バカとMMORPGと召喚獣!   作:ダーク・シリウス

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第二陣記念イベント四日目~途中離脱

怒りの【エクスプロージョン】が炸裂したその後、イカルが運営に抗議のメールを送った数分後。帯が胸を覆い隠す動きをした時に運営から俺宛のメールが届き、謝罪の文書とランダムボックスとランダムスキルスクロールが贈られてきた。運営に抗議したイカルにも届いたようだ。何もない祠を見つけてその前で使ってみることにした。

 

『海神の水苗木』

 

『宝石の肉』

 

「わっ、大きい肉の塊が輝いてます!」

 

「本当に宝石みたい輝いてる肉だから『宝石の肉』ってアイテムなのか。俺の方は・・・・・植えた場所が『神水』とやらが採取できるようになる苗木みたいだな。その水の効果はどうなのか・・・・・」

 

100tはありそうな肉塊と神話に登場する海神の名前が連なってる苗木。

 

「えっと、いります? 私じゃ扱えないアイテムですので。料理のスキルもまだ取得してないですし」

 

そんな提案をしてくるイカルに拒絶の意を示した。

 

「スキルのことなら今後取得すればいいさ。今すぐ使う必要がないアイテムなら、使いたいその時までとっておくべきだよ。というかイカル、ここでお知らせがあります」

 

「なんでしょうか」

 

イカルの肉塊の隣に、同じ肉塊をインベントリから取り出した。景品交換所で見つけたから交換したものだ。

 

「俺も持っているんだよ。百万枚のメダルと交換してな」

 

「持っていたんですか?」

 

「料理に使って見ようかと・・・・・1万個も」

 

「多すぎです!?」

 

10兆・・・いや、今はそれ以上もあるからできるだけ減らしたかったからなんだ。それでもまだ切り崩せれないこの数にさすがの俺もドン引きだぞ。

 

「他にも畑に植えるアイテム全種類一万個揃えてるし、他のファーマーの交換用もあるからしばらくは品切れにならずに済むな」

 

「交換用?」

 

「俺、他のプレイヤーと違って第3エリアの東西南北の町から全然進んでいない」

 

「ええっ!? レベルが91なのに!?」

 

そうレベル91なのにだ!

 

「他のプレイヤーはもう第10エリアまで行ってそうだけど、一人除いて俺よりレベルが低いんだ」

 

「・・・もしかして、スキルで他の人達より3倍も強くなるから進まないでいるんですか?」

 

「いや、単に進む必要ないと感じてるだけ。いまじゃあレベル上げに最適な狩り場があるし、オルト達と一緒に過ごすのが楽しすぎて他のエリアに行こうと思えなくて」

 

どこか納得した面持ちで頷く少女は肉塊を仕舞って肩に乗っていたテトラを抱えた。

 

「私もそうなるかもしれませんね?」

 

「なると思うさ。イベントが終わったら精霊の里に行くか? ノームを増やして畑を豊かにするのもいいぞ」

 

「いいですね! ムームーと言いながらエスクと他のノームちゃんが畑作業しているところに私もお手伝いしたら楽しそう!」

 

満面の笑みを浮かべるイカル。複数のノームと畑作業をする光景が脳裏に浮かんだようだ。俺もそれは楽しそうに思えて来た。

 

「そうなると従魔と使役のスキルをカンストする必要があるな。レベルが偶数ごとにイカルも15ポイント、毎10時に総計90ポイントも手に入るから重戦士とテイマーでなら直ぐに両方のスキルをカンストできる」

 

「テイマーのレベルも上げれば直ぐですね! 頑張ります! それとさっきの肉はハーデスさんに食べさせたいので頑張って料理を覚えますね」

 

ええ子やで・・・・・次はランダムスキルスクロールだ。

 

【反逆心】

 

【一方通行】

 

「【反逆心】? ・・・・・対象がダメージを受ける度に【STR】が最大100上昇する、か。イカルは?」

 

「強い、です。プレイヤーとモンスターの攻撃の100%で反射して返すスキルです」

 

・・・・・マジで強くない? 貫通攻撃も反射できるならほぼ無敵じゃないのかそれ。

 

「これ、装備に付与していいですか?」

 

「どの装備に?」

 

「大盾です」

 

大盾か・・・・・うーん。

 

「常時発動するスキルなら、無敵になってしまうけど回数制限は?」

 

「一日十回ってなってます」

 

制限付きか。それなら一方的な戦いにならない。人差し指を立てて提案する。

 

「イカル、大盾にじゃなくて鎧にしてみるのはどうだ? 大盾だと何でもかんでも反射してしまって、直ぐに回数制限になって使えなくなる可能性がある。鎧にだったら頻繁にダメージを受けることはないし、大盾でカバーして回数を調整できる上に、いざって時にわざと相手の大技を受けて反射でダメージを与えるぞ」

 

「な、なるほど・・・! 回数制限があるスキルは鎧に付与するべきなんですね!」

 

「全部する必要ないからな? 【悪食】だって大盾に付与したら今はなくても強すぎるあまり、運営に回数制限を設定されてしまう。そうならないよう戒めて一日数回か使わないでいるよう心掛けるんだ」

 

はい! と元気よく返事をするイカルだった。なお俺も装備に【反逆心】を付与しようか悩んだが、持ち前の防御力に対して相手からのダメージはほぼ通らないだあろうと悟りしなかった。

 

そして再び歩き始めること一時間・・・・・。

 

「暇だ・・・・・」

 

「暇、ですね・・・・・」

 

雪山から降りて荒地で移動していてもまったくプレイヤーと遭遇しない。何千万人、もしかすると一億人ぐらい同時接続しているかもしれない人数なのに何なんだこの出会いの無さは? こっちは100万倍率のルーレットに何度も挑戦して成功した―――1極枚の持ち主ぞ? 国を10個買おうがGが有り余る持ち主の俺の位置情報はマップに表示されているはずなのに・・・いる場所が他のプレイヤー達と遠すぎるか?

 

「ちょっと運営に聞いてみるか」

 

メールで質問を送った。数分後、運営から届いた。

 

「・・・・・あー」

 

「運営さんに何て質問して返事がきたんですか?」

 

イカルの質問に運営からのメッセージを教える。

 

「俺とイカルはすぐにでもログアウトしてくれても構わないと、長々な文章が・・・・・要約すれば―――死神ハーデスさん、一極枚も稼ぎすぎるから! もう本当にこれ以上このイベントに参加しても意味がないから! 換金してあげるから早急にログアウトしてイベントから抜けてくださいお願いします! by運営全員・・・って」

 

「・・・ハーデスさん、凄く楽し気にあの大きなルーレットを何度もしていましたからね」

 

「途中で出来なくなったのが不思議だったんだよな。あれ、運営の仕業だったなやっぱり」

 

どこまで増やせるか挑戦したかったのに、残念だわ。

 

「と言うわけでどうする? おそらく運営側が俺達の位置情報を消しているから、他のプレイヤーと遭遇することがかなりなくなっていると思う。このままのんびりと自然を見ながらの探検をするか、イベントから抜け出してのんびりと過ごすか、イカルが決めていいぞ」

 

「・・・・・じゃあ、イベントを抜けましょう。実を言うと、交換した畑に植えられるアイテムを早く使ってみたかったんですよ」

 

「焦らされていた楽しみを早く堪能したいってことだな? じゃあ、運営にそう伝えるぞ」

 

再び運営にメッセージを送ると、俺達はもといた場所に戻された。日本家屋の縁側に立っていて加速していた時間の流れも元通りだ。

 

「さてさて、メダルの方は・・・・・うん、ちゃんとGに換金されて一垓以上のGと金メダルが一枚だけ・・・いや、一枚だけかよ! 記念に十枚は欲しかったな!」

 

「ハーデスさん、称号手に入りました。【億万長者】です!」

 

「ん? それなら俺も・・・手に入ってるな。他にも【カジノの神様】なんてふざけた名前の称号もあるし【富豪】【大富豪】【富裕層】【資産家】【大資産家】【トリオネア】【ガジリオネア】って金持ちに関する称号と最速の称号コレクターⅣも手に入れたか」

 

他のプレイヤーより進みが遅い分、称号の獲得数がハンパなくないか?

 

 

 

 

 

死神・ハーデス

 

LV91

 

HP 40/40〈+600〉

MP 12/12〈+400〉

 

【STR 0〈+150〉】

【VIT 1245〈+6161〉】 

【AGI 0〈+150〉】

【DEX 0〈+150〉】

【INT 0〈+250〉】

 

 

装備

 

頭 【空欄】

 

体 【黒薔薇ノ鎧:覇獣(ベヒモス)/滲み出る混沌】

 

右手 【新月:毒竜(ヒドラ)

 

左手【闇夜ノ写】

 

足 【黒薔薇ノ鎧:覇獣(ベヒモス)/滲み出る混沌】

 

靴 【黒薔薇ノ鎧:覇獣(ベヒモス)/滲み出る混沌】

 

装飾品 【生命の指輪・Ⅷ】【三天破】【白妖精(ハイエルフ)の指輪】

 

 

称号:万に通じる者 不殺の冒険者 出遅れた者 白銀の先駆者 毒竜の迷宮踏破 大樹の精霊の加護 幸運の者 ユニークモンスターマニア 三代目機械神 聖大樹の精霊の加護 最速の称号コレクター 勇者 魔王の戦友 絆の勇士 村の救援者 幻獣種に認められし者 血塗れた残虐の勇者 エルフの良き隣人 世界樹の守護者 世界樹の加護 英雄色を好む 最速の称号コレクターⅡ ドワーフの心の友 神獣に認められし者 地獄と縁る者 マスコットの支援者 妖怪マスコットの保護者 宵越しの金は持たない ドワーフの協力者 神話に触れし者 ミリオンダラー 最速の称号コレクターⅢ ミリオネア トリオネア ガジリオネア 空と海と大地の救済者 億万長者 カジノの神様 富豪 大富豪 富裕層 資産家 大資産家 最速の称号コレクターⅣ

 

スキル

 

【絶対防御】【手加減】【逃げ足】【体捌き】【瞑想】【挑発】【極悪非道】【シールドアタック】【大物喰らい(ジャイアントキリング)】【咆哮】【毒竜喰らい(ヒドライーター)】【爆弾喰らい(ボムイーター)】【植物知識】【大盾の心得Ⅹ】【悪食】【受け流し】【爆裂魔法Ⅹ】【エクスプロージョン】【体術】【テイム】【採取】【採取速度強化大】【使役Ⅹ】【従魔術Ⅹ】【八艘飛び】【伐採】【伐採速度強化小】【機械神】【機械創造神】【宝石発見】【刻印・風】【水中探査】【侵略者】【破壊王】【背水の陣】【不屈の守護者】【古代魚(シーラカンスイーター)】【溶岩喰らい(ラヴァイーター)】【カバームーブⅠ】【カバー】【生命簒奪】【アルマゲドンⅠ】【海王】【勇者】【大嵐Ⅰ】【大竜巻】【稲妻】【飛翔】【生命の樹】【金炎の衣】【雌雄の玄武甲】【反骨精神】【身捧ぐ慈愛】【精気搾取】【皇蛇】【耐暑】【渦流】【色彩化粧】【耐寒】【氷結耐性小】【反逆心】【念力】【フォートレス】【不壊の盾】【決戦仕様】【料理50】【調理50】【調合50】

 

 

称号ももう40個か・・・・・。そんなに称号の獲得は難しいものか? 心の中で小首を傾げた時、サイナが現れて話しかけて来た。

 

「マスター、お客様です」

 

「客? 誰だ?」

 

「マイホームを売買する者と名乗り、マスターと商談をしたいとのことです」

 

あの不動産のNPCが? 何で今になって訪問をしに? 応接間に通してくれと頼み、リヴェリアには茶菓子の用意をお願いしてから少しして、先に待っていた応接間にあのNPCが入ってきて俺にお辞儀をしてからテーブルを挟んで正面に腰を落とした。

 

「突然の訪問にも拘らずお会いしていただき感謝します。本日はお客様にご紹介したい物件がありまして、もしよければお目通しを」

 

「紹介したい物件?」

 

カタログを手渡され、目を通すと・・・・・えええ?(困惑)

 

「・・・これは、凄い。でも何で俺に新しい物件を?」

 

「はい、これらの物件は大富豪の方や富裕層の方のみにご紹介させていただいております物件でございまして、お客様は一定以上の資産をお持ちになられています故に、是非ともこちらの物件にもご紹介したく参った所存です」

 

今ホームにしているホーム兼ギルドホームよりも凄いホームが勢揃いしている。ちょっとこれ、なんなの? 語彙力が足りないホームが多いわ!

 

「この物件、島が丸々ホームなのは?」

 

「これは別荘付きのリゾート島でございまして、辺りは海で囲まれており島には自然豊かな植物とその島にしか生息していない動物も住んでおり、富裕層の方から人気を得ております」

 

「この洋風の城は?」

 

「そちらはその昔、若い魔法使いを育成するための元学園だった建物です。生活が可能な環境が整っております物件だったので本日紹介させてもらいました」

 

「この鉄と機械のホームは?」

 

「一部のコアの方の間では人気がありますホームですね。ホームを警備する機械仕掛けの鉄の人形が幾つも配備されており、ホームの中も様々な機械仕掛けが施されております」

 

「これ・・・・・浮いてない?」

 

「世にも珍しい天空の城でございます。巨大な樹木の根が城を包み込み、古の錬金術師達が生み出した『飛行石』により永遠に浮いておられているのが最近の調査で判明した物件です。広い庭園もあり、警備する機械仕掛けの人形が多数配備されております」

 

「・・・・・これ、ホームが動くのか?」

 

「とある冒険家が世界中を歩けれるホームが欲しいと依頼したのが始まりでして、古代の魔法使い達が魔法で動く城を作る流行りがあったそうです。今ではこの城を造る者、修理や整備が出来る者がおらず歴史的価値とアンティークとしての価値がございます物件の一つです」

 

「この物件は?」

 

「旅館の物件です。中は数多な温泉と部屋がございまして、宴会をなされるのであればこの物件が最適でございます」

 

なんか色々とホームがあるんだが、どれもこれも普通じゃないホームばかり紹介されていくな。その中でこんな物もあるのかという物件もあった。

 

「これは、商売ができるホーム?」

 

「ええ、その通りこの物件はショップとホームが兼ね備えております。ここホームエリアではできませんので中央区画の一等地にご用意させております」

 

店舗型のホームか。しかも店舗はスーパーマーケット並みに広く、畑の前の自動販売機よりも数も種類も豊富に出品できるのか。

 

「・・・・・」

 

他にもいくつか紹介してもらったが、気になった物件は複数あった。一極Gを保有している今の俺なら問題なく購入できる額だ。これで一極ではなく載になるがな。値段? 総計で兆と億も掛かったぞ。複数もホームなんて必要ないと思うが、使える時は使っちゃおう。

 

「じゃあ、これとこれさらにこのホーム等を全部一括で購入するよ」

 

「お買いいただき誠にありがとうございます。複数のホームをご購入いただきましたお客様には特典をプレゼント差し上げます。きっとお客様にとってお役に立つかと思われます」

 

黒い封筒を手渡された。中身は何なのか開けようとしたが封を開けない。

 

「それは招待状でございます。ここから遠い先にある都市で私めの同業者がおります。その者にそれを見せればお客様の融通自在に動いてくださるでしょう」

 

「どういう意味でだ?」

 

NPCにそう訊ねても微笑んで一礼するだけで答えてもらえず、トランスポーター買わせるだけ買わせて俺の前からいなくなった。不動産NPCがいなくなった後は、イカルのところへ戻り、リヴェリア達を呼び集めて5つの転送扉をホームの前にセットした。

 

「新しいホームを買ったから皆で見てみよう。まずは動く城からな。古代の魔法使いが作ったホームでラプラスが興味を抱くと思うんだ。というか、作ってたりしてた?」

 

「動く城・・・・・ああ、あれか。何とも不格好な形のホームを作った仲間が昔いたよ。なんだ、あれはまだ現存していたのか? 今となっては懐かしい遺物に等しい魔道具だな」

 

どうやら既知だったようだ。それなら話が早い。彼女に説明をしてもらおうか。そう決めた俺は皆と一緒に転送扉を開いて新しいホームへと足を踏み込んだのだった―――。

 

・・・・・。・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。

 

リアルで2時間がった頃にイベントに参加していたプレイヤーが戻ってきたのを、イッチョウ達がメールを送ってきたのでわかった。全員、何故かホームに集合して問い詰めて来た。

 

「イベントの途中で抜け出したの?」

 

「運営から懇願されて途中退出したんだよ。まぁ、あれだけメダルを稼いだらいてもしょうがない事実は否めないけど」

 

「じゃあメダルは?」

 

「金メダル一枚だけ残してGに換金されたぞ。・・・・・今の所持金、どれぐらいか知りたい?」

 

「もう兆から先は数えてないけど実際どのぐらい?」

 

不敵な笑みで1と0が48ある、そう言ったら全員沈黙した。おや・・・・・反応が薄いな?

 

「・・・・・それってどのぐらいなわけ?」

 

「命数法って知っているなら最初の一から数えて、十六番目の極のところまでだけど・・・一兆の数字の0の数が12個あるからその四倍だと言えば想像できるか?」

 

「「「「「・・・・・」」」」」

 

また沈黙する五人に何とも言えない気持ちで見つめた。

 

「・・・・・ハーデス君、やりすぎ」

 

「うん、自覚してる。おかげでNWOの世界の中で一番の資産家になったぜ。金持ちに関する称号も幾つか手に入ったしな」

 

「だろうね! 私達もハーデスからメダル貰っちゃったから文句言えないけどさー!」

 

「落ち着けよフレデリカ」

 

「俺達の懐も温かくなったんだから別に悪いことじゃないだろ」

 

「ハーデスのおかげで新しいスキルも得たんだ。感謝はしなくてはならないさ」

 

そうだぞー、俺に感謝しろよー。

 

「で、先にイベントを抜け出して何かしてた?」

 

「ああ、あれから不動産屋のNPCがホームに現れて大富豪と富裕層の称号と一定以上の資産を持っている俺だからこそ紹介したい新たなホームの話を持ち掛けて来たんだ」

 

「そんなことがあったの? それでどんなホームを紹介されたの?」

 

「というか、六つぐらい買った。総額兆と億も掛かったけどな」

 

「それでもGが残っているってんだからすげー額だな。それで、どんなホームを買ったんだ?」

 

論より証拠、百聞は一見に如かずと五人を引き連れて新しいホームに連れて行った。配信動画した状態でな。

 

「白銀さんの新しいマイホームその一。まずはここ、リゾート島! 海に囲まれたこの島は豊かな森林と大きな木造の別荘があります! 綺麗な白い砂浜と青く澄んだ海は超綺麗! 海で泳ぐのもよし、ビーチで遊ぶのも良しだ!」

 

「フムー!」

 

「ペンペンペー!」

 

「なお、海にはルフレとペルカが楽しそうに泳いでおりまーす。ついでに言えば食用の海の魚が沢山いるから釣れるぞ!」

 

「白銀さんの新しいマイホームその二。温泉旅館! 色んな温泉と宴会用の広間がたくさんあって数百人も余裕で収まるぞ! 温泉は男女別、混浴も可能! 」

 

「白銀さんの新しいマイホームその三。天空の城! どこかの空に浮いているこの城は、巨大に成長した大樹を軸に作られた古代の建造物で、木々が茂るここ庭園部はドーム状の建物に覆われ、外部からは普通の外壁に見えるが、内部からは透明で日光の入る特別な物質で出来た壁によって造られてるそうだ。ここもとりわけ凄く広いから探検できるぞー! 畑もたくさんあるから植えられる!」

 

「白銀さんの新しいマイホームその四。動く城! 古代の魔法使い達が造ったという動くマイホームだ。このホームの見た目、本当に不格好でも中で過ごす快適は最高! いまどこのエリアにいるかわからないけど、分かり次第教えるなー!」

 

「白銀さんの新しいマイホームその五。旧魔法使いの学園城! 昔の魔法使い達の学園として使われていた城の中は本当に魔法で満ち溢れていて楽しいぞ! 動く足場、魂ある絵画に飛び交う幽霊! 魔法の扉や様々なオブジェクトがあって、魔法の世界に入り込んでしまったかのようだ!」

 

―――以上、説明終わり!

 

「何か言いたいことは?」

 

ツアー気分で一緒に新しいマイホームを見て回ったイッチョウ達は神妙な表情を浮かべてた。

 

「ハーデス、ホームを全部活用する気あるの?」

 

「ぶっちゃけ、ない! ただの興味本位で買っただけだし、なんならギルド設立したら加入した連中に活用してもらうまでだ」

 

「合理的だね。だけど、さっき六つも買ったと言ってなかったかい?」

 

最後のホームも紹介しないのか? と問われたのでそれに答えようとしたらイッチョウが不自然な変化を指摘した。

 

「・・・ハーデス君、空曇り出してない?」

 

「雲?」

 

一度も天候が変わったことが無いこの町の空が? 全員で見上げれば本当に雲一つない晴天が灰色の雲に覆われ、やがて黒雲となった。まるで闇に支配された雰囲気を醸し出す演出に見ているしかできない俺達の目の前で雲が人の顔の形に具現化した。男か女か分からない顔から重低音の声が聞こえてくる。

 

《我は魔王。魔王軍統括者にして冥界の王―――よく聞くがいい人間共、そして異邦の世界から来た異物共よ。我が生み出し三体の魔獣を屠ったその功績、見事なり。しかし、貴様等が新大陸の地に踏み込むことは容易くはない。そこから先は貴様等がいる大陸のモンスターと違い、一体一体が凶悪なモンスターが跋扈している》

 

「・・・・・新大陸の説明?」

 

「意外と親切な魔王ちゃん? いや、別人か」

 

《その地に踏み入れた者共よ。亡き者になれば全てが失われる覚悟しろ。隣にいる者が仲間だと平和ボケしているなら死期を速めるだろう。新大陸は、仲間を殺してはいけない理性から解放され、無法地帯の新大陸では欲望のままに生きるこそが自然の摂理。その者を倒せばその者の全てが倒した者の物になる。培った経験もだ。自然によって死んだ者も例外ではなくその場で財貨を落として悔やむだろう》

 

「え、キツくない?」

 

「ユニーク装備もロストするのか? 試すのが怖いな・・・」

 

《特にリヴァイアサンを倒した勇者を倒せば培った経験の10倍は手に入れられるだろう》

 

「あ、あくどい! あくどいよあの魔王!」

 

「俺達をダシにしたな。より襲わせやすくしやがって」

 

「向かってくるなら倒すまでさ」

 

「へっ、上等だ。暴れてやるぜ」

 

ドラグと同意見だ。襲ってくるなら容赦しないぞ? その覚悟があって襲ってくるんだろうからな。

 

《我からの話は以上だ人間共よ。貴様等のゾンビのような様を高みの見物にさせてもらおう》

 

魔王さんは言いたいこと言ったあと、雲の顏は霧散して黒雲が晴れて元の青い空に戻ったのを見届けた後で、俺は腕を組んで首を傾げ疑問を口にする。

 

「何で俺達ゾンビ?」

 

「死に戻りしても直ぐにプレイヤーはゾンビのように復活するからじゃない?」

 

「なるほど? つまり俺達プレイヤーはある意味新種のゾンビってことか。これは一本取られたな、ハッハッハッ」

 

「気持ち悪い例え止めてくれ」

 

でも、事実だから否定できないでしょうに。

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