バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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クエスト終了後

「うおおりゃああああああっ!」

 

ラヴァ・ゴーレムの追撃から辛くも逃げ切れてドワルティアの鍛冶場に戻ってこれた。ほんと、やばかったぜ。【マグマ無効】がなかったらマグマで閉ざされたエリアの出入り口を突破できなかっただろう。

 

「今になって、【マグマ耐性小】のスキルがあってよかったと思った・・・っ!」

 

「「同感っ」」

 

二人も【マグマ耐性中】に進化してしまったほど俺達はマグマと溶岩に襲われ続けたのである。

ダンジョンから脱出できた達成感によりその場でぐてっと大の字に倒れ伏せた。

 

「獣の姿での移動は思いのほか疲れる・・・・・」

 

「ありがとう、助かったわハーデス」

 

「私達の為にごめんね」

 

頭を撫でてくるセレーネ。ヒムカも労いの言葉を言ってくれるが何を言っているのか分からない。しかし、おっとこの心境は・・・・・?

 

「・・・・・セレーネ。砕けた感じで話せるようになったな。俺の事は慣れたか?」

 

「え?あ、うん・・・今日は色々と大変な冒険だったからね」

 

「確かにねー。最初はラヴァ・ゴーレムみたいな相手を戦うことになるなんて想像もしなかったし」

 

うんうんとセレーネと頷き合う。

 

「―――坊主!」

 

騒がしく駆けよってくるヘパーイストス達。

 

「お前等、よくもまぁ無事で戻ってきやがったな。成果はどうだ?」

 

「おう、地龍はこの通りだ」

 

素材を回収したセレーネがユーミルに手渡す。『地龍の外殻』だ。真剣な眼差しで確認するドワーフは薄っすらと口元を緩めた。

 

「・・・・・間違いない」

 

「ってことは・・・・・」

 

「・・・・・鉱山を取り戻せた」

 

そう断言したユーミルは『地龍の外殻』をヘパーイストスに手渡す。

 

「・・・・・無駄なデカい声で伝えろ」

 

「一言余計だクソッタレ師匠!」

 

ズンズンとドワーフの鍛冶師達が集う場に歩いてすぐに立ち止まった。ヘパーイストスは大きく息を吸って・・・・・。

 

「地龍が討伐されたぞテメェ等ぁっ!!!何時まで酒に溺れて酔っ払っているんだ!!!ずっと怠けていた鍛冶師の名折れ共めがっ!!!」

 

「あれでいいのか?」

 

「・・・・・いい」

 

いいのか。あ、数人のドワーフが酒瓶を片手にやってきた。

 

「おうおう、テメェ、今何つったよ?地龍を倒しただぁ?」

 

「面白くもねぇ冗談を言うなら・・・・・おん?おめぇ、ユーミルんとこの人間の弟子じゃねぇか」

 

「あ?あー、そういや見覚えのある面だ。なんだ、俺達を馬鹿にしに戻ってきたってのかよ」

 

ドワーフ達がヘパーイストスの事を覚えていたのも驚きだが、外殻でドワーフを叩くヘパーイストスにも驚かされた。

 

「誰がこんなところまで来て馬鹿に言いに来るんだ。とうとう頭ン中まで馬鹿になったかよ」

 

「てめぇ・・・!調子に乗ってっと昔みてぇに金槌で叩いてやるぞ!?」

 

「上等じゃねぇか。飲んだくれの金槌なんざ痛くもかゆくもねぇよバーカ!」

 

「こ、このクソがきゃぁああああっ!」

 

怒り狂うドワーフが酒瓶で殴りかかるが、外殻で逆に酒瓶を叩き割ったその返しで顎下から打ち上げた。

 

「ごふっ・・・!?」

 

「はっ!ちったぁ酔いから目ぇ覚めたんならこれを見ろよ!」

 

「んなの、ただの石―――」

 

突き付けられる地龍の外殻を一瞬だけ興味なさそうに視線を逸らしたものの、また二度見、更に三度目でまじまじと見つめるドワーフ。

 

「石、じゃねぇ・・・なんだこれは?どこで手に入れた」

 

「どこに手に入れたもんじゃねぇっての。文字通りこいつは地龍を倒して手に入れたもんだ」

 

「だからそんなつまらねぇ冗談を言うんじゃねぇよ!あの最硬の外殻をおめぇ如きが破れるほど軟じゃないぞ!ユーミルのハンマーですら通用しなかった!」

 

「はぁ・・・・・おい、もっとあるか!こいつらの酔いを吹っ飛ばすもんを!」

 

「オーダーが入ったぞセレーネ」

 

「は、はいっ」

 

俺達も行こう。ヘパーイストスだけじゃ説明がスムーズにできそうにないかもしれない。

 

『地龍の外殻』『地龍の鉤爪』『千年鉱石』『竜骨【大】』

 

外殻は知ってるし、鉤爪は納得できるが千年鉱石は何だ?竜骨ってそのまんま地龍の頭部じゃないか。出したセレーネ本人も驚いてるから詳しくは見ていなかった?

 

「な、なぁぁぁぁっ!?」

 

「ち、地龍じゃ!?間違いない、こいつは地龍だ!!」

 

「小僧の言うことは本当じゃったのか・・・・・っ!?」

 

こっちはセレーネの比じゃないほど目が飛び出そうなぐらい見開いて顔中に脂汗を流している。

 

「あ、あの・・・これで証明できますか?」

 

「まさか、嬢ちゃんが倒したってのか!?」

 

「ふぇっ!?ち、違います!これは―――!」

 

「ああ、俺が遠い町から連れて来た三人の冒険者が倒した」

 

ヘパーイストスの一言で三人のドワーフ達が俺達を愕然とした表情で見つめてくるが、竜骨を持ち上げるユーミル。すご、リアルのティラノサウルスの頭部並みに大きい竜骨を片腕で持ち上げたぞ。

 

「・・・・・行くぞ」

 

「っ!?」

 

「お、おうっ!分かったぜユーミルっ!」

 

「こうしちゃいられねぇっ!奴らを集めて報せなきゃなぁっ!今日は宴だぁっ!」

 

俺達を置いてドワーフ一行は竜骨を神輿のように持ってこの場を後にした。

 

「えーと、俺達はどうすれば?」

 

「しばらく観光でもしていればいい。用がある時は呼んでやるからよ」

 

「場所が分かるのか?」

 

「おいおい、俺達は友好を交わしているんだろ?手紙ぐれぇ送れないわけがないだろ」

 

NPCと交友関係になるとそんなことも出来るのか。初めて知ったな。

 

「じゃあ、お言葉に甘えて町に行きましょ?」

 

「うん。ドワーフの国をゆっくり見て見たかった」

 

「だな。ヴェルフはどうする?」

 

「師匠と居るさ。俺も何時か、ここで世話になるだろうからな。顔を覚えさせておきたいんだ」

 

納得できる理由にこれ以上の誘いを止めて俺達だけで町へ繰り出した。

 

「ところであの竜骨。素材にするとしたら何になるんだ?」

 

「うーん、加工しなくちゃならないだろうからきっと武器や防具の素材じゃないかな」

 

「地龍・・・ドラゴン系のモンスターを倒せば竜骨が手に入る情報は凄いよ」

 

ラヴァ・ゴーレムの討伐以降の配信動画は停止してあるから、これ以上の情報は流出されない。

 

「で、問題なのは千年鉱石ってやつだ」

 

 

『千年鉱石』

 

千年間も生きた地龍が数多の鉱石類を食べ続け、体内で長い年月をかけて混ざり蓄積したもので、生半可な技術では扱うことも出来ない伝説の鉱石。

 

 

これが×3だもんで、この説明文を読む限りでは・・・・・。

 

「古匠以上の職業じゃないと扱えないって感じだな」

 

「名匠にすらなってないもの。当然よね・・・・・。」

 

「でも、上を目指す理由が出来たよ」

 

名匠になるための条件は分かったところだ。

 

「名匠の鍛冶師に弟子入りして免許皆伝を許されることでいいのかな?」

 

「他の鍛冶師のプレイヤーも上位職の名匠にはなってないし」

 

「匠なら私とイズを含めてまだ数人程度」

 

なぬ?匠だと?

 

「匠の条件は?」

 

「レベルを20上げた状態で、レア度と品質を7以上の作品を10個以上作り上げること」

 

「名匠になるには更に大変な作業になるでしょうねぇ・・・・・」

 

生産職の大変さが滲み出ている。俺もファーマーの真似をしてるけど、ファーマーではないから上位職の転職は・・・・・あるのか?

 

「そういえば、ハーデスは二次職になってるの?」

 

「いや?まだ上位職じゃないけど、帰ったらテイマーを次のランクに上げるつもりだ」

 

「まだ、初期の職業であんなに・・・・・?」

 

セレーネ。その信じられないものを見る目で見つめないでくれるかな。

 

 

会話を交えながらドワルティアの商店街にまで戻った。観光は個々に分かれて活動してみようとイズの提案でそうすることに。ヒムカを引き連れて、様々な店を見て回ることしばらくして。

 

「おっ、食材が売ってるぞ」

 

「ヒムヒム」

 

布を敷いて籠の中に食材を売ってる中年男性の店を気になって足を止める。畑で育てられそうなものは・・・・・。

 

「おおっ?これは鷹の爪!」

 

「違うよ。トウタカっていう辛い調味料になる植物だよ」

 

「トウタカ?」

 

唐辛子、鷹の爪の上の文字を抜いた名前か?

 

「トウタカね。これを売ってくれ」

 

「あいよ。どのくらいだい」

 

「この籠全部」

 

「嘘だろっ!?」

 

驚かれる。それでも購入希望を示してトウタカを籠一杯買った。それ以外にも岩塩、胡椒に何かの卵、ガリュートという名のガーリックにパスタ・・・・・ハーブやデザート作りには欠かせないシナモンやナツメグも大量に買い込んだ。というか、ここの商品―――カレー粉の材料を買い占めた。

 

「お客さん凄い買うね。こんなに買ってくれる人は初めてだよ。これでしばらくは生活に困らなくなる。ありがとう」

 

「どういたしまして。料理を作るし畑で育てたいものもあるからな。たくさん必要なんだよ」

 

「ほほう。畑をお持ちか。なら、ストロベリーも育ててみないかい?」

 

「ワイルドストロベリー?」

 

「いいや野生じゃないデザートに使われる方のストロベリーさ」

 

それは・・・・・凄く興味があります。

 

「ただね。それを売ってるのは俺の連れなんだ。この先の道を歩いて頭に紫の布を巻いた女性がいる。サボンから紹介されたと言えばストロベリーの話を聞けるよ」

 

「分かった」

 

サボンという商人の言葉を信じてその女性を探すと、あっさりと見つけた。地面に布を敷いて装飾品を売買している。鑑定すると、高い完成度ばかりの商品だが、それ相応の高い値段で付けられていた。

 

「ん・・・・・これとこれをください」

 

「まいど!」

 

「それと、サボンさんからストロベリーを育てる気があるなら売っているあなたに訪ねろと言われたんだが」

 

「おや、あの男がそんなこと言うなんて珍しいじゃないか。大量に買ってくれたんだね?物好きなお客さんだよ」

 

笑みを浮かべる女性は、後ろからバスケットを手にとって蓋を開けると小さくて赤い果実が詰まっていた。

 

「これが大人から子供まで好まれるストロベリーだ」

 

「おお、美味しそうだ」

 

「だけど、これは簡単には譲れないよ。一粒10000Gだ」

 

「は?高過ぎだろ?」

 

「ただのストロベリーじゃないのさ。ここだけの話だよ?あるモンスターの好物なのさ」

 

「そのモンスターとは?」

 

「名前は知らないけれど、うちの村の外に群生してるこのストロベリーが実る時期に必ず小さなドラゴンがやってくるんだよ。珍しく可愛いからって捕まえようとした村人がいたんだが、すばしっこくて魔法を使うもんだから捕まえられないでいるんだけれどね」

 

「全部買おう! あと、あなたの村の場所を教えてくれ!」

 

「嘘でしょっ!?」

 

金は時に偉大なりなのだ! 結果、ストロベリーだけで500000Gも掛かったがこっちはホクホク、あっちは感動の涙を流してお互いWin-Win! 金なんてすぐに稼げるから問題ないのさ!

 

それから様々な商店に足を運び気になる商品を見つけては、大量に購入する行動を繰り返した。あっという間に時間は過ぎた時に一通のメールが届いた。ヘパーイストスからだった。内容は城のところに集まれ。

 

 

 

 

イズとセレーネと合流しつつ、ドワルティアの城に辿り着いた。崖に囲まれて一本道の足場と折り畳み式の橋で城に繋がっていて、その前にヘパーイストスとヴェルフ、ユーミルが佇んでいた。

 

「来たな。どうだった」

 

「良い買い物ができた」

 

「私もよ」

 

「色々な物がたくさんあって目移りしちゃった」

 

「・・・・・行くぞ」

 

いやあの、説明をしてくれないかな?どうして王城に入ろうとしているんだけどユーミルさん。ヘパーイストス、説明よろしく。

 

「地龍討伐の話がドワーフ王の耳にも入った。王がお前達との謁見の場を設けたんだよ」

 

「王様と話を・・・・・」

 

「おー、古匠職業の話が聞けそうだな。当分先の話だがな」

 

「でも、上位職の転職方法が分かるなら当分の先でも知っておいても損じゃないよ」

 

それもそうだけどな。どんどん先行くユーミルを追いかけ近づいてくる俺達を出迎える城門が、一人で勝手に鈍重の音を鳴らしながら開いた。門を潜ると完全武装した警備中である城兵のドワーフ達が視線を各所から飛ばしてくる。王座の間がある場所は―――。

 

「ヘパーイストス。王がいる場所わかるのか?ユーミル、我が物顔で移動してるけど。案内役のドワーフが来ていないのに勝手に移動してもいいのか?」

 

「・・・・・俺に訊くな」

 

「おいおい。不法侵入で捕まったりしないよな?」

 

一末の不安を抱くことになるとは―――ユーミルが口を開く。

 

「・・・・・問題ない」

 

問題ない?ヘパーイストスと視線でどういうことだ?と疑問符を浮かべる。更に浮上した疑問は解消されることもないまま、ユーミルについて行く形で城内を歩く。真っ直ぐ一本道の通路の先、百段以上はあるだろう階段を上った先にある楕円形の大きな扉を守護する屈強な二人のドワーフに歩み寄った。

 

「・・・・・連れて来た」

 

「「はっ!」」

 

「「「「「・・・・・」」」」」

 

え、それだけ?顔パス?・・・・・まさか、ユーミルって。

 

守衛のドワーフ達の手によって扉は開かれる。扉の向こうは高くした台座の上に王座がある所まで敷かれている紅い絨毯を挟む形で佇む、幾人の正装を身体に着込んだドワーフ達や鎧を着込んだ兵士のドワーフ達。

王座の方へ視線を向ければ頭に小さな黄金の冠を載せ、王族の者として相応しい正装とマントで身に包む小さき王が座っていた。その容姿はどこか、髪と髭は焦げ茶色だが目元がユーミルと似ている。

 

俺達は王から数メートルも離れた位置でユーミルが立ち止まり、その場で跪いて頭を垂らす姿勢に倣った。ヒムカはこの意味が分からないから静かに佇んでもらうことにした。

 

「・・・・・面を上げろ」

 

王としての威厳と風格を示唆しながら王が口を開いた。言われた通りに面を上げる。

 

「久しいな兄者よ」

 

「・・・・・弟よ」

 

「んなっ・・・!?」

 

最初の一言が兄弟の挨拶だった。ヘパーイストスはまったく知らされていなかったみたいで、絶句していた。まぁ、イズとセレーネもそうだが。

 

「いい加減、城に戻ってこないか。この玉座も本来は兄者が座るべくあるというのに」

 

「・・・・・俺に政治は無理。鎚を振るい鉄の声を聞く方が向いている」

 

「何を言うか。代々この国の王族は『古匠』でなければ受け継がれないのだ。とっくの昔に鍛冶の技術は俺よりも、『古匠』に至っている兄者がドワルティアを統べなければいけないというのに」

 

あれー?ヘパーイストスさん、話が違うんだけど?ユーミルは名匠じゃなかったっけ!?

 

「・・・・・」

 

あっ、ヘパイストスの顏が面白いぐらい愕然としていて開いた口が塞がらないでいる。師弟関係時に自分は名匠だと教えられてたからユーミルの事実を気付けなかったか?

 

「・・・はぁ、この話はまた後でしよう。―――今度こそ逃がさんからな」

 

待って、ユーミルは堅苦しい王族の生活が嫌で城から飛び出したんじゃないよな?そんな風来坊みたいなことないよな?

 

「地龍を討伐した者はお前達か?」

 

王の視線はこっちに初めて向けられた。その中にはヘパーイストスも含まれているだろうが。

 

「・・・・・そうだ。未だ未熟の弟子とその弟子を除く、異邦の地から来た冒険者達だ」

 

「そうか。よくラヴァ・ゴーレムに襲われながら地龍を討伐したものだな。その証である竜骨は討伐した象徴として工業区に飾るつもりだ。ドワーフの誇りを取り戻してくれてドワーフの代表者として礼を言う」

 

椅子に座りながら頭を垂らす王のこの瞬間、クエストが達成した。報酬はないか。

 

「さて、地龍を討伐したお前達に報酬を用意したい。それぞれどんな報酬を望む?何でも構わないぞ」

 

俺達三人は顔を見合わせた。事前にあれがいいなーこれがいいなーと話していたので話し合う必要はなかった。

 

「あの、私と彼女は鍛冶師です。まだ名匠にも至っておりませんが古匠に至る方法を教えてもらいたいです」

 

「お、お願いします」

 

二人の報酬を訊いた王はそれはもう深いため息を吐いた。

 

「それは『古匠』であるそこにいる兄者に尋ねて欲しい。俺はこの玉座を受け継いでから未だ『名匠』のままなのだ」

 

「「・・・・・」」

 

「そういうわけで兄者。そのぐらいの願いは聞き届けてやれ。この者達が地龍を討伐しなければドワーフの誇りは取り返しがつかない所まで地に落ちていたのだからな。王族の者として責務を果たせやこの放浪野郎」

 

名も知らぬ王様、最後の言葉が乱暴だよ。

 

「・・・・・わかった」

 

ユーミルはこれに受け入れ、二人の望みは叶った。そして最後は俺となった。

 

「最後にお前は何を望む?」

 

「俺は、二つほど望みがあるけれど・・・・・」

 

「二つもか。人間は欲張りであるな」

 

「・・・・・地龍を討伐した貢献はこの者が大きい。彼の災害の獣、ベヒモスをも討伐した」

 

「ベヒモスだと?いくら兄者でもそんなでたらめな―――」

 

 

『ベヒモスの豪皮』

 

 

すっとベヒモスの素材の一部を提示すれば言葉を失う王。腰を抜かすどころか、玉座から飛び出して豪皮を間近で見に来た。

 

「ベ、ベヒモスを倒したというのは本当なのか・・・・・これがあのベヒモスの・・・・・」

 

「・・・・・地龍なぞ、倒すのに朝飯前」

 

いや、別に朝飯前ではなかったけど。そりゃラヴァ・ゴーレムに何度も叩きつけはしたが。

 

「それと、これもラヴァ・ゴーレムがいない間にマグマから採取したものを」

 

 

『大地の生命の源』

 

 

「「っ!?」」

 

王とユーミルの目が零れそうに見開いた。

 

「ま、まさか倒したのか!?あのラヴァ・ゴーレムをっ!!!」

 

「その後にマグマの中を泳いで直接採取をした」

 

「マ、マグマを泳ぐ・・・・・?あそこは一度武器や防具を入れたらたちまち耐久が減り、人が入れば即死する死の泉なのだぞ?」

 

「・・・・・それに耐えれるとしたら、破壊不可か破壊不能。・・・・・だが、その装備は『破壊成長』が備わっているか。前よりも装備の輝きが増している・・・・・」

 

おっ、それすら認知していたのか?

 

「現状、俺達では扱えない代物だとして『古匠』と思っていた王に献上するつもりだったんだけど・・・・・」

 

古匠ではなかったのでどうしたものかと内心悩んだが、これをユーミルに向ける。

 

「これで『神匠』に至れる?」

 

「・・・・・まだ足りない。特別な鉱石が必要になる」

 

「じゃあ、これ?」

 

 

『千年鉱石』

 

 

「・・・・・数が足りない。インゴット」

 

「え、無理じゃないか?地龍って個体はそんなわんさかいないだろ?」

 

「いや、そうでもない」

 

王様が俺にそう言ってきた。そうでもない?はて、それはどういうことだ?

 

「その千年鉱石はこの城の宝物庫にも一つだけある。それはかつて古代のドワーフがあの火山で偶然採掘していた時に掘り出したものらしい。今じゃあそれを探す奴は一人もいないがもしかすると、火山の地中深く掘り続けりゃあ見つかるかもしれねぇぞ?」

 

 

あの火山の名前はなんたって『始原の火山』なんだからよ。

 

 

地中深くかぁ・・・・・。見つかるかな。そんで次のクエストが発生した。EXクエスト『神の頂に挑戦する者』だ。YESを押すとユーミルが口を開いた。

 

「・・・・・インゴット、一つ。こっちで錬成する」

 

えっと、俺の報酬はどうなる?王にそう言うと。

 

「兄者の我儘を叶えたら無理な願いでも叶えてやる」

 

あ、お預けですか。そうかぁ~・・・・・。

 

 

 

「ということで、俺達は千年鉱石を掘ることになってしまったな」

 

現在俺は一人で息吹と称されている火山の火口に来ている。地中深く行くならばこの火口からだろうと結論を出し、この場に居ないあの二人はユーミルから古匠の転職条件を聞き出してもらっている。俺も何時かは鍛冶師になろうかな、とマグマが膨れ上がる様子を見て完全に姿を現す前にマグマの中にダイブするのだった。マグマの中じゃあ水中探査は当たり前のように発揮できず、視界一杯に赤色や橙色や白で地形の把握が全くできない。水中じゃないのにマグマの中でも呼吸は出来るのは良い誤算だが。

 

「あの巨大魚のようにラヴァ・ゴーレムと戦わなくちゃならないのかよ!」

 

 

 

 

 

イズside。

 

 

 

 

「・・・・・本来は名匠の腕になってから教えるつもりだが、教える」

 

ハーデスが一人で千年鉱石を採掘しに行ってから、セレーネと古匠のユーミルから直々に最上位の職業の条件を教えを乞うことにした。城内の一室で話を聞くことになったのだ。

 

「「お願いします」」

 

「・・・・・」

 

鍛冶師のNPC、ヘパーイストスも同席して一緒に古匠の至る条件を訊こうとしている。弟子のヴェルフはまだ教えられないとヒムカくんと別室で待ってもらっている。

 

「・・・・・古匠は、古代の武器・・・・・お前達の言い方でユニークの名の物を鍛える」

 

「「・・・・・」」

 

「至るためには・・・・・調べる」

 

「調べる・・・・・?」

 

「・・・・・ユニークの物は古代の鍛冶師達が、当時の技術で生み出された伝説の物」

 

古代の鍛冶師達が生み出した作品。ただのユニーク装備と認識していたのだけれど、そんな歴史があったのね。

 

「・・・・・まずは、調べることから始めろ」

 

 

『E✕クエスト 古代の調査』

 

 

「「っ!」」

 

私の目の前に発生した青いパネル、クエストが表示された。セレーネもそうみたいで目を丸くしていた。古代の調査・・・・・。一体どんなものを調査すればいいのかわからないけれど、YESを押してクエストを受けた。

 

「あの、何を調べれば?」

 

「・・・・・自力で調べろ」

 

「・・・・・わかりました」

 

ハーデスの力が必要だわ。古代の調査って・・・・・古代の何を調べればいいのかしら。

 

 

それまで私達は彼が戻ってくるまでの五時間、自分達で試行錯誤をした。お、遅い・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

「た、ただいま・・・・・」

 

火山から帰った俺は疲弊していた。もう、マグマの中でラヴァ・ゴーレムと戦いたくはない!! 倒すのがベヒモスの次に苦労したわ!!

 

「ハ、ハーデスっ!」

 

大袈裟にイズ達の前で倒れ、脱力感をこれでもかと晒す。

 

「疲れた・・・・・マグマの中でラヴァ・ゴーレムと戦うのが最悪だった。マグマの中じゃ、魔法攻撃が碌に出来ないし攻撃が当たってもすぐにHPが回復するから、採掘の邪魔だから倒すのに時間が掛かったし、採掘のポイントが全然見つからなくてぇ・・・・・あ、遅くなってごめんな」

 

「あ、謝らなくて大丈夫だよっ。ハーデスの方が一番大変だったんだから」

 

「そういえば、ラヴァ・ゴーレムが復活していたから、一人じゃ千年鉱石を探すのは苦労するわよね。ごめんなさい」

 

へへへ・・・・・労ってくれる言葉が身に染みるぜ。

 

「・・・・・鉱石は」

 

「あー・・・・・何とか掘れた。ミスリルのピッケルの耐久値が一気に減るもんだからさ、6個しか採掘できなかった」

 

起き上がって千年鉱石を6個取り出す。

 

「・・・・・マグマの中で活動できる人間は存在しない。感謝する」

 

「感謝されてもそれだけじゃインゴットにはできないだろ。またマグマに潜るから待っててくれ」

 

「それこそ待って。6個なら私からも出すわ」

 

「あ、私達も持ってるから残り1個になるね」

 

「・・・・・残り1個は宝物庫にある」

 

おお?足りるのか?でも、城の物を王が譲ってくれるとは思えないんだが。

 

「・・・・・俺も頑張らせてもらう」

 

「なんだと?」

 

意味深なことを言い残したユーミルは、俺達を置いて部屋から出てどこかへと行ってしまった。それからしばらく時が経った頃に片手に千年鉱石を持って戻ってきたユーミルと一緒に王が入ってきた。

 

「話は聞かせてもらったぞ。本当に採掘してくるとは。これであの火山に千年鉱石がある実証されたことで工業区の者達に採掘に行かせられることができる」

 

だから城の千年鉱石を譲ってくれることになったのか。

 

「これで兄者が神匠に至れるのか・・・・・」

 

「・・・・・まだ、足りない」

 

「何だと?今度は何が足りないというんだ」

 

インゴットにできる分は集まったからいいだろもう?今度は一体どんなものが必要なんだよ。

 

「・・・・・これらをつなぎにするための、相応の古代の物が必要」

 

「古代の物?」

 

「えっと、ハーデスにもおしえるね?」

 

かくかくしかじか・・・・・。

 

「ほうほう、ユニーク装備は古代の鍛冶師が生み出した伝説の作品か。なら、俺とイズの装備なら?」

 

「・・・・・既に完成されている物に手は出せない」

 

そうか。だめか・・・・・いや、あれなら?

 

「じゃあ、これらなら?」

 

ヘパーイストスに研磨してもらった風化した装備等を床に置いた。研いでもらってもまだ、実用的ではなかったからこれならどうだろうか?

 

「・・・・・」

 

ユーミルはひとつひとつ手にとって確かめる。職人の眼差しで風化していた装備を確認して、頷いた。

 

「・・・・・これらも全て古代に作られた物だが、かなりの年月で風化していたようだな」

 

「ベヒモスの胃の中から見つけたんだ」

 

「・・・・・溶かされず現代まで風化の状態で形だけは保っていたか。・・・・・どれに使う」

 

一つしかできないと言うことか。じゃあ、これだな。

 

「変形するこれ」

 

「・・・・・面白い作品だ。いいだろう」

 

大剣と大盾を選ぶとユーミルは、「一週間はもらう」と言った。なるほど、風化していた装備は古匠の鍛冶師に打ってもらう必要があったのか?

 

「話は終わったか?」

 

王が話しかけてきた。

 

「あ、うん」

 

「ならば、今度はお前の願いを叶える番だ。何を望む」

 

ようやくか。じゃ、遠慮なく言わせてもらおうか。

 

「これからもドワルティアと始まりの町と転移魔方陣で行き来したい」

 

「それが一つ目か?ふむ、それぐらいなら何とかできるだろう」

 

「もう一つは・・・・・王のあなたと友達になりたい」

 

分かった。と頷くドワーフ王は、次に「ん?」と言葉を漏らしたのだった。

 

「友達?」

 

「友好を交わしたいって願いだ。友達になると色々とお得だぞ?ドワーフの問題に手を貸すことが出来るのは俺だけじゃなくて他の人間の冒険者付きだ」

 

「・・・ふむ、お前ひとりで百人以上の者を動かせると?」

 

「百人以上はわからないけれど、このドワルティアに行きたい!っていうのと、更に頂を目指したい鍛冶師が必ず現れる。そいつらが王とドワルティアの為に動くのは間違いない」

 

王はそんな俺の言葉に未来を見据えたのか、それから俺と友達になってくれたNPCの一人になったのだった。

 

 

 

「ハーデス、相談があるのだけれど」

 

「なんだ?」

 

「『古代の調査』ってEXクエストが発生したの。それをクリアできれば話が進めれるのよ」

 

「古代を調べる・・・・・わかる?」

 

古代を調べるねぇ・・・・・。うーん・・・・・ああ。

 

「そういうことか」

 

「えっ?もうわかったの?」

 

「普通にわかる奴分かるぞ。古代を調べるってのは『考古学者』の職業を取得するためのもんじゃね?」

 

「考古学者・・・・・」

 

「それと古代を調べる対象は恐らく様々な物だ。遺跡、歴史、道具、装備、含まれているなら食材もな」

 

そして、道具と装備は既に俺達は持っている。

 

「千年鉱石とこの風化した装備に大地の生命の源だって古代からある物だから調査の対象だろ」

 

「「!」」

 

多分だが俺はそう思う。だから今の内にもう一度説明文を呼んで見とけば?と促す。二人はその通りにするが、まだ取得の条件は満たされない様子だった。

 

「ダメ押しにこれもな」

 

 

『ラヴァ・ゴーレムの溶鉱炉』

 

 

地神が大地を創造すると同じく生み出したラヴァ・ゴーレムの核。

人では手に余る代物で扱える者は未だいない。

 

 

「地神って・・・・・」

 

「この世界の神話に出てくる神だ。―――そうだ、二人ならこれの使う場所わかる?」

 

久方ぶりに闇結晶と光結晶の二つを出して確認してもらった。

 

「ふむ・・・・・これは・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「闇結晶と光結晶って、新しい精霊の結晶なの?」

 

「見たことが無い・・・・・」

 

イズ達も興味津々になるのはいいが、ユーミル達の答えを聞きたい。

 

「すまん。他の属性結晶なら見聞したことはあるが、この二つの存在は今初めて知った」

 

「・・・・・すまない」

 

王とユーミルですら分からないと首を横に振った。が、ユーミルが口を開いて言い続けた。

 

「・・・・・だが、それに関するかもしれない古代の場所、知っている」

 

「本当か!?」

 

「・・・・・場所は忘れたが遠い地に【常闇の神殿】と朽ち果てた教会がある。そこに行けばあるいは・・・・・」

 

遠い地にね・・・・・それってドワルティアからなのか始まりの町からなのかわからないな。でも、ようやく見えた未知の精霊の居場所だ。探す他ないだろう。

 

「ありがとう!」

 

「・・・・・礼を言うのはこちらだ。一週間、神匠の頂に至れたら・・・・・ラヴァ・ゴーレムの核も打ってみせる」

 

あ、これも打つ気なのか。別にいいけどさ。

 

「礼を言うのも俺もそうだな。ドワーフの失いかけた鍛冶の誇りを叩き直してくれてありがとうなお前達。要望通り、お前達が住む町とこの国を行き来する転移魔方陣を用意してやったぞ」

 

 

《死神ハーデスが一部エリアを開放しました。新エリア、ドワーフの国『ドワルティア』。火山ダンジョン『始原の火山』。特殊職業『考古学者』を開放クエストが常時発生します》

 

 

「あ、やっぱり考古学者だったか」

 

「解放しようとするプレイヤーはあまりいないでしょうね」

 

「うん。寧ろ何それ?って思うかも」

 

「だよな。まぁ、俺も後で取るつもりだ。それよりもまず二人は名匠にならなくちゃな。頑張れよ」

 

頷く二人。こうしてドワーフの国ドワルティアの一件はようやく終えて、始まりの町に戻ったのだった。

 

 

 

死神・ハーデス

 

LV49

 

HP 40/40〈+300〉

MP 12/12〈+200〉

 

【STR 0〈+129〉】

【VIT 1020〈+4845〉】 

【AGI 0〈+120〉】

【DEX 0〈+120〉】

【INT 0〈+100〉】

 

 

装備

 

頭 【空欄】

 

体 【黒薔薇ノ鎧:大陸の覇獣(ベヒモス)

 

右手 【新月:毒竜(ヒドラ)

 

左手【闇夜ノ写】

 

足 【黒薔薇ノ鎧:大陸の覇獣(ベヒモス)

 

靴 【黒薔薇ノ鎧:大陸の覇獣(ベヒモス)

 

装飾品 【生命の指輪・Ⅷ】【古の鍛冶師の指輪】【白妖精(ハイエルフ)の指輪】

 

 

称号:万に通じる者 不殺の冒険者 出遅れた者 白銀の先駆者 毒竜の迷宮踏破 大樹の精霊の加護 ユニークモンスターマニア 三代目機械神 聖大樹の精霊の加護 勇者 最速の称号コレクター 魔王の戦友 絆の勇士 村の救援者

 

スキル

 

【絶対防御】【手加減】【体捌き】【瞑想】【挑発】【極悪非道】【シールドアタック】【大物喰らい(ジャイアントキリング)】【咆哮】【毒竜喰らい(ヒドライーター)】【爆弾喰らい(ボムイーター)】【植物知識】【大盾の心得Ⅹ】【悪食】【受け流し】【爆裂魔法Ⅹ】【エクスプロージョン】【体術】【幸運】【テイム】【採取】【採取速度強化小】【使役Ⅹ】【獣魔術Ⅹ】【料理ⅩⅩⅩ】【調理ⅩⅩⅩ】【調合ⅩⅩⅩ】【水無効】【八艘飛び】【伐採】【伐採速度強化小】【機械神】【機械創造神】【宝石発見】【刻印・風】【水中探査】【侵略者】【破壊王】【背水の陣】【覇獣】【不屈の守護者】【古代魚(シーラカンスイーター)】【溶岩喰らい(ラヴァイーター)

 

 

五時間もかかった理由は・・・・・その、激辛の味のスープをゼリーにした感じのラヴァ・ゴーレムをだな。うん、それで倒したんだ。深くは聞かないでくれ。お願いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【農業】農夫による農夫のための農業スレ13【ばんざい】

 

 

 

:NWO内で農業をする人たちのための情報交換スレ

 

:大規模農園から家庭菜園まで、どんな質問でも大歓迎

 

:不確定情報はその旨を明記してください

 

:リアルの農業情報は有り難いですが、ゲーム内でどこまで通用するかは未知数

 

 

 

1:ノーフ

 

また先駆者の白銀さんが新エリアとダンジョンを発見&解放した件について

 

 

2:つるべ

 

サスシロ!

 

 

3:チチチ

 

サスシロ!

 

 

4:セレネス

 

サスシロ!

 

 

5:ネネネ

 

サスシロだね

 

 

6:プリム

 

安定のサスシロー!

 

 

7:ノーフ

 

そうだな。だが聞きたい。この掲示板には顔を出さないあの人がいない畑の前に我々が現地で揃っている状況なのは?

 

 

8:プリム

 

それはもちろん、新エリアで見つけた新しい作物を物々交換できたらいいなーという思いで集まった者同士!

 

 

9:セレネス

 

そうそう、どこかの誰かさん達が誰かさんの協力でノームをゲットしたんだからな。しかもいつの間にか白銀さんから米を譲ってもらって栽培しているプレイヤーがいるし!

 

 

10:つるべ

 

俺達もプレゼント交換をしたいのですよ!

 

 

11:チチチ

 

あわよくば、お近づきになりたい!

 

 

12:タゴサック

 

お前等・・・・・白銀さんの迷惑になるようなことをするなよ

 

 

13:ネネネ

 

おや、タゴサックさんだ

 

 

14:チョレギ

 

気持ちは分からなくもないけどねー。相変わらず白銀さんの畑は凄い。ファーマーをプレイしている私達よりもファーマーをプレイしているしさ、桜の木が咲いている畑はまだここだけだよ?それに米の場所が未だ発見されていないんだよねー(ノーフに羨望の眼差しを送る)

 

 

15:チャーム

 

親子丼食べたいなー! 卵はまだ見つかってないけれど!

 

 

16:つがるん

 

俺はTKG。

 

 

17:ダイチ

 

僕はシンプルなチャーハン。

 

 

18:プリム

 

あー、それもいいですね! ともかく、卵と米! この組み合わせが最強!

 

 

19:チョレギ

 

私は漬物と白米を交互に食べたら、無限に行ける気がしますね

 

 

20:ネネネ

 

ご飯とは関係ないけれど苺なら無限に行ける気がする

 

 

21:チチチ

 

苺かぁ~。ワイルドストロベリーならあるが、食用の方はまだ発見されていないんだよな

 

 

22:ノーフ

 

俺は白銀さんなら俺達の予想を超える物を発見してくれると断言するな

 

 

23:プリム

 

激しく同意!

 

 

24:セレネス

 

ドワーフの国&火山エリア・・・・・ここから新しい発見の物とは一体?

 

 

24:つるべ

 

ドワーフなら酒だろ?後は酒のおつまみ

 

 

25:プリム

 

 

完全におじさんの考えそうな発想ー。もしかしてつるべさんの年齢って40代?

 

 

25:つるべ

 

まだ二十代だよ!(・・・・・心はね)

 

 

26:ノーフ

 

心の声が漏れてるからな。

 

27:ノーフ

 

っ!白銀さんが戻ってきた!

 

 

28:プリム

 

白銀さーん!

 

 

29:タゴサック

 

 

羽目を外さないように監視してくる

 

 

30:チョレギ

 

 

私も心配なので同行します(何を手に入れたのか気になる)

 

 

31:テリル

 

噂の白銀さんを拝めるかな

 

 

32:佐々木痔郎

 

なぬ、白銀さんだと?俺も行くー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間ぶりに畑に戻った途端だった。ノーフやプリムにネネネ、侍風のプレイヤーの佐々木痔郎以外にも見知らぬプレイヤー達が鬼気迫る勢いで走ってきたんだが―――何事!?

 

「白銀さん、ドワーフの国はどうでした?新しい作物はありました?」

 

「・・・・・知りたい?」

 

不敵の笑みを浮かべる俺に対して一部のプレイヤーがブンブンと首を縦に振った。ならば教えてやろうじゃないか。

 

「じゃあ、まずはこれだ。トウタカ!」

 

「トウタカ?赤くて細いこれって・・・・・」

 

「辛い調味料になるそうですがなにか?」

 

「ま、まさかっ・・・・・?」

 

「そのまさかの唐辛子だ!韓国料理の実現の可能性が出て来たのだ!」

 

おおっー!!!と歓声を上げるが、これで終わりじゃないからなお前達。

 

「続いてこれだ。胡椒!」

 

「胡椒!?」

 

「育てればホワイトペッパーにもブラックペッパーにもグリーンペッパーとか手に入る!」

 

「作物じゃないけどこれ、岩塩な」

 

「それも欲しいな!」

 

「あとこれも、卵も売ってた」

 

「親子丼!」

 

「チャーハンの時代がキター!!」

 

その他、デザートに欠かせない香辛料を紹介するとまた歓声が上がった。

 

「お次はこのポップだ」

 

「ポップ・・・・・?」

 

「ビールを作るのに必要不可欠な物だ。大麦があるし醸造すればビールを作れるだろうな」

 

「凄くねぇっ!?確実に売れるだろそれ!」

 

それからも手に入れたアイテムを見せる度、大袈裟に反応したり欲しいと口にする面々に最後のとっておきを披露する。

 

「それじゃ、最後に個人的な目玉商品もとい果物を紹介しよう」

 

「白銀さんがそこまで言わせる果物とは気になるな」

 

「まさかの蜜柑?」

 

「いや、メロンって線もあるぞ」

 

「苺だったらいいなー」

 

「ネネネ、苺をお腹いっぱい食べたいがためにファーマーを始めたもんねー」

 

「さくらんぼがいいなー」

 

予想当てクイズになってきている中でインベントリからスカイ・ストロベリーを出した。

 

「はい、スカイ・ストロベリー。甘くておいしい食用の苺の方だ」

 

瑞々しい赤い色の小さな果実を見せた途端。ネネネがその場で土下座をしだした。

 

「苺をください白銀さーん!!!」

 

「ネ、ネネネが大声を上げてるところ初めて見た・・・・・」

 

「な、なんて綺麗な土下座を・・・・・っ」

 

唖然とするプリムに試しに一つだけネネネに突き出すと、バッと顔を上げてバクッ!と魚の如く食いついた。咀嚼した後の彼女の表情は・・・にへら、と顔の表情筋が緩んで笑顔になった。

 

「・・・・・美味しぃ」

 

「だろ?しかもこれはさ。おーい、オルトー!ミーニィー!」

 

畑に向かって呼ぶと翼を羽ばたかせてこっちに飛んできた。俺の頭の上に乗ったらスカイ・ストロベリーを見せると。

 

「キュイキュイッ!!」

 

大きく口を開けて俺からストロベリーを取ってとても美味しそうに食べ始めた。更にもう二つも食べさせると、ミーニィが光出して両手で獣魔の心・ミーニィを抱えていた。

 

「どこかの村の外で育っているこの苺はピクシー・ドラゴンの大好物らしく、実った時期に食べに来るらしい情報を得た」

 

遅れてやってきたオルトに苺の株分をしてもらい、種になったそれを天に突き付ける。

 

「欲しい人は物々交換かマネーで取引するぞー! ただし、一人一種類につき一つのみだ。複数欲しいならドワルティアに行けるようになってるから、ドワーフの国で買ってくれ」

 

「私は今すぐ苺を育てる!」

 

「複数じゃないのか。まぁ、他の奴らも欲しいのが被ってるだろうからしょうがないか」

 

「胡椒をくれー!」

 

「私はトウタカと卵!」

 

俺の前で整列して次々と取引していく。ネネネは苺の種を手にいれるや否や、自分の畑に猛ダッシュして戻っていった。

 

「欲深くないんだな白銀さんって」

 

「ん?どちら様?」

 

「ああ、俺はタゴサックだ。よろしくな。トレードしてもらった物はありがたく育てるよ」

 

こんな知らないプレイヤー達とも知り合えたところで、ノーフが問うてきた。

 

「白銀さんの畑にある桜の木って・・・・・」

 

「見ての通りチェーンクエストで貰った桜の木だ」

 

「おお・・・・成長したらあんなに綺麗な桜が咲くのか。NPCを誘って宴会は?」

 

そういえば期限はないから忘れかけていた。

 

「そうだな。エルフのイベント前の一週間後に花見しようかな」

 

「するのか?じゃあ、俺も同席しても?」

 

「料理は自分で用意してくれよ?花見は・・・・・夜の21~から22時までする予定だ。来れるか?」

 

「勿論だ」

 

「ノーフだけズルい!!私も花見がしたーい!!」

 

そんな話をしていると耳聡くプリムが叫んだ。その声でまだいたファーマープレイヤー達がざわめきたってしまった。

 

「花見?」

 

「白銀さんの畑にある桜のところで?あ―――チェーンクエストだ!」

 

「桜の木を花咲かせたらNPCと花見するんだったな。ということは・・・・・」

 

「俺達も桜の木を育てている状態だから、白銀さんのクエストに乗じれば対応がわかるな」

 

この機に便乗しようとするプレイヤーがこっちに視線を向けてくる。はいはい・・・・・わかったよ。

 

「花見に参加したい奴は各自五人分の料理を持参してくれよ。夜の21~22時にまで花見するからな」

 

「友達に声を掛けてもいいですかー?」

 

「掛けてもいいけど、4人までな。100人もプレイヤーが入れる余裕ないだろうし、机や椅子だって用意しなくちゃならないから」

 

「はーい!」

 

「それと訊くけど椅子と机、ゴザを売ってる場所やプレイヤーはいるか?こっちで用意するから」

 

「それなら俺達が各自で用意するよ。白銀さんに負担を掛けたくないから」

 

・・・・・エエ子がいたよ。

 

「だから料理はたのんます!特にチャーハン!」

 

「カニチャーハンできるが」

 

「お願いしまーす!!」

 

皆と別れタラリアへ赴いた。

 

「やぁやぁヘルメス。売りたい情報があるんだけど」

 

「わ、わかってるわ。新エリアとダンジョンのことでしょ?」

 

「それと、新職業の考古学者のヒントと鍛冶師の最上位職の古匠と神匠の存在。後これな?ドワルティアで買った食用の苺やその他諸々だ!」

 

「~~~ッ!? ~~~ッ!?」

 

「あと、買いたい情報がある。いいかな?」

 

「う―――うみゃああああああああ! またはさああああああああああんっ!!」

 

またしても完全敗北して嘆くヘルメスに笑顔で頭を撫でる。

 

「総計1000万Gかもしれないけど頑張って情報を売ってくれ。それとも他にも教えて上げようか?」

 

「止めてっ!? これ以上の情報は扱いきれないわっ!」

 

次はテイマーの二次職だ。秘伝の書を使ってコマンダーテイマーにランクアップ!重戦士の方はまだいいな。重戦士の二次職の暗黒騎士と聖騎士になる方法は掲示板に載っているし。

 

「花見のために準備をしますか!」

 

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