バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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二日目の朝 強力過ぎる助っ人達

 

 

ドキドキの温泉シーンはスキップさせてもらい夕餉の時間だ。豪華な懐石料理が運ばれて込まれるその数と食材の大きさは鬼並みのビックスケール。俺はア=トゥの胡坐の中で納まった状態で座らされ、イズ達は浴衣姿でそれぞれ適当に腰を落として料理を食べていた。

 

「そうかい、死んだ男衆と戦ったか。今回の戦いでまた男衆の数が減るねぇ」

 

「鬼人族の存続の危機なのは変わりないか」

 

「どちらが欠けてもダメなのは承知の上だがね。こればかりは仕方がない。お前達も巻き込んですまないね」

 

「気にするな。この騒動が落ち着くまで協力するさ」

 

頭の上に乗っかる重たい二つの物を支えながら茹でられたカニの足の肉を頬張るように食べる俺の上では、伊勢海老を甲羅を剥かず丸ごと豪快にバリッベキッバキッと音を立てながら食べるア=トゥ。

 

「今日一日、私達以外の他の冒険者の動きを鬼鳴峠はどう思ってる?」

 

「まずまず、といったところだよ。悪霊や餓鬼の取りこぼしが多いのはいただけない半面によく頑張っている。明日も引き続きその意気で間引いてほしい程度だ」

 

良くも悪くもって感じか。

 

「そもそも、どうして今回は冒険者を集団戦にさせてくれない?」

 

「里長が言っていただろう物資の確保がままならないと。餓鬼や悪霊の対応も疎かにできないが、里の声も聞いてもらいたいのさ」

 

少し耳が痛い話だな・・・・・。NPCなんて気にしないプレイヤーは必ずいるからイベントで上位に、それも一位になりたいプレイヤーは簡単で単純な戦闘で誰よりも優位に立ちたいからなー。

 

「因みに戦闘での貢献した冒険者は今のところ誰か分かっているのか?」

 

「明日の朝辺りに上位の冒険者の名が記載された掛け軸を用意する手筈になっている。気になるなら確かめるといいさ」

 

それを聞いて絶対にペイン達の名前がある事を察したのは俺だけじゃないはずだ。

 

「もしも最後まで優秀な成績を残したら、アンタ達に里長から褒美が与えられることになっている。それを受け取って喜んでくれるかまでは保証できないがね」

 

「そうか。それなら鍛冶師的には妖刀を打つ技術が欲しいじゃないか?」

 

「うん、それも欲しいかな。素材は手に入れてもまだ作れないのよ瞋恚鉱石で創る武器が」

 

「インゴットにする事も出来ないの。あの、どうしてですか?」

 

「そりゃあ、鬼人族しか扱えない鋼と作れない代物だ。もしも扱おうとすればアンタら呪われるよ。アタシらは常に微弱な呪いを呼吸するように浴びているからそれなりに耐性は備わっているんだ。それが冒険者にあっても作れないというなら、道具の方が問題あるに違いない」

 

道具の方だと? イズとセレーネは興味津々でさらに聞き込みだした。ア=トゥは当たり前のことだとばかりカニの足を甲羅ごと食べながら語り続ける。

 

「瞋恚鉱石はいわば呪いの塊みたいなものだ。死者の恨みつらみ、怨念が石に籠って長年蓄積したんだ。そんな物の元々の形を変えようとするのに、ただの炎と鎚じゃあ呪いに干渉することは土台無理な話だよ。鍛冶師の道具と炉の炎もまた、呪いの力が孕んでなければね」

 

ということは、一から呪いの力が宿った工房を作らないと話にならないってわけか。そしてそれは神匠でも製作が不可能とも言える代物だ。新しい工房を作ってまで欲しいと思うのかは二人次第だな。

 

―――翌日。

 

ゲームの中でも金縛りの体験をするとは、なんて思ってたが。隣の布団で寝ていたはずのイカルが人の身体の上に乗ったまま寝ていただけでなく、イズまで俺の腕を枕代わりにしながら寝ている状態で起きた俺の朝の始まり。

 

成績発表がされている場所を鬼人から聞き出してから向かった先はすでに人だかりが出来上がっていた。一目見てこの場から離れるプレイヤーがいれば名前があったのか喜んでいるプレイヤーもいる。

 

「あっ、白銀さんが来たぞっ!」

 

っっっ!!!

 

一人のプレイヤーの声に俺達以外のプレイヤー一同が、バッと一斉に一切の乱れなくこっちを振り向いた。人見知りのセレーネは彼等彼女等から感じる圧に気圧されたかビクッと驚き、イズの背中に隠れた。

 

「俺達のことは気にしないで先に見ていいぞ」

 

「いや、それよりも聞きたいことがあるんで。どうやってパーティで戦えたんですか?」

 

「朝から晩まで餓鬼と戦わず鬼人族のクエストをずっとしていたら、虚無僧笠を被った女の鬼人からパーティ推奨のクエストを強制的に受注されたんだ」

 

「虚無・・・・・えっと?」

 

見聞したことも認知してないプレイヤーに、藁で編んだバケツみたいな被り物だと説明した。

 

「そのクエストの内容は30分間、離脱不可能な状態で赤い橋にモンスターを一匹も通さないこと。失敗したら鬼人族の好感度が下がること。どのぐらい下がるかは俺にもわからない。その時出現したモンスターは・・・・・」

 

長々と説明をしてやれば、ずっと聞く姿勢でいて俺の話に耳を傾けていたプレイヤー達は感謝の言葉を言ったり「自分達も試してみよう」「いや離脱できないって無理だから止めておこうって!」という声が聞こえてくる。

 

「白銀さんでもキツイっすか?」

 

「油断できないのは確かだ。一回でも通してはダメなんだから、素早い敵がいたらまずそいつから倒しておかないと負けるぐらいには」

 

「そうっすか。ありがとうございました」

 

ペコリ、とお辞儀をしてからプレイヤーはこの場から離れた。程なくして俺達も成績表を見ることができて・・・・・。

 

ソロ討伐数

 

1位メイプル

 

2位ペイン

 

3位フレデリカ

 

4位ドレッド

 

5位ドラグ

10位エリンギ

 

パーティ討伐数

 

1位死神ハーデス、イズ、セレーネ、サリー、イカル

 

 

お、こんな感じなんだ。イッチョウも10位以内に確りと・・・・・ちょっとメイプルさん?

 

「メイプルが1位だぞサリー。ペインを押さえてだ」

 

「うん・・・・・まぁ、ハーデスのスキルがあるから当然じゃないかなって思ってるよ」

 

「メイプルさん、凄いです。私も負けてられないっ」

 

「イカルちゃんがやる気を出したわ。今日も頑張りましょうか」

 

「今日はどこからする?」

 

神妙な顔で俺とサリーはメイプルの活躍ぶりに誉めるべきなんだか、なんとも言えない微妙な気持ちを抱いてしまっていた。イカルからイズ、セレーネはイベント二日目もやる気を漲らせているので、今日も朝から晩までお使いや採集クエストをこなすことに異論はないとーーー。

 

「あ、サリー! おはよーう!」

 

「「おはようございます!」」

 

「お、ハーデス達じゃん。おはよー」

 

なんか、聞き覚えのある声が一気に聞こえたので、この後は知り合い同士で話し合うことになる未来がすぐだと火を見るより明らかだった。

 

ーーー茶屋。

 

「そうだったのか。そういう風にパーティで戦えたとは知らなかったなクリム」

 

「ああ、今日から夜まで集落のクエストをしてパーティで戦ってみよう」

 

「さんせー! 私一人じゃ全然ダメだったもん。二人と一緒なら勝てるよ!」

 

やってきた6人と茶屋で話し合いをして、パーティ戦をするにはどうやったら? と質問されたので嘘偽りなく教えた。クリム達の話を聞き、ソロでは不向きな職業のフレイとフレイヤは確かにパーティの方が戦えるだろう。しかし、人数的に戦力が足りないしクリムだけ前衛だと負担が大きいな。それはクリムとフレイはわかっていそうだが・・・・・。

 

「仲良し三人組は固定パーティで遊ぶつもりなんだろうけど、もう三人ぐらい増やそうとは?」

 

「一応考えてはいるんだけどね。私達は学生だから、同い年の学生だったら組みやすいよねってことで探してはいるんだよ」

 

「応募もしたが、クリムとフレイヤの見た目で入ろうとする男や、年齢を偽って近づこうとする男が多くてな」

 

「もう自力で探すしかないやーってなってるのよー」

 

当時のことを思い出してか、フレイヤが辟易した顔でテーブルに突っ伏す。んー、他人事ではないから同情してしまうな。

 

「ハーデスとこのギルドや知り合いに学生のプレイヤーいないか?」

 

「結構いるぞ。職業を気にしないならな。なんかパーティに加わってほしい職業のプレイヤーとかいる? 一応訊いてみるが」

 

「頼むっ! 一人は前衛でもう一人はガンナーがいい!」

 

おお、食いつくなクリム。姉弟のエルフも期待の眼差しを向けてくるから・・・・・そういえば、人数的に丁度いいよな? とある三人を候補として連絡を入れるとすぐに繋がり、事情を説明したら来てくれる了承を得た。

 

「ガンナーはいないが全員前衛の三人を今ここに呼んだ」

 

「それでもありがたい。因みにその三人は学生で強いのか?」

 

「ああ、三人とも学生で―――それぞれ防御力と攻撃力の極振りのプレイヤーだ」

 

「「「え?」」」

 

今のお前らにあの三人の力が絶対に必要だって思いつつ、他にもいないか要望の学生のガンナーをギルドの掲示板で要望のプレイヤーがいるか探ってみたら・・・・・。

 

『最近掲示板でリコリスって女の子のガンナーが質問してきたことあるぞ。同士の女のプレイヤーが直接会って相談や手解きをしたからフレンド登録も済ませたそうだ。それから殆どのガンナーが所属してる【蒼龍の聖剣】に加入希望だ白銀さん。無所属だからイベントに参加してるし呼び掛けることできるぞ』

 

『学生かぁー。そう言えば刀を持った小学生くらいの狐っ子がさっき白銀さんのこと探してたぞ。「お師匠様になってほしいのです!」って理由で』

 

『刀使いのロリっ狐だと!?』

 

『見てみたい! 今から探すわっ!』

 

『私も! 見つけたら白銀さんに連絡するね! ―――一時間後ぐらいに!』

 

『おい、その間に幼い子供に何するつもりだ犯罪の匂いがするぞ! 女でもダメだぞ!?』

 

『変態の魔の手から守るためにロリっ狐を先に見つけないと!』

 

『さ、探せえええええええええっ!! 俺達が守らないと穢れてしまうぞぉー!?』

 

・・・・・・・・・・・・・・・うん。

 

「えーと、刀使いの小学生のプレイヤーとガンナーの女の子なら知っているらしい。よかったな要望通りのプレイヤーがいて。ガンナーはこれからここに来てもらうけど、刀使いのプレイヤーは身内が捜索中だ」

 

「おおー。頼りになるなハーデスのギルドは」

 

「あとは私達のパーティに入ってくれるお願いをしなくちゃね!」

 

「現状の僕達のパーティは足りないところが多いからな。是が非でも仲間にしたい」

 

期待に胸を膨らませる三人を眺めつつ、イズ達の和気藹々の会話に耳を傾ける。今の俺の居場所を教えたから最低でも一時間ぐらいで見つけるか連れてくると思うんだけど・・・・・。

 

「やっと見つけたのです!」

 

「おーい白銀さーん、連れてきたぞー」

 

「やーん! ロリっ狐がいたー!」

 

「しまったー!? 先に見つけられてたー!」

 

「衛兵、衛兵ー!」

 

「ハーデスさん、おはよーう」

 

「「おはようございます!」」

 

・・・・・以外とすぐだったわ。そして身内の変態に抱きつかれてビックリしてるロリっ狐を巡って騒ぎを起こしちゃってまぁ・・・・・。

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