「白銀さん!」
「スケガワもきたのか」
「ああ。ここからは生産班も防衛に加わるから、よろしく」
これは心強い。生産職だって戦闘ができない訳じゃないからな。ただ、城壁に上がってきていきなりボスを見たことで、混乱してしまっているようだ。
「とりあえず生産職を入れてチームを組もう! 全部のチームにタンクを組み込んで防御重視で―――」
「ダメだ! チームが組めない!」
「え?」
誰かの悲鳴が聞こえたので慌てて確認してみると、確かにチームが組めない。というか、パーティそのものが解除されていた。代わりに、レイドパーティに組みこまれている。
どうやら通常のレイドボス戦と同じように、レイドパーティでの戦いに変わったらしい。むしろこちらの方が当たり前なんだが、急にシステムが変わったため、各所で混乱しているようだった。
さすがにこのままボスと戦うわけにはいかないだろう。スケガワもそう思ったのか、焦った表情で駆け寄ってきた。
「白銀さん、このままじゃまずい! みんなをなんとか落ち着かせないと!」
「そうだな」
「俺に考えがある。ちょっと手伝ってもらっていいか?」
「お前の頭の中はスケベなことしか考えられなかったんじゃ?」
「辛辣だな白銀さん! 大丈夫、真面目な考えだから!」
スケガワがパンパンと手を叩きながら、大声を張り上げた。
「みんな! 注目! 白銀さんから話があるぞ!」
「え? ちょ、スケガワ? 何言っちゃってくれてんの?」
手伝うってそれ、俺に全部丸投げしてるよなおい。
「いやいや、ここで何か皆を落ち着かせる一言を頼むよ。ささ」
「やっぱりお前は女とスケベしか頭にないじゃないか! 真面目な考えだからと言ったくせに能無しか!」
「この混乱してる状況を鎮めるための演説を白銀さんにしてほしいんだよ!」
「結局他力本願だろうが! お前自身が言動する考えかと思ったよ!」
こいつに期待しても無駄なのか・・・? スケガワに声をかけられた周囲のプレイヤーたちが、一斉にこちらを見ているし・・・・・しょうがないな。
「あー、ここにいるメンバーでボスを倒す。その機会と言うチャンスが巡って来た。普段目立って輝かしい功績を上げて注目している攻略組とトッププレイヤーの戦闘班に泡を食わせるチャンスでもある。特に生産職プレイヤーにとってはそういう連中を支えているのは誰なのか思い知らしめるチャンスでもある」
「そうだ!」
「普段モンスターを戦うのに使っている装備は? 生存率を高めているアイテムを製作しているのは? ただ黙ってアイテムを作っているだけのプレイヤーではないことをこのイベントで示してやるんだ」
「そうだ!」
「故に戦闘班が戻るのを待つまでもなく俺達だけでボスを倒すぞ。はい、コクテン」
「ここで活躍すれば、メチャクチャ目立てるぞ! MVPも夢じゃないぞみんな! ―――何より白銀さんの従魔、ノーム達が俺達の活躍を見ててくれる絶好のチャンスだ!!」
『―――――ッッッ!!!』
人の従魔をダシに使うとは、後で高い支払料を請求してやる。
「そうだな・・・・・うん、俺もMVPを獲得するかもしれないが、この中でMVPになったプレイヤーには二日間うちのホームで従魔と過ごす権利を与えようか」
そんな提案を告げた俺の話に耳を傾け、聞いていたプレイヤー達が不自然に静まり返った。静寂の束の間、そして次の瞬間。砦内から凄まじい熱気が溢れ返ったのだった。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!!
声音、騒音、熱狂、絶叫、歓喜、狂気・・・・・腹の奥から吐き出す彼等彼女等の気持ちが、想いが廃砦を文字通り震わせるほど凄く伝わってくる。
「生産職でも戦えることを教えてやるぜぇー!!!」
「MVPは私のもの!!!」
「俺だぁー!!!」
「絶対に手に入れてやる!!!」
「憧れの白銀さんの従魔と触れ合えるこのチャンス!!!」
「うおおおおおおおおおおおっ!!!」
うーん、凄い士気の向上。死を恐れない兵隊になったんじゃないかこれ?
「流石白銀さん、人をその気にさせる才能は凄い!」
「はいはい。迎撃の準備を急がせろよ」
「応! そらみんな! MVP賞を欲しかったら準備をするんだ! 陣形を組もう。まずは防御重視で様子見だ!」
「そうだな! みんな、白銀さんの指示通り、隊列を組めー!」
「タンク、城壁の前に出て構えるぞっ!」
「魔法使いは一番後ろだ!」
「ハリーハリーハリー!」
ノリノリなのは分かるけど、少し聞き分けが良すぎじゃないか? いや、俺にリーダーを押し付けた手前、従ってくれているのかもしれない。そうして、隊列が組み上がった直後であった。
突如、不快な金切り声が俺たちを襲った。砦に接近してきたボスの鳴き声だ。
ただ不快な声というだけではなく、音波攻撃のようなものであったらしい。陣形の前に並んでいた盾職のプレイヤー、俺にも、僅かにダメージが入っている。
しかも、人によっては恐慌の状態異常に陥っていた。これは、恐怖を感じている相手に対してスキルや魔法の発動速度低下、命中力低下という、地味に辛い状態異常だ。
即座に周囲の人間が治したので今は問題ないが、限界ギリギリの戦いになった時に状態異常にされると面倒かもしれない。
ただ、恐慌の状態異常は、うちの子たちのようなNPCにはより大きな脅威であった。
実は、恐慌という状態異常に陥っても、本当に恐怖心を感じる訳ではなく、怯えるようなこともない。いくらこのゲーム世界がリアルに近いと言っても、人間の感情や精神を操るような技術は未だに完成していないのだ。
そもそもそんな真似できたら、ゲーム内にいる人間を外部から洗脳したりできそうだしな。
恐慌や錯乱という状態異常に陥った場合は視界が震えたり、体の動きを阻害することで、疑似的にその状態を再現しているだけである。
しかし、NPCの場合は違う。どうやら、ちゃんと精神的にもその状態に陥ってしまうらしいのだ。他のテイマーの話だが、恐慌状態に陥ったモンスが逃げ出してしまい、陣形が崩れて死にかけたという話を聞いたことがある。
「対策はしてあるけどな」
「ム?」
「――?」
俺は所持していた状態異常耐性を上げる魔法薬をモンスたちに振りかけた。これで、10時間は状態異常への抵抗にボーナスが入る。
まあ、確実に防げるわけじゃないが、確率は大分減らせただろう。
そうして音波攻撃への対策を施していると、ボスがさらに近づいてきているのが見えた。凄まじい速度であるようで、俺たちの想像以上に早く、この砦に辿り着くだろう。
「く、くるぞ! 防御主体! 反撃はヘイトを散らすために、魔術で一斉攻撃だ!」
「「「おう!」」」
現れた大型は赤と黒の羽根に身を包んだ、巨大な鳥である。顔はフクロウっぽい平面な感じなんだが、体は細くてまるで燕のようだ。
「アンドラスっていう名前か」
確か悪魔の名前だったかな。以前、イベントで戦闘したグラシャラボラスと同じ、ソロモン72柱の悪魔だったはずだ。イベント系のボスは、その辺からの出典なのだろうか?
天空から砦を見下ろしていたアンドラスが、甲高い鳴き声をあげると、その翼を大きく羽ばたかせ始めた。
「クオオオオ!」
「おぉ? 風か」
アンドラスの翼によって起こされた強風が、砦全体を襲い始める。
体が吹き飛ばされるほどの威力ではないんだが、無視できるほど弱くもない。立っている最中も、多少踏ん張っていないとバランスを崩してしまいそうだ。
「ピカァー!」
「ピィ!」
「エンゼ、ルーデル!」
「クマ!」
いや、エンゼとルーデルにはかなり厳しかったらしい。風邪の影響で飛ばされかけていた。クママが身体を張って助けるのがもう少し遅かったら、どこかに飛ばされていただろう。ベンニーアは俺の足元の影に身を潜めていたから吹っ飛ばされずに済んだ。
「よくやったクママ」
「クママ!」
「ピカァ・・・・・」
「ピィ・・・」
もふもふの腕の内に抱えられた二人が、「助かった~」という表情で安堵の溜息を漏らす。その間にも、風が少しずつ圧力を増している。どのプレイヤーも軽く腰を屈め、風に耐えていた。
すると、そこに何かが飛来する。
カンカン!
反射的にが掲げた大盾に弾かれたそれに目をやると、黒い羽根だった。羽根手裏剣的な攻撃なのだろう。風に乗せて一斉に放つことで、範囲攻撃が可能であるようだ。しかも、アンドラスの行動は当然ながらそれだけでは終わらなかった。
「クウウオオオッ!」
アンドラスの叫びに呼応するように、黒く輝く小さい魔法陣が出現する。城壁の上だけなのだが、30ヶ所はあるだろうか。
「攻撃のモーション中に攻撃するなってルール、俺には通用しないんで。ベンニーア【重力】」
「ヤミ!」
両手に黒い靄を発生させたベンニーアの直後、アンドラスの顔面に大爆発が。ダメージを受けたアンドラスは堪らずといった感じで魔方陣をキャンセルして離れていったが、ただ後退したわけではなかった。
「うわ! 風が!」
「ちょ、羽根が飛んでくるぞ!」
アンドラスの引き起こす強風と、その風に乗せて放つ羽根手裏剣で攻撃を仕掛けて来た。
「白銀さん! どうしたらいいと思う?」
「スケガワか。さてどうするか」
空にいるアンドラスには、魔法使いや弓使いで対処するしかない。しかし、ただでさえ、戦闘部隊と砦防衛部隊でプレイヤーを分けているのだ。ここでさらに魔法使いが抜けたら、アンドラスを倒すまでにどれだけ時間がかかるか分からない。
だったら、片方に集中した方がまだましだろう。
「クオオオォォ!」
「うわっ! やばいやばい!」
「皆避けろー!」
アンドラスがその巨体を一気に下降させてきた。翼長が25メートルを超える超重量のボスが真上から迫ってくる様子は、凄まじい迫力があった。
そして、アンドラスは迫力だけの相手ではない。
「ぐあぁ!」
「くっ! ヒール! ハイヒール!」
アンドラスの急降下攻撃を食らったタンクが、一発で死にかけていた。何とか回復が間に合ったようだが、一撃でタンクを瀕死に追いやる攻撃力は恐ろしすぎる。
「こ、攻撃チャンス――」
「クオオオ!」
だが、これは攻撃をする絶好の機会だ。俺たちは誰に言われるまでもなく、一斉にアンドラスを取り囲もうとしたんだが――。
アンドラスは即座に翼を羽ばたかせると、そのまま上昇していってしまった。慌てて駆け寄ろうとした者もいたんだが、激しい風に邪魔されて、攻撃をすることはできなかったようだ。
「クオオオオオ!」
「またくるぞ!」
「構えろー!」
わずかに場所を変えたアンドラスが、再び急降下してきた。まるで巨大な鎌のように見える足の爪が、今度はプレイヤーではなく砦を大きく抉っている。その攻撃だけで、城壁の一部が崩れてしまった。どう考えても、大ダメージである。
「プレイヤーに当たれば最低でも瀕死。皆が攻撃を躱すと、砦にダメージってことか?」
長期戦は、砦がもたないだろう。砦のライフがゼロになってあのクリスタルが砕けた時、どんなマイナス要素があるかも分からない。
となると、プレイヤーで攻撃を受け止めつつ、なんとか奴にダメージを与えなくてはいけないんだが・・・・・・。アンドラスが無防備になる魔方陣を展開するのを待つか?いや、それだけでは絶対にイベント終了までの討伐は間に合わない。
「つまり、急降下攻撃にあわせて、攻撃を叩き込むしかないってことか」
これは、かなり危険な戦いになりそうだ。
「ミーニィ、フレイヤ。サイナとリヴェリアとフェルをここに呼んでくれ」
「キュイ!」
『行ってくるにゃー』
「白銀さん、何を・・・・・?」
これから何かしようとする俺にスケガワが不思議そうな顔で伺ってくる。俺はこれからすることを言おうと口を開き、アンドラスの急降下攻撃に合わせて、攻撃を仕掛けようと、準備をしている最中だった。
「キュアアアア!」
「うぉ?」
アンドラスの目が青白く輝いたかと思った瞬間、俺の体に軽い衝撃が走り、視界がグニャリと歪む。
え?
なんだ? 体が全く動かん!
身じろぎしようとしても、どうにもならなかった。体が固まった――というよりも、何か硬い物で全身を包まれているようだ。それに、この歪んだ視界はなんだ? なんと言えばいいか、レンズが歪んだメガネ越しに世界を見ているような感じだ。目を閉じてステータスウィンドウを呼び出してみると、脳内で問題なく確認できる。その画面を見たことで、ようやく自分がどんな状態に陥ったのか理解できた。
氷結という状態異常になっている。
どうやら、アンドラスから何らかの攻撃を受け、氷漬けにされてしまったらしい。氷に全身を覆われて、身動きが取れなくなっているのだろう。ステータスには、氷結時間が解除されるまでの時間が赤いバーとして表示されている。
この減り方だと、3、4分くらいはかかるか? 誰かに解除してもらうことは期待できないだろう。アンドラスの対応で忙しい筈だ。氷越しでも、黒い影が動いているのが分かる。他のプレイヤーたちがどうにかしようとしてくれているみたいだが、特に成果は上がっていないんだろう。
リアルでこの状態だったら寒い程度では済まないのだろうが、ここはゲームの中。寒さで死ぬようなことはないが、段々と体の熱が奪われ、体中の関節が固まるような感覚がある。これが酷くなったら、凍傷という状態になるらしいが、その前に状態異常が解けそうだった。
それにしても、さっきの謎の氷結攻撃はあまり攻撃力が高いものではなかったようだな。俺のHPが半分以上残っている。こちらの動きを制限するための能力なんだろう。
強風&羽根手裏剣、音波攻撃、氷結攻撃と、動き阻害系ばかりだな。そうして動きを止めて、急降下攻撃で仕留めるってことか。
不意に効果時間を示す赤いバーの減りが急に早まったのが分かった。
先程までの倍近い速度で、バーが減っていく。目を開けて確認すると、俺の眼前にユラユラと動く赤い光と真っ白な光が見えた。なるほど、誰かが炎の魔法か何かで、氷を溶かしてくれているらしい。
そうして、ジリジリとしながら何もできずに待っていると、ついに氷結状態が解除された。パリーンという効果音と共に、体の周りを覆っていた氷が砕け散る。
「初めて氷結状態になったなぁー」
「ヒムムー!」
「ピカッ!」
「ピィー!」
「おお、氷を何とかしてくれたのはお前達か。ありがとう」
「ヒム!」
「ピカ!」
「ピィッ!」
うちの精霊モンスたちは戦闘中に魔術を使えないという固定観念があったが、攻撃に使えないというだけで、それ以外のことには使用できるようだ。ヒムカとエンゼとルーデルがいれば、氷結からはすぐに脱出できそうだな。
「白銀さん! 大丈夫か!」
「ああ、なんとか」
「そろそろアンドラスの急降下がくる! 気を付けてくれ! 白銀さんが死に戻ったら、戦線が崩壊する!」
大げさな。まあ、うちの子たちのファンのテンションは確実に下がるだろうから、あながち的外れではないんだけどさ。
ただ、今の氷結による拘束攻撃を食らって、思いついたことがある。
「なあ、スケガワ。下りてきたアンドラスに拘束系魔術やスキルを叩きこんだら、地面に引きずり下ろせないかな?」
「拘束系? なるほど・・・・・」
うちのパーティだと、俺やリヴェリア、ゆぐゆぐとウッゾにクリスの樹魔法だな。ああ、四人のの鞭にも、相手を拘束する技がある。
それらをプレイヤー全員で使ったら、どうにかならないだろうか?
「確かに、試す価値はあるかもしれないな。俺たちの攻撃力じゃ、どうせ大したダメージは与えられないんだし」
「だろ? やってみないか?」
「そうですね!」
スケガワが声をかけてくれると、すぐに賛同の声が上がり、使えそうなスキルや術を持っている人間が集まってきた。ただ、その数は意外に少ない。二十人程だろう。
そもそも樹魔法がマイナーだし、鞭を使っているプレイヤーも少ない。このサーバーにはいないようだった。プレイヤー以外だったら・・・俺の許にやってきたリヴェリア達ぐらいだ。
「あなた、私は何をすればいいのかしら?」
「俺があの鳥を砦に落とす。リヴェリア達の樹木魔法をあそこで拘束してくれ。サイナは他のプレイヤーに間を空けるよう頼んでくれ」
「わかりました」
「フェル、それまでリヴェリア達を守ってくれ。アンドラスを落としたら狩り時だ」
「グルル・・・・・」
そう皆に言っている間にも事態は止まらない、進展していく。
「みんな、くるぞ!」
「よし! こっちに来る!」
そもそもこの作戦は、アンドラスが降りてくる場所が離れすぎていると、失敗である。準備していた魔法などが届かないからな。だが、俺たちの願いがゲームの神様に届いたらしい。アンドラスは、俺たちのすぐ近くに急降下してきてくれた。
盾ごと吹き飛ばされるタンクを横目に、俺たち拘束班が一斉に魔法やスキルを放った。そのほとんどはアンドラスによって弾かれ、効果を発揮はしてくれない。
だが―――。
「来るの待ってたぜ! 【覇獣】!」
こっちも城壁から飛び出しながらベヒモスと化した俺に、ホバリングした後、遠ざかろうとするアンドラスの片足に噛み付き捕まえることが出来た。空中を8回跳んで大きく間が空いてる広場に目を配る。
「いくぞ、リヴェリア!!」
勢い付けてアンドラスを前肢で叩き付けながら下へ落とす。錐揉みしながら落下するアンドラスは、地面に墜落する直前に体勢を整えたのは称賛する。が、しかしだ。その行動を取った時には既に魔方陣を展開、極太の蔓を操作していたリヴェリアに両足を拘束され、地に引きずり下ろされたのではな。
ベヒモス化を解いて【身捧ぐ慈愛】を発動、空からリヴェリアの傍に降り立って彼女を俺の防御力+カバーする力場に入れる。
「今が好機! 総員突撃だ!!」
うおぉおおおおおおぉぉぉおおおおおおおおおっ!!!
戦闘員と生産しかしてなかったプレイヤーが雄叫びを上げながら積極的に攻撃する。オルト達も果敢にその中に加わる。みんな頑張れー。
「オルトちゃん見てて!」
「ゆぐゆぐちゃんは俺が守る!」
「リックちゃんに手出しさせないわよ!」
「クママちゃんと共闘なんて感激!」
「メリープちゃあああん!」
「ミーニィちゃんの分も戦うわ!」
「ファウちゃんを傷付けるやつは許さねぇ!」
「ヒムカくんの頑張りを無駄にしない!」
「アイネちゃん、俺の勇姿を見ててくれ!」
「ルフレちゃんの笑顔のためなら俺は・・・・・!」
「エンゼくんとルーデルちゃんの敵は俺の敵だぁ!」
「ベンニーアちゃんの尊顔を見るためにぃ!」
「フレイヤちゃんの肉球を触るために戦う!」
「この戦いを終えたらクリスちゃんと抱き締め合うんだ!」
「ウッド様の微笑みと膝枕が俺を待っている!」
・・・・・あいつら、外してはいけない理性と言うネジが全部吹っ飛んでしないか?
「サイナ、全力で倒せ」
「マスターのお望み通りに」
片翼を集中攻撃するサイナによって、アンドラスの片方の翼は破壊された。空に飛べなくなったが、巨体の脅威は健在だ。足を拘束してるとは言え、まだ動かせる自由が残ってるから、鋭い爪で貫かれるプレイヤーは少なくない。時おり羽の手裏剣が飛んでくるが、リヴェリアを完全防御で守り通してしばらく時が経った頃。
「戦闘班が戻ってきたぞぉー!!」
砦に駆け込んでくるコクテン達が、地面に縫い付けられてるアンドラスに目掛けて攻撃体勢に入った。戦う気はあるのはわかるんだけどな?
「あー・・・・・悪い。もう終わった」
フェルがアンドラスの喉笛を噛み裂き、セキトがアンドラスの脳天を踏み抜いたダメージは大きく、今回のレイドボスがポリゴンと化して唖然と立ち尽くすコクテン達の前で吹っ飛んだのだった。