 

「ふははは! 『マグマ耐性』を持つ俺なら裸足で歩けれるぞ! 靴の装備を外しておかないといけない欠点はあるがな!」

 

「そんなことしなくてもいいみたいだぞ? 溶岩の道が消えてる」

 

「よっしゃ! 追うぞー!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。