【完結】【自己ベスト記録】過ぎ去りし時を求めてSS~聖竜の勇者ルートRTA:24時間31分44秒22   作:ryure

1 / 45
本編
Part1 オープニング〜デルカダール兵団入隊


Part1(ここ)│Part2 編集中→

 

自己記録を更新したので投稿します。

この動画の生放送アーカイブは こちら

 

ドラクエ11SS/聖竜の勇者ルート/縛りなしRTA


皆さんはじめまして。

それでは動画タイトル通り、「ドラゴンクエスト11過ぎ去りし時を求めてSS~聖竜の勇者編~」……いわゆるドラクエ11SリメイクのRTAをやっていきたいと思います。

こちらはRTA本番の生放送の動画を区分ごとに切り取って後付け編集したものになりますのでご了承のほどよろしくお願いいたします。

また、本記録は自身の最高記録を更新したものであり、世界記録ではありません。

 

それなりに長いRTAですので気長にお付き合いいただければと思います。

チャートの基礎をつくりあげた先人の方々には最大の感謝を。

未プレイの方は是非本作の一周目はネタバレなしにのんびりやってください。

 

さて、本編に入る前に背景で後撮りのオープニングムービーを流しながら本RTAの説明からさせていただきます。

本作はドラクエということで操作キャラはイベント時を除いて主人公の勇者くんのみ、選択肢は「はい」「いいえ」のみ。

さらに本作では「ふっかつのじゅもん」要素でレベルが上がった状態やアイテムを所持してスタートする、実質的な「強くてニューゲーム」が可能になっておりますが、それは私の走るレギュレーションでは禁止となっております。

ドラクエ11S(あるいはドラクエ10)から実装されているムービースキップ機能はもちろん全て使用しますので、ところどころストーリーを追うには不親切かと思いますので、詳しいストーリーに関しては実況動画を見るかご自身でプレイするということでお願い致します。

できる限り解説していきます。

 

その他、バグ技類は全て禁止。

最新のゲームですから特に有利になるバグ技はありませんけどね。

また、ルートの性質上、「過ぎ去りし時を求めた時」にアイテムが増殖する裏技じみた行為ができなくなっています。

例えばマルティナ専用装備の「思い出のリボン」二つ持ちによるMP回復ごり押し戦法や各種ドーピングアイテムの増殖が不可能ですのでここは地味に縛り要素です。

RTAですので各種種アイテムはもちろん有効活用し、わずかながらもレベル上げによらないステータス上昇は低レベルクリアとなる以上重要ですので後半戦の耐久面に不安が残るところになります。

 

ではプレイするモードに関してですが、ドラクエ11SSではタイトルの通り、通常のルート……「大樹の勇者ルート」と、周回プレイヤー向けのイフストーリー、「聖竜の勇者ルート」があります。

本RTAでプレイするのは「聖竜の勇者ルート」ですので、通常ルートとは別の選択肢、新しいイベントが起きる方のいわゆる世界観ハードモードですね。

これに「すべての敵が強い」の縛り設定をしようものなら通常プレイのクリアタイムはチャートを組んでも100時間を超えるとか。

この長期戦は無印「エデンの戦士たち」を彷彿とさせますね!

 

この「聖竜の勇者ルート」といいますのは、ドラクエ11SSから新実装されたストーリーで、いわゆる二周目勇者プレイということになります。

二周目とは言いましても「強くてニューゲーム」ではない点に注意。

つまりタイトルの「過ぎ去りし時を求めて」のひねりといいますか、戻りすぎた勇者ルート、あるいはまるっと過ぎ去りし時を求めてしまった勇者ルートということになります。

さらに初の試みであるイフストーリーということでそもそもの様々な世界観の違いに驚かされることになります。

なのでこの聖竜の勇者くんは世界崩壊後、一度目のエンディングまでを知っている勇者くんということになりますので、例えば相棒カミュがレッドオーブを盗んだ罪でデルカダールに投獄されていることを最初から知っていますし、自分が世界中の人々に「悪魔の子」だと呼ばれることも、大樹で闇堕ちしたホメロス、そしてウルノーガに襲撃されることもわかっています。

あくまで「知っている」だけでステータスはレベル1なんですけどね。

そのあたりも「大樹の勇者」ではない流れなので違いがあります。

 

もちろん、周りの仲間たちは二周目勇者くんだということを知りませんから勇者くんが「知っている」からといってすべて思い通りにストーリーの悲劇を改変できるわけではありません。

真ラスボスである邪神ニズゼルファに関しては、もちろんこの勇者くんにもついてきていますが、このままプレイするとただ巻き戻し期間が長いだけの通常ルートになりますよね?

ところが、「聖竜の勇者ルート」はそもそもの「一周目」から「大樹の勇者ルート」を逸脱しているルートです。

 

つまりです、そもそも本作の勇者くんは過ぎ去りし時を求めたい様々な理由があった訳ですが、「大樹の勇者ルート」と比較してハードモードなルートをたどってきた勇者くんという設定になっています。

もっと後悔があって、さらに過去に戻りたい勇者くんです。

端的に述べますと、世界崩壊時に世界の半分ほどの人口が死滅し……大樹に近かったラムダの完全滅亡、ジャコラ襲来で海底王国ムウレアは完全に滅亡、目の前で様々なキャラクターが殺されたり勇者くんをかばって死んだり、イベントの結末がより悲惨なものになっていたりなど。

なんだかんだ「大樹の勇者ルート」では世界崩壊しても世界はだいたい元の形を残していましたが、「聖竜の勇者ルート」ではまともに残った国はサマディー王国のみ、あといくつかの町くらいですね。

大きなイベント改変では、プチャラオ村がすでに凶暴化した魔物に支配されていたり、ホムラの里では母親を生け贄にされてしまった小さな兄弟が復讐のためヤヤクに襲いかかって護衛に殺され、そんなヤヤクに疑問を持つ派閥とそれでもヤヤクに従う派閥に分かたれていて……など。

まぁ全員火竜が食いましたが。

 

このあたりは「大樹の勇者ルート」をクリアしたデータで「聖竜の勇者ルート」を選択すると最初に流れる長いオープニングムービーで知ることができます。

残った仲間を集めた勇者くんたちの目的が「復讐」なのもなかなか重いところです。

オープニングの勇者くんの独白で出てくる相棒カミュの

「勇者を悪魔の子だと先に呼んだのはそっちだろう?」

「世界を取り戻す? 復讐のついでにできるなら安いものさ。なぁ相棒。また旅をしようぜ」

が非常に重いセリフですね。

 

ドラクエ史上稀有な勇者視点で語られる凄惨な世界観は「導かれし者たち」や「天空の花嫁」を彷彿とさせると発売当時話題になりました。

 

さて、どうして「聖竜の勇者ルート」ではこのようなことになったのか……このルートの勇者くんは文字通りそもそも「大樹の勇者」ではないんですね。

ほぼ同じ勇者の紋章、力はありますが、彼は最初から「聖竜の勇者」なわけです。

つまるところ、世界中の魂の総締め、大樹たる聖竜の加護が弱い世界、「光」よりも「闇」が古来より栄えてきた平行世界ということなのです。

もうひとつのドラクエ11というべきなのかもしれません。

世界創造前、最初の戦いで邪神ニズゼルファに汚染されてしまった聖竜から世界が創造された、と。

そうなると成り立ちの根幹から違うのでこんなとんでもないことになるんですね。

その影響か、「大樹の勇者ルート」では勇者くんは闇属性攻撃を「暗黒斬」くらいしか使えませんでしたが、賢者なロウおじいちゃんよろしくドルマ系大得意でAIが「ジゴデイン」が大好きな闇属性魔導勇者くんとなっております。

代わりに雷属性・正統派勇者の呪文である「ギガデイン」が威力落ちすぎてスキルパネルからとるのはコンプリートか趣味とまで言われる始末ですね。

しかしこれは闇堕ちというよりは「光」が極端に弱い世界、しかし汚染されていても「光」より生まれたゆえに「闇」と生きる魔物になれなかった人間たちの物語となっています。

 

ということでここまで長々説明致しましたが、まさか未プレイの視聴者さんが本動画を視聴していることはないでしょうから本編に行きましょう。

 

さて「冒険の書を作る」の選択からタイマースタート。

お馴染みの音楽を聴きながらセーブデータの作成名前の入力ですが、入力速度を考慮して名前を「ア」とすると弾かれてしまい、「アア」「アアア」「アアアア」も同様ですので「アイ」とします。

デフォルトがカタカナになっているのもSSからの新仕様ですね。

仲間の名前が全員カタカナ表記だからでしょうか。

ドラクエには基本的には初期ステータスなどキャラクターの吟味要素がないのもRTAをお手軽にはじめられるところですね。

「聖竜の勇者ルート」RTA強くてニューゲーム部門の世界記録でさえ15時間54分33秒ということに目をつぶればですが……。

 

物語の始まりです。

舞台は夜。

今から()()()()、聖竜の大樹の信奉国であるユグノア王国襲撃から始まっていくのですが、もちろんムービーはスキップです。

その後の通常の会話はスキップ出来ませんのでコントローラーの便利ボタン連打の高速送りでお届けします。

ここの会話は「大樹の勇者」と本格的に別世界の話であることをプレイヤーにわからせるためか大変長いですね。

名シーンであるほとんど闇堕ち勇者アイくんの独白です。

そして場面は進み、イシの村へ。

また会話です。

 

ざっくりとした概要として説明します。

成人(この世界のイシの村は「大樹の勇者ルート」と違って十二歳で成人なので本編スタートから四年早いのですよね)を迎えたアイくんは神の岩を登り、頂上で参拝するという成人の儀式をなんとか終わらせたものの、神の岩の頂上で突然襲来した魔物の襲撃にあい、幼馴染のエマに大きな怪我を負わせてしまいました。

勇敢にも交戦し、逃がしてしまったアイくんは村の中では相当に鍛えていることから、あの魔物が襲撃してきた場合は村で対処出来ないということが分かります。

魔物は倒してはいません。

また来るかもしれません。

それを恐れた村長ダンはアイくんに至急デルカダールに向かい、兵士を送って欲しいと連絡するよう命じます。

その際、共に成人の儀式を行ったというのに村長の娘をきちんと守れなかったアイくんは責任を取るため、デルカダールの兵士に志願し、数年の間しっかりと鍛え、二度とこのようなことがないように力をつけてくるようにも言われます。

そしてこの「責任」から逃げたならば、アイくんの母親ペルラも無事では済まされないので理解するように、とのこと。

 

時渡り直後に目の前で幼馴染のエマが襲われているのに気づいて戦ってるシーンはさっきのスキップしたムービーに含まれています。

ついでに「魔王の剣」が時渡りの衝撃に耐えきれずに木っ端みじんになったシーンも。

 

もちろんここ、あの牧歌的なイシの村ですよ。

しかしこれ、「聖竜の勇者ルート」の世界と考えてみれば聖人級に優しい対応です。

仕送りに給料を送れとも言われていませんし、私刑もありませんでしたし、誰もアイを責めていません。

期間も設けられず、村長は建前上ああ言ったが、しっかり戦ってエマを生きて連れて帰ったアイくんは悪くないとまで言われます。

しかし誠意は見せなければならないとかそういう感じでしょうか。

言葉通り、あのイレギュラーな魔物が怖いので村の中でも有望なアイくんを鍛えておきたいのもあるでしょうね。

 

「聖竜の勇者ルート」は俗に「世紀末ルート」とも呼ばれています。

イシの村の外の世界では親殺しなど日常茶飯事、イシの村のように、血筋的に完全な余所者であるアイくんを受け入れ、村長の娘を守れなかったのに即座に斬り殺されない村がほかにあったら知りたいものですね。

あるとしたら聖地ラムダやドゥルダ郷くらいでしょうか。

ナギムナー村だったら翌朝には私刑のち魚の餌、プチャラオ村なら生きたまま腹捌かれて呪いの壁画への生贄との請け合いです。

 

アイくんはもちろん頷くしかありません。

人質にされたペルラママは唯一、「大樹の勇者ルート」と全く内面の変わらない人物。

つまりこの世界においてとんでもない聖人ですからいくら聖竜世界二周目、スレたアイくんといえど見捨てることはできません。

 

ということで「聖竜の勇者ルート」のチュートリアルは神の岩登頂ではなく、デルカダール王国へ向かう道中になっております。

二周目プレイでしか選べないルートですので操作のチュートリアルなど不要というわけですね。

出発時、ちゃんと馬は貰えますので魔物を避けつつ向かうだけです。

キャンプのチュートリアルは迂回して無視で。

道中の狩りは「ももんじゃ」を六匹を倒せばOK。

これでレベル3になり、「メラ」の習得と「デルカダール三等兵」の攻撃を二発まで「いのちのきのみ」込みで確定で耐えられます。

レベル3では「デルカダール三等兵」はすばやさ同速で行動順は運ですので攻撃を二発まで耐える必要があります。

初期所持アイテムに「やくそう」5個がありますのでダメージを1減らすために買ってまで装備変更する必要もありません。

さらに「デルカダール三等兵」を倒したときにちょうどレベル5になるように調整してあります。

二番目のボス、「いたずらデビル」にレベル上げ無しで挑むためです。

レベル5ではお馴染みの初級回復魔法「ホイミ」を覚えます。

 

移動は八倍速。

~草原を白馬で駆けるアイくんでお送りしております。~

 

デルカダール王国に着きました。

城下町では民家から「金のブレスレット」「やくそう」「いのちのきのみ」を勇者行為でゲット。

「いのちのきのみ」はとっておいて回復役のセーニャに使いたいところですが、これがないと「デルカダール三等兵」の二発目の攻撃を乱数34パーセントで耐えられません。

すぐに使います。

本作ではレベルアップでHP、MPが回復するだけでなく種を使ってもその分の数値が減っているようにならなくなったので宿屋を無視して城へ。

 

「金のブレスレット」も忘れずに装備し、「村長の書状」を門番の兵士の前で使ってイベント。

スキップ。

兵士の詰め所に場面が変わりますね。

二周目のアイくんは勇者の紋章を見られると悪魔の子ルート発動、からの監獄行きになるのを知っているのできっちり手袋をして紋章を隠しているのでここでバレません。

「聖竜の勇者ルート」世界のウルノーガは勇者の紋章まできっちり周知しているので油断は出来ませんが、アイくんが自己防衛を勝手にしてくれますので問題ありません。

 

物々しいBGMとともにグレイグ将軍が登場。

無事に村へ兵士を派遣してくれたことを伝えてくれます。

五体満足健康優良児なアイくんをみて半分本気、半分冗談で我が国の兵士にならないかと誘ってくるので入隊志願の意志を伝えます。ここでムービー。

スキップします。

さて、中庭に移動し、ホメロス隊所属の「デルカダール三等兵」との戦闘です。

ここでは勝っても負けてもストーリー進行には問題ありません。

しかし負ければグレイグ隊、勝てばホメロス隊所属となるので勝ちに行く必要があります。

 

グレイグ隊ではレベル20までちから、みのまもりステータスが1.2倍ボーナスで伸び、ホメロス隊では呪文習得レベル-3とMPが1.5倍ボーナスで伸びます。

RTAの都合上、最序盤以外は呪文で防御無視の攻撃をしないとボスにダメージがそもそも通らないなんてことがありますので途中、ちからステータスに関わりのない呪文攻撃を主体にする区間があります。

そのための布石ですね。

特に勇者くんの覚える「デイン」「ジゴデイン」「ライデイン」「ドルモーア」「ドルマドン」とカミュとの連携の「火炎陣」「暗黒陣」などの陣系連携はメイン火力となります。片手剣は武器ガードの期待のために握っているだけになりますね。

もちろん勇者くんは最後まで片手剣装備になります。

盾がないとただでさえレベリングをあまりしないので基本紙耐久ですから。

盾の装備できないカミュは編集中数えたところ48回死に、うち蘇生せずに20回ほどイベントで自動蘇生されていました。

紙ュはそれでも分身二刀「タナトスハント」でRTAにおいても最大打点の男です。

準備が面倒なのであまり機会はないのですが。

なおレベル60になる頃にはどちらのルートもステータスは同じになります。

RTAではレベル60まで上がりませんが、通常プレイではグレイグ隊の方が進めやすいとされ、ここは負けるのが正解と言われています。

本来の推奨レベルは5ですので「ホイミ」習得前提。

レベル3なら簡単に負けることができます。

 

さて万年人手不足のデルカダール兵士ですので五体満足、健康で故郷から一人で怪我無くデルカダールにたどり着いた将来有望なアイくんは即採用。

グレイグによる雇用条件の説明も終わり、初仕事は「デルカダール三等兵」との戦闘でその力を示すこと。

「デルカダール三等兵」は完全ローテーション行動で「攻撃→様子を伺う→強攻撃→攻撃→攻撃→シールドアタック→ホイミ→攻撃」とループしますので強攻撃に合わせて防御し、HP14以下で「やくそう」を使って合間に通常攻撃、一回でも「かいしんのいちげき」がでると3ループで削り勝って勝利となります。

ここはリセ要素ですね。

本RTAではしっかり3ループで倒しております。

 

「素晴らしい。その歳で結構やるではないか、アイ。お前でも勝てなかった魔物を討伐に行った我が隊の兵士たちが心配になってくるほどだ」

 

勝つとグレイグ将軍が褒めてくれます。

そしてまたあの威圧的なBGM(♪暗黒の魔手)と共に知将ホメロスの登場です。

アイくんは二人がこの段階で敵だったことを覚えているので物々しいですが、勇者の紋章が見えていない二人にはただ将軍を前にして緊張する新人といった所でしょうか。

 

「おおホメロス、戻ったのか」

「おいグレイグ、なんだこの騒ぎは」

「何、今日志願してきた新人の力量をはかっていただけだ。まだ十二歳だというのにお前の部隊の三等兵を見事倒して見せたぞ。期待の新人だな」

「ほう」

 

ちなみに「大樹の勇者ルート」開始の四年前なのでホメロスは半闇堕ち止まり。

というかまだウルノーガの手先ではないですね。

勇者の力など感じとれません。

デイン系呪文が勇者の呪文であるということも特に一般的でないので彼の前で使っても問題ありません。

解説している間に自分の隊に入れる気満々だったグレイグからアイくんを引き抜きましたね。

残念そうにしているグレイグ将軍ですが、勇者だとバレなければ人のいい彼はわりと優しくしてくれます。

RTAなので無駄な会話などありませんが気になった方はホメロス隊所属でグレイグ将軍に話しかけてみるのも面白いですよ。

毎回ホメロスに取られたことを悔しがってくれます。

 

知将ホメロスがアイくんを連れて兵舎へ向かっていくところで今回はここまで。

ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホメロスは僕の正体に気づいていない。

 今、背中から斬りかかれば始末できるだろうか?

 無防備に見える背中、頑丈そうな甲冑。

 時を渡ってから体もすっかり昔のように、旅をする前の弱い体に戻ってしまった。

 大国の将を暗殺するには力が足りないだろう。

 

 決して失敗はできない。

 力をつけ直し、カミュの投獄から一年を待って脱出する。

 勇者だとそれまで隠し通さなければならないし、職務だってある。

 出来ればホメロスの懐に潜り込んで多少情を煽れないだろうか。

 今の僕は十二歳の幼い少年で、承認欲求を拗らせた三十二歳のおじさんを懐柔出来なくはないように思うのだ。

 グレイグは……天性の鈍さがあるのでしょうがないけれど。

 

 一心に自分を慕う若い兵士。

 何を教えても否定せず、やることなすこと正面から褒め称えられ、グレイグよりも自分を尊敬する。

 そうすれば……うーん、流石に難しいかもしれないけれど。

 

 ホメロスを救いたいわけじゃない。

 イシの村の大虐殺を指揮したのはこいつだ。

 グレイグがたまたま気づいたから未遂に終わっただけだ。

 だから、利用したいだけなんだ。

 闇に傾ききる前の今ならばまだ間に合うかもしれない。

 そうすれば大樹での悲劇を、違う結末に出来るかもしれないから。

 魔物になってしまった悲しい人間、光にも闇になりきることも出来ない中途半端な僕たちが魔物になるのは相当な覚悟と苦しみが必要だっただろうから。

 もがくのは僕だけでよかったし、闇になりきってもなお、光を追い続けるなんて悲しいことだ。

 

 エマ、ベロニカ、おじいちゃん、セレンさま、マヤちゃん。

 イシの村のみんな、ラムダの人々、ホムラ里の悲劇。

 今度は失わないから。

 今度は間に合わせるから。

 今度は……。

 

 勇者は世界を救うんだ。

 勇者はみんなを守るんだ。

 

 僕が今度こそ、闇そのものになったとしても、成すことはそれだけだ。

 

 勇者よ、世界を救いなさい。

 聖竜の声が聞こえる。

 

 分かった、母なる竜よ。

 僕は成し遂げるから、その身に宿った闇の力を全て僕によこせ。

どこ好き?

  • RTA部分:数値付き解説
  • RTA部分:ストーリー解説
  • RTA部分:走者の他作語り
  • 小説部分:アイ視点
  • 小説部分:カミュ視点
  • 小説部分:セーニャ視点
  • 小説部分:マルティナ視点
  • 小説部分:ロウ視点
  • 小説部分:シルビア視点
  • 小説部分:グレイグ視点
  • 小説部分:ホメロス視点
  • 小説部分:その他視点
  • 全般:再構成ストーリー
  • 全般:原作死亡キャラ生存
  • その他(感想・コメントへ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。