バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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スキル習得クエスト

突然だが第二の町の探索もしに訪れた。まだ未知の発見があるかもしれない可能性を求めてNPCに話しかける。

 

「すみま―――」

 

「ひぃっ!?」

 

「こ、来ないでくれぇ!!」

 

「か、金をくれてやるから見逃してくれ頼むっ!?」

 

・・・・・『血塗れた残虐の勇者』の効果で怖がられて逃げられてしまう・・・・・。しかもNPCから金をたかることも出来るのかよ・・・・・。

 

「・・・・・(チラリ)」

 

「「「「「っ!?(NPC)」」」」」

 

流し目で見ただけでも怖がられる俺・・・・・涙が出そうです。通りすがるだけでもそうだし、俺を避けられる。ショックで落ち込みつつ中央から外れると人通りが少なくなる。

路地裏を歩き回っているといくつか入れる家を見つけることが出来たが空き家ばかりだった。

 

「何かないかなー」

 

空き家とはいえ家具はある。がさこそと探すとゴミと10Gに低品のポーションを手に入った。

 

 

次の空き家もガチャリと扉を開ける。

 

部屋は一つだけで、ボロボロのベッドに寝かされた少女が母親だろう女性に看病されているところだった。

 

「あら? お客さん? ごめんなさいね」

 

「あっ、いえ・・・・・」

 

「大丈夫? ・・・・・ごめんね、辛いわよね」

 

泥棒紛いに入ろうとしたのでここに居づらくて仕方なかった。こそこそと出て行こうとしたのだが、ちょうど女性が看病を終えて俺の方を向いた。

 

「あの・・・・・貴方は、騎士様ですか?」

 

「え? 一応勇者だが」

 

俺の装備は魔法使いや剣士というよりは騎士といった方がいいかもしれない。でも勇者の称号があるから素直に言った。

 

「勇者様! お願いです! 娘を助けてやって下さい! 何もお返し出来ませんが・・・・・お願いします、どうか・・・・・どうか」

 

NPCに懇願される俺の目の前に青色のプレートが浮き出てくる。

 

 

クエスト【博愛の騎士】

 

 

 

この表示の下にはYES、NOの二つの表示があった。俺はYESを押す。

怖がらず助けてやってくれと言われてNOを押すことは出来ないだろう。報酬がなくても構わなかった。

 

「あ、ありがとうございます!娘の薬が必要で・・・・・私一人ではいけそうになくて・・・・・私が案内しますので、連れていって下さい」

 

「分かった。守ってみせる」

 

女性が近くまで来る。女性の頭上にはHPバーが浮かんでいる。適当に扱えば取り返しのつかないことになるだろう。護衛クエストかな?

 

ここで青いモニターが現れクエストの詳しい説明が出てくる。達成条件を見落としのないようにきっちりと読む。

 

 

達成条件は女性を生き残らせたまま目的地にたどり着くこと。

 

時間制限はなかった。

 

「取り敢えず、町の外に出ればいいのかな」

 

俺が町の外に出ると女性が話し始めた。

 

「【生命の樹木】に向かいます。ここから東に真っ直ぐ行って下さい」

 

「わかった。じゃあしっかり掴まってくれ」

 

久々に使う『鷹の羽衣』で女性を背中に乗せて東へ飛ぶ。

 

「森が見えてきましたね。入り口があるのでそこから入って下さい」

 

「わかった」

 

低空飛行、モンスターの頭上を飛び越えて女性に導かれるがまま飛行していると森の中央らしきところにまで来たようだった。

 

「あれです、あれが【生命の樹木】です!」

 

そう言うので降ろした女性が駆け寄った木は周りの木と比べると半分程の大きさしかなかった。

 

「・・・・・伐採は不可能か」

 

できるならしようと思ったが、ポイントが表示されてないからできない。

 

「この葉が病気に効くんですよ」

 

女性は葉を数枚枝から取ると見せてくれる。

 

「それだけで足りるか?」

 

「もう大丈夫です」

 

「じゃあ、帰ろう」

 

背中に負ぶさる女性をまた飛んで町まで送る。そうして飛んでいき森を抜けた時。

 

「はぁ・・・はぁ・・・守っていただきありがとうございます。あのままでは、私は死んでしまう所でした・・・」

 

「えっ? 急にどうした?」

 

特に何もしていない。ただ空を飛んでいただけである。いや、まさか空を飛ぶこと自体が異常だった?

本来、帰り道でもモンスター相手に、プレイヤーがボロボロにされる筈だったのか?

女性の台詞は、それを乗り越えて初めて聞ける台詞だった。

こんな突破の仕方となったため、不自然な台詞になってしまったというのか?

 

「勇者様は・・・お優しいですね」

 

「・・・・・なんか、ごめんなさい」

 

何となく申し訳ない気分になって謝ったが、彼女が何か返事をすることはなかった。

・・・・・この空気に耐えられそうにない、急いで町に戻っていった。

 

「着いたぞ」

 

無事に町へ戻れて、女性の家の前に降りた。

 

「ありがとうございます! 私、急いで行ってきます!」

 

女性は急いで家の中へ走っていってしまった。遅れて入る俺の目の前には丁度女性が少女に何かを飲ませているところだった。濃い緑色の液体が器に入っている。

飲んだ少女の顔は顰めている。苦いんだろうなぁ。抹茶の色だし。

 

「・・・・・どう?」

 

「けほっ、けほっ・・・うん・・・ちょっと楽になった・・・・・ゴホッ、ゴホッ」

 

「酷い咳・・! ああ! どうしたら!」

 

女性が嘆く。その時、俺の前に青いモニターが現れた。

 

 

クエスト【博愛の騎士2】

 

 

また新たなクエストが発生した。当然これを受ける。

 

「勇者様!まだ助けてくださるのですか?」

 

「流石に放っておけない」

 

今もゴホゴホと咳をする少女は、容態が悪くなっているように見えた。

 

「では・・・【退魔の泉】に連れて行って下さい! 場所は町を出て北西です!」

 

「うん、分かった」

 

そう言うと女性はまた先に町の外へと行ってしまった。

 

「ん? ・・・・・スキル取得してる」

 

【博愛の騎士】

 

スキル名はスキル欄に確かに追加されているものの効果が無い。

 

あるのはスキル名だけだ。

 

「んー?効果が無い? ・・・・・イベントがまだ終わってないから?」

 

ならば尚更ここで投げ出す訳にはいかないと、俺は町の外へと向かった。

 

「北西ですよ!」

 

「北西だな」

 

鷹となって女性を運ぶという移動手段を使って北西へと向かう。

 

「2では終わらないよな・・・3もあるのか?」

 

さすがに2というナンバリングで終わるのは中途半端過ぎるためないと感じていた。

 

クエストの内容も前回と大して変わっていない。今回で終わりそうになかった。それを知る為にも取り敢えず泉の辺りを上空から探索して、様子を見てから考えることにして指示された方向へと進んだ。

 

 

 

程なくして眼下に泉を捉えていた。今回は女性が何も言わなかったため、そのまま真上までやってきたのだ。ゴツゴツとした岩が突き立っている場所の奥地にその泉はあった。

 

「取り敢えず、近場に降りるか」

 

泉の近くに女性を降ろすと元の姿に戻って、女性と共に泉に向かう。

泉の周りはモンスターが出ないようで、何事もなく泉に辿り着けた。

女性は泉の水を汲み上げると俺のの方に振り返った。

 

「勇者様! ありがとうございます!」

 

「いや、本当に特に何もしてない・・・・・」

 

「急いで帰りましょう!」

 

「自分勝手な相手と過ごしてる気分だぁ・・・・」

 

鷹に変身すると再び宙に浮き上がった。

 

 

 

無事に町まで戻ると女性は少女にその水を与えた。

その光景を静かに見守る。

 

「・・・・・どう?」

 

「だ、大丈夫・・・心配しないで・・・・・」

 

少女はそう言うものの、顔色は悪く体は僅かに震えている。大丈夫そうには見えなかった。

当然、また目の前に次のクエストが現れる。

 

 

クエスト【博愛の騎士3】

 

 

「うん、だと思った」

 

予想通り次のクエストが発生する。スキル【博愛の騎士】を確認してみるものの、スキルは相変わらず名前しか表示されていなくても、そのクエストを受けることにした。

 

「勇者様! ありがとうございます!」

 

「いいよいいよ」

 

「遥か遠くに巨大な町があり、その辺りには、はめるだけで体を癒す指輪があるとの噂を聞いたことがあります・・・・・不確定なもので申し訳ないのですが、それを持ってきていただけますか?」

 

「巨大な・・・・・町? どの町のことだ?」

 

先の町のことか? だとしたらこれは厄介だな。それと身体を癒す指輪・・・・・

 

「これならあるんだがな、指輪・・・・・」

 

インベントリから一つの指輪を取り出す。俺が最初期に手に入れたレアドロップ。

 

HPを回復する【フォレストクインビーの指輪】だ。

 

「勇者様! 持ってきて下さったのですね! ああ、何とお礼を言っていいか・・・」

 

「あ・・・・・これでいいんだ」

 

最近は装備していなかったその指輪を女性に譲る。指輪はレアドロップだが、二度と手に入らない訳ではない。また手に入れればいいという思いで渡した。

 

「今はめてあげるわ・・・」

 

女性が指輪を少女にはめる。同時にクエストクリアの通知が来たため、これで正しかったことが証明された。

 

「う、ぐっ・・・ガ、」

 

「・・・大丈夫? ・・・苦しいの?」

 

「ぐっ・・・・・!」

 

少女は苦痛で歪んだ顔をしていたが、急にベッドから飛び起きると扉を乱暴に開けて外に向かって走り出した。

 

「ま、待って!」

 

女性もそれを追いかけていく。取り残された俺の目の前に新たなクエスト発生の通知が浮かび上がる。

 

 

クエスト【博愛の騎士4】

 

 

当然それを受ける俺は追いかけに急いで町の外へと向かった。

 

「いた」

 

町の外に出ると座り込んでいる女性の姿が目に入った。俺が近寄ると女性は話し始める。

 

「ううっ勇者様・・・! 娘が・・・・・」

 

「どこに行った? 無事か?」

 

「娘は【常闇の神殿】に向かうと・・・・・あそこは危険なのに・・・!」

 

「何で捨て台詞を残す?」

 

「案内します・・・・! 娘を放っておけませんから・・・・・」

 

「こっちの疑問は無視かーい」

 

俺としては一人で行きたい所だったが、置いていくことは出来ないようなので仕方なく連れていくことになった女性の案内に従って泉を越えて、さらに北西に進んだ場所まで来た。

 

そこには所々崩れている古びた神殿があった。間違いなくこれが【常闇の神殿】だろう。

 

鷹から元の姿に戻ると神殿の中に入っていく。

 

壁と天井に囲まれた広間が一つあるだけの簡素な造りのその最奥に少女は倒れていた。

 

女性が駆け寄ろうとするが、その前に少女の体から漆黒の霧が噴き出る。

 

それはみるみるうちに人型になると女性に向かって襲いかかった。

 

「【咆哮】!!」

 

動きを停止してから女性の前に割り込むと守りの姿勢に入る。謎の人型は俺から距離を取る。

 

「ギギギ・・・・・!」

 

「っ! 【カバー】!」

 

飛びかかってくる動きは単調で、しっかりと受け止めることが出来た。

 

「フレイヤ【召喚】!」

 

『ニャハハハ! 喰ってやるにゃん!』

 

【霊魂搾取】を使用したフレイヤのおかげでこっちも一時的に強くなった。ここはフレイヤに任せて女性の守りに専念するか。

 

そうしてしばらくフレイヤの攻撃と俺が耐久していると、人型が急に頭を抱えて蹲り叫び始めた。

 

「グガアアアアッあアぁあア!!」

 

顔のパーツが無いため表情は存在しないが痛みに苦しんでいるかのようだった。人型の腕が槍の様に尖っていく。

 

「【悪食】」

 

女性に襲いかかる人型から守るために咄嗟に【悪食】を使用して攻撃をポリゴンと化していく。

 

「グガアアアアッ! ガガ・・・グガ・・・・・」

 

「うん・・・・・?」

 

俺を一心不乱に攻撃していた人型が急に攻撃を止めると俺と距離を取った。

 

「グギ・・・ググ・・・」

 

頭を抱えて地面に蹲った人型は次第にぼやけていき、遂には消えてしまった。

 

「終わった?」

 

「きっと・・・・・【退魔の聖水】が効いたんですよ」

 

「それってさっきの泉の水のことか?」

 

「娘には・・・・・悪魔が取り憑いていたのかもしれません」

 

俺が攻撃せずとも倒せたのは【博愛の騎士2】を無事にクリアしていたためか? 逆にクリアしていなかったらどうなっていたんだ?

 

そんな疑問を抱く俺は知る由もないが、あのクエストは女性とプレイヤーのどちらも死亡せずに持ち帰ることが出来れば成功となり、どちらかが一度でも死亡すれば失敗となるのだ。

 

ただ、どちらでもクエストは次の段階に移る。しかし、泉のクエストをクリアせずに大盾装備のプレイヤーが人型と戦うのは厳しいものがある。

 

「あ・・・クエストクリアだ・・・」

 

今のクエストをクリアしたものの新たなクエストは発生していない。

 

スキルもそのままだ。

 

「娘の元に行きましょう!」

 

「あ、うん。そうだな」

 

一緒に女性が少女の元に駆け寄り状態を確認する。少女は死んでいるかのように眠っていた。起こそうと揺さぶっても全く反応しない。

 

「取り敢えず・・・家に連れて帰ります」

 

そういうと女性は少女をおぶって神殿から出ていった。

それと同時に俺の前に青いモニターが現れる。

 

 

クエスト【博愛の騎士5】発生。

 

また、【博愛の騎士】クエスト1から4での母親へのダメージが基準値を下回っているため。

 

エクストラクエスト【身捧ぐ慈愛】が発生しました。

 

どちらかのルートを選択して下さい。

 

 

「んん?」

 

予想外の事態に首を捻った。でもエクストラクエストのルートを選ぶと、神殿から出て女性の姿を探した。しかし、女性はどこにも見当たらなかった。おい!

 

「先に帰った・・・・・?」

 

しばらく神殿の周りを探索した後で、俺も町へと帰っていった。と言うか絶対にNPC最強説あるだろこれ。

 

 

 

フレイヤを送還した後、町に着いた俺は真っ先に女性の家に向かった。

 

「どうなってるだろうな」

 

遠慮なしに不法侵入するべく女性の家の扉を静かに開く。

 

少女は眠っていた。

 

今までの苦しそうな表情は消えて、穏やかな寝顔だった。

 

「勇者様・・・娘が・・・・・娘が起きないんです・・・・・」

 

少女に近寄って様子を見てみるが、少女が息をしていないことが分かるだけだった。

 

「えっ・・・・・嘘? 死んだ?」

 

「私は・・・・・娘のために林檎を買ってきますね・・・娘は林檎が好きだから・・・・・」

 

女性はそう言うとフラフラとした足取りで外へと出ていった。現状を受け入れられていない様子で、正常な状態には見えなかった。

 

「え・・・えっ? クエスト進んでるんだよな?」

 

現在受けているクエストを確認していたが、少しして少女の体が薄く光り輝き始めたことに気付いた。少女に近づいて真横に立つ。何が起こっているのかと、観察していたらある事に気付いた。

 

「光が・・・・・文字に・・・・・」

 

少女から溢れる黄色い光は空中に文字を形作った。

 

「三日後・・・・・【朽ち果てた教会】?」

 

その文字に目を通して少しすると少女から溢れる光は薄れて消えていった。

 

「そこに行けばいいのか・・・・・そしてようやく見つけたぞあの属性結晶の

 謎の鍵を!! ・・・・・でも、どこだ?

 この町には図書館があったし・・・・・そこで調べてみようか」

 

帰ってきた女性と入れ替わるようにして俺は外へと出ていった。

 

 

 

「さてと・・・・・地図とかあるよな。なかったらネコバスに案内してもらうしかないが」

 

予定通りに図書館にやってきた俺は第二層の地図が書かれた本を探す。それからいくつか見つけたものの、詳しく書かれたものは無かった。せいぜい、地形が読み取れる程度だ。

 

「うーん・・・・・思ってたのと違う・・・・・」

 

本を閉じて教会に関する本を探す。NPCに聞かないのか? ―――一目見た瞬間に机の下に隠れだして聞くに聞けねぇんだよこの野郎。

 

「教会・・・・・聖人、聖職者、歴史・・・・・おっ!」

 

 

 

 

―――三日後。

 

 

 

 

この日を迎えた俺は三日後になった今日フェルの背中に乗って教会に向かった。三日前、このゲーム内の歴史について記されている本の隅に、小さく教会について書かれているのを発見したのだ。

 

「さっさとクエストを終わらせて長らく謎だったものを解消しよう!」

 

南に広がる森の入り口に辿り着くと森の中へと入っていく。

 

「守る人がいなければ余裕だわ」

 

時折現れるモンスターが鎧に体当たりをしてガシャンガシャンと音を立てる。それらは俺にダメージを与えることは出来なかった。俺にとってはいないのと何ら変わらない。フェルが久々の運動だと積極的にモンスターを駆逐していく。俺はのんびりと歩く。そんな俺達の前にはついに辿り着いたボロボロの教会があった。

 

「よし、入ろうか」

 

扉は既に外れて無くなってしまっており、内装も蔦や草木に侵食されてしまっている。俺は長椅子の並ぶ部屋の中央を歩いていく。正面の壁には傾いた大きな十字架があり、古びてもなお存在を放っているその真下の床にキラキラと輝く何かが落ちていることに気付いた。

 

「これは?」

 

光の正体は輝く気体の入った小瓶だった。その小瓶の情報を見てみる。

 

【大天使の欠片】

 

「何だか凄そう・・・・・集めたら召喚できるのか?」

 

それを大事にインベントリにしまいこむと、出来る限り急いで少女の元に向かうようフェルに頼んだ。

 

 

 

「失礼しまーす」

 

そっと女性の家の扉を開けて中に入る。

 

「勇者様・・・・・どうかしましたか?」

 

「ちょっと試したいことがあって」

 

眠っている少女の真横に立つと、インベントリから小瓶を取り出して蓋を開けた。

その瞬間、少女の体が眩く輝き始める。

 

「うわっ」

 

「勇者様!どうかしましたか!?」

 

「え、見えてない?」

 

少女から溢れる輝きは、以前文字を形作った時と同様に、今度は美しい女性の姿を形作ったのだ。

俺が現れた女性をじっと見つめていると、彼女は話し始めた。

 

「ありがとう。この子の命を奪ってしまうところでした」

 

「は、はぁ・・・・・」

 

「貴方には、私の力の一部を・・・・・これで私も帰ることが出来ます・・・・・」

 

その言葉を最後に光は天に昇って消えていってしまった。

それと同時に少女がむくりと起き上がる。

 

「あれ・・・・・お母さん・・・・・?」

 

「あ、あ・・・・・ああっ!」

 

女性が少女を抱き締める。少女は状況が飲み込めていないようだった。

 

「一件落着・・・・・なのか?」

 

「グルル」

 

俺としてはよく分からない終わり方だったが、クエストクリアの表示が出ていたため納得しておいた。

もうこの場に長居する理由もなくなり、そっと外に出て手に入れたスキルを確認した。

 

「【身捧ぐ慈愛】・・・・うわっ・・・・・何だこれ」

 

スキルの詳細を確認しながら呟く。これをクリアするためにも・・・・・装備が必要だ。

 

「イズ、大至急用意してほしいステータスの装備があるんだが」

 

『珍しいわね? どんな装備なのかしら?』

 

「取り敢えずホームに来てくれるか? 話はそこで」

 

『わかったわ』

 

 

 

俺はホームに招いたイズに新しいスキルを使用した。

 

その日から五日間。

 

イズはログインしている時は工房で装備について考え、納得いくまで試作を作り続けた。

 

 

 

「違う・・・・【アレ】に合う装備はこんなのじゃない・・・・・!」

 

そんなイズの声がホームの地下工房に響いていた。

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