バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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ルナマリアでのEXクエスト 四大砂漠の攻略 8

グラン・モーランの亜種っぽい赤褐色のクジラもどきを誰一人欠けず倒してモンスターのドロップアイテムや部位破壊で得た鉱石が手に入った。あのモンスターのレベルも100だったからそれなりに経験値が入ったが、本当に出現する条件は何だろうな。まさか一定の人数での横断じゃないだろうな。

 

ともかくこの勢いを殺がずデスワームの攻略に挑戦しては無事に全員がクリアできた。いやー、ヒット達を追いかけるデザートワームとデスワームの姿が凄かったな。まるで津波みたいに追いかけるから楽に倒せたぞ。ただ、ヒット達だけでは倒せなかったがな。もっと強い重火器が必要だろ。だからオアシスの町に移動しながら訊ねてみたんだが。

 

「銃器の系統の武器は自分で開発することはできるのか?」

 

「それがガンナーなのにできないんですよねー。弾薬も自作や改良も開発も出来ないんで買うしかないんですよ」

 

「弾薬の方は科学と錬金の類だと思うが・・・・・ああ、科学者の職業を解放しないといけないのか」

 

「科学者の職業? ちょっと詳しくお聞かせください。どうやって解放できたんですか」

 

一人のガンナーが科学者に興味を持ったのでカクカクシカジカと教えると、興味を持ったか科学者の職業を解放してみると断言した。

 

 

―――1ヶ月後、とあるガンナーのプレイヤーが科学者の職業を解放して以降、銃器系統の武器の開発や改良、弾丸の開発と改良を可能としたことが話題となり、ガンナー達もこぞって科学者の職業を目指したのはまだこの時の俺は知らなかった。

 

 

「さて、この町で四つの競技のクエストをする事が出来て、四大砂漠クエストで必要になり得るアイテムが手に入る。ただ、男は三つ、女は四つ全て手に入るようになっているがNPC達がとても強いから勝てずとも頑張れ」

 

目的のオアシスの町に辿り着いて町から離れた位置で、ピラミッドを攻略する組と町に入る組と別れて話し合う。イカルは俺達と一緒に行動することになった。

 

「白銀さんは四つとも手に入ったんだよな? 性転換しても手に入るのか?」

 

「その通りだ。性転換ができる術がないプレイヤーは三つしか手に入らないから、女プレイヤーと一緒にクエストをすることを勧める」

 

「あのー白銀さん。精霊族か精霊の力がないと倒せないレイドボスとどう戦えばいいんですかね」

 

「精霊に属する武器があればいいんだが、今のところそんな武器やアイテムもないから何も言えない。黄金の金字塔、ピラミッドを攻略した報酬がイフリート・ノヴァに対抗できる物であることを祈るしかないな。これから私達はそのピラミッドを攻略しにいく。ここでしばらくお別れだ」

 

「今日はありがとうな白銀さん! また一緒に遊ぼう!」

 

「またなー!」

 

「楽しかったぜー!」

 

「ありがとうございましたー!!」

 

ヒット達に見送られ黄金の金字塔へ目指す。スーパーカルガモ達は俺達が行きたい場所を知っているかのように勝手に向かってくれるから配信を見られる。

 

「さっきからペイン達の攻略配信を見ているが、罠やモンスターに苦戦しているぞハーデス」

 

「それは当然だろ。ピラミッドの中の構造は迷宮そのものだ。ゲーム的に例えるなら一種のダンジョンとも言える。ならば安全なゴールはある筈もなく、危険な道のりを越えてゴールするしかない」

 

「因みに聞くけどよ。お前ひとりだったらどうやって攻略するんだ?」

 

「邪魔な罠やモンスターは取り敢えず水で満たして無効化するか、マグマ一杯にして無効化していたかもな。さすがに天井か壁が迫って対象を押し潰す罠は、破壊可能だったら壊すがそうで無いなら別の方法をするしかない」

 

「・・・・・お前だけ絶対生き残りそうで同じ大盾使いとして尊敬するよ」

 

お前が俺だったら絶対に同じことをしているってば。さてペイン達の方は・・・・・。なんだここ、黒い部屋?

 

 

『うわぁー!! 部屋一面に虫らだけだぁあああああ!!?』

 

『こいつは範囲攻撃で倒さないとダメな部屋だな』

 

『数が多すぎて倒し切れねぇ! 鬼人族のイベントを思い出すぞ・・・・・!』

 

『ああっ、イカルちゃんを引き抜けばよかったかもー!!』

 

『何としてでも切り抜けるぞ!』

 

 

うわぉ・・・・・そんなトラップもあったのか。確かにイカルがいたら何とかなっていただろうなぁーと不可避の攻撃を受けて、俺の防御力の恩恵を得てもじわじわとHPを減らされて最後はあのペイン達が離脱した。

 

「おいおい・・・・・ペイン達がやられる罠まであるのかよ」

 

「この罠の部屋に入らないようにしようぜ」

 

「できたらな―――見えたぞ」

 

100メートルも石のブロックで積み上げられた三角形の建造物が黄金色に煌めく様は、中には絶対に一生遊んで暮らせる金銀財宝が眠っていると思い起こさせるが、実際は人々の欲望を駆り立たせて迷宮に誘い狡猾な罠で侵入者の命を奪う悪辣極まりないピラミッドだとは誰も思わないだろう。

 

「さて、ここで使ってみるか」

 

無反応だったら中で改めて使えばいいという気持ちで、黄金迷宮の千年眼をインベントリから出して金字塔に向けて突き出すと、金色の逆さ三角形に目があるアイテムが光り輝き出しては目からビームが飛び出した。攻撃的なものではなく、アイテムを動かしても光の筋が空間に固定されているみたいで動かず俺達を導く光であることが察した。

 

「ペイン達もこんな風に使って中に入ったのかね」

 

「どうだろうな。グラン・モーランの亜種と戦ってたからどのタイミングで配信をしていたのかわからない」

 

「中に入れば私達も罠やモンスターに襲われる。十分に警戒しよう」

 

光が差す方へ歩みながら他のみんなの話し声に耳を傾ける。ピラミッドの側面に回るとさらに奥へ伸びていて、追うように移動したら、光はピラミッドではない別の場所を差していた。

 

「なんだ? ここが目的のピラミッドじゃなかったのか? 日誌にはこんなこと書かれていなかったぞ」

 

「もしかしたらダミーなのかもしれません。私達が本当に攻略する場所を惑わして隠すために」

 

「・・・・・ミザリーの言う通りならば、確かに最初に目に付く黄金のピラミッドを見てしまうと、足を停めて中に入れるならば意識は完全に目の前の物に奪われてしまうな」

 

「うわー、まさかこの黄金のピラミッドそのものも僕達を騙す罠だなんて」

 

「だが、この光の先にも私達を待ち構える罠がないとは限らんぞ」

 

「それを解ってる前提で行くんだろハーデス」

 

「もちろんだ。他のプレイヤーと違うプレイをして楽しむのが俺のゲームスタイルだ。行くぞ、この先に何が待ち構えていようと未知を既知に変えるんだ」

 

「はい!」

 

スーパーカルガモに光が伸びる先へと走ってもらい、30分経っても着かない時はこまめな小休止とスタミナ回復、スーパーカルガモに水分補給をした。さらにもう30分も移動したら、砂色の大海原のど真ん中に慰霊碑のようなオブジェクトがあって、光もそのオブジェクトで途切れていて、ここが俺達の最終目的地点であり終点であると言外した。降りて確かめると石板に何かを嵌める窪みが三つもあり―――。

 

「こういうことか用途不明の正体は」

 

躊躇なく黄金迷宮の千年眼を嵌めこむと、石板が勝手に沈みだして砂に沈んだ代わりに、俺達を待っていたかのように太陽の日差しを浴びながら第二の黄金のピラミッドが姿を見せたのだった。

 

「さっきのピラミッドとは変わらないな。ここが本当に俺達が攻略するべき迷宮か?」

 

「その気持ちは私も同じだクロム。もしかしたら第二のピラミッドを攻略するに必要な物が第一のピラミッドに隠されているかもしれないしな」

 

「おいおい、そんな今更な事を言わないでくれよハーデス。じゃあどうするんだ、また戻るのか?」

 

「いや、あくまで予想だ。これを出した以上、中に入るぞ。一番後方はイカル、タゴサック、マルクス、真ん中はクロム、ミィ、ミザリー、残りは前衛で私と一緒でいいか」

 

「おういいぞ」

 

「はい!」

 

「大盾使いが三人いるから全員前でいいんじゃないの?」

 

マルクスの素朴な疑問にこう答えてやった。

 

「ピラミッドの中は罠だらけなら道中で落とし穴に嵌って私達の誰かが分断される可能性がある。そうでなくとも戦況に応じて前衛、中衛、後衛が独自に動いてもらうかもしれない。そして何よりどの部隊にもタンク、大盾使いがいてミザリーを除いて俺とイカルは疑似ヒーラーの役割が出来る。現状これが最善な編成だと思っている。イカル、戦闘が始まったら【桜園の誓い】でタゴサックとマルクスを選択してくれ」

 

「わかりました!」

 

ようやく第二のピラミッドの中へと足を運んだ瞬間、視界が真っ白に染まって何も見えなくなったが・・・・・・いつの間にか砂漠の上に立っていた。周りを見渡せば全員揃っていて、顔を見合わせて不思議と疑問を浮かんだ。

 

「迷宮どころか、砂漠の世界だよな」

 

「どーなってるんだ?」

 

「出口はどこでしょう?」

 

これからどうすればいい? と戸惑う俺達の心情を露知らないで青く光る魔法陣が具現化して、そこから額に赤い宝玉がある青い身体の巨人っぽいのが出てきた。えーと・・・・・神オベリスクの化身、さん?

 

「ああ、ここは神の化身と戦うレイド戦の砂漠か。すっかり騙された」

 

「やることは変わりないってことだな」

 

「凄く、強そうだよ・・・・・」

 

「大丈夫です! お姉ちゃんが―――」

 

遅れて赤と黄色の魔法陣まで浮かぶと手と翼があり口が二つ、額に青い宝玉がある竜に青い宝玉が額にある黄金の身体を持った巨大な鳥までも同時に現れた。

 

「あれ三体同時には流石に倒せないぞイカル」

 

「・・・・・」

 

「ベヒモス達の上位互換のモンスターなのはわかるが、まさか三体同時に戦わなければならないのか」

 

「・・・・・さすがに無理があるぜ」

 

まったくだ。俺でもこのメンバーだけで戦おうと勝てる気はしないぞ。

 

ピコン

 

「ん? 何だ・・・・・?」

 

『千年アイテムを一つ消費しました。神オシリスの化身、神ラーの化身、神オベリスクの化身の以下を選択してください』

 

なんかシステムが催促してきたんだがこれはなんだろうか。イカル達は俺の目の前に浮かぶ青いパネルはないと言うので、じゃあ試しにと神の化身オシリスを選択した。俺に選ばれた赤い竜が咆哮を上げるとなんか付与された。

 

「このクエスト限定のみプレイヤーのスキルが系統︰精霊となる・・・・・」

 

「は? なんだそれ、スキルか? 称号か?」

 

「このクエスト限定のスキルだ。・・・・・はぁ、こんなスキルが手に入るなら最初にイフリート・ノヴァと戦わなければよかった。それにどうやらここは神の化身から限定的な付与を得る代わり千年アイテムを交換する場所だ。ピースはここじゃなくてもう一つのピラミッドの方にありそうだな」

 

「マジかぁ〜」

 

「ってことは、千年アイテムで交換するためには・・・・・」

 

「手に入れる方法は性転換して踊ることだなお前達」

 

この瞬間、タゴサックやイカルにミザリーを除いて絶望するミィ達。そんなに嫌なんだな、踊るのも性転換するのも。

 

あ、交換したら三体の神の化身が消えて、発現した魔法陣に千年アイテムを嵌め込む石板がある場所に戻された。

 

「ハーデス、ものは相談なんだが。もう一度さっきのアイテムをもう一度手に入れてよ、トレードしてくれねぇか?」

 

「それは無理な相談だ。トレード不可のアイテムだぞ。まだイフリート・ノヴァを倒してくれと言うことなら、今の私だったらできるが」

 

「じゃあそうしよう、今すぐしよう! なっ!」

 

「うむ、私達はまだイフリート・ノヴァと戦っていないからな。ハーデスと再挑戦すれば今度はハーデスの攻撃は通ずるのだろう?」

 

ほんと必死だなお前ら・・・・・完全に俺頼りじゃないか。

 

「忘れていないと思うが、最初はイフリート・ノヴァを封印してる鎧を自滅ダメージで壊さないとならないぞ。加えて既に倒した私とタゴサックがいたら、強化されるから簡単ではない。私と一緒に戦うよりペイン達と共闘すれば強化状態のイフリート・ノヴァと戦わずに済むぞ」

 

「―――ハーデスの言うとおりかもしれないよ」

 

俺達の話に割り込んできた声の主は、ペインだった。俺達の配信を見てすぐにここまで来たようだな。

 

「ハーデスですら苦戦したレイドボスを強化状態にして戦うのは、まだ戦ったことがないならばなおさら避けるべきだ。今回のEXクエストはハーデスの防御力を無視するダメージが受けやすいようになっている。それを考慮したらまだ戦ったことがない俺達と一緒にやるべきだ」

 

「はーい、あのダンスをして千年アイテムを貰えた私が主に戦わないといけないけどねぇー。ということでイカルちゃんの力が必要だから一緒に私達と戦ってほしいけど」

 

イカルの力=スキルだろうよ。ピラミッド内のトラップに引っかかった時も言ってたしな。

 

「嫌です、お姉ちゃんと一緒にいたいです」

 

即答で拒絶したイカルが言うだろうと最初から分かっていたようなイッチョウは、断れてもなお頼み込んだ。

 

「このクエストを攻略するまで手伝ってほしいの! この通り!」

 

両手を合わせて頭を垂らすイッチョウに請われたイカルは・・・・・快くは受け入れないようで、俺の腰に抱き着いて絶対に行かないと態度で表した。

 

「ハ、ハーデス君・・・・・」

 

「はぁ・・・・・イッチョウ、これは貸しだぞ」

 

イカル、ちょっとこっちに来てお話をしようか。

 

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