バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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進出するニューライブ2

 

北方の『獣牙の森』のエリアボスモンスターであるダガーウルフに挑むのは四人の獣人の少女達。片手剣に片手で持てる盾を装備してヘイトを稼いでいる猫又おかゆに襲い掛かったダガーウルフの横から袈裟斬りの一撃を当てて怯ませた白上フブキの他、黒髪の狼獣人の少女『大神ミオ』と茶髪に垂れた耳の犬の獣人族の少女『戌神ころね』がそれぞれ拳と柄が長い鈍器で狼の頭に殴る。

 

『ガッ!!?』

 

「ナイスー気絶したよ!」

 

「モン◯ンの戦闘技術が役に立つねー」

 

「今のうちに畳み掛けるよ!」

 

「おらぁー!」

 

確率が低い状態異常を引き起こし、無防備なボスモンスターに千載一遇の好機とフルボッコしてHPを削っていくと、ダガーウフルは最後にポリゴンとなって消失、その後レベルアップのメッセージが四人の目の前で表示された。

 

「レベルアッープ!!!」

 

「ふぅー、意外と大きなボスモンスターで緊張したぁ・・・・・」

 

「おかゆ、大丈夫? 痛くなかった?」

 

「全然痛くなかったよ。盾にぶつかった時の衝撃は凄く感じたけどね」

 

偶数のレベルになったことで増えたポイントをステータスに振る前に第3の町に足を踏み入れた。レンガ造りの家に黄色い屋根が目立つ町並みを上京した人のように周囲を見渡した。

 

「おおっ、ここが始まりの町以外の町なんだっ」

 

「こんな町がまだ他にもあったり先のエリアもあるって話だし、全部攻略するとなるとかなり時間が掛かりそうだね」

 

「ボク達の速度で遊べばいいって先輩が言うほどだからねー」

 

「仕事の終わりにこの中で会って配信しながらたくさん遊べれる環境っていいね」

 

観光気分で散策しながら入り口からすぐの場所にある大広場で転移陣を登録する。ハーデスの教え通りに済ませる四人はこれで今後は簡単にこの町に来れるようになった。

 

「よし、後は畑と簡易の小屋を買ってトランポーターを設置すれば【蒼龍の聖剣】のギルドホームに転移できるって話だよね」

 

「そうそう。あの広場の転移陣よりスムーズに行き来できることも言ってたね」

 

「始まりの町からどんどん離れていくから、自分だけの転移陣って助かるよー」

 

「他の方角のエリアもこうしていけば、いつでも自由に移動できるね」

 

となれば、北の町以外の三方向の町エリアの解放を頑張らねばならない。四人だけでなく他の『ニューライブ』のメンバー達も同様だ。早速の四人は農業地区で畑を買って小屋にトランポーターを設置すると始まりの町に戻り、ハーデスのマイホームに戻った。大広間には白上フブキ達以外の『ニューライブ』面々が既に集まっていて帰還の言葉を掛けられた。

 

「ん、これで一度第3エリアに進んだ全員が揃ったな」

 

「はい、そうだと思います。これで機械の町ってエリアに連れて行ってくれるんですよね?」

 

「最後に来た四人が小休止を済ませてからな」

 

「それなら大丈夫ですよ。ウチらそんなに疲れてないから」

 

大神ミオが三人の気持ちを代弁する風に発言し、当の三人は同感だと頷いたのを見て立ち上がったハーデス。

 

「だったら行ってもらおうか。俺は先に向かうけど全員、西の森に向かい川を見つけたら上流に進んでくれ」

 

「川の上流に?」

 

「上流には滝がある。そこで待っているからのんびりと来てくれ」

 

ハーデスの足元に幾何学的な円陣が浮かび上がり、少女と女性達の前で姿を消した男に一同は顔を見合わせてから動き出した。

 

―――西の森

 

数十人の少女と女性達が行列を作って移動する様は嫌でも目に入り、男性プレイヤー達はその様子に目を奪われてどこへ行こうとするんだ? と追跡するプレイヤーが続出することを気付いていながらも、森の中を歩き川を見つけると言われた通りに上流へと足を運ぶ。

 

「・・・お、来たな」

 

滝壺の側で釣りをしていたハーデスの姿を捉えた一行に滝の方へと指を差した。

 

「機械の町へはあの滝の裏、そして水中にある洞窟の中を潜って泳いだ先にあるぞ」

 

「洞窟の中を泳ぐってどのぐらいなんですか?」

 

「たったの五メートルだ。それでも泳いで進むことができないなら別の方法があるが、どうする? 挑戦してみるか?」

 

と訊かれては悩むときのそら達の中から問い掛けの言葉が投げられた。

 

「水中の中で目を開けたまま泳ぐことって?」

 

「できるぞ。ただ、息を止めたままでの泳ぎはリアルと同じで息苦しくなるがな」

 

「水中で死んじゃうことってある?」

 

「HPがなくなったらだ。水中で泳いでいる間はスタミナ、満腹度のゲージが地上より減り続けるから気を付ければ水中で死に戻りすることはない」

 

先達者からの答えにときのそら達は話し合い、別の方法とは何か先に訪ねた。

 

「氷の洞窟を作ることだ。こんな風に」

 

【至高の堕天】で女堕天使に変身し、服装も変えるハーデスが水の上に立った矢先に滝ごと水が凍った。それだけでも驚くことなのに、ハーデスの足元が氷の通路が出来上がってそこに降りていく姿にポカンと開いた口が塞がらないときのそら達。

 

―――白銀さんの凄さはこんなの序の口。

 

この場に他の【蒼龍の聖剣】のギルドメンバーがいたら、この程度で驚くことはないと先輩風を吹かせていただろう。慌てて追いかけるように氷でできた階段を降りた先に続く通路の中を通り、また階段を上った先に洞窟に出れた。ハーデスは洞窟の奥へと歩む背中を見せつけ、それを追いかける彼女達は―――。

 

「あ、言い忘れていた。この先に番人のような樹木系のボスモンスターがいるから、そのモンスターを先に倒さないと先に進めないぞ」

 

え? は? と吐露するときのそら達は結局ハーデスの言った通りに大きな樹木の身体を持つモンスターと戦わされ、渡された火炎爆弾でも辛うじて勝利を掴んで見せたのであった一行は隠しエリア『機械の町』に足を踏み入れた。

 

「本当に機械で溢れてる!」

 

「ファンタジーなのに機械があっていいものだろうか」

 

「そこは気にしないお約束でいこう」

 

「なんかメイド服を着た女の子達がいるんだけどサイナさんみたいなNCCみたいだね」

 

ここで飛行能力がある道具を買うことや『ガンナー』の職業にチェンジすることも、様々な武器も売っていることも教えられたときのそら達。ガンナーになりたいプレイヤー達は案内を買って出たハーデスについていき、それ以外は散策する。

 

「わぁ、みんな上見てよ。プレイヤーの人達が飛んでるよ」

 

「本当だ! あれが飛行能力がある道具なんだ! 早く買おうぜ! 早くスバルも飛んでみてぇ!」

 

「ルーナも!」

 

「歩くより速いかな?」

 

「きっと速いよ」

 

わいわいと遠足気分で道具屋に向かう彼女達とは別に、ガンナー希望の女性プレイヤー達は無事にガンナーに転職を果たした。

 

「この町に来れば銃やその他の重火器のメンテナンス、カスタムが自分の手でできるから転移陣の登録を済ませておいた方がいい」

 

「わかった。それとここの町の外にダンジョンとかある?」

 

「生産職のプレイヤーしか入れないダンジョン以外はない。でも強いて言うなら四方の第3エリアには隠しダンジョンかあるから挑戦してみたらどうだ。ある条件を満たしたら日本家屋を買える切っ掛けの1つが達成するから」

 

「そうなんですか。そのダンジョンのモンスターは強い?」

 

「素早いモンスターがいれば岩石のモンスターもいるからな。銃で戦おうとしたら、弾丸の消費は激しいと思った方がいい。この町には手榴弾が売られてるから買っておいて損はないぞ」

 

「そうします。因みに先輩は銃使います?」

 

「手元にあるにはあるが一度も使ったことはない。でも近々ガンナー同士のバトルをするから、準備が整い次第使うことになるだろう」

 

獅白ぼたん達の目が丸くなった。

 

「マジで? 私達も参加できます?」

 

「ガンナーなら誰でも参加できるようにするつもりだ。まだ準備もしてないからできたら声をかけるよ。それまでレベルとステータスをあげておけ。そうすれば今より使える武器や装備が増える」

 

「そうだね。その通りだ。ところでさっきから見掛けるメイドさん達はハーデスさんの家にいたNPCと同じ?」

 

一人から複数人、プレイヤーと行動する征服人形達の姿を視界に入る。

 

「同じだ。一応一人だけならプレイヤー全員、プレイヤー次第で彼女ら『征服人形』と契約できる。自分好みの容姿やスタイルの征服人形と契約ができないのはプレイヤー達の間で知られてるし」

 

「征服人形ってどんなことができる?」

 

「なんでもだ。一緒に戦闘してくれたり、生産職のプレイヤーと変わらない働きぶりを発揮してくれたりもする。征服人形のできる幅を増やしたり高価な武器を与えて好感度を上げていけば、いつかロボットを操縦することもできるぞ。ただ、征服人形はプレイヤーのように死に戻りして復活できないから気を付けないといけない」

 

そんなリスクがある征服人形のことを語りながら転移陣を登録してから道具屋へ向かい、早速買った飛行道具を乗って遊んでいるときのそら達を目撃した。

 

「あいつらが乗っている、装備してるのが教えた飛行できる道具だ」

 

「移動が凄く便利そう」

 

「実際に便利だぞ。燃料なんてないからずっと飛んで移動できる」

 

「自分の手で作れたりは?」

 

「たぶんエンジニアになれば可能だ。エンジンの仕組みが判らないが・・・・・(ドガッ!)『おかゆてめぇええええ!! ぅぁー!! おかゆぅぅぅぅぅー!!』あ」

 

「「「「あ」」」」

 

空中で猫又おかゆとさくらみこが衝突して、片方が明後日の方へとどうしたらそこまで吹っ飛ぶんだというぐらい☆になりかけてるさくらみこに、地上から見上げていたハーデス達の口から異口同音で漏らした。

 

「行ってくる」

 

「お手数お掛けします」

 

翼を広げ勢いよく飛び地上から遠ざかった。吹っ飛んださくらみこの姿は白煙の中に消えてしまい、その場所を懐かしく思いながらハーデスも突っ込んで探し出す。フレンド登録したプレイヤーがいる場所が把握できるマップを開き、さくらみこがいる場所へ移動すると、積み重なって放置されている廃棄された機械と部品の山々に飛行アイテムの側で見知らぬ場所の周囲を少し不安げに見回していた。

 

「さくらみこ、大丈夫か?」

 

「にぇ!? あ、ハーデスさん・・・よかったー!!!」

 

心細かったようで性転換したハーデスの胸に飛び込むさくらみこ。

 

「よくもまぁ、ここまで吹っ飛んだな」

 

「おかゆに思いっきり吹っ飛ばされたんだよ!!」

 

どちらかというとどっちも不注意による衝突ぽかったと思ったのは内緒である。

 

「それで、ここってどこなの?」

 

至極当然の質問にハーデスも至極当然のように答えた。

 

「隠しエリアだ。とは言っても他のプレイヤーの探索活動で知られているだろうが、ここまで来る物好きなプレイヤーしか発見されにくい場所でもある」

 

「みこは吹っ飛ばされたんですケード?」

 

「後にも先にもこれっきりだと思え。だが、この辺りは私も来た事がない場所だ。何か発見できるかもしれないな」

 

「そうなん? じゃあ探してみる?」

 

「ああ」

 

さくらみこと肩を並べて視界が悪い霧の中を彷徨うよう歩く。廃棄の山に手を突っ込みお宝を探したりもしたが、取得できるような物はなく奥へ進んだ二人半径400mの広場のガラクタの海が広がるを見下ろせる崖へ導かれるように辿り着き、さくらみこを抱えて降り立った瞬間だった。すべてのガラクタが一ヶ所に集まって、ガラクタ同士が合体しを繰り返して一体の人型になった。浮き彫りの大きな歯車が胸部と下半身にあり、金属の装甲が関節部分を守るよう備わっており二人に危険な赤い光を煌めかせる眼の部分を窺わせ、開戦の合図は金属の巨大な拳を突き出した。

 

「・・・・・にぇ?」

 

迫りくる鉄塊に呆けて立ち尽くし、時が停まったように動くことも忘れて目と鼻の先まで迫った機械人の拳に―――。

 

「ぼさっとするな」

 

手を突き出しただけで機械人の拳をピタリと停めてみせたハーデスが一瞬で姿を消して、さくらみこの視界では機械人の懐に飛び込んでいた。

 

「【相乗効果】【悪食】【エクスプロージョン】【天聖の裁き】」

 

爆裂魔法が付与された極光で極太の柱が【悪食】の効果付きによる一撃によって、機械人の胸部から大量のポリゴンが赤いエフェクトを漏出。

 

「ん・・・? もう倒してしまった? もう少し強めなゴーレムかと思ったんだが・・・・・」

 

HPが全損して弾け飛ぶポリゴンの光景に肩透かしだと小首を傾げるハーデスの背後で、開いた口が塞がらないで間抜けな顔を浮かべていたさくらみこ。

 

「・・・・・ハーデス先輩、めっちゃ強いんだにぇ」

 

「思うが儘に自由に冒険をしたり、NPCとのコミュニケーションを現実のようにしたり、強いモンスターを独りかパーティで勝ったりすれば自ずと強くなる。それからプレイヤースキルも大切だ」

 

「みこも強くなれる?」

 

「ステータス面でなら確実に強くなるが、やっぱりスキルを集めるのが大切になってくる。そうでなくちゃできる事と出来ない事がハッキリと浮き彫りするからな。それと同時にプレイヤーの度胸と根性、勇気も必要だ。私の防御力があろうとそれだけじゃ勝てないのだから」

 

得た物はない二人は機械の町へとんぼ返りをして、帰りを待っていたときのそら達と合流をしたがハーデスはその日の内に単独で機械人との戦闘周回を繰り返した結果スキルを取得できた。取得条件は【侵略者】【破壊王】と同じで・・・・・。

 

「へぇ・・・こういうスキルもあるのか」

 

 

【ターミネーター】

 

プレイヤーを倒した数だけカルマが2倍高くなる代わり常時ステータスが2倍。

 

【スキルカプセル】

 

スキルをステータスから外して譲渡・売買が可能にする。もう一度ステータスに戻すことも可能

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