バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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樹精と神獣

用が済んだドワルティアを後にホームに戻る前にヘルメスに会いオリハルコンとヒヒイロノカネの存在を売って「うみゃあああああっ!?」を頂戴した後にホームへ戻ると今度はデジャブが迎えられた。畑に見覚えのない姿が二つもあったからだ。そして、畑に収まる筈がないスケールの巨大な樹木が俺達がいない間に成長していたようで唖然と見上げてしまった。

 

「あれは世界樹?」

 

「ハーデスに渡した苗木は4つ、いや全部で5つだよな」

 

「それがひとつになってあんな大きく?」

 

「うわー・・・・・」

 

「オルト達に任せると畑に関しては俺も驚かされるな」

 

おーい、とオルト達を呼び見知らぬ姿がこっちに振り返った・・・・・そして絶句する。

 

「お、おう・・・・・今度はこれか」

 

「あー・・・・・これからハーデスが辛くなるなこりゃ」

 

「主に目のやり場に困ることだろうな」

 

「運営ー!!」

 

「フレデリカ、抗議してもどうしようもない時もあるさ」

 

腰まで流れる豊かでウェーブがかかった煌めく金髪と銀髪、澄んだ綺麗な青い瞳が視界に入るのはいいが、問題は首の下。ゆぐゆぐよりある豊満でくびれがある体には、着ているのに着ていないような・・・・・見せてはならない局部は隠されてるもの、それ以外は涼しげにスケスケなのだ。通気性を重視したと言われたらそこまでだが、まだ水着を着てもらった方がこっちは困らないレベルに透けすぎているのだ。透けて見えるからわかるが、下着を着ていないのだ!!

 

「・・・・・もしかして、俺達があの木を育てたらあんなのが出てきた?」

 

「・・・・・それ言われると、ハーデスに任せた俺達の判断が正しいと思わずにはいられないな」

 

「おいこら、人に押し付けてよかったって発言早めてもらおうか」

 

ドレッドとドラグをマグマに落とす決意を秘めたところで、もう一人の方も視界に納める。

 

水色と白色が入り乱れた長い髪をサイドテールに結った淑女。服は水晶を散りばめたチャイナドレスだ。こちらも豊かなものを持っており、横から伺おうとすれば弾力がある柔らかそうな肉の塊が見えてしまう。フレデリカの気持ちがわかってしまうなこれ。

 

「えー、お前らはもしかしなくとも世界樹と水晶樹から生まれた?」

 

『―――』

 

≪―――≫

 

できれば首肯しないでほしい事実を発覚してしまった。

 

「えっと、世界樹の方は・・・・・ウッド、水晶樹の樹精の名前は・・・・・クリスだな?」

 

≪―――≫

 

微笑んで頷くクリスは俺に抱きついてきた。他に同族がいなかったものだから、対抗心? ゆぐゆぐも負けじと腕を胸に抱き寄せた。

さて、可愛らしい反応を見せてくれるようになったゆぐゆぐにほっこりしてると、バサバサと鶏もとい鳳凰が人の頭の上に乗っかってきたんだが。

 

『資格ある者よ。麒麟の気配が近づいてくる』

 

「なんですと?」

 

なんで今? あ、玄武の件か。しばらくぶりに思い出したところで空から本当に麒麟がやって来た。

 

『久しぶりですね資格ある者よ』

 

「急な来訪だな。先日の件か?」

 

『いえ、大地の活発化原因を探りにきたところあなた方がいました。この樹木は世界樹ですね? エルフが住まう地でしか存在していないのに、二つ目もここまで立派に育てたとは驚嘆に値します』

 

「うちの精霊たちの頑張りだ。俺はなにもしてないよ」

 

『正直者ですね資格ある者よ。精霊を従わせた者がいなければ世界樹を育てられなかった功績は、精霊を従わせた人間のものになりますよ』

 

事実だから虚言してもしょうがないだろ。と言いたげな目で近づいてくる麒麟を見つめた。

 

『私は他の者と違い戦闘で資格ある者を図る真似はしません。よって、私から恩恵を受け取るに値する人間はあなたが始めて』

 

「え? 何かしたか?」

 

『恩恵を与えてもいい条件は、素直な心の持ち主と正直者、強欲と欲深くない、他を尊重する想い。そして・・・・・』

 

麒麟は畑を見回す。

 

『地を司る神獣として、世界樹を始め様々な植物を育てている人間ならば恩恵を授けたいと思っております』

 

「ははは・・・・・麒麟が一番ハードだったなこれ。というか、麒麟ってどこに行けば会えるんだよ?」

 

『この世界の中心のどこにでもです。黄龍もそうですが私たち神獣は動き回って狙って会うことは難しい。ですから私たちの関心を惹くことが一番の近道なのです。そうでしょう黄龍』

 

空に呼び掛ける麒麟に応じる黄金の龍が長い体をくねらせながらホームの畑に現れる。

 

『その通りだ。かつての友でもここまでのことは成し得なかった。時代と共に人間の変化する瞬間を目の当たりにするのはやはり楽しいな』

 

『何といっても今回は凰が初めて発見されたことが新鮮で感じますね』

 

『うむ、まさしくそれだ』

 

『いつまでそのネタを引っ張るつもりだお前達はァーッ!』

 

コケーッ! と怒る鳳凰。「「「鶏か?」」」と呟くペインとドレッドとドラグは初めて聞いたか。ああ、そうだ。

 

「そう言えば、鳳凰のもう片方がどこにいるか知ってる?」

 

『私達からすれば比較的に発見されやすい場所へ常にいますよ』

 

『木を隠すなら森の中だというぐらいにな』

 

木を隠すなら森の中?

 

「この意味わかるか?」

 

「さぁ?」

 

「わからないね」

 

「そのまんまの意味なんじゃねぇか?」

 

「うーん・・・・・?」

 

ペイン達に相談しようとも三人寄れば文殊の知恵にすらならなかった。木を隠すなら森の中、これがキーワードだろうな。よく考えて探してみよう。

 

「黄龍って資格ある者と戦ってから恩恵を与えるのか?」

 

『我と麒麟は戦いを経て恩恵を与えぬことにしている。他の神獣達から認められしときこそ初めて我らが姿を現すのだ』

 

『今回はイレギュラーが発生してしまったため予定と違ってしまいましたがね』

 

全力を出した玄武を諫める説教をしに来たんだっけな。

 

「となると、勇者のオーラってやつは持っていても意味がない? 全力の神獣と戦って得れないなら」

 

『あの亀はそんな物を渡したのか?』

 

麒麟と黄龍はそれを知らなかったようで顔を見合わせた。

 

『全力の神獣と戦って勝利した実績を考慮すれば納得いきますが、それでは世界が度々崩壊してしまいますよこれは』

 

『むぅ・・・しかし、何の意味もなく渡したままでは、腐らせるために渡したようなものになってしまうぞ』

 

『神獣がそんな無意味なことをしたと思われたくないですね』

 

何だか相談し始めたんだが・・・・・ああ、サイナとリヴェリア、あの神獣に大量の飲み物を用意してやってくれ。長くなりそうだし。

 

『―――――』

 

『―――――』

 

 

―――数十分後。

 

 

『すまない。話が長引いてしまった』

 

「ああうん、ほんっとうに長々と話してたな。こっちはのんびりと寛いでしまったぞ。取り敢えずこれ飲んで一息付けろ」

 

『施しを受けるとは初めての経験です。・・・・・おおっ、これは大地の力が感じる飲み物ですね。大変美味しいです』

 

『我にとってはあっという間に飲み干してしまって、味を楽しむのも一瞬で終わってしまうのが惜しいぐらいだがな』

 

「体を小さくして飲めばいいんじゃないかなー」

 

『・・・・・その手があったか』

 

いや、出来るんかい。あ、本当に黄龍の体が小さくなった。おかわりを要求され、林檎ジュースを用意するとコップの中に顔を突っ込んで飲む姿は蛇みたいだ。

 

『うむ、これは麒麟の言う通り初めて知った美味だ。人間はこのような物を作れるのか』

 

「料理と言うものは人間が食べる為により美味しくするため、手間暇と時間をかけて作る技術だよ。料理に使うものは全て土から実っている人間と動物が食べられる植物だ」

 

『そうか。この水のような物も植物から作られているのか』

 

『上から見下ろしている我々が知らないことですね。何百何千年も食欲を感じず生きている我々に無知であることを突き付けられた気分です』

 

あれ、無意識に愚者だと煽ってしまっちゃったか?

 

「えーと、麒麟と黄龍。資格ある者って格上の相手に挑む勇気と強さが大事なんだよな?」

 

『この世界を見守り守護する役割を担っている我ら神獣からすれば当然の理だ』

 

「神獣の基準で言えばそうなるよな。でもよ、資格がなくても一点だけ突き詰めた人間も凄いところがあるぞ。お前等に飲ました飲み物を更に様々な味の飲み物だって作れるし、もっと美味しい食べ物だって作れる。さらには俺みたいとは断言できないけどこうして色んな植物を育てる人間もいれば、人間の為に働く人間もいるんだ」

 

『資格ある者以外にもそれに見合う事をしている人間もいると言いたいのか?』

 

「お前達が言う資格ある者が直接そんな人間を大勢見て来たんだよ。俺よりも凄いと思う人間は俺以外にも大勢いるのは確かだ。そこだけはどうか認知してほしい」

 

こっちを凝視する二体は神獣同士、視線を交わした後にこう告げた。

 

『―――よかろう資格ある者の言葉に嘘はないと信じ、これからは強さ以外にも我らを認めさせる人間も現れるのを待つとしよう』

 

『人は強さだけではない、我らにそう悟りを開かせた資格ある者に感謝します』

 

 

『ワールドクエストが発生しました。黄龍と麒麟が全プレイヤーに対してEXクエスト【数多の挑戦状】を送りました』

 

数多の挑戦状? ・・・うわ、本当に多種多様なクエストがびっしりとある。一つクエストをクリアすると報酬は全スキルの経験値と経験値がたくさんもらえるのか。生産系プレイヤーでも出来るクエストもたくさんあるな。ただ難易度がバラバラだ。例を挙げれば品質とレアが5以上の物を作成や納品するとかな。他にもユニークモンスターを一定以上使役しろとか、一定時間内に指定した数のモンスターを倒せとか、名声を高めろとか、一定数のNPCを笑わせろとか、本当に高難易度から凄く簡単なクエストが見たら目が痛くなりそうなほどたくさんある。俺が保有している称号とスキルの数を合わせてもその倍以上もあるぞこれ。

 

『そして、我らに施しを与えてくれたお礼です』

 

麒麟が足を上げて地面を踏んだ。するとホームの畑全体が金色に輝きだした。世界樹が神々しく輝き―――おや?

 

「ゆぐゆぐ達、光ってるけど何ともない?」

 

「―――?」

 

『―――』

 

≪―――≫

 

「トリー!」

 

「ムムー!」

 

オルトお前もか。もしかして土と植物に関する従魔だからか?

 

『我は・・・・・ふむ、資格ある者よ。願いを一つだけ叶えてやろう』

 

「え、ほんと?」

 

いきなり嬉しいこと言われたけど、いきなりだから悩むんだよな。待たせるのもあれだしどんな望みを言おうかな。オルト達、ペイン達、(妖怪)マスコット達の事を脳裏に思い浮かべながら考える。今後、遠いエリアに行くんだろうし自他共に遠足気分で行ける方法がいいかな? 空を飛ぶ猫と小さいドラゴンを見てある思い浮かべた。

 

「みんなを乗せて運べる大きな猫!」

 

『・・・・・。・・・・・? なんだそれは?』

 

うん、欲望をそのまま口にしちゃったから分かるはずもないな。首をかしげる黄龍に反省する。

 

「えっと、馬が引く馬車が巨大な猫の身体で―――」

 

地面に絵を描きながら黄龍に説明する。身体の色が三毛でー、尻尾が太くてー、もふもふがもふもふでー。と俺の願いを教えると麒麟に苦笑された感じがする。

 

『それは生物なのか怪しい生物ですね』

 

『妖怪の類では? しかし、願いを叶えると言った手前だ。出来ぬとは言えない。麒麟、鳳凰も手伝ってくれ』

 

『しょうがないな』

 

神獣三体が力を合わせて一点に力を集束し始める。見守る俺達は静かにその光景を視界に入れて、全身から黄色と赤のオーラを滲みだして集束する神獣達の力により新たな生命体の誕生の瞬間を立ち会った。

 

静かに地面に降り立ったそれは、身体がボンネットバスのような巨大なネコ。黄色の体毛で、茶色の大きなトラ柄。バスに例えるならボンネットにあたる部分が頭で、背中が空洞になった胴体は柔らかな毛皮に覆われた座席になっている。大きな黄色い眼、額の両サイドのネズミの眼全体が赤いマーカーランプ、しりの両サイドのネズミの眼全体が赤いテールランプで、12本の足という化け猫が目の前に・・・・・ッ!!

 

『資格ある者よ。少々アレンジしてみたがこれでよいか』

 

「すっごくありがとう! サイナ、黄金林檎!」

 

「既にご用意しました」

 

保存用にとっておいた黄金林檎を全部差し上げた。一つ味見させると麒麟と黄龍は『これは美味い!』と絶賛した。

 

『特別な植物の実なのですね。これを食べにこの場に留まっていいかもしれません』

 

「たまにしか実らないから留まってもしょうがないぞ。・・・・・待て、留まる?」

 

『ならば何時でも実るよう少々細工をしてやろう。たくさんあっても困ることではないだろう?』

 

黄龍がその細工を林檎畑に施した。そんなに食べたいのか神獣さん。黄金林檎も凄すぎるだろう、幻獣と神獣に好まれる食べ物なんて。そしてあろうことかこの二体・・・・・。

 

『同居人としてよろしく頼む』

 

『鳳凰共々、よろしくお願いしますね資格ある者よ』

 

「・・・・・何でこうなるのかなぁ・・・・・?」

 

 

「一週間ぶりに来たかと思えば、早速目の前でとんでもない光景を見せられたんだが」

 

「3体も神獣が一プレイヤーのホームに留まる? どうなってんだよ」

 

「流石だねハーデス」

 

「それだけで片付けちゃいけないよペイン」

 

 

 

 

運営side

 

 

「久々にやらかしましたね」

 

「まったくだ。神獣の件はともかく、まさか思いつくか普通? これじゃあ他の方も加えないといけないじゃないか」

 

「マスコットにですかね?」

 

「そうだな。日本家屋ホーム限定のマスコットにすれば他のプレイヤーも手に入るだろう」

 

「日本家屋を入手してるプレイヤーはまだ5人と少ないですが、誰にでも手にいれる要素があるので問題ないでしょう」

 

「条件的には一定以上の畑の拡張と50種類以上の採取アイテムを育てていることにしよう」

 

「ところで著作権の方は大丈夫なんですよね? 見た目がまんまパクリでしょこれ」

 

「許可取ってるから問題ない。寧ろこのゲームを開発する際、王様の要望で『他のアニメの要素も取り入れてくれ』って頼まれたからな。王様の依頼は断れないし、このゲームに合うアニメのキャラクターだけを選別した以上抜かりはない」

 

「白銀さんの行動は読めないんでどうしようもないですけどね」

 

「・・・・・ほんとそれなんだよなぁ~」

 

「あ、でも、マスコット枠全部使い切ってるから白銀さん買えないんでは?」

 

「む・・・・・少し細工でもするか。今後他のプレイヤーも稼ぐだろうから、条件を加えよう。偶然とはいえせっかく王様の要望のキャラクターを出現させたんだ。他のも揃えてほしい気持ちは駄目か?」

 

「他のプレイヤーや新規のプレイヤーも、これ欲しさに頑張ってプレイしてくれる要素の一つになるならダメではないですよきっと。王様も掲げる自由意志に反してません」

 

「そっか、なら実装しちまうか!」

 

 

 

 

名前:ウッド 種族:樹精

 

契約者:死神ハーデス

 

LV15

 

HP 100/100

MP 60/60

 

【STR 5】

【VIT 19】

【AGI 15】

【DEX 11】

【INT 20】

 

スキル:【豊饒ex】【樹木魔法】【育樹】【採集】【株分】【栽培】

    【光合成】【採取】【再生】【忍耐】【鞭術】【水耐性大】

    【魅了】【木工】【森守】 

 

 

 

名前:クリス 種族:樹精 

 

契約者:死神ハーデス

 

LV15

 

HP 50/50

MP 120/120

 

【STR 28】

【VIT 10】

【AGI 10】

【DEX 20】

【INT 30】

 

スキル:【結晶化】【水晶侵食】【水晶柱】【格闘術】【樹木魔法】【採集】

    【株分】【栽培】【再生】【魅了】【宝石彫刻】【水耐性大】【育樹】

    【魅了】【木工】【森守】 

 

 

 

装備:【水晶のナックル】【水晶の衣】【水晶の髪飾り】

 

 

 

名前:ネコバス 種族:神獣 

 

契約者:死神ハーデス

 

HP 100/100

MP 100/100

 

【STR 0】

【VIT 0】

【AGI 1000】

【DEX 1000】

【INT 0】

 

スキル:【高速移動】【運び屋】【空中移動】【透明化】【気配遮断Ⅹ】

    【軽量化】【重力無効】【浮遊】【縮小】【しのび足Ⅹ】

    【跳躍Ⅹ】【変化】【案内】【呼応】

 

 

・・・・・神獣? まだ使役出来ないんじゃ?

 

「黄龍、ネコバスに関してどうなってる? 俺は神獣を使役できるのか?」

 

『我の配慮だ。従わせど戦闘には干渉させないためのな』

 

だから敏捷と器用が異様に高いのか。しかも神獣だからかレベルの概念もないのは新しい発見だ。ウッドとクリスも中々興味深いスキルもある。

 

「よろしくなお前達」

 

≪―――♪≫

 

『―――♪』

 

「ニャーオ」

 

おおう、ネコバスの顏が大きいからしがみ付く格好になっちまうな。顎の下を擦ると目を細めるその表情は猫のまんまだな。・・・・・ん? 神獣?

 

「戦わせない配慮だとしても、神獣を使役しちゃってるのは変わらないのか?」

 

『そうだ・・・・・あっ』

 

黄龍が途中で何か思い出した風に発したそれは、俺が神獣を従える神獣使いになった事実を気付いたのだろう。ほらアナウンスが流れたぞ。

 

 

『テイマー、サモナーの全プレイヤーの中で最初に神獣のモンスターをテイムに成功しました死神・ハーデス様に特殊職業「神獣使い」が解放されます』

 

『おめでとうございます。神獣使い死神・ハーデス様。あなた様は神の領域に辿り着いたプレイヤーとしてNPC達から広く知られます。これからもNWOをお楽しみくださいませ』

 

 

神獣使い

 

 

効果:全モンスターをテイムすることが可能。編成従魔枠と使役が無限に解放。従魔との好感度が高まりやすくなる。パーティー時、従魔のステータスと経験値が二倍となり従魔の宝珠無しで召喚が可能。特殊進化、神化の選択が可能になる従魔との婚姻が可能。

 

 

条件:神獣を使役する

 

 

おっと・・・・。とうとう『四人目』の神獣使いになってしまいましたねー。神獣達が生み出したモンスターがただのモンスターじゃないんだからしょうがないよなー? ―――色々ツッコミたい、気になる効果がございますけどねっ!

 

「・・・・・ハーデス」

 

フレデリカが言いたげな目で見つめて来る。

 

「・・・・・乗ってみてもいい?」

 

「確認してみる。ネコバス、俺達を乗せてくれるか?」

 

頼むと左側の前脚まで下がる身体。おおーと声を上げてから中に入るともふもふの空間があった。足が軽く沈み、毛皮に覆われた座席のソファーに座るとこれまた腰が沈んで凄く柔らかい。

 

「ヤバい・・・・・ッ!! リアルのバスと最高級のソファーなんて目じゃないほど柔らかくて座り心地が良すぎるんだけど!!」

 

「ハーデスが絶賛してる。お、お邪魔しまーす・・・・・うわ、足がふかふかだよ!」

 

「立っているのが難しいだろこれ。だが、座り心地は凄いな」

 

「人をダメにするソファーと同じないか?」

 

「ゲームにこんな隠し要素があるなんてね。ハーデス、どこに行く?」

 

ああ、待ってくれ。オルト達も来い!

 

「ムムー!」

 

13体の従魔達が一斉に乗り出し、サイナとリヴェリアも一緒に乗ると入り口が閉じるように元の形に戻った。さて行先は―――。

 

「ペイン達は今どこまで行ってる? 」

 

「どの方角も第6エリアだよ。それ以上は解放されていないから先に進んでいないんだ」

 

「じゃあ、北の方面で第3エリアまで送ってくれネコバス!」

 

お願いした次の瞬間。ネコバスが動き出してホームから出ると、窓枠から見下ろせばホームの外から覗いていたプレイヤー達の驚愕する目と合うもあっという間に見えなくなるほど遠ざかった。そして揺れる揺れる。毛を掴まないと倒れそうになる。ただしその揺れが楽しいのか、目の前で毛皮の床に転がる従魔達。ガラスがない窓枠から外を除く従魔達もおり俺もそうしていると、もう第3エリアに着こうとしていた。

 

「あはは、速い速い! 流石バスの名前が付いているだけあって速い! 10分も経ってないぞ!」

 

「森の中の移動中が木が避けていたよ。凄いね」

 

「転移魔方陣で金も払えばすぐだが、他のプレイヤーはこっちを選んで移動しそうだな」

 

「中々に味わえない体験だからな」

 

「また乗せてくれるなら俺はこっちを乗るよ」

 

第3エリアに到着! ネコバスは町中のNPCやプレイヤーがいない建物の上に飛び乗って移動する。ネコバスを見たプレイヤーは軒並みに驚いているだろうなぁ。人気のない隠し通路がある場所で停まってもらいネコバスから降りる。

 

「そう言えば、テイマーって5体しかパーティに連れて来られないんじゃなかったっけ? 」

 

「ここだけの話だ。プレイヤーと一緒で連れて行くだけなら連れて来られるんだよ従魔って」

 

「え、そうなんだ?」

 

「同行って扱いにされるようだ。パーティやチームに組まずともテイムしたモンスターだから俺の従魔として共に戦う事はできないけどな」

 

連れて行くだけなら寛容してくれてるのかもしれない運営側は。そこで鳳凰が話に加わって来た。

 

『神獣は本来使役出来ない存在。他の人間達から神獣を従えているように見えるのは単に勘違いしているだけに過ぎん。我ら神獣は資格ある者に恩恵を与え力を貸す存在。この神獣もお前に協力しているに過ぎん。だから使役していると勘違いされるようになったのだがな』

 

「だ、そうだ。俺も初めて知ったよ」

 

「文字通り協力態勢ってことか」

 

「神獣を嗾けられたらどんなプレイヤーも勝てないだろって話だから当然のことか」

 

「白虎との戦いで分かったが、プレイヤーでは神獣を倒せないようになっているのかもね」

 

うん? 白虎と戦った?

 

「フレデリカ、白虎と戦ったのか」

 

「あ、うん。ハーデスは知らなかったよね。結局ボロ負けしちゃったけどね。すれ違っただけでスリップダメージが二桁も連続で入ってさ」

 

『白虎は中々に厄介であるぞ。戦うならば夜の方が良い』

 

「何で夜?」

 

『それは自分の目で確かめるがよい』

 

敢えて教えてくれない様子の鳳凰だった。自力で攻略しろってことなのだろう。

 

「さて、何となくここまで来てみたけどどうだった?」

 

「ゲームの中で車に乗った気分だったよ」

 

「まーた騒がれること間違いなしだな」

 

「ああ、間違いない」

 

「一週間ぶりのハーデスの爆弾投降がされたねー。迷惑行為されたら気を付けなさいよー」

 

迷惑行為か。どうせ気にする必要もないだろう。

 

「これからどうする? 俺はまたホームに戻って生産するけど」

 

「フレデリカ、ハーデスと一緒にいるかい?」

 

「変な気遣いしないでよペイン。もう心配しなくてもこれからハーデスはログインしてくれるんだからさ」

 

「なんだ、夫婦の甘い夜を「サポートいらないんだねドラグ」冗談言って悪かったからそれだけは勘弁してくれフレデリカ」

 

「やれやれ、完全に尻を敷かれてんな」

 

と、ペイン一行の会話のやり取りを見ていた時だった。この場に一パーティのプレイヤーと鉢合わせした。

 

「え、白銀さん・・・・・何だそのデカい猫!?」

 

「あー、質問は受け付けないんで。ということでさようなら! あ、フレデリカいつでもホームに戻ってきていいんだからな。あのホームはお前の家でもあるんだからリヴェリアと待っているからな!」

 

急いでオルト達とネコバスの中に戻り、透明化になってホームへと向かってもらった。

 

 

 

 

 

 

【新発見】NWO内で新たに発見されたことについて語るスレPART37【続々発見中】

 

 

 

・小さな発見でも構わない

 

・嘘はつかない

 

・嘘だと決めつけない

 

・証拠のスクショは出来るだけ付けてね

 

 

 

 

 

481:メタルスライム

 

 

一週間も不在だった白銀さんの目撃情報が上がってきたな。何でも巨大な猫の中に乗ってどこかへと行ってしまったとか。

 

 

 

482:ロイーゼ

 

 

巨大な猫の中に・・・?

 

 

 

483:ふみかぜ

 

 

理解できないんだけどどういう事?

 

 

 

484:ヨイヤミ

 

 

聞き込み調査したらどうやら件の猫、ジブ○の○トロに出て来るネ○バ○じゃないかって。スクショ見せてもらったら本当にそっくりだったからその可能性は濃厚だ。

 

 

 

485:佐々木痔郎

 

 

著作権とか大丈夫か? いや、大丈夫じゃなかったらパクる真似はしないか。そして偶然にもそんな猫を手に入れた白銀さん、マジ羨ましいぃ~!!

 

 

 

486:アカツキ

 

 

一目見たくて来てみたら白銀さんのホーム前凄い混雑して―――なかったのはどうしてだ?

 

 

 

487:メタルスライム

 

 

運営から警告されたんだろうな。前回も同じ事が起きたようだ。

 

 

 

488:トイレット

 

 

じゃあ、今ならお話が出来るかな?

 

 

489:メタルスライム

 

 

一緒に掲示板を見ているパーティが≫488と同じ考えで今向かってる。俺も心配だからついて行く

 

 

 

490:ふみかぜ

 

 

おー、じゃあ遠巻きでも一目見ようか。出来れば中に入ってみたいなー。

 

 

 

491:佐々木痔郎

 

 

あ、白銀さんだ

 

 

 

492:ロイーゼ

 

 

なんだと? すぐに白銀さんに接触してくれ! 

 

 

 

493:ヨイヤミ

 

 

もしかして接触したか?

 

 

 

494:佐々木痔郎

 

 

成功した。白銀さんの畑の前でさ、ちょうど見たことのない大きな猫の体の中から下りてきて挨拶をした。それマスコットなのかと訊いたら教えてくれた。名前はネコバス、プレイヤーを他のフィールドやエリアに運んでくれる戦闘力が0の神獣だってさ。因みにテイムしていないって。

 

 

 

495:ヨイヤミ

 

 

神獣、ネコバス、だと?

 

 

 

495:ロイーゼ

 

 

本当にあの名作のキャラクターだった!? え、間近で見てどんな感じだった?

 

 

 

496:ふみかぜ

 

 

触れた? 中はどうだった?

 

 

 

497:トイレット

 

 

とても興味がある。

 

 

 

498:佐々木痔郎

 

 

心優しいあの人は親切にオープンしてくれた。中は・・・・・席と床は毛皮で出来てて、触り心地の感想は語彙力が足りなくなるヤバさだ。自分じゃあやってみたことないけど飼い猫の腹に顔を埋める人の気持ちがわかったよ・・・・・。あれだ、人をダメにするソファーよりも神化した感じだ。毛皮にゆっくりと沈むあの感覚、今でも体が覚えてて忘れられないよ・・・・・。思わずに顔からダイブしたら白銀さんも一緒にやって、ほわぁと緩んだ顔を見せ合っちゃったよ。

 

 

499:ロイーゼ

 

 

凄く幸せな空間じゃああああああああああああああああんっ!!!そんな話を聞かされたら是が非でも俺も堪能してみたくなるよぉおおおおんっ!!

 

 

500:ふみかぜ

 

 

・・・・・(会えないかなー、会えないかなー)

 

 

501:トイレット

 

 

この機にお近づきになりたいな。

 

 

502:佐々木痔朗

 

 

だからみんなもファーマーもやろうって言ってるじゃん。

 

 

 

 

【有名人】白銀さん、さすがですPART10【専門】

 

 

 

・ここは有名人の中でも特に有名なあの方について語るスレ

 

・板ごと削除が怖いので、ディスはNG

 

・未許可スクショもNG

 

・削除依頼が出たら大人しく消えましょう

 

 

 

 

 

 

 

330:タカシマ

 

 

白銀さんが久々にログインしたらしい。一週間前からログアウトしてたあの人の生存が確認できて安心した。そして同時に久々の爆弾の爆発を起こした。それも連発だ。

 

 

331:チョー

 

 

数日前に起きた大地震と津波でリアルは大変だったからな。

 

 

 

332:ツンドラ

 

 

寧ろあの大地震で強制ログアウトされたプレイヤーが多いだろ。俺のフレンドも目の前でいきなりログアウトしたからどうしたのかと思ったら、そのまま音沙汰無しだったが久しぶりにログインしたフレンドを見て安心したぜ。

 

 

 

333:チョー

 

 

本当それな。しかも被害者は思った以上に少なくした蒼天の王も凄かった。動画見た? 押し寄せる津波を一瞬で凍らせたり、天使の姿で逃げ惑う人達を救助したり、安全地帯に運んだりする姿はマジ凄い。

 

 

 

334:苫戸真斗

 

 

蒼天の王様が来なかったら被害はもっと酷かったって話だし実際そうだよね。

それに比べて日本の政府と自衛隊はどうしようもないけど対応が遅いって非難殺到や

誹謗中傷の嵐の渦中だよ。

 

 

 

335:タカシマ

 

 

しょうがない。蒼天の王と蒼天の国のようにすぐ動けるわけじゃないからな。それにしても空飛ぶ船は凄いな。蒼天ではあんなものも開発してたのか。

 

 

 

336:苫戸真斗

 

 

このゲームを開発した時点で凄いけどね。

 

 

 

337:チョー

 

 

で、爆発の連発って何?

 

 

 

338:タカシマ

 

 

白銀さんのホームの畑に新たな樹精が増えていた! そこに現れる神獣と思しき二体のモンスター! とどめにバスのような巨大猫が登場!

 

 

339:ツンドラ

 

 

な、なんだとっ! それは本当か!

 

 

340:タカシマ

 

 

本当だ。ついさっき確認したばかりなんだ。と言うかあの化け猫。トト〇のネコ○○だろう絶対。

 

 

 

341:てつ

 

 

いいなー! 凄くいいなー! 子供の頃ト〇ロを見て乗ってみたいと思ってた○○バスに乗れる白銀さんが凄く羨ましい!! いくらでも金を積むから乗せてくれないかなぁっ!!

 

 

 

342:チョー

 

 

え、○○リのキャラクターがこのゲームに? じゃ、じゃあ〇トロの親子も出てくる可能性が!?

 

 

 

343:タカシマ

 

 

白銀さんに期待せずにはいられないだろう。俺は何時かあのお腹にダイブするんだ・・・・・!

 

 

 

344:てつ

 

 

その想い。ふかふかな布団に飛び込む遊びをした口だな? ―――わかるぜ。

 

 

 

345:タカシマ

 

 

わかるか。じゃあ一緒に夢から現実へ飛び込もうな。

 

 

 

346:ツンドラ

 

 

そんなことよりも、新しい樹精ちゃんの情報は!? ないのか!?

 

 

 

347:てつ

 

 

そんなことよりもだと? さてな・・・・・。タラリアにいけば情報があるかもしれないけど、もうレイドボスイベント始まるし。行くにしても、イベント後だろうな。 白銀さんが情報を売るか分からないし。

 

 

 

348:チョー

 

 

レイドボスイベントは白銀さんが発生させたらしいし、本人がくるんじゃないか?

 

 

 

349:苫戸真斗

 

 

ご本人から情報を聞き出すチャンス!

 

 

 

350:ツンドラ

 

 

おお! 確かに! インタビューすれば教えてもらえるかも!

 

 

 

351:チョー

 

 

そうか? まあ、頑張れ。俺は絶対にやらないけど。

 

 

 

352:苫戸真斗

 

 

なんでです?

 

 

 

353:てつ

 

 

今回は重要情報が絡んでるから、突撃したら白銀さんに迷惑がられる可能性が高い。しかも周囲にはかなりの数のプレイヤーがいるだろう。あとは分かるな?

 

 

 

354:タカシマ

 

 

ヒントは見守り隊。

 

 

 

355:チョー

 

 

ヒントというか、答えだな。

 

 

 

356:ツンドラ

 

 

・・・・・すんませんした。

 

 

 

357:苫戸真斗

 

 

やっぱり突撃はやめておきます・・・・・。

 

 

 

358:てつ

 

 

白銀さんから情報を得ようとするとき、かならずその影がちらつくからな。そのおかげで白銀さんが守られているわけで、いいことだとは思うが。

 

 

 

359:タカシマ

 

 

俺たちだって、白銀さんを困らせてるやつらがいたら通報する可能性高いしね。

 

 

 

360:チョー

 

 

結局、タラリアに行くしかないってことだな。最近クランハウスが混んでるから、露店の方に行こうかな?

 

 

 

361:ツンドラ

 

 

くっ・・・・・! 樹精ちゃんや新ネコの情報なんて、絶対に高いじゃないか! でもそれだけの価値はあるし・・・・・。あー、レイドボス戦の前にポーションを買おうと思ってたのに! どっちに金を注ぎ込むべきなんだ!

 

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