バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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南極大陸での対国家戦

 

 

イカルとメイプルと別れたその足で、久し振りに常闇の町へ訪れ【百鬼夜行】のレベルをカンストするべく連れてきたクズハと鬼に挑戦を始めた。クズハの【憑依】状態で種族が妖怪となったまま赤鬼と青鬼を9回連続で戦い、長期戦の末に勝って【百鬼夜行】のレベルはⅩになったら。

 

「やるな・・・・・赤鬼共々俺達を完膚なきまで負かした人間はお前が初めてだ。そしてお前でよかった。俺ぁ・・・・・満足だ」

 

全身が燃えても熱がり痛みを覚えてる様子を見せず、俺の目の前で仁王立ちする鬼に対して見守っていた。

 

「俺達は二人で一つ、ゆえに俺達の死は平等で共に死ぬが俺達の力の全てがお前に受け継ぐ。だが、それだけじゃもったいねぇ・・・・・そらよ」

 

『彼岸の鬼鳴峠の地図』『鬼の盃』『鬼酒』を取得しました。

 

『スキル【鬼殺し】を取得しました。これにより【百鬼夜行Ⅹ】が【鬼神】に進化しました』

 

「俺達を越えた以上、俺達の子孫共と戦ってみろ。あの世からお前の戦いぶりを見て―――」

 

鬼が完全に炎と化して一瞬だけ激しく燃えだすとあっという間に鬼の身体と一緒に焼失した。同時にワールドアナウンスが流れた。

 

『プレイヤーが常闇の町の最強の鬼を完全踏破したため、鬼が住まう地【彼岸の鬼鳴峠】が解放されました』

 

『彼岸の鬼鳴峠の鬼達が死神・ハーデスに強い関心を持ちました』

 

もう二度とこの町の鬼と戦えなくなった代わりに次のステージに進んだということか。だが、さらに上の鬼という事なら下準備を済ませておくべきか・・・・・。指に嵌めた『三天破』を見て俺の専属鍛冶師の店に訪れた。

 

「こいつの強化が出来るかだと? 伝説の装備を強化する発想はなかったな・・・・・」

 

休憩中のところお邪魔して、テーブルに置かれた『三天破』を見つめ唸るヘーパーイストス。

 

「だが、俺が創った最初の伝説の装備だ。生みの親の俺ができなくてどうするって話だ。最大まで強化したいってんなら相応の素材と数が必要になるぜ。覚悟はいいな?」

 

「その程度の覚悟を持ってなくちゃ、ヘーパーイストスに頼まないさ」

 

「いい度胸だ。そんじゃあ、こいつを作る際に使用したオリハルコンとモンスターの素材を各種×100を集めてもらおうじゃないか。因みに第一段階目の強化だからな」

 

じょ、上等だ・・・・・!!! とちょっと言わなければよかったと後悔しちゃった俺はその日からソロでベヒモス、ジズ、リヴァイアサンと激戦を繰り広げる日々を過ごすことになった。うおおおおおおお! 素材を寄こせぇー!!?

 

―――一週間後。

 

「・・・・・」

 

「おい、これからイベントが始まるってのにハーデスが死んでるぞ。何が遭ったんだ」

 

「運が絡む素材の周回をして疲れ切ってるだけよー」

 

「気持ち、わかるよ。中々手に入らない素材を集める時の精神力と体力って凄く使うからね」

 

「お疲れ様ですハーデスさん。でも、そうでまでして何が欲しかったんですか?」

 

南極大陸の温泉スポットで心身ともに温泉で癒す俺の周囲に何時ものメンバーが固まってイベントを待っていた。

事情を知るイズとイッチョウ、フレデリカには労いの言葉は貰えなかったのでイカルの言葉に心が癒えた気がした。

 

「・・・・・装飾品の強化をするために素材を集めてた。第一段階目が各種100個ずつ・・・・・最後の段階で1000個も必要と知った時の絶望が・・・・・フ、フフフフ」

 

「しかもその素材がベヒモスとジズ、リヴァイアサンだって言うんだからかける言葉がないよん」

 

「ハーデスが死んだ目をしている理由が納得できるわな。・・・・・まさか一人でやったわけじゃないよな?」

 

遠い目でドラグの言葉に反応してグリンと勢いよく振り返った。

 

「・・・・・一度目と二度目はそうしたけど、三度目からはパーティを募集して通常の三倍の値段でドロップした素材を買い取って揃えようと、募集の条件を全ドロップアイテムの買収してから集まったプレイヤーの中には、俺のアンチプレイヤーがあからさまに妨害してくるわ、わざとらしく負けようとするわ、戦闘中で起きたことのあること無いこと吹聴するわ、金があるんだから買取価格の三十倍にしろと言うわ、また弾ける装備を着てくれないと協力してやらないふざけたこと言う奴がいるわでもうさぁ・・・・・」

 

「そうかわかった、わかったからその目をするなっ。光が無くて死んだ目になってるからっ」

 

「地味にこんなハーデス君は見たことないよん・・・・・」

 

「私もだよ。ハーデスも苦労することあるんだね・・・・・」

 

「誰ですかハーデスさんに迷惑かけたプレイヤーは。名前を教えてください。私がハーデスさんの代わりにお仕置きします」

 

「イカルちゃんが怒ってる!?」

 

「「落ち着いてください!?」」

 

なんか騒がしくなったな。不思議そうに首をかしげるとイズが足湯に浸かってる俺の横に腰を落とすと、腕を伸ばして俺の顔を優しく包み胸の中に抱える。

 

「はいはい、嫌なことを忘れましょうねハーデス」

 

「「「「っ!?」」」」

 

イズの柔らかい胸の中・・・・・ふむ、なるほど・・・・・。

 

「イカルが性転換した俺の胸の中が好きな理由が分かった気がするな。プリンのような甘い匂いと柔らかさを感じる」

 

「って、ハーデスが言っているけどイカルちゃん。そうなの?」

 

「そうです! 特に一緒に寝る時のお姉ちゃんのお胸はとても安心できて寝れるので大好きです! あと頭をナデナデしてもらうのも!」

 

こうかしら、とイズが実践するが俺にとって気恥ずかしいだけなんだが。

 

「イズ、普段から知っている俺からするとちょっと大胆なことをするな」

 

「ゲームの中なら少しだけ羞恥心と抵抗感が無いからね。リアルだったら押し倒される覚悟をしなくちゃならないし」

 

「へぇ、イズは押し倒される自信があるんだ・・・・・?」

 

「ハ、ハーデスはそんなことしないと思うよ・・・・・?」

 

・・・・・なんか、三人の間で火花が散る幻覚を見えた。

 

「んで、その三体のレジェンドモンスターの素材を集めまくって強化した具合はどうよハーデス」

 

「上々だ。第一陣のプレイヤーのステータスを越える結果を叩き出した」

 

「かなり苦労したんだろう? ならそれ相応のステータスになって当然の筈だ」

 

「ん、今後の新大陸での冒険を考慮するとスキルもアイテムも極めておかないといけない気がしてな。今日までそれらの強化を図っていたんだ」

 

納得した面持ちで頷くペイン。

 

「ハーデス、その切っ掛けは何だったの? 今までそうしようとする素振りもそうする時間は前からあったのにしなかったじゃない」

 

「それは―――」

 

答えかけたその時にアナウンスが流れた。

 

 

 

『戦争イベント、開始5分前となりました。これから特設フィールドに転送します』

 

目の前に参加するかどうかの問いが表示される。俺達は迷わずYESを選択したら、前回のイベント同様、目の前の景色がウミョウミョと歪み始める。そして、暗転した。驚くこともなく、目の前に広がる景色が変化する。戦闘フィールドではなくて暗い場所で光る円盤の上に俺達は立っていた。周りを見渡せば俺達と同じ光る円盤の上に立っている。

 

『ルールをご説明します。今回の戦争イベントではアイムソウリー王国かスノウリー王国の陣営に参加される全プレイヤーの総力戦です。勝利条件はそれぞれの陣営にある太陽の石(欠片)を奪い、本陣営の城の中でもう一つの太陽の石(欠片)と一つにするか、戦闘フィールドに設置したフラッグを三つ占領をする事。イベント時間は―――』

 

説明を聞いた後。俺達は選んだ陣営の戦場に転送された。見慣れた白銀の世界、周囲を見渡せば二つの搭がある洋風のデカい石造りの城。あの中に太陽の石(欠片)があるのか。それから分かりやすく二つの王国を隔てている幅広い光の壁。イベント開始まで先に進めなくするシステム的な物だろう。ん? メッセージが届いたな。参加するプレイヤー全員にも届いている様子だ。

 

『まず最初にアイムソウリー王国、スノウリー王国の陣営から代表を一人のプレイヤーから投票して選んでください。選ばれたプレイヤーの最も高いステータスがそれぞれの陣営に参加した全プレイヤーに付与されます。代表のプレイヤーはその間、城外の戦闘は一切の参加はできませんが、戦場の観戦とプレイヤー達への号令・指示を送ることができます。代表プレイヤーを決めてください』

 

目の前に指でプレイヤー名を書いて投票する画面とスノウリー王国陣営にいるギルドとそのプレイヤーの名簿が現れた。俺はペインの名を投票したが、向こうは逆に俺を投票していそうだな・・・・・。それからもっとも多く投票されたプレイヤーを選出しているのかそれなりに時間が過ぎた。

 

 

『スノウリー王国陣営の代表プレイヤーは死神・ハーデスに決まりました。これより城内に転送されます』

 

 

「ですよねー?」

 

「うん、私達に防御力を付与する象徴になってちょうだい」

 

「「「ハーデスさんの分まで頑張ります!」」」

 

「城の中で俺達が勝つまで魔王らしく大人しく座っておけ」

 

身内にそんな言葉を送られながら俺は城の中に一人転送させられ、屋根が無い平面上の空中庭園に城の方からここまで伸びる階段、庭園の中心に俺が座れと言わんばかりの石の玉座と杖上の台座に橙色で半分に割れたような半球状の石が鎮座している。【至高の堕天使】を使って性転換したら玉座に腰を落とす俺の眼前に様々な画面が展開する。

 

『代表プレイヤーが玉座に着きました。スノウリー王国陣営プレイヤーのステータスにバフが付与します。なお、フラッグがある場所で占領された場合、代表プレイヤーから得られるバフが無効されます。相手プレイヤーより先にフラッグを占領してください』

 

戦場を映す画面を見やれば、俺のステータスが付与された反応がプレイヤー達から窺える。えーと、指示を出すのは・・・・・ああ、これか。

 

「全員、私の声が聞こえているなら手を挙げろ。これはお互いの意思疎通を図るためのテストだ。協力しないプレイヤーには一切の期待をせず幽霊部員ならぬ幽霊プレイヤーの扱いをする」

 

指示を出すとほぼ全員が挙手をした。

 

「協力ありがとう。取り敢えず指示を出す。静かに訊け。まずは私がいる城の防衛はしなくていい。真っ直ぐ勝利を目指せ。戦場で戦うプレイヤー達を纏めるのは各ギルドのリーダーと副リーダーとする。そして戦場のマップを見る限り、お前達が居る場所を広場とするならば、そこと左右に互いの城へ直接向かえる広場と隔離された道にフラッグがあるようだ。隔離されてるその道を通るためには一度城の中に入ってすぐ左右の階段を三回ほど真っ直ぐ上って城の塔がある一番端まで行く必要がある。さっきも言ったように敢えて城の防衛はしなくていいからスピード勝負でフラッグを占領をするんだ。当然ながらアイムソウリー王国側のプレイヤーも同じことをしてくる。戦いは皆に任せるが、私の防御力を得た以上は負けることは許されない。いいな?」

 

一区切りつけてからまた言い続ける。

 

「戦闘は基本的に各ギルド同士のプレイヤーで固まれ、そして戦い方はそれぞれ自由でいい。可能ならば敵陣営から太陽の石(欠片)を私のところに持ってくればいいだけの話だ。みんな思い思いに動いて戦え」

 

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