バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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第二陣記念イベント二日目~三日目 カジノで荒稼ぎ

ネコバスに揺れて数十分。普通に歩いていたら数日は掛かっていただろう距離を走り切って止まったネコバスに感謝して降りた。俺達は目的地の出入り口前に着いたのだ。

 

「・・・・・これが建物の正体か」

 

「まんまカジノだニャー」

 

「行ったことないけどラスベガスに来た気分だ」

 

建物の中に入り階段を下った先には無人のカジノが俺達を迎えてくれた。運営しているNPCもいるようだが、第二陣のプレイヤーを歓迎するイベントにしては何というか拍子抜けだな。

 

「あ、パーティーが解除されてる。チームもだ」

 

「なるほど。この中だけ戦闘行為は禁止されてる場所か。外で集めたメダルをここで遊んで使えってことかね」

 

「だとすると景品はなんだろう白銀さん」

 

だな。それが気になるところ。なので手分けして景品を探すことにした。

 

「スロット、ルーレット、カード・・・競馬まであるのかよ」

 

「他にもたくさん種類がありますね。ここでメダルを増やしてスキルを手に入れるんでしょうか?」

 

「・・・・・もしかすると、そうなのか?」

 

イカルの素朴な疑問に合点した。イベント終了時に選ぶんじゃなくて一定数のメダルを集め、ここまで来てメダルをさらに増やして何かを手に入れるイベントならば、納得できなくはないな。となると、手持ちのメダルで遊ぶにしても心許ないな。

 

しばらくカジノ中を歩いてた時、静寂に支配された場所なら良く聞こえる叫び声へと走って行ったら他の皆も遅かれ早かれ走って同じ場所に集い、オイレンシュピーゲルに話しかけた。

 

「見つけたか?」

 

「ああ、見つけた。見つけたんだがこれを見てくれ!!」

 

突き差すオイレンシュピーゲルの指先へ目を向けた俺の視界には・・・・・。

 

幻獣 メダル×100000

 

従魔 メダル×1000~10000

 

スキル メダル×10~1000

 

ホームオブジェクト メダル×100

 

各種装備 メダル×10~1000

 

アイテム メダル×10~1000000

 

メダルと交換できる景品の青いパネルにそう表示されていた。幻獣まで交換できるのか? ・・・・・グリフォンとヒッポグリフ、ペガサスにユニコーンだけか。他の皆もこの事実に凄く色めき立っている。

 

「メダルを千枚集めれば樹精ちゃんが手に入るなんて!?」

 

「待つんだオイレン!! 他の従魔もよく見てみるんだニャー。白銀さんのペンギンやモグラも、他にも図鑑にすら載っていない未知のモンスターが大量に景品としてあるニャー!!」

 

「やべー! なんだここ、不可能を可能にするための夢のようなカジノかよ!」

 

・・・・・本当に見たことが無いモンスターが乗っている。お? ピクシードラゴンと普通にドラゴンまで交換できるのかー。ふむ、キツネもいるとは・・・・・。

 

「イカル、少しばかり遊ばせてくれ。お前の分は絶対に使わないから」

 

「大丈夫ですよ。どれからしますか?」

 

「その前にカジノと言えば運・・・・・召喚オルト!」

 

「ムー!」

 

【幸運】持ちのオルト君を召喚。どうしてこのタイミングで召喚したのかと答えれば、オルトにやらせたらどうなるか試したいためだ。メダルを増やすために探していたスロットへ赴く。

 

「どれが当たりそうだと思う?」

 

「ム? ムー・・・」

 

色んな台があり、オルトは首を傾げて悩む姿はイカルと「可愛い」と漏らしてしまった。台を見て悩みながら選んでもらっている俺達に、初心者のテイマーが寄って来た。

 

「凄いスロットがあったんですが」

 

「どんなスロット?」

 

「100面ぐらいありそうなのです」

 

なんだそれ、と思いながら案内してもらうと・・・・・百メートルは優にある巨大スロットマシーンがカジノの奥に鎮座していたのだった。

 

「いや、なんなんだこのスロットマシーン。こんなの誰が同じ絵を揃えられるのかって話だぞ」

 

「運営の悪ふざけと悪意が滲み出ているぜ・・・!」

 

「最高倍率は・・・100万か。銀メダル1枚だけでも100万枚は手に入るぞ。全部揃えたらの話だけどニャー」

 

なら、試しに金メダルをチップにしよう。イカルのメダルを除けばまだ数枚のメダルは残っているからな。

 

「全員、息を殺してこれから黙っていてくれ。スロットに集中したい」

 

「あのー、動画配信していいですかニャー?」

 

「失敗すると思うがそれでもいいならな」

 

沈黙するイカル達の纏う雰囲気が是として応じてくれた。投入口に金メダルを入れてスイッチを入れると、最初はゆっくり回っていたがそれから一気に絵が霞んで見えなくなるほど速く回り出す。こんなの、圧倒的な動体視力の人間じゃないと一つも絵を揃えることが出来ないだろう運営め!

 

「・・・・・まぁ、俺は見えるがな」

 

「・・・・・ぇ?」

 

手元のモニターでもスロットの絵を確認しつつスイッチで止められるようだが、見ながらの方がやり易そうだ。ルーレットへ見上げながら親指でダンダンダンと押し続け、スリーセブンの絵を揃えていく。右に向かって止めていく度に回転数が速くなるよう設定している様だけど、止まって見えるぞ?

 

―――ダン。

 

最後の100面のスリーセブンの絵を揃えた瞬間、ファンファーレが鳴り出してスロットマシーンの口からメダルが1000万枚分も流れ出て来た。

 

「はっはぁー! 運営この野郎、度肝抜かしてやったぞ!!」

 

「マジでぇええええええええっ!?」

 

「ヤベェ、リアルだったら鳥肌が立ちまくってる瞬間を見てしまったぞ!!」

 

「動画配信しててよかったニャー!」

 

だがしかし、ここで一同はある考えが過った。1000万枚のメダルでまた100万倍率を狙ったら? と―――。

 

「は、白銀さん・・・・・? もう一度チャレンジしたいなー・・・とは思いませんか?」

 

「全額で? いいだろう、再チャレンジしてやるよ」

 

「これでもし、また100万倍率の絵を揃えたら・・・えっと?」

 

「10兆枚になるだろうなー」

 

「じゅっ・・・!?」

 

小さな投入口からでは時間かかり過ぎるから、NPCに1000万枚相当の一枚のメダルに換えてもらった。プラチナのメダルだ。それを記念にスクショしたり、動画配信のカメラに見せつけた後でもう一度巨大ルーレットをした。

 

ダンダンダンダン・・・・・ダンダンダン・・・・ダンダンダンダン・・・ダンダンダンダン・・ダンダンダンダン・ダンダンダンダン―――ダンッ!

 

 

ファンファラ~♪ ファンッファンッファラ~♪

 

 

「イェーイ! スリーセブン揃えたりィー!」

 

ヒャッハァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

 

ぶっ壊れてるんじゃないかと彷彿させるスロットマシーンのメダル出入口から、膨大な枚数の金メダルが滝のように溢れ出て来た!! ふはははっ!! 最っ高ー!!

 

「ほ、本当に十兆枚も稼いだぞあの人・・・!」

 

「マジでスゲェ・・・・・ッ!」

 

「このゲームでそんなことが出来るのと、不可能を可能にしたプレイヤーがいることに夢でも見ているのかと思うよっ・・・!」

 

「死神ハーデスさん、すごーい!!」

 

リアルじゃあこれぐらい当然さー! 出禁になり兼ねないから極力控えてるけどー! 全部のメダルをインベントリに・・・・・おし、全部回収できたぞ。

 

「次はオルト。お前の幸運を試す番だ」

 

「ムム!」

 

任せろ! とばかり自分の胸に叩くオルトを連れてルーレットへ向かった。ルーレットはすぐに見つけられた。静かに佇むNPC兎人から説明を聞くと、リアルのルーレットのルールは変わらないようだ。

 

「オルトの幸運に賭ける。一兆枚を賭けるがオルト、何色がいい?赤と黒を選んでくれ」

 

「ム!」

 

「赤だな? じゃあ赤で」

 

「かしこまりました。それでは回します」

 

赤―――回転盤(ホイール)ポケットの半分を占める最も低い配当で賭けに出た。シートに賭札(チップ)が豪胆にも一億枚分のメダル、一枚の金色と赤色を基調としたメダルが置かれたのを確認すると、兎人(ヒュームバニー)進行役(ディーラー)は慣れた手つきで回転盤(ホイール)を回転させ、(ボール)を投げ入れる。見物するイカル達を含めて賭札(チップ)の追加や変更がないのを受け、進行役(ディーラー)は賭けの打ち切りを宣言した。オルトとカジノ側の一騎打ちだ。どこかの地中で採掘された鉱石を使用しているのか、磨き抜かれた紅玉が不可思議な光を放ちながら高速回転する回転盤(ホイール)の上で踊る。俺達が見守っていると、かたんっ、と音を立てて(ボール)は1のポケット―――赤へと転がり込んだ。

 

「わっ、凄い当たりました!!」

 

「一気に一枚のメダルが二億枚になった!」

 

「どんどん賭けに出ていくニャー!!」

 

「当然だ。じゃあ次オルト。今度は好きな数字に選んでみてくれ」

 

「ムム!」

 

「キキュ!」

 

手元に返ってきた賭札(チップ)を今度は更にデカい配当で勝負をするべく、数字の縦一列に切り替える俺は返ってきた賭札(チップ)を全額で賭けに出た。

 

賭札(チップ)二億枚、横二列(ダブルストレート)数字六つ賭け。配当六倍―――的中。

 

「次」

 

「ム」

 

賭札(チップ)一二億枚、横一列(ストレート)数字三つ賭け。配当十二倍―――的中。

 

「次」

 

「ム」

 

賭札(チップ)一四四億枚、線上(スプリット)数字二つ賭け。配当十八倍。―――的中。

 

「これで最後だ。―――全てを賭けろオルトォオオオオオオ!!!」

 

「ムゥウウウウウウ!!!」

 

高速回転する回転盤(ホイール)の上で踊る球。オルトが指定した数字に入る確率は極めて低い。結果がどうなろうと俺達がカラカラと踊るように回り続けてた球が、見守っている目の前でついに、かたんっ、と音を立てて枠に収まるように落ち、結果・・・・・。カラン・・・と狙っていた数字のポケットに球が入った。

 

「―――奇跡を起こしやがった。うちのオルト君、マジ幸運の精霊さんだぁああああああっ!!!」

 

うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!?

 

高額賭札(チップ)二五九二億枚、一点(ストレート)数字一つ賭け。配当三十六倍。―――的中。

 

9331億2千万枚のメダルを手に入れたオルトに感嘆と驚愕が混濁した雄叫びを上げるオイレンシュピーゲル達。これにはさすがの俺も一緒に雄叫びを上げる側だ。皆でオルトを胴上げして喜びを分かち合った。全部で10兆8331億2千枚も稼いでやった!

 

「スゲー! マジでスゲー! ノームを信頼する白銀さんも賭けに勝ち続けたノームもマジでスゲー!」

 

「皆見てたー? 見てたよねー? 白銀さんとノームのコンビは伝説を作ったところを。絶対本体が鳥肌が立ったぜニャー! こんな瞬間はもう二度と見られないニャー!」

 

「死神ハーデスさんとオルトちゃん凄いです!!」

 

もう一度やってみてくれと言われてもこの奇跡はもう起きないだろう。後で赤星ニャーに映像を貰うとしてこの幸運を皆にも分けてやろう。自分達にも分けてくれないかなーって思ってるだろうし。

 

「オルト、こいつらにお前が稼いだメダルを分けてやってもいいか?」

 

「ムー」

 

構わないと首を縦に頷いたオルトにイカル以外のプレイヤーがギョッと目を丸くした。本当におこぼれを貰えるとは思いもしなかったんだろうか。

 

「ほ、本当にくれるんですか・・・?」

 

「オルトに感謝と自分の幸運にありがたみを抱けよお前等。全員、十億枚のメダルを授けてやる。これで幻獣を手に入れられるだろう? 」

 

「じゅ、十億枚も!? 俺、これから白銀さんとノームの為に一生懸命働くし!」

 

「俺も! 白銀さんのために色んな事するよ!」

 

「めちゃくちゃ感謝するニャー!」

 

他のプレイヤーも、幸運すぎるイカル以外の三人の初心者も、十億枚のメダルを受け取って早速景品交換所へ駆けて行った。

 

「イカルにも十億枚な。使い切れなくても今後また使う時があるだろうから保管するように」

 

「大切に使いますね!」

 

そして俺も景品交換所へ向かい、和気藹々と盛り上がっている連中の隣で様々な景品と交換していくのだった。

 

「やっと、やっと念願の樹精ちゃんを手に入れた、やったぁあああ!! やったぁあああああ!!」

 

「幻獣、GETニャー! これでテイマーが弱いだなんて言わせないニャー! おっ称号『幻獣使い』? 称号もGETォオオオオオオッ!!!」

 

「まだ初心者なのに、こんな強い幻獣やモンスター達を手に入れることが出来るなんて・・・・・」

 

「やばい、実感がじわじわと湧いてくる・・・・・」

 

「噂の白銀さん現象を目の当たりにできるなんて、夢みたいだ・・・・・」

 

狂気過ぎて近寄りがたい連中を他所に、俺も景品を眺める。ホームオブジェクト・・・・・おっ、水場がある!! でも、マーオウにお願いしちゃったんだよなぁ・・・・いいか。これから水系のモンスターを増やせば無駄じゃなくなる。ん? 巨大クスノキ? 夜にしか現れない不思議な動物が住んでいる。出会うといいことがありそう・・・・・交換しよう。オルト達でも遊べれる遊具も大量に交換だ! アイテムは・・・・・オリハルコン、あるのかぁ・・・・・。おっ、こいつは久しぶりに見たな。ラプラスの土産として交換しとくか。ほうほうこんな物までも・・・・・。

 

 

 

イッチョウside

 

 

「ハーデス君、またとんでもないことをやらかしたね」

 

「知り合いなんです?」

 

「リアルでも友達だよん。だから裏技的なのを使えるんだよね」

 

白いリボンを付けてポニーテルにした女の子と黒髪で小柄な可愛い女の子の初心者とメダル集めの最中、掲示板を見てたら凄い配信がされていることを知って、見たらハーデス君が関わってました。今回はオルト君が主にしたみたいだけど、そうさせたのは間違いなくハーデス君なので・・・・・。

 

「ちょっと待っててね?」

 

「はい」

 

「はーい」

 

コールするとすぐにハーデス君と繋がった。

 

『メダルだけ欲しいならネコバスを寄こすぞ』

 

「おや、なんだか意味深な言い方をするね」

 

『お前みたいにフレンドからメダルが欲しい! って連絡が来るんだよ。自力で来たら考えてやることにしているから面倒事は起きてないがな』

 

考えてることは同じか。十兆枚も使い切れないなら少しでも譲って欲しいプレイヤーは必ずいるよね。

 

「じゃあお願いねー」

 

『ペイン達も向かわせに行かせてるから時間かかるぞ』

 

先を越されたか。早いねー。でも、私達も向かうつもりだった建物に予想よりも早く辿り着けれるからラッキーだね。

 

「これからハーデス君が寄こしてくれるモンスターに乗って建物に行くよ二人とも」

 

「モンスターに乗るんですか? もしかしてあれのことで?」

 

ポニーテールの女の子が指差す先には巨大な猫がこっちに近づいてきた。こっちも速いね!

 

「うん、あれ」

 

「うわぁー・・・・・!!」

 

「でかっ、しかも速い」

 

待たずに済んでよかったよん。さて、いざ行かんカジノへ!

 

 

 

運営side

 

 

「なぁ、当たる確率はかなり低い筈だよな? 俺達の悪戯と悪意のスロットだって絶対に揃えないよう調整したよな?」

 

「百億円の宝くじ並みの確立にはしましたし、あんなスロットを見たら誰でも揃えないと思うぐらいの100のタテ面とヨコ面、100種類の絵に設計しましたよ」

 

「なのに思いっきり百億円の宝くじを当てた感じになっているんだが!? 二度目以降から何回もあの悪戯と悪意のスロットの絵を揃えてるんだが!? こんなことになるなら100万倍率なんて設定しなかったぞ!?」

 

「白銀さんとノームには幸運の称号とスキルがありますからねぇ。それが後押ししたことで当てたんでしょう。チートやバグの要素を調べましたが一切の不正はありません」

 

「マジか・・・・・運強過ぎだろ」

 

「幸運が三つも揃えば豪運ではないでしょうか?」

 

「他のプレイヤーが白銀さんからメダルを貰う動きをしてるし、調整しないといけないだろこれ」

 

「メダルを一定数所有してからではないと見る事すらできない設定しているので問題ないのでは?」

 

「白銀さんが外に出て他のプレイヤーが、その一定数所有しなくてはならないメダルを貰ったら入られるだろうが。参加しているプレイヤー全員に行き渡るメダルを持ってるんだぞ?」

 

「確かに・・・・・いまさら譲渡不可はできませんからやはりカジノの場所を変更しますか?」

 

「いや、メダルの一定数を三十枚じゃなく五十枚に変更。白銀さんにもメールを送るんだ。今回のイベントの趣向が違う行為をしないようにと。それと集め過ぎたメダルは一部残して全てGに換金する通達もだ」

 

「納得してくれますか?」

 

「そこは納得してもらわないと困るんだよ。運営側から幾つかのアイテムをプレゼントも送ってでもな」

 

「わかりました。すぐにしましょう」

 

 

・・・・・。・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。

 

 

ペイン達やイッチョウ達がカジノに来て一億枚のメダルを渡し終えてしばらくし経った時、運営からメールが届いた。どうやらメールの内容は違うだけでイッチョウ達にもメールが届いたようだ。一斉に青いパネルを表示されたからだ。

 

「あー、自力でメダル集めないとダメだって運営から注意されちゃったよ。貰って使ったメダルと手に入れた景品はそのままでいいみたいだけど、イベントが終わったら一部のメダルを残して全部Gに換金するって」

 

「ズルはいけないってことみたいだね。ハーデス君の方は?」

 

読んで把握したことをそのまま告げる。

 

「俺も同じだ。大量に得たメダルはイベント終了後に一部残し、ほかは全部Gに変換するってのがな。それ以外だとイベント中、パーティー以外のプレイヤーにメダルの譲渡を厳禁された。ああ、イカル以外のプレイヤーがパーティーに加わってメダルを貰うのも厳禁。破ったら双方一ヵ月のアカウント停止だ」

 

「運営の本気が窺えるな」

 

そうだな、とイカルに保有してるメダルの半分を送ってやった。

 

「となれば、イカルのメダルが十億以上のGを貰えることにできるわけだな」

 

「そ、そんなに貰えるんですか!? 貰ってもいいんですか!?」

 

「ええんよ。貰っておけ。イカルも今後大金が必要になるだろうし、その時に使え」

 

「あ、ありがとうございます。大切に使いますね」

 

他にもいくつかプレゼントを贈られてきたんだがな。プレイヤーと従魔の経験値取得増加のスクロールとか、Gの取得量増加のアイテムとかありきたりなのが。それはそうと、あっちでは・・・・・。

 

「俺のドラゴニュートちゃん、可愛いー!」

 

「樹精ちゃんの他にもセイレーンちゃんやラミアちゃんにハーピィちゃん。使役できる限界まで女型のモンスターを手に入れたぜ!」

 

「まさかジブ○のキャラクターまで手に入るとは・・・・・君たちはどうよ」

 

「俺はパンダも選んでみました。迎えたら抱きしめたり一緒に遊んだりしてみたいので。お前は?」

 

「種族が電気ネズミのモンスターを選んだ。○ケモ○のアレほど可愛くないけど、電気と雷系の攻撃が好きだから。そっちのお前は?」

 

「虫が好きで・・・ジ○リに登場する昆虫の王×5を手に入れた。タンク系の虫のモンスターが欲しかったから手に入れることが出来てよかったよ」

 

「おっ、君も虫好きのテイマーかっ。俺も虫系のモンスターをテイムしてるから、今後も一緒に遊ぼうぜ」

 

「こちらこそよろしくお願いしますっ」

 

何だか薄っすらと寒気を感じたのは俺の気のせいか・・・・・? ともかく、十万枚分のメダルで色々とモンスターを手に入れられたようで何よりだ。

 

「イカルももっとモンスターを手に入れてみよう。図鑑にも載ってないモンスターは何時手に入るか分からないからな」

 

「好きなのを選んでいいでしょうか?」

 

「それは個人の自由だ。イカルが選んでいいんだぞ。ただ、幻獣を使役できると『幻獣使い』って称号が貰えた従魔編成枠が+1増える。その為にはテイマーが二次職に転職できるレベルまで上げて、『秘伝の書』で特殊職業のコマンダーテイマーにならないといけない」

 

「秘伝の書・・・あ、ありました。これですね?」

 

そうそれだ。イカルにそんな話をしていたら、オイレンシュピーゲルがジッとこっちに視線を向けて来る。

 

「白銀さん、今の話はタラリアにはもう?」

 

「うん? ・・・あー、そう言えば『幻獣使い』の情報は提供してなかったな。お前等にとっては初めて知る情報か。丁度いいからなってみれば幻獣使いに。そうすれば何時か『神獣使い』になれた時、使役と従魔編成枠の制限が無限に解放されるようになるし」

 

「「「「「「―――っ」」」」」」

 

それと神獣使いになると、従魔と結婚が可能になるらしいから頑張れよ・・・・・なんて言えるわけもなく、心の中に留めておく。次に初心者を含めこの場にいるテイマー達はこぞって『秘伝の書』を交換したのは言うまでもないがな。

 

「あ、大盾使い用の『秘伝の書』も忘れちゃダメだからな」

 

「はい」

 

ゲームを楽しむためには強さも大切だ。この機にできるだけ彼女を強化していこうか。あっ、またあの巨大ルーレットでメダルを増やしてみよう。目指せ、百兆枚!

 

 

三日目。

 

 

『カジノにご利用を始め二十四時間になります。プレイヤーの皆様は速やかに退出するようお願い申し上げます』

 

イカルとあれからカジノで過ごしたからか、退出の催促をするアナウンスが流れた。長居が出来るしようじゃなかったかこのカジノは。出て行かないと強制退場されるだろうと察し動く。

 

「次はどこに行きましょうか」

 

「そうだなぁー」

 

入口へと向かう俺達に追従するイッチョウのパーティとオイレンシュピーゲル達のパーティも催促されたようで、入口へ一緒に足を運んだ。ペイン達は昨日の内に一足早く出て行ったからカジノの中にはいない。俺達も遅れて出たら・・・・・片手では数えきれないパーティのプレイヤー達に出迎えられた。今までカジノに入ってこなかったのは三十枚もメダルを集めていなかったからか?

 

「あ、出て来たぞ白銀さんだ!」

 

「白銀さんメダルをください!」

 

「一人じゃ使いきれないんでしょう? 俺達も協力しますよ」

 

「僕達にもください! そこにいるプレイヤー達だけ贔屓するのはズルいですよ!」

 

おおう・・・・・説明する暇もないとはこのことか。いつぞやのミスリルの件を思い出させる。あの時も事情があって説明してもまだ知らないプレイヤーとか、採掘できる場所を追求されてばかりでどうさそようもなかった。今回もそうなるかと、思っていた俺がいたんだが。

 

「赤星ニャー」

 

「エリンギ」

 

「オイレンシュピーゲル」

 

「「「やるぞ」」」

 

次の瞬間。

 

「ラウナ、目の前の連中にお前の力を見せつけてやれニャー!」

 

西洋のドラゴンもとい腰辺りから伸びる尻尾と背中にドラゴンの翼を広げ、赤色のツインテールの頭に二本の角を生やしたドラゴニュートの少女が咆哮した後、口内から放つ灼熱の火炎放射でプレイヤーを焼き払い。

 

「赤星に負けるなイリル!」

 

オイレンシュピーゲルもドラゴニュートの少女を使役して戦わせて。

 

「ムカス、俺達を乗せて移動してくれ!」

 

〈―――――〉

 

エリンギの命令で複数の碧い目を持つ巨大なダンゴムシが突然と現れ、俺達を前脚から伸びる黄色い触手で背中に乗せると、まるで山が動いているかのような迫力で多くのプレイヤー達を巻き込んで移動していった。お前のモンスターが凄すぎではないか? そして問いたい。

 

「お前ら、渡したメダル何枚使った。怒らないから言いなさい」

 

「「一割」」

 

「俺もですね。白銀さんが恵んでくれなかったら、泣く泣く諦めていたところです。いや、まさか昔してみたかったことがこのゲームで叶うとは人生わかりませんね」

 

巨大ダンゴムシの甲殻を撫でるエリンギの表情はどこか嬉しそうだった。乗ってみたかったのか? この虫の上に?

 

「ムカス、だっけ? 今までどこにいたんだ?」

 

「普通のダンゴムシみたく手のひらサイズまで小さいんですよ。ここまで大きくなったのはスキル【超巨大化】で」

 

【巨大化】の上位互換ってやつか。軽くベヒモスを越えたから唖然しちゃったぞ。

 

「でも、急にどうして攻撃したの?」

 

「そりゃあ、白銀さんに迷惑千万なことをする連中が許せなくて」

 

「困っていたから助けるのは当然のことニャー」

 

「俺達しか知らないメダルの件をあんな大人数に教えていたらキリがないし、教えても文句言いそうな奴もいたら面倒だろうし」

 

「「「早い話。強行突破して逃げた方が勝ちでしょって結論に至ったから」」」

 

イッチョウの質問に三人の行動の理由が明らかになった。後ろに振り返ると運良く災難から免れたプレイヤー達はその場に留まっていた。追いかけてくるし気配は無し。イカルは不思議そうに吐露した。

 

「追ってきませんね?」

 

「このモンスターに轢かれて死に戻ったプレイヤーが落としたメダルでも集めてるんじゃないか?」

 

「軽く数十人いたし、多くて二十枚ぐらいメダルが落ちてるんじゃないかニャー」

 

「それにそのメダルを持ってるパーティーが他にもいるし、戦い合うのも時間の問題だろう」

 

「残りの数日まで倒されないように気を付けないと」

 

・・・・・狙われる側になると面倒だなぁ。

 

「白銀さん。どこまで行きますか?」

 

「いっそのこと、他のテイマーの皆と手を組んで白銀さんを守ることもできるかと」

 

「どうしますかニャー?」

 

三人からの提案に俺は・・・・・。

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