バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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植物知識の検証とファーマープレイヤー

【農業】農夫による農夫のための農業スレ8【ばんざい】

 

:NWO内で農業をする人たちのための情報交換スレ

:大規模農園から家庭菜園まで、どんな質問でも大歓迎

:不確定情報はその旨を明記してください

:リアルの農業情報は有り難いですが、ゲーム内でどこまで通用するかは未知数

 

 

 

111:ネネネ

 

なんか他のプレイヤーの畑に風車がある

 

 

112:チチ

 

風車?

 

 

113:ノーフ

 

何を言っているんだ?折り紙の風車のこと言っているのか?

 

 

114:ネネネ

 

違う。塔のように大きい風車の方だよ。本当にあるから信じられないならノームがいる畑に見に来て

 

 

115:つるべ

 

気になって来てみた・・・・・マジであった。いや待て、畑の方にも変化があるぞ。

飛んでいるちっこい幼女がいるし!

 

 

116:セレネス

 

畑に飛んでいる幼女?妖精?

 

 

117:プリム

 

あれもノームちゃんと同じモンスター?ノームちゃんがいないんだけど!

 

 

118:チチ

 

可愛い・・・・・NPCのエルフと笑顔で戯れてる光景は華だ。

 

 

119:セレネス

 

≫117の予想を考慮して精霊系のモンスターじゃないか?昨日精霊門が解放されたアナウンスが流れたし、今日も二つ目の精霊門が解放されたようだしな。

 

 

120:つるべ

 

それにしたって、畑にあんな設置できるオブジェクトがこの町にあったのか・・・・・?

 

 

121:チチ

 

そう思って農業ギルドにも確認しに行ったが、風車塔は販売していないようだ

 

 

122:ネネネ

 

実際風車って畑と何の関係性があったっけ?

 

 

123:ノーフ

 

ファーマーを選んで実用性が分からないのか?風車は具体的に言えば臼とセットされて粉を作ることができるんだ。小麦粉とかそば粉とかその他色々な粉末状にな

 

 

122:つるべ

 

実用性大あり!パンが作れる可能性が見えてきた!天ぷらそばが夢じゃない!

 

 

124:ノーフ

 

粉末にするための元となる材料は今のところ全て未発見だがな。

 

 

125:プリム

 

じゃあ、風車の使い道は今のところないってこと?

 

 

126:セレネス

 

今後に期待して事前に用意するのもアリだと思う。水田もあるかな・・・・・。

 

 

125:ノーフ

 

ここの畑の主が現れたらGMコールされない程度に質問すればいいだろう。秘匿の意思が窺えるなら無理に訊いてはダメだ。・・・・・む?あれは。

 

 

126:チチ

 

どうした?

 

 

126:ノーフ

 

ノームを連れたプレイヤーが女性プレイヤーとこっちに来る

 

 

 

 

 

「うわぁ・・・・・完璧に農業やってるのね」

 

「オルトのおかげだけどな。本当にありがとうな」

 

「ムー」

 

「で、どこに設置しとこうか?」

 

「ムム!」

 

土精霊の里から戻ってきて早速オルトに案内されるがままにワームボックス、腐葉土箱を設置していった。ホームマイン、遮光畑はオルトの指示で、そこに設置した。

 

ワームボックスは一見すると単なる木箱だが、設置する時に効果範囲を決める必要があったので、問題なく動いているんだろう。こいつは2000Gの畑に使おう。

 

遮光畑の凄い特徴は畑一つを潰してしまう代わりに、20マス全部を地下畑に出来るって点だな。これは試験用として6000Gの畑に設置だ。

 

ホームマインは2000Gの畑を10マスも潰したが、採掘できたのは銅鉱石が1つだけだった。これって、どれくらいの間隔で再採掘できるんだろうか? もし1日で1回しか採取できないんだと、元を取るのにどれくらいかかるか分からない。そもそも、畑を10マスも潰した価値が無いんだが・・・・・。これも数日使って様子を見るしかないだろうな。

 

てか、遮光畑は単純に茸を栽培するためのものだから原木が必要だよな。今ないし、どこにあるのか農業ギルドに訊いてみるか。

 

「へぇ、充実してるわね。あれって林檎の木でしょ?もう実ってるわ」

 

「一つは黄金の林檎の苗木で育てているぞ」

 

「へ?それって経験値とスキルの熟練度を増すアイテムよね?」

 

「そうだな。でも食用アイテムでもあったからできたぞ。ただ、実った時にポイントを増やせる実になってるかどうかはまだわからない。見ての通り黄金に実ってないからな他の林檎と同様に」

 

6000Gの畑に植えた林檎の苗木は熟成しきってない林檎ばかり実っている。あと数日もすれば赤くなって熟成する頃合いだと思うが、その中10000Gに植えた黄金の林檎が実るか運次第だ。

 

「ねぇ、どうして雑草を育ててるの?」

 

「ん?ああ、これバジルとハーブ」

 

「え?これがバジルとハーブ?どうして?雑草なのに?」

 

そっか、イズは知らないのか。かくかくしかじかと説明する。

 

「植物知識?一見、雑草しか見えないのは【植物知識】が無いからなの?」

 

「【植物知識】のスキルが無いからだと思う。これ、木々にも表示されるんじゃないか?」

 

「可能性があるかも。杖や弓以外に木材で加工して出来上がる物の品質が高くなると思うわね」

 

となると養蜂場用の箱に養蚕の箱を作れたりする?いや、養蚕箱に関しては風霊の街に売ってたから必要ないか。ただし、箱の品質以上作れるなら話は別だろうけど。

 

「どうする?欲しいならアドバイスするぞ」

 

「ええ、お願いできるかしら?」

 

目指す森は西。それも深奥だ。鷹になってイズを乗せて西の森へ飛んでいく。勿論黄金の林檎が実っているか確認も視野を入れている。あったら是非とも採取したいものだ。

 

「随分と奥に進むのね」

 

「この辺りなら俺常連だからな。川の上流にはオオサンショウウオモドキとアンコウモドキのモンスターがいる隠しエリアもあるし」

 

「へぇ、そうなの。何か手に入ったの?」

 

「いや、あのNPCのエルフと出会った。そう言えばそこに大樹があったな。ま、伐採はできないだろうけど」

 

目的地にたどり着き、林檎の果樹園を前にリズは簡単の息を漏らした。

 

「こんなところにあったのね」

 

「ここの林檎の木の中で黄金の林檎があるんだ。最近採ったばかりだから無いと思うぞ」

 

「じゃあ気にせず伐採しましょう。ハーデス、伐採ポイントはある?」

 

訊かれて軽く見回すと、一本の木に向かって歩きこれだと指で示す。リズは首を傾げた。

 

「それ?伐採ポイントがないのだけれど」

 

「そうなのか?俺から見るとクヌギって名前の木になってるぞ」

 

「【植物知識】の有無の違いかしらね。一先ずやってみるわ」

 

それから一本の木から材木アイテムを得るために黙々とコーンコーンと木に斧を叩きつける作業を始めた。一度も休まず淡々と斧を振るい続けて30分ぐらいたった頃。メキメキと音を立てて木が倒れた。

 

「どうだ?」

 

「えーと。本当だわ。木材が手に入ってる。それに私も一部スキルの解放のアナウンスが聞こえるわ」

 

確認すると植物知識が取得したらしい。まさか、スキルが取得できるとは思ってもみなかったな。

 

「どういうことかしら?伐採は初めてしたのに取得しちゃったわ」

 

「俺にも分からないな。集計データで【植物知識】を持ってるプレイヤーはどのぐらいだ?」

 

「待ってて。えっと、現時点で私達だけみたいね。2人だけだもの」

 

俺達だけだと?木工系職人プレイヤーですら取得していない?

 

「伐採ポイントが表示してるしてない木を伐採しても取得できていないってことか?もしかして伐採ポイントがない木に俺が見える伐採ポイントを伐採すればそれで取得できる?」

 

「ハーデスに教えてくれた木を切って手に入ったから今のところそれしか考えられないけど、それ以前に畑で雑草を栽培と収穫して【植物知識】を得たのが始まりよ?つまり誰もが不要な物の筈を意図せず貴方が誰も取得していないけれど誰も取得できる方法を見つけたことになるわ」

 

おー、つまりは情報としても売れるわけだ。

 

「理論はわかった。とりあえずもっと伐採を続けよう。【伐採速度強化】なんてスキルも手に入ると思う」

 

「いいわね。スキルは得ても無駄じゃないから」

 

意気込む俺達はずっと伐採を続け、狙い通りイズは【伐採】【伐採速度強化小】のスキルを取得したその日、様々な木材・雑木・etc、その他の桃や胡桃の実を手に入れることができて、養蜂箱を作ってもらう報酬は手に入れた材木を掲示板に依頼した。

 

「見てくれるといいわね」

 

「そうだな。今日はありがとうな」

 

「どういたしまして。また一緒にミスリルを掘りに行きましょうね。精霊の街のこと忘れないでね?」

 

「忘れないさ。じゃな」

 

夕焼けで空が朱色に染まってうっすらと暗くなってきた。ログアウトする前に畑を見に行ってみたら。何か俺の畑にでかい木が生えていた。

 

「キュイキュイ」

 

「フマー」

 

「―――♪」

 

何か知らない間に俺の畑に一人増えていた。どちら様でしょうか?

 

桜の髪をおさげにした少女の姿をしていては、頭からは大きな葉っぱが芽吹いており、肩や背中が大きく開いている露出度の高い服装(というか透けてる)。唖然と立ち尽くす俺のところにリヴェリアが来てくれた。

 

「お帰りなさい」

 

「あ、ああ、ただいまだが・・・あの桜色の髪の子は?」

 

「ついさっきあの成長した精霊の樹から出てきたのです。分かりやすく言うと精霊樹の化身ですよ」

 

精霊の化身?まさかそんな存在が誕生?するとは思いもしなかったな。畑に入り戯れてる三人のもとへ寄ると、名も知らぬ精霊の少女が俺に気づいて飛び付いてきた。

 

「えーと?」

 

猫のように顔をスリスリしてくる精霊の詳細を調べる。精霊ならオルトと同じモンスターだよな?

 

「やっぱりテイムモンスターの欄に、なんか増えてるな。えーと、ゆぐゆぐ?」

 

「――♪」

 

この少女がゆぐゆぐで間違いないようだ。オルトと同様に喋ることはできないらしい。

俺に名前を呼ばれて、嬉しそうに微笑んでいる。

でも、どうしてだ? 全く心当たりは無いんだが。テイムすらしてないんだぞ? 

勝手にテイムされるとか有るのか? いや、事実目の前にいるからあるんだろうが・・・・・。

 

「――!」

 

ゆぐゆぐが俺のローブの裾をチョンチョンと引っ張って、なにかアピールしている。

 

「何だ? 来いってことか?」

 

「――!」

 

頷いているな。合っているらしい。ゆぐゆぐが俺を案内したのは、大樹の前だった。もう苗木じゃないな。完全に樹木だ。

 

そして、そのまま精霊樹に触れると――ゆぐゆぐの姿が消えた。

 

「え?」

 

呆けていたら、精霊樹からゆぐゆぐの顔がニュっと突き出た。樹から生える少女の生首。ホラーだ。

 

「――!」

 

うん、でも分かった。ゆぐゆぐはリヴェリアの言うとおりこの精霊樹の化身みたいな存在なんだろう。しかも名前が決まっているってことは、ユニーク個体だ。

 

もしかして超激レアなんじゃないか?

 

 

名前:ゆぐゆぐ 種族:樹精 レベル10

 

契約者:死神ハーデス

 

HP:36/36 MP:38/38

 

【STR 10】

【VIT 10】

【AGI 7】

【DEX 5】

【INT 14】

 

スキル:【育樹】【樹木魔法】【光合成】【採取】【再生】【忍耐】【鞭術】

    【水耐性小】【魅了】【木工】【森守】

 

装備:【樹精の鞭】【樹精の衣】

 

 

オルトと同じファーマー職のスキルを持ってる。種族は樹精?聞いたことがないな。おお、木工のスキルもある。ゆぐゆぐに作ってもらえる。思いもしなかった結果に喜ぶと。

 

「ハーデスは精霊に好かれやすいみたいですね」

 

「自分でも分からないがな」

 

「好かれてなければ貴方のそばに複数の精霊はいませんよ。それは心が純粋でなければ精霊に慕われていないのと道理」

 

慈愛に満ちた瞳で美しく微笑むリヴェリアは、俺達のことを見つめてくる。

 

「貴方はとても優しい方。きっとこれからも精霊だけでなく多くのものが貴方を中心に集まるでしょう」

 

「はは、その時は賑やかになってるだろうなぁ・・・・・」

 

「はい、きっと楽しそうでありますよ」

 

畑を後にするリヴェリアを見送り、俺は町中にシルフのアイネを連れて探索した。

 

「・・・・・視線を感じる」

 

主に顔の横で飛んでいるアイネに向けられている視線は多い。珍しいから仕方がないのだろうが、やはり感じるせいで【気配察知Ⅱ】になってしまったじゃないか。数多の視線を浴びながら何かないかと朱色に染まった石畳を踏んで歩いて探していたら見つけた。

 

「ヘルメス」

 

「あ、ハーデス君。何またとんでもない情報を売りに来た?」

 

「相談だ。確立したらそっちに利がある話だよ」

 

シルフの里で長から気になる単語をヘルメスに打ち明ける。日と一緒に属性結晶を捧げるという話だ。

 

「なるほど、ということは水結晶は水曜日、風結晶はなんで金曜日なのかはわからないけど、土結晶と火結晶は土曜日と火曜日に捧げれば精霊の里に行ける・・・・・うん。君が金曜日の昨日と土曜日である今日に精霊の里に行けたんだからまず間違いないわね。他の里もこの情報を参考にして・・・・・」

 

「だが、どうして金曜日が風精霊の里に入れたんだ?五行思想だと風は木に属しているのに。でも、木曜日は大樹の精霊の降臨日だからな」

 

「そうね・・・・・。そこに被せるのはおかしいよね」

 

お互い、五行思想じゃないとすると、どうなるんだ?とヘルメスが何かを思い出したようだ。

 

「あ!」

 

「どうした?」

 

「ハーデス君、この世界の創世神話、覚えてる?」

 

創世神話というのは、このゲームの世界に伝わるオリジナルの神話のことだ。公式ホームページを見れば普通に掲載されている。

 

 

確か月の日に闇神が世界を作り、火の日に戦神が火をもたらし、水の日に海神が水を降らせ、木の日に樹母神が緑を生み、金の日に天神が空気を作り、土の日に地神が大地を創造し、日の日に光神が世界を祝福した。

 

 

そんな神話だったはずだ。だが、確かに神話に対応してると考えたら、金の日に風が対応していると考えられる。

 

「あー、そっちの方だったか。そりゃ盲点だったわ」

 

「可能性もあるわ。ということで、全ての精霊の里の調査をお願いするわ。終わったら精霊に関する情報を全部買い取ってあげる」

 

 

ヘルメスに残り2つの精霊の里の調査を頼まれ引き受けた。畑に戻ってみたら、俺の畑の前で立ち尽くして静観してる男女のプレイヤーが数人いる姿を捉えた。何か用かと目の前に降り立って話し掛けた。

 

「何か用か?」

 

「え?あ!?生の白銀さんだ!」

 

「ナマ白銀さん!」

 

おい、初対面なのに人を生モノ扱いにするんじゃない。

 

「人の畑を見ていたみたいだけど興味あるのか?」

 

「ある!」

 

橙色のおさげをした少女が間も置かずに食いついてきた。

 

「ファーマーなのか?」

 

「じゃなきゃ、畑なんて持たないでしょ?」

 

「そんなものか。俺はファーマーじゃないけどな」

 

「え、それでここまでファーマーじゃないのに豊かにしてるのか?すげー」

 

麦わら帽子を首の後ろに下げ、農夫らしい格好をしてる青年が意外なものを見る目で見てくる。

 

「ねね!ノームってどこにいるの?教えて教えて!」

 

深緑色の髪のロングストレートの童顔の少女が鬼気迫る勢いで追求してくる。ただ、俺を掴んでガクガク揺らしてると目の前の二つのスイカも揺れて見えるから止めてくれ。

 

「ムー!」

 

畑から走ってきて俺達の間を小さな体で割り込んでは、俺を守ろうと彼女の前にクワを横に構えた。

 

「え、ノームちゃん?」

 

「あー、多分俺を虐めてる奴だと思ってるぞ」

 

「ムムム!」

 

その通りだと頷くオルトの気持ちを知って酷く動揺してる名も知らない少女が、思考を停止したように顔の表情が凍結して固まった。

 

「そ、そんな・・・!」

 

「今すぐ謝った方が」

 

「ごめんなさい!決してあなたのご主人様を苛めていたわけじゃないの!お願い許して!」

 

いいぞ、って早いな。しかも土下座。それに浮気現場を抑えられて必死に言い訳する女みたいな言い方だぞ。

 

「ムー?」

 

「落ち着きのない知らない人なだけだ。悪い人じゃないから怒らなくていいぞ」

 

「ムー、ム。ムムム、ムムムムム」

 

何かを伝えるオルトだが、多分もう次は気を付けろよ的かな?

 

「許すそうだ」

 

「ありがとうノームちゃん!」

 

ようやく本題に入れる。

 

「話を戻すぞ。ノームの居場所は悪いけどまだ教えられないんだ。見つけたら情報屋に売るつもりだから」

 

「そうか。じゃあ、情報屋から買えばいいだけだな。因みにあの林檎は?。あ、自己紹介が遅れてすみません。俺はノーフ。メインはファーマーでプレイしてます」

 

「さっきは揺らしてごめんなさい。プリムです。戦闘はそんなに得意でも好きでもないので簡単そうなファーマーをプレイしてまーす」

 

「ネネネです。以後お見知りおきを」

 

片手をシュタと上げるネネネは眠たげな目をして片方だけもみあげが胸にまで伸ばし水色のメッシュを入れた白髪の少女だった。

 

「生モノ扱いされた死神ハーデスだ。西の森の深奥に行けばあるぞ。ただ、育樹ってスキルがないと育てられないようだ」

 

「無理、そんなスキルないもの」

 

「行動でスキルが取得できるこのゲームなら、苗木から根気よく育てれば取得できるんじゃないか?」

 

「苗木すらないから育てられないってば」

 

それもそうか。じゃあ、何かの縁だ。

 

「少し待っててくれ。オルトおいで」

 

「ム?」

 

オルトの能力で実ってる林檎から変えてもらう。彼等の知り合いの分も多めにしてもらえばインベントリに仕舞い、畑の外へ出て待っている三人にアイテムの譲渡のシステムで送る。

 

「お近づきの印にどうぞ」

 

「え、林檎の苗木?くれるのか?」

 

「こうして知り合ったからな。タダで貰うのは申し訳ないと思うならそっちも何かくれ。何でもいいぞ」

 

「そういうことなら・・・・・ねぇ、原木って持ってる?」

 

恐る恐るといった感じで訊いてくる。原木か、持ってないな。

 

「持ってない。茸の栽培ができる環境は出来てるんだけど」

 

「え、農業ギルドを上げれば手に入るぞ?上げていないのか?」

 

え、そうなのか?じゃあ、これから上げなきゃいけないな。はぁーやることがいっぱいだぁー。ネネネがインベントリ画面を開きながら言う。

 

「じゃあ、そういうことなら赤テング茸や他の茸もあげるね」

 

「あ、ズルいっ。う、うーんと私は・・・・・ハチミツじゃだめ?この町で売られているんだけど」

 

「ぜひ頂こう」

 

「食いつき早っ!じゃあ、俺は金でいいか?この二人と似たような物を育てているから目新しくないだろうし」

 

「水軽石でもいいぞ」

 

「・・・何それ?」

 

ゲーム時間かリアルの時間か分からないが水に浸けて一日経つと浄化水という素材になる石だと伝えると不思議そうに息を漏らした。

 

「それポーションの素材にもなる水だ。どこで手に入る?」

 

「西の森の奥の川の中や上流に行けば滝があってその水底にもあるぞ」

 

「わかった。後で行ってみる。先に金を渡そう。これぐらいでいいか?」

 

3000Gを貰った。それよりも西の森の奥に行くつもりか?ファーマーなのに大丈夫なのか。

 

「ところでさ、どうして雑草を植わっているんだ?あとあの風車はどこで手に入れたんだ?出来れば教えて欲しい」

 

「あー、雑草はとあるスキルを取得したからだよ。『植物知識』つって、取得出来たら一見雑草のようにも見える雑草のベールをはがせば、ハーブやら花やら違うものに鑑定できるようになるんだ」

 

「えっ?何それ、鬱陶しい雑草は実は採取できるアイテムだったの!?」

 

「信じられない、そんな隠しスキルが存在していただなんて・・・・・」

 

俺とイズしか取得していないスキルだから知り得ないのも当然だろう。

 

「このスキルの取得の方法は二つ見つかってな。どっちも簡単だから自分達で試行錯誤して取得してくれ」

 

「隠すつもりはないけど教えるつもりはないって?」

 

「単純なお人好しじゃないってことさ。三人なら直ぐに取得できると俺は思ってるぞ。伐採すればな。花屋も見つかるかもだし。それと、大目に与えた苗木は知り合いのファーマーがいたら分けてやれよ」

 

分かったと頷く、三人にもう一つの質問も答えた。

 

「風車は昨日、風霊の街で畑に設置できるホームオブジェクトを買ったんだ」

 

「え、風霊の街?じゃあ、あのちっこいのは・・・・・」

 

「テイムした風精霊のシルフ。名前はアイネだ。おーいアイネ」

 

「フマー!」

 

白い髪をなびかせながら笑顔でこっちに飛んできた。

 

「か、かわっ」

 

「おお・・・・・これはテイマーでなくても欲しくなるな」

 

「うん、わかる。・・・・・白銀さん、もしかしなくても土霊の門を開いたのは」

 

「俺だな。ノームが沢山いたし、土霊の街でもホームオブジェクトが売っていたぞ」

 

腐葉土を生み出す腐葉土箱。畑の品質上限を上昇させるミミズが入っているというワームボックス。地下に設置する遮光畑。下級の鉱石が自動生成されるホームマイン。

 

そう教えると・・・・・いきなりノーフが真剣な表情で尋ねて来た。

 

「ノームの街に入れるようになったらどうなる?」

 

「あー・・・・・これ、他のプレイヤーには内緒だぞ?友人知人でもだ。秘密にできるか?」

 

「釘を刺すほどの重要な話?うん、勿論」

 

「絶対に言いません!」

 

「俺もだ」

 

んじゃあ、教えるか。いずれ情報は知れ渡る事だし。

 

「精霊の門を開けたプレイヤーは今後自由に行き来できる。最初はそれぞれの日に属性結晶を捧げないといけないが、捧げたその後は結晶は必要とせず、気兼ねなく精霊の街に訪れることが出来るぞ。今日は土曜日だけど、ノームの街にまた行こうとすれば自由に入れる」

 

教えた次の瞬間。その場で土下座をしだした。え、何事?

 

「白銀さん!俺達もノームの街に!」

 

「案内してください白銀様!」

 

「お願いします白銀様」

 

・・・・・ええ~。

 

「土の結晶三つ分必要だけど、三つ分は確保してあるけど・・・・・」

 

「今後、その結晶の価値と同等分の働きをすると約束する!」

 

「育樹スキル持ちのノームちゃんを手に入れたら必ず献上するから!」

 

「お願いします白銀様」

 

土下座しながら懇願する三人はその姿勢のまま気持ち悪い動きでにじり寄ってくる。いや、マジでキモい!近づくな!?どうやったらそんな動きが出来るんだ!

 

「わかった!わかったから!案内してやるからその気持ち悪い動きは止めろ!?」

 

「「「やったー!!!」」」

 

こっちが折れる形で仕方なく了承する羽目になった。喜ぶ三人をさっさと土霊の門の所へ案内して土の結晶を渡して捧げてもらい、街の光景を感動してもらったらノームのテイムツアーを始めた。結果は全員、ユニークモンスターのノームを手に入れることが出来たが、中には育樹じゃなくて水耕という水田に関係するスキルを所持してるノームを手に入れた。

 

「水耕・・・・・」

 

「ウンディーネの街にそれに関するオブジェクトがあるかもしれないからめげずにいろ。米を栽培できる唯一のプレイヤーとしてなら悪くないだろ」

 

「た、確かに・・・・・!白銀様、どうか米を見つけてくださいね!」

 

「収穫物と利益は5割な」

 

「勿論だ!」

 

水耕持ちのノームを手に入れたノーフを見て、オルトを進化させていけば水耕スキルを取得できるかもしれないと近い内に進化させようと決めた。

 

 

「なぁ、他の連中にノームのこと教えるか?」

 

「うーん、直ぐにバレることだけど敢えて言わない方がいいと思う」

 

「バレても、現状精霊の街に入れるプレイヤーである白銀さんのことはしばらく黙っているべき。既に迷惑を掛けたのに更なる迷惑を掛けてしまうのは申し訳ないから」

 

「全部の精霊の街を開放したら情報を売るって言ってたしな。それまで白銀さんのことはネネネの言う通り、黙っていよう。他の事は教えるとしてだがな」

 

「「うん」」

 

 

 

死神・ハーデス

 

LV18

 

HP 40/40〈+100〉

MP 12/12〈+200〉

 

【STR 0〈+129〉】

【VIT 150〈+66〉】 

【AGI 0〈+120〉】

【DEX 0〈+120〉】

【INT 0〈+100〉】

 

 

装備

 

頭 【空欄】

 

体 【黒薔薇ノ鎧】

 

右手 【新月:毒竜(ヒドラ)

 

左手【闇夜ノ写】

 

足 【黒薔薇ノ鎧】

 

靴 【黒薔薇ノ鎧】

 

装飾品 【フォレストクインビーの指輪】【古の鍛冶師の指輪】【白妖精(ハイエルフ)の指輪】

 

 

称号:万に通じる者 不殺の冒険者 出遅れた者 白銀の先駆者 毒竜の迷宮踏破 大樹の精霊の加護 ユニークモンスターマニア

 

スキル

 

【絶対防御】【手加減】【体捌き】【瞑想】【挑発】【極悪非道】【シールドアタック】【大物喰らい(ジャイアントキリング)】【咆哮】【毒竜喰らい(ヒドライーター)】【爆弾喰らい(ボムイーター)】【植物知識】【錬金術Ⅹ】【料理ⅩⅩ】【調理ⅩⅩ】【調合ⅩⅩ】【大盾の心得Ⅹ】【悪食】【受け流し】【爆裂魔法Ⅰ】【エクスプロージョン】【体術】【幸運】【テイム】【採取】【伐採】【採取速度強化小】【使役Ⅰ】【獣魔術Ⅰ】【水無効】【気配遮断Ⅰ】【気配察知Ⅰ】【八艘飛び】【伐採】【伐採速度強化小】

 

 

 

 

【農業】農夫による農夫のための農業スレ8【ばんざい】

 

:NWO内で農業をする人たちのための情報交換スレ

:大規模農園から家庭菜園まで、どんな質問でも大歓迎

:不確定情報はその旨を明記してください

:リアルの農業情報は有り難いですが、ゲーム内でどこまで通用するかは未知数

 

 

521:ネネネ

 

白銀さんと接触出来ちゃいました。しかも林檎の苗木もプレゼントしてくれたよ

 

 

522:チチ

 

は?マジで?裏山

 

 

523:ノーフ

 

いや、俺達の分だけじゃないぞ。知り合いのファーマーがいたら分けてやってくれと大量に苗木を譲ってくれた。見ず知らずのプレイヤーに自然体であっさり渡しに来る白銀さんに感謝だけどどこか抜けている。農業ギルドのランクを上げていなかったようで原木を知らなかったようだ。

 

 

524:つるべ

 

え、まだランク1!?

 

 

525:プリム

 

でも、白銀さんの畑を見るとランクを上げる暇なんてなさそうな選り取り見取りな畑だったから納得しちゃうかな。

 

 

526:セレネス

 

兎にも角にも俺達にも苗木を貰えるならありがたく貰います白銀さん!

 

 

527:プリム

 

あとあと、白銀さんの畑に生えてる雑草・・・・・実際はちゃんとしたアイテムであり素材なんだと教えてもらいました!

 

 

528:チチ

 

なんだそれ、冗談だろ?

 

 

529:ノーフ

 

いや、マジ話だ。何気に伐採すれば取得できるって口にしたから3人で試したら・・・・・。長々と斧を降り続けて木を伐ったら植物知識っていうスキルを開放することが出来てな。一見雑草しか見えなかった雑草がバシルとかチューリップに見えるようになった。

 

 

600:つるべ

 

な、なんですとぉ~!?

 

 

601:チチ

 

え、取得条件は?何だったんだ?

 

 

602:ネネネ

 

木工と植物知識を取得してない私達が伐採する際はどの木を伐って良いのかわからないまま、ひたすら切り倒した時、クヌギを手に入れたらアナウンスが流れたんだよね。一部スキルが解放されましたって。多分、伐採するたくさんの木々には雑木以外にもちゃんと生えていたんだよ。

 

 

603:ノーフ

 

植物知識を取得してない状態で雑木以外の名のある木を伐れば取得できると確信してる。実際、スキル取得者の数は五人しかいないままだ。一人は確実に白銀さんだろ。

 

 

604:つるべ

 

それ、新発見だろ。『タラリラ』の情報屋にもまだ情報が売られてないよな。

 

 

605:プリム

 

そうそこなんだよ!自分の利益よりも他の人達に利害関係なく教えてくれた白銀さんはマジでいい人!

 

 

606:セレネス

 

知られても問題ないスキルかもしれないから教えたんだろうけど。それでも俺だったらそんなこと無理ムーリ

 

 

607:ノーフ

 

そんな白銀さんというプレイヤーはとても貴重な存在だな。末長くお付き合いをするべきだ。白銀さんの畑から欲しいものがあったら物々交換をしてくれそうな予感もする

 

 

608:チチ

 

純粋ファーマーとして負けられないのと、豊富な種類に負けて情けない気持ちがごっちゃ混ぜです

 

 

609:ネネネ

 

更なる白銀さんからの情報は、植物知識の有無で始まりの町には見かけなかった花屋の存在が明るみになったこと。野生のイチゴを育てて納品するクエストを私達は受けたよ。きっと白銀さんも通った道に違いない

 

 

610:つるべ

 

やべ、出遅れてる!?

 

 

611:セレネス

 

こうしちゃいられない!

 

 

612:チチ

 

急げ!

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