二日目の朝―――。
顔が胸に挟まれた形で寝ていたイカルと起床、朝食を食べながらサイナに訊ねた。
「まだ周囲に誰かいるか?」
「はい。数も30は軽く超えております」
「寝ている間にもうそんなにか。5、6ぐらいのパーティがいるのかな?」
「お、多いです・・・・・。大丈夫でしょうか?」
まぁ、問題ないと思う。だって、俺には殲滅できるスキルがあるし? 余裕だし?
「毒の領域が間もなく消失しますマスター」
最大メダル保有数プレイヤーの相手は俺だと分かってている相手なら、絶対レベルは50、60以上のプレイヤーだろう。今でも潰し合いをしていないのは、連携をしようとしてるのかな
「サイナ、リックとエスク、テトラを上空に避難させてくれ。イカル以外巻き込んでしまう」
「かしこまりました」
「イカル、準備を整えたら【色彩化粧】で一度姿を消す。別々で一塊になっている他のプレイヤーの傍に近づいて奇襲しよう。攻撃は自分の判断でしてくれ。ただし派手に攻撃してくれよ?」
「わかりました、お姉ちゃん」
「それと、こういうこともしててくれ」
俺はイカルにあることを告げた―――。
とあるプレイヤーの話。
20枚以上のメダルを持つプレイヤー、白銀さんと呼ばれている奴が張っただろう毒の結界がポリゴンと化して消えていくのを見届けたその後、古びた家屋がメイド服を着た女がノームとリス、見たことのないモンスターを抱えて空へ飛んで行った。
「逃げたか!」
「いや今のは違う。白銀さんのドールだ」
「でも、肝心の奴が見当たらないぞ」
毒耐性がないため毒が消えるのを待ちに待った俺達は、相手が相手なために周囲を警戒しながら探す。俺達と同じ考えで集まって来た他のプレイヤー達も、山分けをする条件で共闘してくれる。レイド戦ができる数まで膨れ上がってしまったが、白銀さんに対して優秀な功績を残したパーティには10枚のメダルを得る決まりをしたから不満はない筈だ。
「・・・・・静かすぎる。本当にいないのか?」
「いやいる筈だ。マップ上じゃあ確かにここから離れていない」
念のために俺も確認してみるが、金のメダルを持つ所有者だけ常時居場所を把握できるようになっているからすぐにわかる。だから俺から見ても白銀さんの居場所は俺達がいる場所とほぼ同じ位置で・・・・・。
「うん?」
何となくマップの画面を拡大続けた。最大にすると金メダルのマーカーがゆっくりと動いて、俺達のマーカーの目の前に止まった・・・・・。
「目の前?」
家屋が消えた場所へ視線を向けたその直後―――。黒い鎧を着こんで金髪の少女が何もない所から突然現れだした。
「【エクスプロージョン】!」
「なっ!?」
回避も防御もする暇もなく。目の前が突然と暗転した。急な事態に何がどうなってしまったのか分からず、俺は・・・俺達は、最初に転移された場所へ送り戻されたあともしばらく唖然としていた。
また別のプレイヤーの話。
「現れたぞ! 白銀・・・さん?」
「え、女の子・・・・・? それに何だあの姿・・・・・」
同じ装備をしていた相手が違う性別のプレイヤーだったことに困惑する。どうなっている? 髪の色も顔も、性別とまったく違うじゃないか。バグか?
「えっと、あの、白銀さんですよね?」
「違います。私はイカルです」
「でも、その鎧は白銀さんが装備しているのと同じだし・・・・・」
「見た目だけ同じ装備ならこのゲームにならたくさんあるんじゃないですか?」
「・・・・・まぁ、確かにそうだけど」
唯一無二の装備はほぼ無いと思うが・・・・・それでも今の爆発は間違いなく白銀さんのスキルだし。
「じゃあ、白銀さんじゃないって証拠はあるのか? ステータスを見せてくれよ」
「私だけ見られるのは不公平だと思います」
「あー・・・」
確かにそれもそうか。でも、どうしようか・・・仮に人違いでも倒さないとメダルを手に入れられないし。この子の正体が気になるのもまた事実だし・・・・・。
「おい、白銀さんじゃなくても倒すべきだろ」
「・・・そうだな。倒すか」
防御力極振りのプレイヤーでもないだろうし、俺でも倒せれるだろう。武器を振り上げる俺に大盾で構えるだけの彼女は戦闘に慣れてない様子にそう確信した。他の仲間も横から攻撃を仕掛けに行った。
「防御だけじゃ勝てないぜ!」
「いや、待て。確か今回のイベントは初心者に第一陣のプレイヤーのスキルが反映されているんなら・・・・・」
仲間の一人がこの子もそうじゃないのかと指摘して、俺もそれに気付いた時には―――。
「【
なんか凄いのを召喚しやがったんだが!? 巨大な蛇と蠍にゴーレム、水晶の身体をしたモンスターだと!?
ドォオオオオオオオンッ!
「うわぁあああああああっ!!」
「だ、誰だおま―――ぐはぁっ!」
別方向から聞こえる。共闘している他のパーティのところだ! そっちへ思わず振り向くと、目の前にいる少女と似た姿の女性プレイヤーが初心者の格好で次々と味方を倒していっているじゃないか!
「くそ、やっぱりこっちが白銀さんかよ!」
「私はイカルです! お姉ちゃんはあっちです!」
「何訳の分からないことを言っている!」
「【パラライズシャウト】!」
悪態吐きながら攻撃しかけようとした矢先に、背後から聞こえた女の声と一緒に身体が痺れだして動きが・・・・・っ! それはどうやら俺だけでなく少女の横にいた仲間も少女の放つ、おそらく相手を麻痺状態にするスキルでやられたあと、一撃で倒されて見ているしかできなかった俺だけ残されたようだ。
「見た目に判断して、惑わされた時点で負けだぜ?」
そして次に後ろから聞こえたのは男の声。これは、この声は・・・・・!
「その声・・・白銀さんかっ。じゃあ、目の前にいるのは・・・・・!」
「正真正銘、初心者のイカルだ。装備に関しては二つ目のユニーク装備を着ているだけだから」
同じ装備ならある、ちくしょう・・・本当に嘘じゃなかったのかっ。いや、たとえ信じても勝負を挑んだ俺達の負けは必須だったか。
「まさか
なーんか、盛大に勘違いされたっぽいな。でもま、いずれ気付くだろう。
「イカルお見事。注意を引きつけてくれたおかげで、こっちも奇襲が出来た。イカルだけでも倒せてきたな」
「おね、死神ハーデスさんのスキルのおかげです」
「それを使いこなせるイカルもゲームに慣れてきている。全力で楽しもうな」
「はい!」
メダルも六枚手に入ったこの調子でどんどん集めていきたいものだ。
【メダルをザクザク】テイマー同士で近況報告を語るスレ【そっちどぉ? PART1】
170:エリンギ
くそぉー! あいつら絶許!
171:オイレンシュピーゲル
まったくだ!
172:イワン
どうしたの?
173:エリンギ
オイレンと組んでるんだけど、テイマーの俺達を見てメダルが楽に獲れるカモだと言い抜かして、しつこく粘着してくるプレイヤーがいるんだよ! しかも俺達のモンスだけ痛めつけるだけで痛めつけて、倒したら俺達を倒さない代わりに誹謗中傷の言葉を言ってくるんだよ。無視して離れようと逃げようもしても、現在進行形でニヤニヤとムカつく笑いをしながら追いかけてくるし! あいつらとの距離は3メートルだぞ? 完全に悪質なストーカー行為だぜ。
174:オイレンシュピーゲル
あいつ等と組んでいる初心者も可哀想だよ。上級者のプレイヤーに逆らえないのか無理矢理同じ真似をさせてるようでさ、ついさっき通報してやったからもう粘着する真似はしないと思うけど。
175:ウルスラ
そういうプレイヤーもいるってことを初心者プレイヤーも知らないよね。ところで二人だけ組んで初心者のプレイヤーと一緒にいるのよね? 職業は?
176:エリンギ
初心者のプレイヤーはテイマーだから、俺達のスキルを反映させているんだ。だからプレイヤー三人、モンス三体の編成。で・・・・・。
177:オイレンシュピーゲル
他のプレイヤーに狙われやすい対象にされているんだよ。いや、ジョブはちゃんと戦闘職にしてるんだぞ? でもメインはテイマー故にちゃんと育てていないんだ。
178:ウルスラ
テイマーにとって今回のイベントは厳しいってことなのね。実を言うと私もアメリアと初心者のテイマー組んでて、一体しかノームちゃんを連れて来られない非常に残念な思いを抱いてるの。
179:アメリア
ウサぴょんかノームちゃん、どっちを連れていこうかあんなに悩んだことは一度もありませんでした!
180:赤星ニャー
こっちが戦闘しないでメダル集めたいのに、向こうは実質一体しかいない狩りやすい格好の標的を連れているから、倒せばモンスター頼りにしてるほぼ戦闘力がないに等しいテイマーしか残らない俺達もまた、戦闘職にとっては格好の餌食なんだニャー。
181:エリンギ
その口振りからしてメダルを奪われたか?
182:赤星ニャー
俺だけ初日で速攻。しかも従魔の宝珠で召喚できる回数があるじゃん? 倒されたモンスは日を跨がないともう一度召喚することができないじゃん? 他にいてもまだ従魔の心を貰えるまで親密度が高くないから呼べないじゃん?
183:イワン
あ・・・(察し)
184:オイレンシュピーゲル
あ・・・(察し)
185:エリンギ
あ・・・(察し)
186:ウルスラ
まさか、あなた・・・・・。
187:アメリア
そんな、酷い・・・。―――パーティから追放されちゃった?
188:赤星ニャー
違うなニャー!!! 俺の樹精ちゃんと一緒にいたいっていう戦闘系の二人を、初心者のテイマーを誘ってた時に誘われて入れてるから問題ないし!!!
189:エリンギ
そいつら、白銀さんのゆぐゆぐちゃん代わりにしてるだろ。
190:赤星ニャー
だとしても! 戦闘職がいてくれるだけで、こっちは助かっているから問題ないニャー。だというのに、俺の樹精ちゃんを倒した奴ら絶許!!! 次も出会ったら全員でボコってやるニャー!
191:オイレンシュピーゲル
なんだ、心配して損した。
192:イワン
だけども探索&争奪戦イベントは、テイマーにとって不遇職になり兼ねないのは事実だ。白銀さんみたくメインを戦闘職にすれば長く戦い続けられるんだろうな。
193:アメリア
このイベントにも参加してるんでしょ? どんな初心者なプレイヤーといるのかな。
194:赤星ニャー
俺の予想だと人伝で聞いたことがある、初日でユニーク個体のノームを手に入れた初心者とじゃないかなって思ってる。
195:ウルスラ
そのプレイヤーのことならちょっとだけ私も聞いたことがある。
196:アメリア
今後その子も有名になるかもね!
197:イワン
白銀さんみたいに未知のモンスターをテイムしたり、未到達のエリアを先んじて見つけたり、凄い成長を遂げそうな想像が安易に思い浮かぶのは俺だけ?
198:エリンギ
今回の第二陣プレイヤーの歓迎イベントで、第一陣プレイヤーのスキルが反映されてるから・・・・・。
199:赤星ニャー
一緒にいるから白銀さんの影響も反映されてもおかしくないニャー。
200:アメリア
こ、言葉に不思議と力が宿っている・・・・・! もしかして私達も白銀さんと一緒にいたら・・・・・?
201:赤星ニャー
可愛い従魔ちゃんと巡り合える機会が増えるニャー?
202:オイレンシュピーゲル
神様仏様死神様白銀様! どうか俺にも影響力をちょっとだけくれぇー!!!
203:赤星ニャー
絶対に入れてはならない二文字が入ってるニャー。
204:イワン
でも気持ちはわかる。例のユニーク個体のノームを連れた初心者のプレイヤーは、必ず白銀さんと接触していそうだし、したらしたでその影響を受けて成長することが出来てるなら拝みたくもなる。
205:アメリア
白銀さん神社があるなら毎日、参拝する!
206:ウルスラ
私も! 可愛いモンスターと出会えるようになるならお金を出し惜しみしないわ!
207:アメリア
幻獣種の可愛いモンスターが欲しいです白銀さん!
208:ウルスラ
私達に新しい出会いを下さい!
209:オイレンシュピーゲル
お願いしまーす!!
210:エリンギ
切実な願いの、思いの強さが伝わってくる。
211:赤星ニャー
流れ星が落ちきる前に三回願い事を言うジンクスみたいにかニャー
212:オイレンシュピーゲル
あっ、あいつらまた性懲りもなく襲ってきやがった!?
213:赤星ニャー
粘着してくる奴らかニャー? 運営から警告受けなかった?
214:エリンギ
「お前等だろ!! 運営にチクった奴は!!」 「俺達は遊んでいただけなのにふざけるんじゃねぇよ!!」 「ブチ殺してやる!!」 「テイマーなんて戦闘職の中じゃ雑魚だろうが!!」 「メダルを奪った後でも追いかけ回してやるからな!!」って言ってくるから絶対あいつらの完全な八つ当たりだな。
215:オイレンシュピーゲル
ちくしょう! あいつらは腐っても本当に強いから俺達のモンスじゃ勝てない!!
216:赤星ニャー
あっ、オイレンを見つけた。って俺達を倒したプレイヤーだしそいつ等ぁ!! テイマーを雑魚呼ばわりするとはいい度胸ニャー!!
217:オイレンシュピーゲル
あ、赤星ニャー!! 来てくれて助かるー!! ・・・・・待って、なんかお前の後ろに巨大な影が迫ってきてる・・・って、何を連れてきたんだお前っ!!?
218:イワン
巨大な影?
219:赤星ニャー
後ろ? ・・・・・何だあれ? ・・・・・ベヒモス?
220:アメリア
ベヒモスって言ったら・・・・・白銀さんじゃない?
221:ウルスラ
まさか、願いが通じたの・・・・・?
222:イワン
颯爽と駆け付ける巨大なモンスターの正体は白銀さん、だと? なんて偶然なんだお前達。
223:オイレンシュピーゲル
は、白銀さん!! 助けてぇー!?
なんか助けを呼ばれてるな。俺のこの姿を知っているのは当然だとしても・・・あ、見覚えのあるプレイヤーが何人かいるな。
「どいつだー!!」
「俺の目の前にいる連中を倒してぇー!! できれば初心者のプレイヤーだけは倒さないで!?」
「どいつなのかわからないから、自分で助けろ!」
指差す方に目を向け、俺達を見て驚愕しているパーティの真上に飛び上がった。上空からの―――必殺、覇獣(【悪食】)パンチ!
ズドォオオオンッ!
【STR】0故に倒せはしないが、スキルで倒せることできるから問題なく倒すことを望まれたプレイヤー達を振り上げた手で叩き付けた。それから手を動かすとプレイヤーがおらず、手形が残った指の間に立っていた二人のプレイヤーが固まってた。
それからしばらくして~・・・・・。
「おお・・・・・初めてベヒモスを触れるニャー」
「ベヒモスの手って以外ともふもふするんだな」
一パーティーを倒した後になって、花見で知り合ったプレイヤーと便乗するプレイヤー達に触りまくられてる。一体何なんだこの状況?
ベヒモスの鬣から頭に乗せたリックと飛び降りたら、誰だこいつはという目をする2パーティーのプレイヤー達。
「え、どちら様?」
「俺だ」
【皇蛇】を解除して、元の姿に戻るとまた驚かれた。
「ええっ!? こっちが白銀さん!? じゃ、こっちのベヒモスは・・・・・」
「イカル、解除していいぞ」
エスクとテトラはサイナに抱えられ、ベヒモスがポリゴンと化すればイカルが元の姿に戻り、俺の後ろに隠れてしまった。
「ま、まさか・・・・・初心者の女の子の手を触ってましたニャー?」
「それはもう。柔らかかっただろ? 知らなかったとはいえ通報されてもしょうがないほど、これでもかとベヒモスで介して堪能してたよなぁ?」
「「「「「「・・・・・」」」」」」
酷く顔を青ざめて自分達がしたヤバさに危機感を覚えたか、トレードでメダルと恐らく全額のGが送られようとしてきた。
「いや、いらんから」
「いやいや!? 俺達は本当に女の子とは思わず触ってしまったから謝礼させてくれ!!」
「もし、こんなこと他の皆にバレたら誹謗中傷の嵐に遭ってゲームが出来なくなるので、どうか穏便に済まさせてほしいです白銀さん!」
「「「ごめんなさい、許してください!!」」」
俺に謝るなと言う前に、イカルに触った全員がその場で土下座をする。彼女に対して謝罪してるのか?
「イカル、どうする? 許すか?」
「・・・・・死神ハーデスさん、後でいっぱい私の手を触ってください」
「それぐらいなら毎日でもいいぞ?」
「じゃあ、メダルをくれるなら許してあげます」
すぐさまオイレンシュピーゲルからメダルを貰い、赤星ニャーからは。
「俺のメダルは白銀さんが倒したパーティーにメダル取られたので、そのまま譲りますニャー」
「ああ、これか。三枚あるから残りの一枚は・・・・・」
オイレンシュピーゲルが助けたプレイヤーに向かって指で弾く。反射的にメダルを受け取った初心者と思う彼は瞬きをした。
「え?」
「倒したパーティーとイカルへの慰謝料代わりのメダルを貰った以上、それ以上のメダルは受け取る気はない。初心者のお前のメダルだ。返す」
「で、でも・・・競い合う相手からメダルを返してもらうなんて。それに今俺だけしかいないからすぐに倒されて奪われるだけだし」
「だったら、今のパーティーから抜け出してこいつらのどっちかに入れてもらえばいいさ。それがダメだというルールは無いはずだぞ。パーティーに入れないならチームで組んで一緒にいさせてもらえばいい」
なるほど、と納得した声を漏らすオイレンシュピーゲル達。残された初心者に誘いの声をかけたら、2パーティーと共に行動することに決めたのだった。
「ところで白銀さん。質問してもいいですかニャー」
「構わないぞ」
「彼女の頭の上に乗っかってる小さなモンスターって何ですかニャー」
当然の質問にイカルへ教えてもいいかと尋ねた。俺が教えるならいい、と言うことでテトラの詳細を教える。
「イカルの新しい従魔で名前はテトラ、種族はキツネリスだ」
「キツネリス・・・・・あ、図鑑にも載って・・・ぇぇぇ、幻獣ですニャー」
そうなんだよな。俺もそれを知った時には唖然としたもんだわ。
「案外、キツネとリスを融合したら手に入るのかなーって考えてるんだ。あり得ないけと思うけどさ」
「な、なるほどっ。ペガサスだったら馬と鳥を融合したらそうなってもいいじゃないかって思うし、レベル上げして進化させるだけじゃニャいってことですニャー?」
「ふむ、もしも仮説が正しいなら・・・・・雌型のモンスターと魚のモンスターの融合なら人魚か? 雌型のモンスターと鳥のモンスターならハーピィかもしれないな。蜘蛛だったらアラクネだな」
「「「「・・・・・」」」」
テイマー達が雷の衝撃を受けたように硬直した後、俺の手を掴んできた。主にオイレンシュピーゲルと赤星ニャーが。
「「白銀さん。是非ともご協力をお願いします」」
「雌型のモンスターを見つけてこい。話はそれからだ」
見たこと無いがなそんなモンスター。逆も然り。
「死神ハーデスさん。行きませんか?」
「ああ、そうだったな。そろそろ行こうか」
「どこに目指しているんですか?」
「なんか、このイベントに隠し要素があるらしくてさ。メダルを三十枚ほど集めてから、このフィールドの中心にある建物に招待されたんだ。そこへ行く途中にお前達と鉢合わせた」
彼等はマップで見るも、自分達のは建物が表示されてないと言う。なら、チームで組んでみるとどうだ?
「あっ、俺のマップに建物が表示されてるニャー!」
「マジか、白銀さん俺も! ・・・・・おお、本当だ! この建物に何があるんだろう?」
「それを知るために向かっていたんだ。何なら、一緒に行ってみるか?」
【呼応】スキルでネコバスがホームからここイベント用フィールドにまで来てくれて、体を変形させて中に入れさせてくれる入り口を作ってくれた。
「ネ、ネコバスだぁー!?」
「ニャー!! マジで乗せてくれるんですか白銀さん!」
「いいとも、乗りたい奴は乗れ」
ひゃっほーいっ!! と大はしゃぎしてネコバスの身体の中に乗り込むオイレンシュピーゲル達が、中でも騒いでとても楽しそうだ。イカルを横抱きに抱えて俺もネコバスの中へ乗り込む。
「イカルも乗るのは初めてだったな?」
「はい、ふわっ、これ毛皮ですか? 凄くふわふわして温かいです。布団より柔らかい・・・・・」
「ふふ、そうだろう。俺も出来ることなら一日中この中で過ごしてみたい時があるよ」
全員を乗せたネコバスは駆け出す。風を切り、プレイヤーを通り過ぎ俺達を目的の場所まで送ってくれる。その間は足上に座らせてるイカルの手を優しく触ってやると、背中を預けてきてそのままくっついた。後ろから抱き締める形でしばらく俺達はネコバスに揺らされながらのんびりと過ごしたのだった。ただ、あいつ等はしゃぎすぎだ。うるさい。