隻腕の狼、大正に忍ぶ。   作:橡樹一

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僅かずつですが執筆の暇が戻ってきました。
ゆっくりとですが更新を続けたいと思います。


人の闇

 女たちについてひとまずの対策を立てたところで、狼は本来の用事である謝辞を伝えることにした。

 

「煉獄殿、このたびにおける狼衆普及の後押し、感謝いたす」

「なに、今回の任務で狼衆が大いに役立ったことは事実。ならばその力を鬼狩りに活かさぬは愚行故、素直な評価をしたにすぎない。なにも礼を言われることなどないが、それでは狼殿に失礼だな。その礼、頂戴しよう。

 ……ときに狼殿、この後時間はあるか?」

 

 槇寿郎からの突然の申し出に、狼は僅かに考え込む。狼自身としては特に大きな案件を抱えているわけではないものの、付きの狼衆たちの用事までは把握していなかったのだ。

 視線で確認を取ると、幸い皆用事はないらしい。

 

「これといった用事はありません。この者たちも同様に」

「それはよかった。

 狼殿と狼衆に会いたいという者がいてな、会ってもらえるだろうか?」

 

 僅かに考え込む狼だったが、拒否をする理由がなかったためすぐに頷いた。顔を隠さなければならない掟があるわけではないうえ、槇寿郎からの紹介ならば大きな問題にはならないだろうという信頼からだ。

 真に問題となれば、痕跡無しに抹殺すればいいという考えもある。

 そんな薄暗い考えを知るよしもない槇寿郎は、嬉しそうに笑みを溢した。

 

「会ってくれるか、ありがたい。今連れてくるので、少し待っていてくれ」

 

 そう言い槇寿郎が連れてきたのは、2人の子供だった。

 その片割れの容姿に、狼と狼衆は思わずあっけにとられる。

 

「お初にお目にかかります!

 煉獄家当主である煉獄槇寿郎が嫡男、煉獄杏寿郎と申します!」

 

 そう挨拶をした男児は、槇寿郎の生き写しだったのだ。名乗りから次期当主であるとわかったが、狼たちは当然だろうと納得した。これで煉獄家とは無関係と言われれば、そちらの方が驚く。

 

「丁寧な挨拶、痛み入る。この身は狼と申す者。鬼殺隊狼衆をお館様より任されております。

 槇寿郎殿、御子息が我々にどのような興味をお持ちに?」

 

 狼の問いに答えたのは、槇寿郎ではなかった。

 

「狼様、僕は付き添いなのです!

 もちろん僕もお目にかかりたいとは思っていたのですが、此度はぜひこの者が会いたいと珍しく願ったので!

 ほら、自分で伝えると言っていただろう?」

 

 そう杏寿郎が促したのは、彼の背後に隠れるように座っていたもう一人の子供だった。促されるままに進み出た小さな体は、緊張からか震えていた。

 口元を隠す白い包帯の上から、白い蛇が首に巻き付いている。その蛇が労るように頬を擦ると、意を決したように少年は狼へと向き合った。

 

「は、初めまして。この度炎柱様に助けていただいた、伊黒小芭内と申します」

 

 震えながらも口上を述べた少年は、一見すれば少女にも見える背格好をしていた。口元に巻かれた布と肩ほどにまで伸ばされた髪が、ただでさえわかりにくい性の判別をより困難にしている。

 

「なぜ会いたいと?

 救われた礼ならば、今は共に暮らす槇寿郎殿に伝えられる。直接救ったのは背後の者たちであろう。

 面識のない者にわざわざ会おうとした、それは何故だ?」

 

 狼としては疑問を述べたに過ぎないのだが、それは子供からすれば詰問に近く聞こえてしまっていた。左右非対称の色をした瞳が不安に揺れる。

 それに気づき腰を浮かした槇寿郎だったが、その口が開かれるよりも早く伊黒が顔を上げた。

 

「鬼に喰われる寸前に、僕はそちらの人たちに助けられました。鬼を殺せないのに、鬼と正面から戦って僕を守ってくれました。

 ありがとうございます。僕のような者のために、命がけで戦ってもらえるなんて、思ってもいませんでした」

「待て、何を言っている」

 

 伊黒の言動に不穏な者を感じ取った狼が制止を試みるも、言葉は止まらない。

 

「のうのうと生き延びたこの身には過ぎた願いになりますが、せめて僅かにでも人を助けたいと考えています。

 お願いします、僕に戦う術を教えてはいただけませんでしょうか」

 

 そう言い切り、伊黒は深々と頭を下げる。

 それを目の前にして、狼は珍しく言葉を失っている。いましがた伊黒から吐き出された言葉に含まれた、自らに価値を見いだしていない感情に大きな歪みを感じ取ったからだ。

 僅かな沈黙で心を落ち着かせた狼は、静かに口を開いた。

 

「……伊黒といったな。戦う術を求めるのならば、まずは体を鍛えよ。常に動き続ける体力がなければ、満足な鍛錬など望めん。

 故に今は体と心を安め、傷と疲れを癒やすことだ。そのような様子では、鍛錬以前の問題よ。

 真に望むのならば、炎柱も無下にはすまい」

 

 内容から軽くあしらったと取られてもおかしくはない狼へ、伊黒は素直に頭を下げた。

 

「その場しのぎではなく、わたしの事を考えた答えをありがとうございます。ゆっくりと体を休めて、体力作りからはじめたいと思います。

 ……助けていただき、本当にありがとうございました」

 

 そう言い残し、伊黒は杏寿郎に支えられながら部屋を退出した。ふらついた足取りから、未だ体力が衰えていることが見て取れる。

 退室を見届けた狼は、静かに槇寿郎へと視線を向けた。

 

「槇寿郎殿、お主ほどの腕ならばあれほどわかりやすい衰弱を見逃すはずがない。加えてあの精神状態は異常だ。

 何故、あの少年を止めなかった」

 

 狼の鋭い視線と口調に、槇寿郎は強く目を閉じた。自らの意志ではどうしようもない物事を目の当たりにした人間の、ある種の逃避。

 僅かな時間で決意を固めた槇寿郎は、目を開き狼へと語りはじめた。

 

「あの少年を止めなかったのは、彼の心を守るためなのだ。

 此度の任務で鬼と協力関係にあった一族は、数代にわたり男の子が生まれない女系の家だった」

「槇寿郎殿、あの少年を止めなかった理由についての答えはどうした。

 無暗に誤魔化すのであれば、こちらとしても考えがある」

 

 らしくなく感情を表に出す狼を、槇寿郎は手で制した。

 

「現状説明に必要なのだ。そう長くはないから聞け。

 彼の一族は鬼との契約で生まれた赤子を餌として差し出していたのだが、鬼は珍しい男として成長するまで育てろと命じたらしい。

 生贄として育てられ、味見と称して口を裂かれ血を飲まれた。そこから身の危険を感じとり座敷牢から逃げたのだが、それを知った鬼は怒り狂ってな。

 狼衆が割って入らなければ、我が家の前に集まった者たちはこの世のものではなくなっていただろう」

 

 少年を利用するために育て、傷つけ顧みない。狼にとって許されざる行為だ。

 

「自分の行動が原因で一族は半数以上が死に、生き残りからは罵倒を受けた。あの少年は自らを穢れた一族の中でも、特に屑であると自分を定義してしまったんだ。

 そんな彼が唯一反応を見せたのが、鬼を切り人を助ける鬼殺隊だった。憧れを無理だと切り捨てられたら、伊黒はどこによりどころを見つければいい」

 

 怒りをこらえる狼をあえて気にすることなく、槇寿郎は話を締めくくった。その肩は落ち、無力感にさいなまれていることが容易に窺える。

 そんな様子の槇寿郎を攻める言葉を、狼は持たなかった。

 

「……理由も知らず、感情任せの言動、まことに申し訳ない。

 無礼の極み故、弁解の言葉もない」

 

 ただ深々と頭を下げる狼へ、槇寿郎は力なく首を振った。

 

「頭を上げてくれ狼殿。立場が逆ならば、私もそうした。

 伊黒へ真摯に答えてくれたお主にこそ頼みたいのだが、これからあの少年をいかに導くか共に考えてほしい。一朝一夕で思いつくものでもないだろうから、しばらくは烏でのやりとりになるがな。

 どうだろうか。いささか勝手な頼みではあるが、聞き入れてもらえんだろうか」

 

 見ず知らずの子を思う槇寿郎の真摯な願いを断るはずもなく、狼は静かに首を縦に振った。

 

「守られるべき幼子を突き放す口は、持ち合わせておりませぬ。

 当面……二月程度は心身を癒し、肉をつけるよう言い聞かせるとよいかと」

「そうだな、無理をさせれば必ずどこかが歪む。あの性格故に焦りもあるだろうが、無理はさせんよう目を付けておくとしよう。

 育手に預けるにしても数年はかかる。今から飯を食えば、それなりの体格も期待できるだろうしな」

 

 伊黒の歳不相応な体格を思い出しながら、槇寿郎は1人頷いている。

 それを見た狼と狼衆の脳裏には、彼の食事の光景が浮かび上がっていた。名家煉獄の名に恥じぬ美しい作法で、次々と運ばれてくる料理をすさまじい勢いでたいらげていく。一端の鬼狩り数名を満足させられるだけの食事量をたった一人で消費し、なお菓子を摘まむ。そんな様子を見た者は、何故この男が太らないのかという謎を抱えずにはいられなかった。

 常人にとってあれだけの食事は、それだけで激しい鍛錬に等しい負担をかけるだろう。にも拘らず、炎柱からすればそれですら出先に遠慮をした量に過ぎないという。

 

「……槇寿郎殿、人によって食事量には差があるということはご存じだろう」

 

 突然口を開いた狼に、槇寿郎は不思議そうにしながらも返答した。

 

「どうした突然。それは個人個人で胃の許容量は違うものだろう。その程度いくら俺とはいえ把握しているぞ」

「ならば、もしもあの伊黒という少年が少食であっても無理に食事をとらせないよう気を付けていただきたい。

 見た限り、あの少年は食が細い。後々改善されるかもしれないが、今無理に食わせれば食事行為そのものに忌避感を抱きかねん。稀にだが、自らを基準として他者に飯や酒を勧める者もいるのでな。

 気を悪くしたかもしれぬが……」

 

 どこか気まずそうな狼の様子に、槇寿郎は笑みを漏らした。

 

「狼殿の心配はもっともだ。我が煉獄の男はよく食うから、それを他者に勧めれば確かに負担にしかならんな。

 あいわかった、食事量には気を配ろう!」

 

 豪快に笑う槇寿郎に、狼は僅かな不安が消えていくことを自覚した。これならば、あの小柄な少年に不必要な負担がのしかかることはないだろう。

 

「人を鍛えることに関しては、過去に継子をもっていた槇寿郎殿のほうが詳しいでしょう。

 そのうえでなにかこの身に問いたいことがあれば、遠慮なく連絡をくだされ」

 

 それが此度の会合における最後のやり取りとなった。退去を申し出た狼が槇寿郎に先導され部屋を出ると、ふと視界の端に妙なものが映り込んだ。

 部屋に通されたときは角度的に見えなかった、庭に置くには似つかわしくない大きな篝火台だ。よく見れば周囲に煤や灰が散っており、ごく最近使用したことがうかがえる。

 

「狼殿?

 ……ああ、あれか」

 

 狼の視線に気が付いた槇寿郎が、その先を見て納得したように頷く。

 

「我が煉獄家に伝わるしきたりでな。身籠もった妻は、7日に一度大篝火を見るのだ。

 古くからのもの故はっきりとした由来までは伝わっておらんのだが、子を宿した妻と共に闇を払う炎を見ると身が引き締まるのだ。おそらく子と次世代を思い自らを鼓舞する事が元の理由なのだろう。

 丁度昨晩火を焚いたので、その残りがあるだけだ。気にせんでくれ」

「なるほど。

 遅くなりましたが、奥方の御懐妊おめでとうございます。煉獄家の子ならば、必ずや身体共に強い子が産まれるでしょう」

「ありがとう。鬼殺隊が誇る狼からそう言われた子ならば、必ずや強い子になるだろう」

 

 なかなかに風変わりなしきたりだが、そこを突いても良いことはない。狼はただ祝いの言葉をかけ、槇寿郎はどこか嬉しそうに返礼した。

 

 

 

 煉獄家への礼を済ませた数日後、狼は単身岩柱邸へと赴いていた。悲鳴嶋から相談があると、烏が文を持ってきたのだ。

 珍しいこともあるものだと思いつつ、狼は了承の意を返した。できるだけ早くとのことであり、文が届いた翌日が丁度狼と悲鳴嶋が予定を合わせられたため急遽こうして出向く形となっている。

 岩柱邸は、どこか山寺を思わせる造りだ。立派な門を潜ると、狼は予想していなかったものを目にした。

 

「あら、お客様ですか?」

 

 狼に声をかけてきたのは、驚くほどに美しい少女だった。たおやかな微笑みを向けられればほとんどの男が骨抜きになるだろうその少女の背後では、僅かに幼い少女がこちらを訝しげに見つめている。

 年齢差と顔の作りから姉妹だろうかと当たりを付けた狼は、ひとまず混乱する脳を落ち着け用件を切り出した。

 

「悲鳴嶋殿は在宅か。本日伺うと話は通っているはずなのだが」

 

 狼の問いに、姉らしき少女はにこやかに頷いた。

 

「今日はまだ姿を見ていないので、お屋敷の中にいらっしゃると思います」

 

 そう言って微笑む少女に、狼は疑問を投げかけた。

 

「見ない顔だが、何故この屋敷にいる。新しい使用人というわけでないようだが」

 

 悲鳴嶋を岩柱と呼ばないことから、鬼殺隊の関係者ではない。案内のそぶりも見せない様子から、使用人でもない。狼でなくとも、眼前の少女達が何者が計りかねるだろう。

 常人ならば、姉妹の美貌に油断し事情を聞かなかったかもしれない。しかし、狼は歴戦の忍びなのだ。見た目で相手を判断するという油断はない。少し前に女の集団が逆恨みから煉獄邸へ押しかけた光景を見たことも、狼の警戒心に拍車をかけていた。

 しかし狼とは対照的に、少女はにこやかな笑みを崩さなかった。

 

「以前、悲鳴嶋様に助けていただいた者です。お礼とお願いでお邪魔します。

 押しかけている以上、許可があるまで玄関の前で待たせていただいているだけですので。お気になさらないでください」

 

 そういって少女は一礼した。

 はっきり言って怪しいことこのうえないが、門の上に悲鳴嶋の鎹鴉を見つけ、狼は黙って玄関を通り室内へと消えた。

 意外にも、悲鳴嶋は玄関で狼を待っていた。普段であれば使用人が待っているだけに、今回の相談が悲鳴嶋にとって重要なものであると狼は認識を強める

 

「狼よ、よく来てくれた。客間で話そう」

 

 そう言って先導する悲鳴嶋は、どこか落ち着きがない。

 客間に入り、狼は単刀直入に切り出した。

 

「悲鳴嶋殿、相談とは門前の少女達のことか?」

 

 狼の問いに、悲鳴嶋は僅かな沈黙を挟んで答えた。

 

「そうだ。

 つい先日の任務で、なんとか助けることができた姉妹だ。両親は、間に合わなかった。

 親戚の家に引き取られたと聞いたのだが、どうやって知ったのかこの屋敷にやってきてな。用件を聞けば自分たちを鬼狩りにして欲しいとのことだ」

「復讐か。珍しい話ではないな」

「せっかく助かった命故、鬼のことなど忘れて生きて欲しいと申し出は断ったのだが、それから毎日訪ねてくるのだ。

 狼よ、あの者たちをなんとか諦めさせる手はないものか」

 

 なかなかの難問に、狼は腕を組み唸った。思考を巡らしてきた狼は、ふと湧いた疑問を口にする。

 

「悲鳴嶋殿、何故この問題をこの身に?」

 

 はっきり言って、狼は自らが頭脳労働に向いているとは言えないと自認している。悲鳴嶋とは良好な関係であるものの、このような問題を優先して持ち込まれる心当たりがないのだ。

 対する悲鳴嶋は、口元に笑みを浮かべた。

 

「先日小耳に挟んだのだ。炎柱が抱える問題を、狼が僅かな時間で2つも解決したとな。

 その知恵を借りたいのだ」

「待て、悲鳴嶋殿。それは」

「頼む狼、どうにもあの2人を納得させる方法が思い浮かばないのだ」

 

 深く頭を下げられ、狼は頭を絞ることとなってしまった。どうにも案が浮かばないため、なんともなしに問いが口から漏れる

 

「あの2人に、鬼殺隊の過酷さは伝えたのだな」

「ああ、だが引き下がらなかった」

「お主から見て、あの2人は鬼狩りになるだけの才覚は持つか」

「妹は今後の背丈にもよるだろうが、姉は十分やっていけるだろうな」

「鬼狩り以外にも、鬼殺隊の助けとなる道があるとは伝えたのか」

「ああ、しかし鬼を切ることに拘っている。特に妹がな」

「今は、あの2人に特異な実力はあるか」

「見た限りでは、少し鍛えられた少女程度だ」

 

 それを聞いた狼が、眉をピクリと動かした。

 

「ならば、実力をもって篩いにかけるのはどうだ。この屋敷にある鍛錬場にて、なにかしら実力を示させるのだ。

 鍛え抜いた少女ができる程度の負荷を示し、乗り越えられなければ実力不足であしらえる」

 

 その提案を、悲鳴嶋は嬉々として受け入れた。

 

「さすがは狼、炎柱殿の問題を解決しただけのことはある」

 

 早速準備に取りかかろうとする悲鳴嶋を、狼が制する。不思議そうに向き直った悲鳴嶋へ、狼が問いかけた。

 

「ところで悲鳴嶋殿。炎柱が抱える問題をこの身が解決したと、どこで聞き及んだ」

「炎柱殿の屋敷に鬼の情報交換で伺ったのだが、炎柱殿が狼衆に礼を言っている内容が聞こえたのだ。

 その場で謝罪し他言もしていない」

「そうか……では、そのまま他言無用でお願いしたい」

「無論。利用した身で言えたことではないが、本業ではないことを押しつけられてはそちらの身が持たんだろうしな」

 

 そう言って、悲鳴嶋はどこか申し訳なさそうに笑った。

 

「では、選別内容を考えるとしよう。

 狼殿、この礼はいずれ」

 

 深く頭を下げ、思考の海に潜った悲鳴嶋を残して狼は屋敷を後にした。隠密を駆使したため、姉妹とは顔を合わせずに門を通り帰路につく。

 悲鳴嶋ならば上手い断り方をするだろうと考えていた狼は、数日後に知恵で選別を突破された報告が届くなど夢にも思わなかった。




 鬼滅の刃 用語集

 人物

 伊黒小芭内 いぐろ-おばない
 八丈島の一族において数百年年ぶりに産まれた男性であり、一族を支配していた鬼への生け贄として育てられていた。
 環境から生まれる恐怖と心理的外圧で拒食症に近い精神障害を患っており、異常に食が細い。
 恐怖の象徴だった鬼を討った槇寿郎と狼衆を英雄視しており、彼らのように人を救えば自らも許されるのではないかという思考に囚われている。

 八丈島の一族 はちじょうじまのいちぞく
 蛇の下半身を持つ異形の鬼の庇護下で栄華を誇り、それを悪びれることのなかった一族。
 鬼に旅人を捧げ、その金品を奪い何不自由ない生活を送っていた。
 財が財を呼び続けた結果、鬼に頼らずとも一族が生活をしていくことが可能なほどの経済力を有している。

 門前の姉妹 もんぜんのしまい
 現岩柱である悲鳴嶋に救われた美貌の姉妹。
 鬼への復讐心から鬼殺隊への入隊を希望し悲鳴嶋を頼るが、その過酷さを知る悲鳴嶋からは拒否されていた。
 育手への斡旋の引き換えとして提示された大岩を動かすという試練を、知恵と技術で乗り越えた才女たち。

 煉獄杏寿郎 れんごく-きょうじゅろう
 煉獄槇寿郎の嫡男であり、煉獄家次期当主。
 煉獄家の男達はみな非常に似通った顔立ちで有名であり、杏寿郎も例に漏れぬ顔立ちをしている。
 すでに鬼殺隊士となるべく基礎訓練を積んでおり、親の贔屓目を抜いても優れた才を示しているとは槇寿郎の言である。

 施設・組織

 岩柱邸 いわばしらてい
 岩柱に与えられる屋敷であり、山腹に建てられた古寺といった様相を持つ。
 修験にも利用できる環境が整っているが、立地も相まって常人が生活するには不向き。
 現岩柱の超人的な感覚が無ければ、盲人が怪我をせずに過ごすことは不可能と言えるだろう。

 道具・分類

 観篝 かんかがり
煉獄家に伝わる儀式であり、妊娠が判明すると、7日に一度2時間ほど大篝火を眺めるという行為を出産まで繰り返す。
 身の丈を優に超える木組みの篝火を使用するため、周囲の家にもこの儀式は知られているが、不思議と問題視されたことは無い。
 始まりや効果は定かではないものの、数百年の間途切れることなく続いた儀式には何らかの意味があるのだろう。
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