ア=トゥの依頼の他にも、鬼人達に聞き込みをした際に発生したクエストを、合流を果たしたサリーと一緒にこなし続ける間にちょっと運営に対してメッセージを送った。すぐに反映してくれると嬉しいけどそう簡単にはいかんよな。
「すまないね。食材がないから店仕舞いする所だった。あれだけあれば温泉宿屋として料理を振舞えることができるよ。報酬として騒動の解決がするまでこの部屋を自由に使っていいよ。今日は疲れただろうからゆっくり休んでおくれ、後で料理を持ってきてあげるからね」
鬼の女将からクエストの報酬として固定の部屋を無料で貸してくれた。
「ありがとうございます!」
「ふふ、やったね」
「ハーデスが一緒だと物事がスムーズに進んでいいわねー」
「こんなに簡単に確保できちゃうんだ。ハーデスっていつもこうなの?」
「当たり前のことをしているだけだからな。だがぬかった・・・・・男の姿でいなかったから完全に女だと思われてるぞ・・・・・」
今更であるが仕方がないか。小休止も兼ねてリラックスする俺達は思い思いに寛いだり話し合いをする中でサリーから指摘を受けた。
「モンスターを倒しに行かなくてもいいの?」
「今回の防衛戦は少し趣向が違うみたいだからな。もう少し様子見をしておこう」
「というと?」
「もう気付いているとは思うが、一緒に行動しているとはいえパーティを組むことができないでいる」
確かに、と風にセレーネが頷いた。イカルも不思議そうに俺の膝を枕にしながら目と耳を傾け、イズも話に加わってきた。
「いつもならパーティで防衛していたのにね。イカルちゃんとサリーちゃんがいなかったイベントのエルフの里の防衛戦と、それから南極大陸の防衛戦」
「うん、それに防衛戦なのに南極大陸みたいな感じじゃないよね」
「???」
「何かあるのかもね」
イカルだけはキョトンとした顔でイズ達の話を聞いても理解できないでいる。当たり前な事が出来ないでいるからわからないか。
「運営も今回の防衛戦は鬼人族の集落を守る事だけは明確に発表しているが、それだけだ今のところは。過去に防衛戦をしたプレイヤーならこの疑問に気付いてる謎だ」
「最初から一人だけモンスターを倒さないといけない防衛戦は今回が初めてね」
「ただ、依頼をこなしたりモンスターを倒すだけじゃダメってことかな」
「今はまだ判らないことだらけだね。掲示板で調べてみよっか」
「そうしましょう!」
【も~もたろうさん♪】彼岸の鬼鳴峠防衛戦を語るスレPART1【も~もたろうさん♪】
・情報を共有する語り掲示板です
・掲示板の荒らし、プレイヤーへの悪口を言うプレイヤーは征伐しに行きましょう
・分かった情報は積極的にかつ任意で公表しましょう
4:鬼退治
退治する鬼が違うじゃないです? 僕達は鬼を守る側に参加したプレイヤーですよね?
5:鬼退治
いやいや! 餓鬼って打てば鬼の漢字があるから間違ってないってば!
6:鬼退治
間際らしいんじゃボケェー!!
7:鬼退治
それ言ったら吸血鬼だって鬼の漢字があるので鬼退治の対象に入りますよねー?
8:鬼退治
吸血鬼の種族に転生した俺を倒すって言うならテメェを先に100回キルしてやんよ
9:鬼退治
種族差別だ! 種族差別だ! 種族差別だ!
10:鬼退治
掲示板の修正を要求します
11:鬼退治
スレ板が経った瞬間に炎上しているなんてな
12:鬼退治
あのー、餓鬼のモンスターと何度も戦う時、一人なんだけど何でなのかわかる一人ー?
13:鬼退治
あれ、俺達が鬼退治なのかここ?
13:鬼退治
ほらー! 俺達が鬼人族の敵側のプレイヤーだと勘違いするじゃん!
14:鬼退治
ていうか、鬼人族の敵側になったプレイヤーが立てたスレ板じゃないか?
15:鬼退治
え、そうなの? 全員、同じじゃないの?
16:鬼退治
≫15の言う通りなら、今頃白銀さんが目撃されているはずだ。それなのに見かけるプレイヤーは全員、同じ神獣の眷属のプレイヤーだけだからまずあり得ない。神獣の代理戦争のイベントの時のように俺達は同じ眷属のプレイヤーばかりサーバー分けられているに違いない。因みに俺は神獣〈亥〉のプレイヤーだ
17:鬼退治
えええええ~!!! 白銀さん達と一緒じゃないのかよー! 無所属なんだから助っ人みたいな感じに入れてくれよー!
18:鬼退治
あの防御力の安心感が・・・・・(絶望)
19:鬼退治
称号とかスキルの効果によるステータス補正無しで100レベルまで極振りしたらたったの300程度しかならないからネ~・・・・・
20:鬼退治
少ない!? いや、多いのか?
21:鬼退治
何時ぞやの掲示板で白銀さんの防御力の考察をしてたプレイヤーによると8100は確実にあるって言ってたから・・・・・少ない方だと思う。しかもその防御力を攻撃力に変えることができるって噂も聞いたから
22:鬼退治
そういう話は別の板で話してくれ! 防御力が高いだけの話なのに悲しくなるから! 防御力が高いだけで大して強くないじゃーん(嘲笑)って思ってた時期の俺が、実際に白銀さんと戦ったらダメージ0って絶望感がぁああああああー!
23:鬼退治
矛盾って言葉があるけど、白銀さんは矛盾の概念を正当化にさせた伝説のお方だから・・・・・
24:鬼退治
≫22 気持ちは痛いほど・・・・・!!
25:鬼退治
えー、本来するべき話題をここでこの見守り隊隊員兼考察班の俺が戻そうと思う。戦った感じ分かったのは以下の通り。
・冥霊山の死の灰の大地に入った瞬間、ソロで餓鬼と悪霊のモンスターと戦闘開始
・にっくき鹿のように最初から大量にモンスターが湧く
・勝利条件は不明だが、敗北条件は倒し損ねた一定数のモンスターを赤い橋に渡らせること
・橋の前にはいられるが、橋の上に立つことはできない
・防衛戦の挑戦数は無制限かもしれない(俺は5回やった)
・時間は無制限
・餓鬼と悪霊、それ以外の新種のモンスターの確認アリ
・プレイヤーが赤い橋に渡るとリタイア、撤退が可能。再度挑戦する場合は10分間の待機時間が必要
26:鬼退治
≫25有能
27:鬼退治
≫25超有能
28:鬼退治
≫25有能 情報感謝感激
29:鬼退治
わかりやすい情報ありがとう! そうそう、これだよこれ、こういう話し合いをしたいんだ!
30:鬼退治
この板のプレイヤーの名前を間際らしい設定したプレイヤーが悪いと思う物は10人まで『ノ』を上げよう
31:鬼退治
ノ
32:鬼退治
ノ
33:鬼退治
ノ
34:鬼退治
ノ
35:鬼退治
ノ
36:鬼退治
ノ
37:鬼退治
ノ
38:鬼退治
ノ
39:鬼退治
ノ
40:鬼退治
ノ
41:鬼退治
ノ
42:鬼退治
ノ
43:鬼退治
ノ
44:鬼退治
ノ
45:鬼退治
もう許してやってくれよ。スレ主のHPが0よ
≫25のプレイヤーのおかげで欲しい情報がわかったので掲示板を閉ざした。
「優秀なプレイヤーがいて助かったが、今までの防衛戦よりかなり厳しいな」
「そうだね。私の場合火縄銃だけじゃ絶対に無理だけど征服人形と一緒なら何とか頑張るよ」
「私は一切戦闘せず鬼人の依頼をこなしているかしら」
「だったら私も手伝うよ。今回だけ私は戦いに出られないから」
今回のイベントはサリーには不向きだな。しかし・・・・・。
「ふむ・・・・・」
「お姉ちゃん、どうしたんですか?」
「防衛戦なのに敗北条件が一定数のモンスターを橋に渡らせるのが気になる。防衛って何かを守るためなのに橋を守るんじゃなくて渡らせるのがな。なら、渡ったモンスターはどうなる、どこに行ったのかと」
「もしかして、渡らしちゃダメだったりするのかしら?」
「元々鬼人達は増え続ける餓鬼を集落に近づけさせないよう間引いていたんだ。その鬼人達が居ない代わりに私達が、しかも一人でしているのだから倒し損ねた餓鬼や悪霊達を橋に渡らせること自体、彼岸の鬼鳴峠に及ぶ危険を私達が高めているのかもしれない。最悪、橋を渡らせたモンスターの数だけイベント最終日にこの集落に押し寄せてくるかもしれない」
そんな考えを口にしてみるとサリーの顔色がすこぶる悪くなった。イズとセレーネも現実になった俺の考えを想像して硬い表情になった。
「モンスターと戦わない方がいいって思うのハーデスは?」
「それはそれでダメだと思う。間引かず放置したら、手に負えない数のモンスターが押し寄せてくるかもしれないから出来るだけ倒して橋に渡らせないで撤退するのがベストだろう。運営が私の考え通りにイベントを進めるならば、だ、。同時に集落の鬼人達のクエストをしておいた方がいい気がするな。武器の素材の不足、食糧不足、集落の補強工事・・・・・防衛戦なのに守る対象が今のところ橋だけで、このイベントの防衛戦は橋を守るだけで終わるのかも怪しい」
「・・・・・それ、念のために他のみんなに教えた方がいいんじゃない?」
「そうしよう」
閉じた掲示板を再び開いて俺も投稿することにした。
101:鬼退治
≫25の公開した情報を考察したら気になることが湧いた
102:鬼退治
イベント最終日までモンスターを橋に通させないのは面倒だな
103:鬼退治
≫101 何が気になった?
104:鬼退治
身内と話し合っていたんだが、『防衛戦なのに敗北条件が一定数のモンスターを橋に渡らせるのが気になる。防衛って何かを守るためなのに橋を守るんじゃなくて渡らせるのがな。なら、渡ったモンスターはどうなる、どこに行ったのか?』 と
105:鬼退治
おっと・・・・・?
106:鬼退治
やはりいたか、そこに謎と疑問を抱くプレイヤーが
107:鬼退治
黙って投稿を読んでいた俺もそう思ってたぜ!
108:鬼退治
≫104の意見を聞かせてもらおうか
109:鬼退治
みんなより鬼人族と交流しているつもりだからわかることはあるんだが、元々鬼人達は増え続ける餓鬼を集落に近づけさせないよう間引いていたんだ。その鬼人達が居ない代わりに私達が、しかも一人でしているのだから倒し損ねた餓鬼や悪霊達を橋に渡らせること自体、彼岸の鬼鳴峠に及ぶ危険を私達が高めているのかもしれない。最悪、橋を渡らせたモンスターの数だけイベント最終日にこの集落に押し寄せてくるかもしれない
110:鬼退治
・・・・・マジ話? 冗談だよな?
111:鬼退治
じゃあ、戦わず倒さないでいた方がいいんじゃないか? それが現実になったらゾッとするぞ
112:鬼退治
身内も≫111と同じ事を言っていたので、同じ可能性の話で言い返す。それはそれでダメだと思う。間引かず放置したら、手に負えない数のモンスターが押し寄せてくるかもしれないから、出来るだけ倒して橋に渡らせないで撤退するのがベストだろう。運営が私の考え通りにイベントを進めるならば、だ、同時に集落の鬼人達のクエストをしておいた方がいい気がするな。武器の素材の不足、食糧不足、集落の補強工事・・・・・防衛戦なのに守る対象が今のところ橋だけで、このイベントの防衛戦は橋を守るだけで終わるのかも怪しい―――と
113:鬼退治
た、確かに・・・・・! なんか、妙に説得力がある気がする!
114:鬼退治
待って、待って? 俺、敗北するまで何度もモンスターを橋に渡らせちゃったんだけど。≫112の言う通りになったら相当な数が鬼の集落に襲ってくるのか!?
115:鬼退治
マジ話だったらヤベーんだけど!? だとしたら橋を渡ろうとするモンスターをただただ倒すだけのイベントじゃなくなるじゃんか!
116:鬼退治
変だなーおかしいなーと思っていたイベントの本命はそっちかぁー!?
117:鬼退治
おのれぇええええええええっ! 運営めぇええええええええええええええええええー!!!
118:鬼退治
めっちゃくちゃ可能性ある話だから他の連中にも教えてくる!
119:鬼退治
他人事じゃねぇー!!! イベントに勝ち残るために無視できねぇよー!!
120:鬼退治
誰だか知らないが感謝する。戦うことばかり意識していて疎かにするところだった
121:鬼退治
因みに出現の詳細は不明だが、採掘場の奥には既に戦って知っているプレイヤーはいるだろうが、物理無効とスキル封印、逃亡阻止の呪いをしてくるフィールドボスがいる。アイテムでの攻撃、爆弾系や悪霊退散の御札のような物が必須だ
122:鬼退治
ちょっっっ!?
123:鬼退治
そんなモンスター相手にどう戦えと!?
124:鬼退治
悪いが私にはわからない。鬼人達からそういう類のアイテムをクエストこなしながら手に入れるかもしれないが確証もない。採掘場に鬼人を連れて来られるならば戦いようがあるかもしれないぞ
125:鬼退治
鬼のお姉さんをどうやって連れて行けって言うんだよー!
126:鬼退治
さては≫124が成功例だな!? ナンパの秘訣を教えてください!
127:鬼退治
いや自力だが。それからナンパの秘訣は下心が無い事じゃないか?
128:鬼退治
ガッハッッッ!?
129:鬼退治
グフッ!!
130:鬼退治
ゴホッゴホッ!
131:鬼退治
・・・・・(チーン)
132:鬼退治
≫127の言葉は下心あるプレイヤーに痛恨の一撃を与えたな
133:鬼退治
そりゃどうも。それから確認だけど中ボスってどんな感じ? まだ戦ってなくて参考に訊きたい
134:鬼退治
中ボスか。そういえば見てないな
135:鬼退治
俺も見てない。というか誰も見た奴いないんじゃないか?
136:鬼退治
最初から数十匹も一人で戦わないといけないし、倒し損ねて橋に渡らせちゃう数の方が多いから2、3ウェーブで俺を含めて失敗するプレイヤーは殆どの筈だ。【蒼龍の聖剣】もそうだよね・・・・・?
137:鬼退治
一部のプレイヤーは絶対に乗り越える。そのプレイヤーからの情報が待ち遠しい俺がいます
138:鬼退治
≫133 というわけでまだ誰も戦ったことがないプレイヤーの話を聞いて何か気になることが?
139:鬼退治
彼岸の鬼鳴峠の外にフィールドボスが一体以上いるなら、念のために探して倒しておいた方がいいかなと思っている。餓鬼と悪霊が鹿モンスターと同じ位置ならば、私達はただ厄介なだけの雑魚しか戦っていないことになるから
140:鬼退治
つまり、真の敵は別にいると!
141:鬼退治
そういえば、灰だらけの大地と採掘場のところに行けるんだから他の場所も移動できるよな?
142:鬼退治
滅んだ都までは無理だ。灰の大地の先からは一歩も進めない
143:鬼退治
初めての村イベントじゃあ、森の奥に巨大な悪魔の結晶があったし、鬼鳴峠の外周辺も調べておいた方がいいかもね
144:鬼退治
いっそのこと、彼岸橋まで戻ってみるのもアリかも
145:鬼退治
そこまで戻れるのか? 試しにやってみよう