四大砂漠の攻略、最初は砂漠に描かれた絵の調査をしにルナマリアから離れた。その為にはある場所を通過しないといけなくて・・・・・。
「タゴサックはともかく、ミィ達がまだだったのは意外だな」
「無理言うなって。挑戦はしてみたものの、バカデカい上に一度に戦わされるモンスターの数が多いんだ」
「【炎帝ノ国】総メンバーで挑んでも勝てなかったんだぞ」
「一度だけでまだ現状の私達では敵わない相手だと思い知らされましたので」
「そんなレイドボスとボスより大きいサンドワームとデスワームを倒したハーデスの強さも実感させられたな」
元【炎帝ノ国】の主力メンバーが倒せなかった砂漠葬送に出現するレイドボスのデスワームを協力して戦うことになった。しかしINT極振りした状態で【アルマゲドン】を叩き込んだら瞬殺で勝利してしまった。いやー、巨人より大きくても弱いんじゃ物足りませんなー。
「で、この先も行ったことがあるんだよな?」
「まだないぞ。だからこの先にオアシスを囲った町があるとしか知らないんだ」
「それじゃ初めて向かうエリアなのか。この先に行かないといけない砂漠ってどこなんだっけ?」
「砂漠の絵と炎の魔物がいる砂漠。逆にこっちは赤い砂漠と黄金の金字塔だ」
「つまり、全ての砂漠を攻略するにはデスワームを倒さないといけないのか」
そういうことだ。だからまだなプレイヤー達を阻むモンスターの先にある攻略対象の砂漠を攻略すれば残りはのんびりとできるわけよ。
「ねぇ、砂漠の絵ってどうやって調べればいいの?」
「空から見ればいいだけだ。リアルにもあるナスカの地上絵を見るようにな。でも、絵は一つしかないとは言っていなかったから現実のナスカの地上絵と同じ数を探さないといけないかも」
「ただ見てハイお終いってわけじゃないのかぁ・・・・・」
「EXクエストはそれだけ難しいクエストだということだ」
長い崖の間を通り抜け代わり映えの無い砂色の海の上を飛ぶ。【統率者】で俺のスキルを共有しないと長々と歩かないといけないから、さっさとオアシスの町へと向かっている最中に話し合っていた。
「ハーデス、いつものモンスターの変身をしないのか? それか従魔の背中に乗るとか」
「これからオアシスに行くのに変身できるか。従魔に至ってはプレイヤーの方が速いから乗らないぞ」
「こうして空を飛んでいるもんな」
「空からの移動以外、地道に歩いたら一週間も掛かるのは大変だろう。ましてやこの砂漠の暑さの中の移動は精神的にもHP的にもキツいはずだ」
砂漠に歩くプレイヤーは地獄を見るだろう。そうはなって欲しくない思いでまだ配信を止めていないが、一週間も掛かる道のりを空から移動しても二時間以上は飛んだ俺達にどんな気持ちで見ているのだろうか視聴者達は。やっと砂色から緑がある場所に辿り着き、一先ず小休止をすることにした。ここまで来るのに時間が掛かったから世界の神社を設置しておこう。
「ここがオアシスか。建物があるならNPCがいるよな。ハーデス、どのぐらい小休止するか?」
「30分だ。休憩がてらNPCに話しかけて情報を集めよう。クエストをくれるNPCがいるかもしれないし」
「わかった。砂漠の絵や炎のモンスターの事も知れることができるかもしれないしな」
「僕、情報を集めるのは少し苦手なんだけど」
「付き合ってやるから頑張ろうぜ」
「だな。んじゃ、俺とマルクス、クロムにミィ、カスミにミザリー。ハーデスとタゴサック、のメンバーでいいか? オアシスは始まりの町みたいに広いから情報収集も人数的に固まらずばらけた方がいいだろ」
シンの提案に俺も含めて全員が賛同して2人組4パーティーとなって散会した。近くにいるNPCに声を掛けようならば50%の確率で恐怖を与えてしまうから俺を一目見るなり逃げ出すNPCにしょんぼりする。
「NPCが逃げ出すなんて聞いたことないぞ。称号かスキルのせいか?」
「称号だよ。魔王になるとNPCの天敵になるからな」
「それじゃあクエストを見つけられないだろ」
「いや、逆にこれが見つけやすいんだ。ほら、周りのNPCが逃げているのに逃げていないNPCがいるだろ」
路上で販売していたNPC達が逃げても逃げない女性NPCに近づいて色々とたくさん買ってから話しかけると。
「ルナマリアから来たのですか? では、あのデスワームを倒した実力を見込んでお願いがあります。私の夫がオアシスを守るために炎のモンスターと戦い、奴らの仲間になってしまいました。どうか夫の魂を救ってくれませんか」
「な?」
「・・・・・お前、凄いな」
『ほんとそれ』
『広大な砂漠の中から埋もれたダイヤをあっさり見つける感覚』
『クエストサーチか何かかな?』
『そんな称号があるなら俺もホシィ・・・・・』
『クエストをくれるNPC探しには便利すぎるだろ』
クエストを受注するとミィ達にこのNPCのことをメッセージで教え、次のクエストを探し始めつつ冷やかし兼物色も忘れない。
「お、クーラードリンクなんてポーションがあるぞ」
「絶対に必要な奴だろこれ、暑さを無効にする効果と少ないけど燃焼ダメージを軽減する効果付きだ。こいつは買いだな」
「ミィ達の分も買っておこう。備えあれば患いなしだ」
四つの砂漠を攻略しないといけないから念のために8人×99分のクーラードリンクを買い占めた。
「おお、こんなに買ってくれるとは有り難い。ルナマリアと断絶してから中々売れなかったんだ。感謝のお礼にこれをあげよう旅のお守りだよ」
『太陽神のお守り』
所持していると所有者が受ける熱の被ダメージが10%軽減するお守りのアイテム
「だ、そうだぞタゴサック」
「俺も買うわ!!!」
俺の横で爆買いを始めるタゴサックも無事にお守りのアイテムを手に入れた。
『まだ二つ目だけど発掘するね白銀さん』
『炎じゃなくて熱の被ダメージ? なんで?』
『砂漠にいるからじゃないか? 炎で熱くなくて太陽の日差しで暑いから』
『同じ属性では?』
『火は火でしょ。太陽は光熱、オーケー?』
「色々と議論しているが、とりあえず見守ってくれ。なんか、盛り上がっている声が聞こえてくるからさ」
「本当にな」
二人で気になる歓声が聞こえる方へ移動して確かめると、オアシスの外でNPC達が集まっていて、褐色肌を晒す踊り子の女性達や舞台の上で踊っていたり、上半身裸の男達がバレーをしていたり、燃え盛る炎の中で掛けられた燃える棒の下に上半身を反ったまま潜る事をしていた。またなんか鳥の背中に乗って競馬みたいに競走してるし。
「いかにもって参加できて勝負に勝ったら何隠れそうな催しをしているな」
「参加してみるのか?」
「一つ試してみる。それで手に入るならミィ達にもやらせたいな。クエストに必要なアイテムかスキルが貰えるならなおさらだ」
『参考にさせてもらうぜ白銀さーん!』
『させてもらっても今絶賛、大量の25〜50メートルの砂ミミズレイド戦に苦戦中でまだ行けないけどなー。あ、死んだ』
『フルメンバーでも強すぎて倒せねぇ〜!!!』
『白銀さん! こいつらの弱点とかわからない!?』
『雑魚な俺達にどうか助言を頼みます・・・・・!!』
えーと弱点か・・・・・。あ、リンボーダンス参加しまーす。うんうん、なるほど。じゃあ準備いいのでお願いしまーす。・・・・・ほっ、ほっ、ほっ。
「ああ、デザートワームとデスワームは氷が一番効くらしいぞ。でも系統︰氷属性の武器やスキルがないなら、音を囮にするしかない」
『音を囮ってどういうこと?』
「砂漠のワーム達は目がない代わりに耳、聴力で獲物を襲う習性があるそうだ。それなら自分から15メートルも25メートルも離れた位置に音を出すアイテムを使って誘い出せば、捕食攻撃は一先ず避けられて長い胴体に好きなだけ攻撃ができる。それからこれは経験したことなんだが、聴力が発達しすぎて爆音並みの音には逆に驚いて砂からワーム達が一気に飛び出してしまうから気を付けなー」
『ありがとう白銀さん! 試してみる!』
『音を出すアイテムなら時計がいいよな。タイマーセットできるから好きなタイミングで誘き寄せられる』
『一匹なら倒せるんだ。でも、複数は無理すぎて負けるんだ水晶のモンスターみたいにさー!』
『今から調達してくるぜ〜!』
『ても、誘き出したとしてもどこから出てくるか分からないよな? どうすれはいいんだ?』
『えーと・・・・・白銀先生教えてください!』
「誰か先生だ。だったら一人が囮役で他全員は飛行アイテムで空の上に待機すればいい。出てきたらワームの胴体に刃ある武器を刺して、落ちながら斬り裂いたらどうだ」
『想像したら面白そうだった!』
『あー空の上に待つのは盲点だった!』
『なら足の速い奴が囮の時計をセットしてもらって、出てきたワームを白銀さんの言うとおりに俺達が攻撃すればいいな』
『めっちゃ時間掛かりそうだけど、一番安全に倒せそうな攻略法だな』
『後は現地でもっと工夫と調整をするだけだな。ありがとう白銀さん。勝ち筋が見えてきた。そっちもクリアできたみたいだな』
最高難易度の低さも背中と腰、足を気をつけて踏ん張って潜れば誰だってできるかもしれない! NPC達から歓声が湧いて俺の優勝ということでアイテムをくれた。
『炎武のミサンガ』
炎属性のモンスターのどんな攻撃でも一度だけ回避することが可能。使用回数一回
「これ、限定的で一度きりなんだけど、即死攻撃してくるならこれを使って回避できるじゃんか」
「俺もやってくる!!」
『超欲しいアイテムだけどぉー!!!』
『4大砂漠を攻略するのに必要なスキルやアイテムがそこにあるのならワームに足止め食らってる場合じゃねぇー!!』
『えーこちら赤い砂漠の調査隊一行です。モンスターに襲われないままあっさり辿り着いて拍子抜けだなーって赤い砂漠エリアに踏み込んだらHPが一分で三分の一まで減った上に回復アイテムが使用不可という鬼畜な設定に運営のバカヤロー! と叫びながら引き返しました』
『同じく黄金の金字塔ことピラミッド探検隊! 中はひんやりとして涼しいしモンスターの気配がない。けど石造りの迷宮すぎてすぐに迷子になる! ゴールは非常に難しい! てか、どこがゴールなんだ?』
「あ、くそ、失敗した・・・・・え? 素晴らしい物を見せてくれたお礼? 俺が何を見せた?」
俺はバレーをしているNPCを見ていたから知らないけど、視聴者達はしっかり見ていたようで『気持ちわかる』『NPCもこちら側だったとは親近感か湧く』『大変素晴らしい物をみせてくれてありがとう』とかおかしなことを言ってる。
「ハーデス、失敗したのにお前と同じアイテムを貰えた。どうしてなんだ?」
「うん? 悪い、あっちの方を見ていたから分からない。リンボーダンスは成功失敗は男より女の方が緩いのかもな」
「・・・・・そうか」
納得がいかない様子だが、貰ってしまったアイテムを仕舞ってチラッとダンスを見て「あれはできない」と思ったのかすぐに視線を外した。
「ハーデス、性転換してあのダンスを―――」
「お、いたいた。ここがそうなんだな?」
何か言いかけたタゴサックの言葉と被るクロムの声が聞こえ、俺達以外の仲間が再集結した。
「なんだ、もう来たのか?」
「特に何も見つからない私達と違い、お前達の方が見つけている事態となればこちらに来るのは当然だ」
「私達も配信を見て知りました」
「ゲームをクリアしてアイテムを手にいりゃあいいんだろ? あー躍るのは無理だけどな」
「僕も無理、と言うか全部できなさそう」
マルクス、お前はもちっとやる気を出してくれ。
「お前ら、リンボーダンスは失敗しても腕輪が貰えるぞ。やっておいて損はない」
「ああ、見ていたから知っているぞ。だが、な・・・・・」
「ええ、NPCとはいえ男の人の前では恥ずかしくてできませんね」
「・・・・・うむ」
「じゃあ、あのダンスも出来ないのか?」
「「「すみません」」」
たく、しょうがないな・・・・・ちょっと待ってろ。
―――10分後。
「ほら、これが手に入るらしいぞ。で、男共はなぜ私から顔を逸らす」
「いや、目に毒と言うか・・・・・」
「今のお前を見ていられない理由があるんだよ。分かって聞いてるだろ」
「ううう・・・・・っ」
紫色を基調とした布面積が少なめなビキニのようなタイプの、露出が激しい独特の衣装。紫色の紗幕を口元に巻き、顔の下半分を隠して体中に控えめの金細工を身につけている俺を絶対に観ようとしないクロム達。対して視聴者達は・・・・・。
『男なのにどうして俺達の目を奪う踊り方ができるんだよ・・・・・』
『その恰好も相まってとてもエッチだったよ・・・・・!』
『俺達を誘惑してどうするんだぁー!』
『ありがとう白銀さん。いい夢が見れそうだ』
『お姉ちゃん素敵です!!!』
・・・・・・うん、なんかギルメンがいたような気がするけど気のせいだよな。