バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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牧場物語

 

 

星域で大暴れしたその日の内に俺達は、月のエリアと繋がっているゲート前で小休止を兼ねてテイムしたモンスターの詳細を改めて確認していた。俺もそうしてテイムしたモンスターを眺めている。まずは捕まえることができた星光スライム。しかも色違いのユニークモンスターだ。ユニークの星光スライムの体の色は黒で、身体に宇宙を閉じ込めたような星々の輝きを宿している。こいつは【超逃避行】【光速星】【巨大化】【超絶回避】【危機感知】【ブラックホール】【宇宙空間】なんてスキルがあるからこっちの攻撃なんてなかなか当たりやしなかったが最後はテイムできた。

 

次に宇宙の輝きの身体と大きな翼を持つ四肢型のドラゴン。徘徊系のボスモンスターらしいこいつはユニークではないものの、【流星群】【真空の吐息】【全属性耐性大】【冥導斬月破】【自己再生】【コメットパンチ】【適応障害】というスキルでリヴァイアサンより十分すぎるほど強いと思わされ大いに苦戦を強いられた記憶がまだ新しい。

 

最後は星域で見掛けてしまいテイムせずにはいられなくさせた羊。羊毛が宇宙のごとく輝き、絶対に捕まえたい俺に対して【適応障害】【スターダスト】【星雲隠れ】【発毛】【脱毛】【ワープ】【光速星】のスキルで翻弄してくれた。

 

 

アメリア達も星域でテイムしたモンスターと戯れていた。星光スライムを始め、星光ウサギ、星銀獅子、星王蛇、綺羅星鳥、北星狼、月妖精、ツキノワールベア、ムーンドッグ、ムーンナイト・・・・・よくもまぁ、テイムできたと思うよ。ステータスは軽く五桁超えているし、星域のモンスターは当たり前のようにベヒモス達より強かったんだからな。その強さを地球に振りまくことができると思われたが一部を除いてほとんどの星域のモンスターには【適応障害】というデバフのスキルが付与されていた。その効果は宇宙にいる間はステータスの変動はないが、地球にいる間ステータスが-90%も減るという弱体化を促す深刻なものだ。

 

ま、戦闘力が減った分はプレイヤーがカバーすればいいだけの事だ。特に問題視する事ではない。なぜなら一日一回しか使えない【宇宙空間】のスキルがあるからだ。地球でも無重力の環境にすることができるから―――。

 

「あ、オイレンシュピーゲルと赤星ニャーがいたぞぉー!!」

 

「お前らぁ!! よくも散々自慢してくれやがってぇー!!」

 

「俺達も新エリアに来たからにはこれ以上調子に乗らせねぇっ!!!」

 

「絶対に白銀さんのおかげだろうがぁー!!!」

 

あいつ等がずっと配信していたようで、嫉妬と悔しさを胸に抱いて月に来れる【蒼龍の聖剣】のメンバーがたくさんゲートからやってきた。

 

「おーおー、ようやく来たかお前ら遅いニャー」

 

「出遅れた皆の衆、いってらっしゃ~い!」

 

優越感100%な赤星ニャーとオイレンシュピーゲルに絶対イラッとしただろう仲間達は俺達の横を通りすぎる際に文句(主にオイレンシュピゲールと赤星ニャーに)言いながら、負けじと先に進もうとする足を運ぶその様子を見ていた俺達であった。その中には主力メンバーも交っていてまだ体験していない星域の過酷さを挑みに向かった。

 

「白銀さん抜きで大丈夫かしら」

 

「星域のモンスターは強いからねー」

 

「だとしても向かわずにはいられないのが冒険者の性という物だ」

 

「怖いもの見たさみたいな感じだニャー」

 

「ひぃひぃ言いながら苦労するだろうあいつら」

 

経験者として心配と応援をする。小休止後、探索を再開した俺達を他所に地球で頑張っているメンバーはどうしているだろうかね。

 

 

 

メリープを一目で惚れた角巻わためのメーア捕獲の要望に青いメッシュを入れた白髪で小柄な天使族の天音かなた、悪魔族を選択した紫のツインテールに鳶色の瞳の常闇トワ、臀部にまで伸びている桃色の長髪とオッドアイの姫森ルーナ、角巻わためを含め四人より長身的で発育の暴力を誇る黄色いメッシュを入れた橙色の長髪に赤い瞳の女性、桐生ココが東のエリアの獣人族の里に辿り着けた。

 

「あの、ここに来ればメーアちゃんを捕まえることができるって聞いたんですけど!」

 

「捕まえてくれるのであれば、さらに東に向かえば野生のメーアはたくさんいるはずだ。頼んでくれるかね」

 

「はいよろこんで!」

 

受理したクエストにはメーアを里の長に5匹引き渡す達成条件がわため達の目に入った。

 

「5匹も連れてこれるのら?」

 

「どうだったけ?」

 

「ハーデスさんに聞いてみようか」

 

桐生ココが提案を言うや否やハーデスに連絡を入れた。

 

『どうした?』

 

「あのー、教えて欲しいですけど。メーアを1度に5匹も連れて歩ける方法ってありますか?」

 

『それならメインかサブ職業でテイマーになればいいだけだぞ。その上でテイマーの特殊職業のコマンダーテイマーになれたらソロで6匹も連れて歩けることができるようになるし』

 

「コマンダーテイマー?」

 

『テイマーをレベル20まで上げたら特殊職業に転職できる二次職業だ。そのためには秘伝書というアイテムが必要になるがな。さらに幻獣のモンスターをテイムできたら幻獣使いって称号が手に入り、モンスターを連れて歩ける数が7匹に増える』

 

「それって誰でも幻獣使いになれますか? そもそも幻獣ってどこに行けば捕まえられますか?」

 

『カジノで幻獣のモンスターが景品にされていて、大量のメダルと引き換えに手に入れられるから可能だ。幻獣使いになりたいならコマンダーテイマーになってからだな。ああ、それから当然だけど【テイム】ってスキルが必要だからな? そのスキルがなくちゃ捕まえられるもんも捕まえられないぞ』

 

「わかりました。教えてくれてありがとうございます。ところでハーデスさんは何をしているんですか?」

 

『月にいるぞ』

 

信じがたいことを言われたが、冗談かもしれないと感謝の言葉を言いながらハーデスとの通話を切った。言われた通りに全員がメインかサブ職業枠にテイマーをセットしてメーアを求めて東へ飛んだ。

 

「あー! いたー! メーアちゃんがあんなにたくさーん!!」

 

「いろんな色の羊がいるねー」

 

「あれを5匹テイムして里の長に引き渡せば終わりなんだよね」

 

「でもテイムしたらしたで、パーティーどころかチームでも編成枠がオーバーするから一度解散、一人でテイムしないといけないから頑張らないと」

 

「そうだね。捕まえ終えたら手伝う感じでやろっか」

 

空から見下ろし見渡せる限り広がっている草原にメーアが点々といくつものの塊が出来ているほど多くいた。角巻わため達はメーア達から離れた位置に降り立ってパーティを解散した状態でテイムを始めた。わためが選択したテイマー以外の職業は重戦士で装備は大槌。称号『出遅れた冒険者』を取得できた際に【手加減】のスキルも取得できたことで【STR100】の威力を誇っていても―――。

 

「【手加減】! わためハンマー!」

 

「メェー!?」

 

たった一撃でメーアのHPが一割以下になろうと誤って撃破せずに済み、すぐさま【テイム】のスキルを使いテイムを試みた。

 

「【テイム】! ・・・あ、一発で成功できた!」

 

パーティ枠にテイムできたメーアが加わり、喜ぶ彼女の目の前に名前を付ける催促の青いパネルが浮かび上がった。そこにわためが考えた名前を投稿している他所に、常闇トワ達もメーアと戦闘&テイムを順調に繰り返していた。時間を掛けて五匹のメーアをテイムできたら獣人族の里に徒歩で戻り、長にクエスト達成の報告をしたところ。

 

「メーアを連れて来てくれてありがとう。時にお嬢さんは同族だが、メーアが好きかね?」

 

「はい大好きです! 特にハーデスさんのメリープちゃんみたいなメーアちゃんが!」

 

「そうかいそうかい。それならば同族のよしみとしてこれを特別にあげよう」

 

長から両手で持てる桃色と白色で塗装された小型のハープを受け取ったわため。

 

「そのハープの音色はパートナーのメーアの友愛を高めるだけでなく、野生のメーアを引き寄せ捕まえやすくしてくれる。他にも音色次第ではお嬢さんの手助けになるはず。大事に扱いなさい」

 

「ありがとうございます!」

 

大事に抱えるハープを桐生ココ達は角巻わためらしい装備が手に入った思いで称賛の言葉を送った。しかもそれは情報屋のヘルメスや先駆者のハーデスですら知らない内容で、後日そのことを月から戻ってのんびりしているところを角巻わためから教えられたハーデスは感嘆の念を零した。

 

「そこまで貰えるのは俺も知らなかったな。でも、納得できる部分はある」

 

「納得できる部分って?」

 

「NPCと同族のプレイヤーでしか発生しないイベントが時折あってな。それはテイムできたモンスターも例外じゃない。今後も定期的に角巻わためがテイムしたメーアを連れて獣人族の羊の長とコミュニケーションを取ってみろ。羊の獣人族を選択したプレイヤーしか発生しないイベントが起きる可能性があるからな」

 

聞きながらもハーデスが新たにテイムした星雲羊の羊毛をモフり、いつかこの羊もテイムしたい気持ちを胸に抱いていた。

 

「あともう一つなんですけど、メーアちゃんを捕まえらるなら牧場って買うことできますか?」

 

「できるはずだ。確か不動産屋で新しく販売しているらしいぞ」

 

「そうなんですか? じゃあ今から不動産屋に行って買ってきます!」

 

「それなら俺も途中まで同行していいか。牧場を持っているメンバーは今のところ誰もいないから知るいい機会だ」

 

ハーデスの申し出に角巻わためは快く承諾して不動産屋へ足を運んだ。一人しか入れないので彼女が牧場の購入を求めた。

 

「あのー、牧場ってありますかー?」

 

「ございますよ。購入するグレードによって飼育する動物の数と放牧できる広さが異なり、テイムしたモンスターもテイム枠を超えても購入した牧場で預ける形になります。また牧場なのですでに保有している他のマイホームと一つのみ合併することができ拡張も可能ですよ。まだお持ちでないならば、マイホームと交換できる仮のホームを購入できますが」

 

「そうなんですか。えーと、じゃあ―――」

 

不動産屋から聞かされる牧場の内容にマイホームを持っていない角巻わためは説明を聞き牧場と様々なオプションを購入した。ハーデスの方も買ったのだろうかと思いつつ、不動産屋を後にして購入した牧場の様子を見にマップを見ながら向かった。

 

「わぁ・・・・・!」

 

ただただ緑の海が広がる高原・草原を見渡す角巻わため。背後には追加購入した畜舎と厩舎が一つずつある。まだ家畜用の動物は買っていないがテイムしたメーアを収容する予定であり、これからが角巻わための本格的なNWOライフ(牧場物語)の始まりかもしれない。

 

一方―――。

 

「かなり牧場を拡張してみたが人気だな。こんなことならもっと早く買っておくべきだったか」

 

移動範囲が畑のみしかなかったのが、自然地形の牧草地という場所が解放されたことでハーデスの動物系の従魔達が牧草地に足を運び大いに走ったり、寝転がったり、飛んだりと広い世界の自由を謳歌している様子にハーデスはそう感想を漏らした。

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