【完結】【自己ベスト記録】過ぎ去りし時を求めてSS~聖竜の勇者ルートRTA:24時間31分44秒22 作:ryure
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理由は分かりませんが多分初投稿です。
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ドラクエ11SS/聖竜の勇者ルート/縛りなしRTA
世界中を飛び回るRTA、続きをやっていきます。
前回はウルノーガ戦後、後半パートの色んな場所が解放されたところまででしたね。
今回はまずは足を確保。
ケトスを取りに行きます。
「ルーラ」で聖地ラムダに飛び、ついでに入り口にある大樹の苗木をもう一度調べます。
一度目の大樹の苗木のムービーは先代勇者ローシュ、賢者セニカ、魔道士ウラノス、戦士ネルセンが邪神ニズゼルファを討ち滅ぼすべく旅をしていて、その途中で勇者のつるぎ(真バージョン)を制作した……まだ(アイくん以外が)目にしたことのない謎の鍛冶場で、見たこともないハンマーを用い、不思議な金属を溶かして、勇者手ずから鎚を打ち……という内容ですね。
なお、大樹の苗木は全部見ないと勇者の剣製造開始フラグとして機能しないので、ここは流してさっさと長老の元へ向かいます。
早々にウルノーガを殴り倒したおかげで世界崩壊が起きていないので、当然大樹のお膝元である聖地ラムダも前回訪れた時と変わらず厳かで静かで、非常に平和な様相です。
ただしアイくん視点なので一瞬瓦礫の山と化した姿を見ましたが、現実には何ともありません。
もちろんプレイヤーのトラウマ・若夫婦の赤ん坊も無事です。
せっかくアイくんがやり直す前、ラムダで唯一生き残ったのにベロニカの死を認められずに衰弱して死んでしまったらしい、双賢の両親ももちろん無事です。
シラフで幻覚を見るくらいにはアイくんのトラウマは根深いようです。
さて、聖堂であれやこれやと話し、長老ファナードの助言に従って前回通せんぼされて通れなかった禁足地へ向かうことに。
そもそもその先は勇者の峰という地名なんですから今代の勇者ですら立ち入り禁止にしていた意味が分からないのですけれど。
~移動は八倍速~
とりあえず着いたらベロニカから借りたセニカの笛(「天空のフルート」)を吹きます。
するとどこからともなくクジラの鳴き声? らしきものが聞こえ、笛が釣り竿になります。
こうして表現すると意味がわからないですが、笛がびよーんと伸びて釣り竿としか言いようのない物体になるのです。
ここは標高が高いため、そこらに漂う雲を海に見立てて釣りをすると、ほどなくして空飛ぶクジラが釣れます。
そして乗せてくれます。
その辺の言葉にすると意味の分からないところはドラクエらしいですね。
これで空を移動する手段を得ました。
覚醒していないのでこのままでは邪神に挑むことは出来ませんが、各地の浮島や高台に行くことができるようになります。
他のナンバリングタイトルの空中移動手段である「ラーミア」「魔法のじゅうたん」「気球」「マスタードラゴン」「天空城」「空とぶベッド」「天馬」「飛空石」「神鳥のたましい」「天の箱舟」のように、フレキシブルに着陸可能な場所なら好きな場所に着陸することはできません。
今作の船が基本的には船着き場があるところにしか停泊できないことと同じく、空中にキラキラした光の柱が見える場所(高台)か浮島にしか着陸できません。
しかもフィールドでケトスを呼び出すと強制的に勇者の峰から飛び立ったことにされますのでその場から真上の空にいけるわけではありません。
なんだか不思議な仕様ですね。
ところで高台はともかく浮島は下から見えるはずですし、明らかに支えもないのに何かおかしいと地上の人の間で噂になっていてもいいと思うのですが、浮島についての言及ってなかったように思います。
私の調査不足なのかもしれませんが、不思議ですね。
魔法の力で地上からは見えないように隠蔽されていたのでしょうか?
ならば、勇者の星だって、未来では何があるか分かりませんし隠蔽しておくくらいの手間をかけても良かったように思いますが、あれは全世界共通で勇者のシンボルとして有名でしたしね。
謎です。
魔法があり、魔物がおり、勇者がおり、いろんな神がいて、精霊信仰もあり、古代なんちゃらのなにがしがあって当然、言葉の通じる人魚だって存在しますし、何より聖竜の大樹が地図で言う世界の真ん中あたりに派手に浮いているのですから、大樹と比べてみればとても小さい浮島なんて「そのようなもの」、大樹の神秘の余波で浮いているくらいの想像も出来るでしょうし、浮いている何かなんて珍しくもない、それくらい当たり前に思っているから……ということにしておきます。
さて、背景ではウルノーガに撃墜されなかった神の民の里に到着しました。
アイくんも中央の浮島以外は初見なので仲間たちに交じって地上にはない不思議な雰囲気の里を一緒になって初めて見る場所に驚いたような表情を見せてくれます。
人間とは別種族らしき、一見魔物のような顔をしたまるっこい住民の住む、しかし地上とは趣きが異なるものの高度な文明のある暮らしをしている不思議な里。
まさしくキャラクターデザインの方の世界観らしい独特の雰囲気ですね。
彼らは先代勇者と縁があったようで、アイくんたちが勇者一行であることをひと目で見抜き、非常に友好的に力を貸してくれます。
メインイベントはキャラクターの覚醒と「神秘の歯車」の入手ですね。
他にも能力解放がありますがスルーします。
回収アイテムで最も重要なのは「さいごのカギ」。
しれっと広場のど真ん中に宝箱で置いてあるので忘れずに取ります。
また、初回リメイク版以降はここに「エンジェルワンピ」と「こあくまワンピ」があるので入手し、ベロニカとセーニャに装備させます。
長老と会話すると「神秘の歯車」を貰うことが出来、シルビアとグレイグ以外のキャラクターを覚醒してスキルパネルを開放して貰えます。
このソルティコ組はジエーゴの試練を突破することでスキルパネルが解放されるのでまだお預けです(部分的に解放されてはいます)。
「大樹の勇者ルート」ではここで過ぎ去りし時を求める前のレベルまで引き上げて貰えますが、アイくんすら引き継いでこられなかったかつてのレベルを引き出しては貰えません。
メタ的にはかつてのデータすらありませんしね。
そう、正直なところ「聖竜の勇者ルート」はRTAや低レベル縛りをしなくても慢性的にレベルが足りず、戦闘が辛いのです。
その救済措置として今後も開幕特殊バフが入る戦闘もありますので活用していきます。
次は「ルーラ」でメダル女学院へ。打ち直しの宝珠を100こほど買い、図書館の中でレシピブック「ネックレスカタログ」を読みます。
その場で「破封のネックレス」をふたつ作り、+3まで叩いたらアイくんに両方装備させます。効果は呪文・特技封印耐性と守備力小上昇で、+3をふたつ装備すると50パーセントの耐性を得ることができます。
なお、使用素材ですが、ハードモード気味の難易度に対する緩和措置なのかナギムナー村のイベントをクリアしなくとも「ブラックパール」を買えますし、本来非売品の「うるわしきのこ」も買えます。
ただし、デメリットとして「大樹の勇者ルート」で普通は買えないもの/進行度のものは価格が1.5倍になっています。
レシピが先回りして手に入ることはないので手間が省ける程度のことですがありがたいです。
そのまま「天空のフルート」を使用し、忘れ去られた地→忘れ去られた塔へ向かいます。
〜移動は八倍速〜
忘れ去られた地に降り立つとムービー。
仲間が二人欠けた一行がかつてこの地に訪れたときの回想ですね。
アイくんの左にカミュ、右にマルティナ、背後にセーニャ、やや離れて後方にシルビアとグレイグといった立ち位置で、アイくんが無表情にその場を見回している姿が、デフォルトで微笑んでいる現在のアイくんと重なり、ムービー終了です。
神の民の里に似た構造の魔導な移動装置がある塔を登り、最上階につくと時の番人がいました。
アイくんの差し出した「天空のフルート」を見たセニカと双賢による「おおぞらをとぶ」の演奏でケトスが覚醒します。
なお、まだ苗木を全て回っていないので一行には彼女の正体を知る者はいませんし、なんならここが何かもわかっていません。
ただ、アイくんは彼女に過ぎ去りし時を求める方法を教わりました。
ですから、彼女が相当な知恵者であることは分かっているので何か知っているのではないか……ということでイベントが起きます。
メタ的にはイベントを網羅しなくてはならなくなった分、フラグ管理が甘くなっていると見るべきなのでしょうかね。
ありがたいことです。
個人的にはこれ以降ケトスのBGMが過去作お空要員のラーミア・レティスのものに完全に上書きされてしまうので是非任意で切り替えられるようにして欲しかったです。
ではこのまま高台にある世界樹の苗木をめぐります。
~長いので十六倍速~
ムービーは適宜右で小さく流しておきますね。
残り二個のムービーで先代勇者ローシュ一行が見事邪神を滅ぼしたものの、唆され邪神の闇に負けてしまい闇堕ちした魔導士ウラノスが勇者ローシュを殺害したこと、賢者セニカはニズゼルファの肉体を滅ぼすことができずに勇者の星として空に封印したこと、魔導士ウラノスは勇者ローシュを殺害したあと行方をくらませてしまい、仇をうてなかった戦士ネルセンは失意の中花と芸術の王国バンデルフォン(グレイグの故郷)を建国し。
賢者セニカは無理をおして忘れ去られた塔でローシュと再会しようとしますが勇者ではない彼女にはオーブを砕けずにとうとう力尽きてしまったことまでわかります。
一連のムービーを見たことで「勇者のつるぎ」の製造フラグが立ちました。
以後、ホムラの里・サマディー王国・神の民の里・天空の古戦場で関連のイベントが発生します。
続いて神の民の里に「ルーラ」し、中央の浮島で「聖なる種火」を入手するイベント。
そのままケトスを呼び、天空の古戦場へ。
この浮島への入場には「聖なる種火」が必要です。入口で使用すると闇が引いて中に入れるようになります。
雑魚敵をしっかり避けながら最深部の「伝説のオリハルコン」(さいごのカギで開く扉の奥、アメジストワームがいる鉱石採取ポイントで手に入る「オリハルコン」では代用品になりません)を取りに行きます。
道中回収アイテムは「りんねの盾」のみ。
天空の古戦場には二回来るので一度目は取り逃しても問題ないですがわざわざ逃す意味は無いですね。
それではこのダンジョンも長いので十六倍速でお送りします。
この先アイテムを揃え、イベントをこなすことで「勇者のつるぎ」を作成でき、さらにもう一度最深部の「伝説のオリハルコン」を取りに来てそれを渡すことでホムラの里で「王者の剣」を作ってもらえるようになります。
「大樹の勇者ルート」では通常オリハルコンの売却、「王者の剣」は道具屋で買い取りですが「聖竜の勇者ルート」ではタダです。
そしてネルセンの試練をクリアすることで「勇者のつるぎ・改」のレシピをゲットしてようやく目的のものを作成……といった流れですね。
戦いにおいて必要なのは「勇者のつるぎ・真」の方で、これがあれば邪神の闇の衣をひっぺがせるので最低限こなせますし、アイくんは以降「ドルマドン」と「ジゴデイン」がメインウェポンなので本来剣なんて振りませんし、もちろん勇者のつるぎ系統は勇者にしか装備できないですし。
しかしなければ邪神に挑めないので作るしかありません。
でも武器としては弱いのでこの流れは後回しにしても問題ないくだりです。
他のイベントもこなしつつついでにクリアしていきます。
そう言っている間に「伝説のオリハルコン」を手に入れましたね。
後でもう一回来ないといけないのがつらいです。
ということで次はクレイモランに「ルーラ」。
そのまま
アジトを潜り抜けるとシケスビア雪原と同じような雪景色が広がっていますが、それを無視して木の扉へ向かいます。
風穴の隠れ家、カミュと妹のマヤの住まいです。
閉ざされた扉を調べ、その時点で「勇者の剣・真」を所持しているとイベントが発生します。
「……アイ、オレは相棒に、まだ話していなかったことがあったんだ。聞いてくれるか?」
カミュが決心し、かつて自分でかたく閉ざした扉を開けました。
その先には黄金の像となっている幼い少女の姿が。
ひと目でカミュによく似ているとわかる顔立ちをしていて仲間たちは驚きますが、アイくんは真剣な目でマヤとカミュを見比べました。
もちろん、世界崩壊の起きていないこの世界線ではマヤはキラゴルドという魔物にウルノーガに変えられ、育ちの過酷さもあって情状酌量の余地がハンフリーよりはあるものの王国ひとつを滅亡の危機に追い込むという十分に大罪を犯した存在……には成り果てていません。
あちらは成人男性による連続誘拐・連続殺人犯でしたが、マヤの方は未成年の上、人間を魔物に変えたり黄金の像にしたりはしていましたが、一応殺した様子は見受けられなかったので。
ただし、この知識は「大樹の勇者ルート」のものですから、本人ともどもクレイモラン国民や海賊を殺していたかもしれませんが真相は分かりません。
ここでカミュの回想ムービーが流れます。
今まで謎だった相棒カミュの過去。
貧乏で、親もなく、ひもじい中拾ってくれた海賊たちに下働きとしてこき使われ。
それでも二人で生きてきた兄妹。
そんな生活の中、かつて良かれと思って妹にあげた首飾りは海賊の手伝いをしていた時に手に入れたものでした。
その出どころ不明な首飾りに触れたものを黄金にかえる力を持っているのだと知ったマヤは力に溺れ、無機物だけでなくとうとう生き物さえ黄金に変えてしまいます。
それをみたカミュは叱り、存外素直なマヤはしぶしぶ忠告に従って首飾りを外そうとします。
しかし、すでに首飾りは外れず。
発動した呪いに飲まれて黄金に変わっていく助けを求める妹の手をつかめなかったカミュ。
黄金の像になってしまった妹を元に戻すため、贖罪の旅に出たカミュはいつしか「盗賊カミュ」となって、かつて貧乏の裏返しとして宝石や黄金が大好きな妹が、何とはなしに欲しがっていたデルカダールの国宝・「レッドオーブ」を狙ったのでした。
カミュは全てを知った(もう知っているでしょうが)アイくんの勇者のチカラを見込んでマヤの呪いを解いてくれるように頼みます。
アイくんはチカラ強く頷き、「勇者のつるぎ・真」を抜きました。
勇者の紋章を発動させ、マヤは呪いから解き放たれます。
二人の再会を見たアイくんは我がことのように喜ぶ仲間たちを尻目にそっとその場を立ち去るのでした。
カミュの贖罪は成されました。
操作可能になる場所は風穴の隠れ家から少し離れたフィールドとなります。
戻ってマヤに話しかけると移動が可能になり、呪いの効力を失った「海賊王の首飾り」をもらえます。
性能としては特に強くはないですが、ドロップ率が上がるアイテム(カミュ専用装備)なのでアイテム集めの際に愛用した方も多かったのではないでしょうか
カミュ(ラッキーベスト・海賊王の首飾り・うさぎのしっぽ)・ベロニカ(伝説の)メダ女の制服・うさぎのしっぽ・うさぎのしっぽ)・セーニャ(伝説の)メダ女の制服・うさぎのしっぽ・うさぎのしっぽ)・マルティナ(伝説の)メダ女の制服・うさぎのしっぽ・うさぎのしっぽ)で延々とドーピングアイテムや欲しいアイテムを乱獲したのは記憶に新しいです。
それでは今回はここまで。
次回、サマディーで「ガイアのハンマー」をゲットするところからです。
ご視聴、ありがとうございました。
僕は上手くやった。
大樹でウルノーガを倒したから、世界崩壊を招くことはなかった。
だから、きっとイシの村も無事だろう。
現にラムダは無事だった。
デルカダールも、きっとソルティコも。
ベロニカが僕たちを逃がすために犠牲になることもなかった。
僕は上手くやれたさ、今度はちゃんと生きている小さな妹を抱きしめるカミュが見れたんだもの。
僕が見た事のあるカミュは、戦いの末呪いを解くことには成功したものの、人間の体に無理のあるチカラを使いすぎて衰弱死してしまった無惨な遺体を抱き締める姿だった。
あの時のカミュは自分を責めていた。
間に合わなかったのはカミュじゃなくて僕なのに。
世界崩壊を招き、ウルノーガを野放しにし、呪われた彼女を利用するのを止められなかったのは。
あぁ良かった。
二人は生きたまま再会した。
あの場にいたら泣いてしまいそうだったから、おもわず出てきてしまったけど。
カミュ、これでパーティから抜けちゃうだろうな。
何年も黄金の呪いにかかっていた妹を置いていく訳にはいかないし、贖罪は果たされたのだし。
でもその方がいい。
カミュにこれ以上怪我して欲しくないし、これから幸せに暮らす兄妹の邪魔をしたくない。
むしろこっちから晴れやかに送り出さないと。
優しいカミュが気を遣わないように。
今のカミュなら盗賊なんてやらなくても働ける。
暮らすところだってもしないならイシの村でもデルカダールでもなんとでもなるし。
嬉しい。
カミュ、幸せになって。
過ぎ去りしあの時には味わえなかった幸せを。
僕はみんなが騒いでしまう前に戻った。
そしたらすでにみんな僕のことを待っていて、ちょっと申し訳なくなってしまう。
「アイ」
「うん」
妹としばらく静養するのかな。
それとも意外と元気だからいきなり旅に出るとか?
イシの村の紹介なら任せてよ。
「マヤを助けてくれて本当にありがとうな。見てのとおり、すっかり元気になってくれた」
マヤちゃんは人見知りをしているのかな、カミュの後ろに引っ込んで僕を見ているね。
元気そうでよかった。
「じゃあ今度はオレの番だ。マヤと話はつけた。これからもオレはアイに付いていく。
オレはこのメンバーの中じゃ珍しい、ただの人間で、一般人だ。王族でも英雄でも賢者の生まれ変わりでも謎の旅芸人でもないが」
「もう、カミュちゃん」
「はは悪いなシルビア。
オレはただの人間で、盗賊崩れの一般人だ。事実だろ? だが、お前の相棒だ。チカラになる。いや、ならせてくれ。マヤのことはクレイモランの教会になんとか世話してくれないか頼むさ。オレは何としてでもお前に恩を返したいし、それを抜きにしてもお前のなす事を最後まで見届けたいと思っているんだ、少しでも助けになりたいんだよ相棒。だからこれからも頼むぜ」
「あんたらしいわねぇ。だってさアイ。良かったじゃない」
「……」
「カミュさま、これからもよろしくお願いしますね!」
みんなも乗り気らしい。
カミュがそう言うなら、断るなんてできないし、カミュが望むなら、望んでいるならそれでいい気もする。
でも、危ないのに。
この先の戦いで、もしカミュが死んでしまったら?
僕は再び時のオーブを叩き割るだろう。
今度は戻れないかもしれないのに、危ない橋を渡るの?
いや、絶対に渡るだろう。
でも。
そもそもカミュになもうなんの苦痛も味わって欲しくない。
本当なら毅然と断るべきだ。
無理矢理でも置いていくべきだ。
しばらくしたらきっとその方が良かったって思う日が来るはずなんだ。
なのに、僕は何も言えなかった。
喉が詰まって、何も言えなくなってしまった。
僕の中の葛藤がせめぎ合っているのを、カミュは肯定だと受け取って、僕の肩を親しげに叩いた。
僕は、カミュの手を振り払うなんてできない。
僕は……僕は、仲間たちの誰が欠けても耐えられなくて、僕は……だから、ここに戻ってきたんだ。
だから、カミュがこの先もいてくれる。
そう思うと、僕は嬉しくって、でも置いていくべきだと分かっていて、何も言えなかった。
苦しかった。
せめぎ合う感情が僕の内で波打っていた。
「なぁ、勇者さま! これやるよ。お守りだよ。兄貴がくれたいわく付きの首飾り。勇者さまなら呪われないだろうし、それに、今は嫌な感じもしない。ほら、見てくれよ」
黙り込んだ僕に、カミュの影からパッと飛び出してきたマヤちゃんがあの首飾りを握らせる。
確かにあの呪いはすっかりと祓われたらしい。
邪悪な気配はない。
でも、ならなおさら、せっかくのカミュからのプレゼントなんだから持っていればいいのに。
「これを付けていたオレは黄金になっちまったけど、すっかり元に戻して貰えた。普通ならそのままオワリだろ? そう考えるとむしろラッキーアイテムじゃねえかな? 苦難はあるけど、最後にはきっと万事めでたしめでたし、なラッキーアイテムだ。そういうことで」
「適当なこと言うなよマヤ」
「えー、でもそう思ったんだもん」
カミュが朗らかに笑っている。
やつれた死体を抱きしめて泣いていたのに、今は、妹と笑っている。
幸せなカミュは、僕に恩を返したいのだと言う。
僕こそカミュに助けられてきたのに。
僕は助けて貰ってばっかりなのに。
「……ありがとうマヤちゃん。大事にする。きっと悪い神様をやっつけて、これを返しに来るよ」
「いーや、ダメだ。悪い神サマやっつけてもまだダメだ。勇者さま……いや、アイさん。あんたが幸せを迎えるまでは返しに来ないでいいんだ。オレは兄貴が助けてくれてめでたしめでたし、これはオレ自身のことだろ?
勇者さまとしては悪者倒したらめでたしかもしれないけど、アイさんとして幸せになったら返してくれよ。きっと勇者でこーんな美人なひとが幸せになった時に持ってたものならすごい価値になるぞ。縁起物として高く売れそうな箔が付く。それをオレが身につけたらもう向こうから黄金……はもういいけど、幸せがやってくるに違いないぜ。なんか幸薄そうだし、他にも縁起物持ってた方がいいぜ」
「何言ってんだマヤ!」
マヤちゃんはカミュと同じ笑顔をして、僕を見上げた。
「助けてくれてありがとな! 兄貴をよろしく!」
あたたかな手と、僕を導いてきた人と同じ笑顔に逆らえるはずもなく、僕は押し切られてしまった。
僕の幸せは、みんなの幸せだ。
ならもうすぐ、叶うだろう。
どこ好き?
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RTA部分:数値付き解説
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RTA部分:ストーリー解説
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RTA部分:走者の他作語り
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小説部分:アイ視点
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小説部分:カミュ視点
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小説部分:セーニャ視点
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小説部分:マルティナ視点
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小説部分:ロウ視点
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小説部分:シルビア視点
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小説部分:グレイグ視点
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小説部分:ホメロス視点
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小説部分:その他視点
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全般:再構成ストーリー
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全般:原作死亡キャラ生存
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