メタルスライム戦を経てかなり強くなった彼女達の中で、攻撃力を100以上にしたから二つの武器を持てるようにしたいと懇願する者がちらほらと声を挙げた。そんな彼女達と毒竜の洞窟へ案内し、目的のスキルの取得を時間かけて終えると質問を受けた。
「ハーデス先輩。氷の攻撃や魔法ってどうやって手に入りますか?」
「スキルスクロールから手に入れたらいいが、それはあまりにも運要素が絡むことでな。確実なのは雪と氷の世界のエリアでスキルを様々な方法を模索して手に入れるか、雪と氷系の素材を集めて装備にするかだ」
「氷の世界ってどこです?」
「いまのところ南極だ。『世界の神社』で南極に行けるぞ。もしも行くなら寒さに耐える装備や氷に対する耐性のスキルや防具が必要だ。それがなければ体力やスタミナが一定時間ごと減ってしまう」
水色の長髪で金の瞳のエルフの雪花ラミィに情報を提供している俺の後ろから、兎田ぺこらも問いを投げてきた。
「南極って今のぺこーら達でも大丈夫なぐらい?」
「ステータス的には、な。ただ、南極は新大陸でもあるから死に戻りしたらインベントリに入れたままのアイテムやG、全ての装備を落としてしまうから絶対に気を付けろよ」
「嘘! それって大変じゃん!?」
負けなければ問題ない。その為の防御力が全員にあるんだ。あとは勇気と自信、万全の対策と準備を怠らなければなおさら負けることは滅多にないと、断言してやった。実際にそれが究極的な道理で当たり前なんだからな。
「氷系の装備・・・・・先輩はそれを持っているんですか?」
「持っているぞ。イベントの時に手に入った限定的な装備だが・・・あまり人前では装備出来ない代物でもある」
「人前ではって、恥ずかしい装備なの?」
「女性限定で装備するのがとてつもなく恥ずかしいな。だから羞恥心に耐えながら装備する勇気と度胸が必要になるぞ」
毒竜の洞窟を後にしてマイホームのトレーニングルームで実際にその装備を着てみれば・・・・・。
「ドッッッッ!!? エッッッッ!!?」
「ほとんどすっぽんぽんじゃんかー!!!」
「うわー・・・・・絶対に着れない装備じゃん・・・・・因みにその装備って強い?」
「氷属性の攻撃のスキルが包容されている。こんな風なスキルがな」
トレーニングルーム全体を一瞬で氷の世界と化してみせたり、氷を変幻自在に操ったりしてやったそれは、ケットシー王国の海岸で見せた物と同じ現象だから彼女達はすぐに察したようだ。
「あとはこの仮面の装備だ」
「それは?」
魔法のスキル限定で消費するMPを0にするだけでなく、HPとMP以外のステータスの数値をINTに変換、INT極振り状態にしてしまう装備。しかし一度この仮面を装備するとリアルの時間で一日外せなくなるデメリットがある。そしてこれらの装備も含めて、イベントやEXクエストで手に入れた装備やスキルは限定的で二度と手に入らないことが多いと、説明すると少々残念だと風に落胆の色を浮かべる彼女達。
「じゃあ結局、早い者勝ちに遅れたら手に入らない物が多いってことじゃないですかー。ぺこーら達も他のプレイヤーが持っていない物を手に入れる事って出来るの?」
「既に持っているぞ。私の防御力の恩恵を受けている事とかな」
「それって羨ましがられるの?」
さぁ? と俺は肯定も否定もしない。
「防御力が高いだけで、基本的にこの旧大陸のモンスター、一部以外無敵に近いから死に戻りすることはないがプレイヤーが相手となると甲羅という硬い防御力を持つ亀の攻略法はいくらでもある。それはプレイヤー自身が対策をしていない怠っているから倒されるわけだが、どちらにしろゲームの中でも不平等なのは変わりないことだ。現に私からスキルの取得方法を教え、力を借りて手に入れているお前達は同じギルドメンバーでも羨ましがられていることをしているぞ」
「でも先輩は私達以外にもそうしているんでしょ?」
「いや、殆どしていない。数えてもまだ10人以上もしていないぞ。私に頼りすぎて自分達では何もしない無能なプレイヤーはご遠慮願っているからな。たまになら構わない。今の兎田ぺこら達のようにな」
そうだったのかと、軽く驚いた様子で目を丸くする彼女達に話しかける。
「それに来月辺りにギルドメンバーしかできないイベントに参加してくれるならいい事が起きるかもしれない」
「なにそれ?」
「ニューライブがギルドに加入する前の事なんだが、七つの宝玉が揃えたら願い事を叶えてくれることになっている。私はその願いに【蒼龍の聖剣】のメンバーの願いを叶えてもらう願いをするつもりだ。もしも願いが叶ったら、ニューライブが望む願いをその時に叶えてもらえばいい。例えばホロライブの衣装や武器が欲しいとかな。それ以外がいいというなら、自分の要望を叶えてくれるスキルスクロール×10、ユニーク装備かレジェンド装備、運試しをしたいならレジェンド級のランダムアイテムボックス×10だ。他のニューライブのメンバーにこのことを教えてやっておけ」
「わかりました。今日はありがとうございました」
―――後日。その宝玉が最後の一つを残して六つ集まった。後の一つは一週間後に揃うから好きな願いを考えておくようにとギルドチャットやギルド専用の投稿掲示板にも詳細を伝えた。
「で、相談に乗ってほしいとは?」
「私達なりの願い事を考えたですけど、これで大丈夫かな? って先輩に確認してもらいたくて」
「わかった。取り敢えず言ってみろ」
ときのそら達がお願いしたいことを聞きながらアドバイスをしていく。中には車が欲しいと願う白と湖色のメッシュを入れた黒髪の女性から訪ねられた。
「車か。それは実装されるのは時間が掛かりそうだな。リアルにもある車を乗りたいならしっかり名前を書けば大丈夫なはずだ」
「本当ですか! やったー!」
「でも、車を納める場所と走らせるエリアは【蒼龍の聖剣】のギルドホームに旧大陸はまだ無いぞ。どうしてもってなら車庫があるマイホームとリアルのカーシングゲームのような様々なコースを叶える願いが2回分必要だ」
糠喜びをさせてしまうが、輪堂千速は首を身内の方へ向けた。
「・・・・・ねぇ、相談があるんだけど」
「「絶対に嫌」」
「「無理だから」」
「うわーん、せんぱ~い!」
即座に仲間達から拒絶され、どうにかしてー! って輪堂千速に泣きつかれる。諦めは肝心なんだからまったく・・・・・。
「んー・・・・・その車ってリアルのカーシングゲームにも存在して使えるのか?」
「え? はい」
「それならそのゲームをNWOでも遊べるようにして欲しいと叶えられるなら一石二鳥どころか一石三鳥じゃないか?」
「っ!!?」
「叶えられなかったらもう諦めて乗りたい車を願うしかない。いいな?」
「はいっありがとうございます!! 先輩に相談してよかった!!」
「あ、待て。それより乗りたい車が指輪になる魔法の車にして陸海空どこでも走らせることができるようにしてみたらどうだ? 走る車に場所は関係ない無いようにすればどこでも走らせれるぞ」
「おお!? それは面白そうやってみます! あ、それならもっと積めて・・・・・」
なにかよからぬ? ことを考え出した彼女を置いて次の相談者に話し掛けた。
「死神の鎌が欲しいですが、死神らしいスキルも欲しいんですよ」
「それならそのまま死神の鎌に死神らしいスキルが欲しいと願えばユニーク武器として手に入るかもしれないぞ。この死神の鎌もユニーク装備だからきっと叶うはず」
「そうなんですか。それなら試しにお願いしてみますね」
「フェニックスの力が欲しいとお願いしても大丈夫?」
「運営次第だが、どんなスキルが手に入るかランダムになると思うぞ。確実に炎系のスキルが手に入るだろうけど、小鳥遊キアラにとってのフェニックスの印象を装備にしてほしいかスキルにしてほしいか考えてみろ」
「私はオートマター、人形の種族をお願いしてみたいのですが」
「そう言うことなら征服人形になってみたいと頼んでみるといい。叶うかどうか断定できないけど機械の種族にはなれるんじゃないかな」
「私、人の姿のままのドラゴンになりたいんだよねー。それでドラゴンに変身できる漢字の願いをしたいんですよ」
「ドラゴンの角や翼と尻尾が欲しいのか? もしもそれならドラゴニュートの種族に転生したいと願いな。ドラゴンに変身したいならいつでも自分の意思でMPを消費せずドラゴンに変身できるスキルが欲しいとと頼めばいい」
「ねぇねぇ、35Pと冒険してみたいってお願いしたら叶えてくれるかな?」
「さくらみこのリスナーのマスコットの? 何匹が居たよな、どっちなのか、それとも両方ともなら具体的かつ明確にお願いしないと叶える側も判らないぞ。著作権法に引っ掛からないなら叶えてくれそうだが」
「すうは身体をもっと大きくしてみたい!」
「それなら【巨人化】ってスキルをお願いしてみるといい。実際に巨人族はいたからそう言うスキルはあると思うぞ」
「背中に触手を生やせるお願いってできます?」
「スキルとしてなら前に見せたものがあるからできると思うが、それってホロライブのキャラクターと同じにしたいからか? それならホロライブの自身のキャラクターと同じ姿を求めるか、その姿になれるスキルを求めてみるといいよ」
「ボクもロボットの種族になりたいなー」
「どんな姿になってしまうのか想像つかないから征服人形になることをおすすめする」
「空を飛ぶサメが欲しい!」
「パーティーに連れていくモンスターの鮫のことなら、怖い方がいいのか可愛い方がいいのか選ばないとな」
「我輩はカラスを手に入れたいんだが。とても強いやつを。できればホロライブの相棒のカラスが」
「それならホロライブの自身のマスコットをテイムモンスターとして手に入れたいとお願いすることだ。カラスの名前を忘れてはダメだぞ」
「「フワモコは可愛い爪の武器が欲しい!」」
「可愛い武器ならどんな色にして欲しいのかも詳しく書かないと伝わらないぞ」
「ロボットを召喚してぺこーらが操るお願いはできる?」
「モンスターなのか、自分が乗る方なのか、遠隔操作によるロボットなのか、それからどんな姿をしたロボットなのかも詳しくお願いしないとだな」
「ねぇ、このゲームの魔法スキルってどれぐらいあってどうやって手に入れるのか判る攻略本ってアリかな?」
「それぐらいならアリだと思う。もしも手に入れたら俺にも見せてくれ」
「スバル先輩を太陽神することってできますか!」
「ノエルなに言ってんだお前ぇ!?」
「【太陽神】のスキルなら手に入るが、神に転生することは無理だろうな。この流れで大空スバル、お前は?」
「スバ友、スバルを乗せて飛んでくれる大きいアヒルをテイムしたいなーって」
「そのままお願いしてみるといいよ」
30人以上の相談は軽く30分は越えて、当日まで忘れないようにメモするニューライブのメンバーが窺える。彼女達の願いが現実になる瞬間を早く見てみたいものだな・・・・・。
「ネクロマンサーとして従えるモンスターを手に入れたいってお願いしても大丈夫だと思う?」
「テイムモンスターを手に入れたい要望ならもっと具体的な表現を詰めようか。例えばアンデッドのドラゴンかティラノサウルスが欲しいとか、ネクロマンサー専用のスキルを×10が欲しいとか」
「なるほど・・・試してみるね」
―――ついに七週間後。
ライブ会場にログイン出来ているギルドメンバーが空席を占めて今か今かとざわめきながらその時を待っている。俺はステージの上で七つ揃った宝玉を置いて指定した集会の時間が越えるまで待っていた。
「生神〇が見れるのか?」
「いやさすがにそれはないだろ。あの宝玉に★のマークがないしさ」
「今日まで温めて来た俺の願いを今こそ叶える時だ・・・!!」
「またどんな願い事を叶えてくれるイベントを迎えるなんて嬉しいわー」
「こんな機会に巡れるなんて、移籍して本当によかった・・・・・!!!」
「待ち遠しいなぁ~、もう始めちゃってもいいんじゃねぇの?」
「【蒼龍の聖剣】はいつもこんな感じなのか・・・・・?」
「やぁこの配信動画を見ている諸君。俺と一緒に凄い光景を見ようぜ。チャンネル登録よろしくお願いしまーす」
「この願いを叶えられたら俺は強くなれるぞ・・・・・!!」
そんな会場中から聞こえてくる声の中、ジッと視線を落としていたタイマーに表示されている時間を見守り続け・・・・・21:00となった瞬間。ついにその時が来た刹那。
「出でよ我等の願いを叶えし者よ! その姿を我等の前に顕現したまえ!」
特に決まったセリフはない。好きなように呼びばいいと麒麟から教わったのでギルドメンバーに前振りの話をせずすぐに始めたのだった。俺の言葉に呼応した七つの宝玉が一斉に光り輝き、浮き始める宝玉が一つに重なって迸った閃光から・・・・・。
『ガオー! こんにちはドラー!』
なんかどこかで聞き覚えがある声と一緒にぬいるぐみのようなドラゴンっぽいのが出てきた。赤い鱗に覆われた体に頭からコウモリのような翼と立派な一本角、背負うように首に巻いた布がリボンにして付けている姿を俺達に窺わせてくれた。
『初めましてボクはドラぞう! ボクを喚んだのはキミかな?』
「・・・・・」
『・・・・・』
『あれ、聞こえてないドラ? もしもーし?』
俺もギルドメンバーもドラゴンのぬいぐるみの登場に言葉を失って、会場に沈黙と静寂が訪れた。ドラぞうかいうマスコットキャラクターみたいなNPCが俺の周りを飛んで首を傾げるので、遅れて応じた。
「・・・・・いや、聞こえている。少し驚いて言葉を失っていた」
『アハッ! そうだったんだ、驚かせてごめんねドラ。じゃあ早速ボクに叶えたい願いがあるなら何でも叶えてあげるよ』
「何でもなら一つだけある。それとも願い事は複数回と定められているのか?」
『ゴメンねー。一回しかキミの願いを叶えてあげれないんだー』
「わかった。それじゃあ今ログアウトしていて不在の【蒼龍の聖剣】に所属しているプレイヤー達を含めてこの場にいるプレイヤー全員の願いを不可能なこと以外叶えてやってほしい。できるな?」
『分かったドラ! それじゃあキミの願いを叶えてあげるドラ! また何時か会おうね! バイバーイ!』
俺に向かって手を振るドラぞうがポリゴンと化して消失した。その後に会場から歓喜の声がちらほらと湧き上がり、しっかり俺の願いが他のプレイヤーに反映されていることを察して安堵した。後は自由に解散することを事前に伝えてあるので一足早くライブ会場を後にした。
したら―――。
「・・・・・なに、これ?」
「スキルスクロールだよん。それとランダムアイテムボックスと色んなアイテム」
「イッチョウだけじゃなくて俺達のインベントリにも代わりに渡してほしいって受け取っているよ」
「全員じゃねーが、第1陣と2陣のプレイヤーの連中からな」
「お前に対する日頃の感謝だってよ」
「よかったねーハーデス。その日頃の行いで自分にもいい事が返って来てるじゃん」
「私達が色んなプレイヤーから受け取った物、軽く数えて100ぐらいあるわよね」
「凄いね、ハーデス」
いやいや・・・・・待て待て・・・・・なんだこのスキルスクロールの数はァ!!? 本当に全員からじゃなくてもこんなスキルスクロールやアイテムボックスにアイテムを受け取ったら整理と記憶するのが大変だぞ!! なに、俺をどんだけ強化させたいんだあいつらはー!!?
「気持ちだけ受け取りたいんだが・・・・・」
「ギルドマスターがギルドメンバーの贈り物を無下にしちゃダメでしょ。スキルスクロールに関しては保管しておけばいいじゃない」
・・・・・それもそうか。アイテムもそうすればいいだけだな。無限に収納できるインベントリがなければこのマイホームにあるアイテムボックスだけじゃ足りなくなっていたぞ絶対に。みんなの前で指輪に収納していくとドラグが話しかけてきた。
「でだ、それとは別に俺の代わりにランダムアイテムボックスとスキルスクロールを開けてほしいんだが」
「俺もだ」
「うん? 何で俺が開けないといけないんだってツッコミたいところだが、両方手に入れたのか?」
「試しにしてみたらできたよ。数は半々までだった。さすがにどっちも10個は欲張りだってみたいに叶えてくれなかったけどね」
「ハーデスの行動力を倣ってみたら案外できたよ」
へぇー・・・そういうのもアリだったのか。今度は俺もそうしてみようかな。てかペイン一行がそうしたのかよ。
「ところでハーデス君。説明してほしいことが一つあるんだけど?」
「なんだ」
「ここからでも聞こえてくる女の人達の声、私達以外このホームの出入りを許したんだね?」
ニューライブの事を言っているんだろう。確かに彼女達は願い事で手に入れた、叶えられたものを吟味できる落ち着いた場所を求めイッチョウ達より早く俺のホームに来た。それを知らないイッチョウ達は説明しろと言いたげに視線を向けて来るな。
「一時的な仮拠点として許可したんだが、居心地が良いみたいで遊びに来る」
「前にも会ったけど、まだ自分のホームを買ってないんだね」
「日本家屋を手に入れようと頑張っているぞ。ほら、ランダムアイテムボックスを寄こせ」
「ああ」
まずはドラグから五つ貰いさっさと開けた。
『拘束型装着ギプス』
『鋼鉄の三角ヘルメット』
『百人力の秘薬』
『100%惚れ薬』
『乳ポーション』
「・・・・・」
『・・・・・』
なんか・・・・・なんか、ね? なんて声を掛ければいいのだろうかこれは・・・・・。
「まともそうな名前が一つしかないって・・・・・」
この結果にorz心情なドラグであるが、イズとセレーネが興味津々と装備を調べて判ったことを口にした。
「でも、確認すると二つの装備のスキルは便利そうよ? ギプスの方はAGIが10まで下がっちゃう代わりにSTRとVITが装着した日にちごとに+10ずつ増えるって」
「三角ヘルメットもAGIが減った数値分STRに増えるみたいだね」
確かに聞くだけなら手に入れてみたいスキルだろう。しかし、しかしだ・・・・・。
「・・・・・人前でこれを着る度胸があるなら強いだろうな」
「プレイヤーの名前が浮かんでいなければモンスターと間違われても仕方がない姿になるよな」
「ドラグ、物は試しに装備してくれないか」
「絶対に嫌だからな!!」
断固拒否するドラグから引き取ってくれと頼まれたがこちらも断固拒否させてもらって、次はドレッドの番だ。
『〇〇のコート』
『青いツナギ』
『幸運の金玉』
『風魔手裏剣』
『透過の眼鏡』
「○○のコートと青いツナギはなんだろう?」
「コートにはステータスやスキルがないわね?」
「青いツナギには【公衆トイレ召喚】ってスキルがあるよ」
「・・・・・意味不明なスキルだな」
「運営は何を考えてるんだろうねぇー。それに透過の眼鏡って何かな。試しに装備してみてよ」
「まぁ、見た目は普通の眼鏡だからいいが・・・っ!?」
眼鏡を装着したドレッドが俺達を見て大きく目を見張ったと思えば、全力で明後日の方に顔ごと首を向けて焦燥に駈られた風に眼鏡を外した・・・・・。
「おいどうした?」
「ドレッド?」
「・・・・・何でもない」
・・・・・ああ、もしかしてそういう感じなのか? ドレッドの反応を見る限り、俺達の裸が見えてしまう類いの物か。
「使い道が分らない物は今後に役立つと思うから捨てずにとっておいた方がいいぞ二人共。ドラグに関しては装備スロットってスキルがある装備にギプスをセットしたら俺みたいに見た目だけじゃわからないぞ?」
「マジかよ? その装備の素材はなんだ」
「スライムとメタルスライムのジェルだ」
「・・・・・お前の言い値でいいからメタル系の斧を作ってくれないか」
まいどありー。
「ハーデス、俺のもお願いできるかな?」
「私もー」
「ジーザス、お前らもかっ」
ペインとフレデリカまでアイテムボックスを運試しに開けさせようと俺に渡してくる。最初はペインの方を開けてみたら・・・・・。
『タラリア』
『名人の釣竿』
『鯉の王』
『血濡れたラブレター』
『高級なニンジン』
フレデリカの場合
『呪詛返しの藁人形 極』
『海賊王の宝箱の鍵』
『人魚の肉』
『アダルト系写真集』
『運命の赤い糸』
「「・・・・・(血濡れたラブレターとアダルト系写真集を読み顔が真っ蒼にペインとフレデリカ)」」
「・・・・・俺達の方がまだマシなようだなドラグ」
「ああ・・・・・そうみたいだな」
血濡れたラブレターは、それを読んだプレイヤーは強制的なクエストが発生するらしく、今から一週間までラブレターの送り主である女のNPCから逃げないと強制的に結婚を強いられるようだ。なので俺達しか行けない月へ避難する羽目になったペインを応援するしかなかった。アダルト系写真集は、ぶっちゃけ言えば18歳未満のプレイヤーには見せられない物だった。女の裸ものでは無く、内臓が飛び出すぐらいグロテスクな男女ゾンビの水着姿のな。
「ハーデス、この怖い写真集どうしよう・・・・・」
「いらないなら読まずに捨ててしまえ。読んだらイベントが発生しそうだし」
「そうだね・・・・・」