【完結】【自己ベスト記録】過ぎ去りし時を求めてSS~聖竜の勇者ルートRTA:24時間31分44秒22 作:ryure
「小さい……小さくて、あったかくて、可愛いわ」
私の指を、おてて全体できゅっと握って笑っている小さな小さな赤ちゃん。
生まれたてでもエレノアさまみたいに綺麗な青い目をしているのね。
この子はエレノアさまとアーウィンさまの赤ちゃんで、つまり、ユグノア王国の王子さま。
名前は「アイ」と名付けられるのだけど、まだ他の人には言っちゃいけないのだって。
みんなにちゃんと発表するまでは内緒、だけど私はアイのお姉さんみたいなものだからってエレノアさまが先に教えてくださった。
私、お姉さんになってもいいんだ!
もちろん血は繋がっていないけれど、まるでお母さまのように優しく接してくださるエレノアさまの赤ちゃんなんだもの、お姉さんとしていっぱいいっぱい、うんと可愛がってあげたい!
お勉強を教えてあげて、一緒に遊んで、それでお姉さんだからとっておきの甘いおやつを分けてあげて一緒に食べたいな。
沢山あげたら大きくなってくれるはず。
とっておきの場所の木登りも、グレイグの肩車も、ホメロスやお父さまの甘いおやつの場所も教えてあげるんだ。
もうちょっと大きくなったら、お姉ちゃんって呼んでくれるかな?
「アイはマルティナのこと、もうわかっているみたいね? 赤ちゃんは生まれたてだから初めてのことばっかりで、あんまり目が見えていないのよ。でもだんだん大きくなるにつれて分かるようになるの。なのにマルティナことがわかるのはマルティナが優しいお姉さんだからそれが伝わっているのかもしれないわね」
赤ちゃんのアイをあやしながら、エレノアさまは優しく微笑んでいて、私も思わず笑った。
するとアイも小さく笑い声をあげるものだから、私はますますにっこりした。
あぁ、なんて幸せなのだろう。
私はうっとりしていた。
小さくて可愛いアイ、優しいエレノアさま、そして私。
ここには怖いことなんて何もなくて、恐ろしいことなんてなんにも起きないことこそ本当の幸せなんだって思った。
なのに、エレノアさまは急に怖い顔をした。
窓の外では稲光が降り注ぎ、雨の音ともに空は暗くなる。
エレノアさまは突然私を睨んで、抱いていたアイをまるでどうでもいいことのように手を離して、落とした。
私はびっくりして、急いで落ちていくアイを受け止めようとして、でも間に合わなくて、私の手をすり抜けたアイは床に叩きつけられた。
小さな赤ちゃんの服を着た、小さな小さな生まれたてのアイが、私の足元で、ぴくりともしない。
血は出ていないけれど、とっても痛かったはずなのに、何も言わない。
赤ちゃんならきっと泣くはずなのに、なんにも。
背筋が冷たくなる。
恐ろしくって、膝が揺れた。
座り込みそうになるのを必死でこらえた。
「だから、だからねマルティナ。優しいお姉さんになるはずだったあなたはどうしてあの日、アイを離したの?」
エレノアさまは、落としたアイのことなんて見えていないみたいに、低くおっしゃった。
私のことを魔物か犯罪者でも見るような、恐ろしい、冷たい目で見下ろしていた。
「これでも信じていたのよ、マルティナ。アイを生かしてくれるって。あなたはのうのうと生き残ったのに。
あの日、私は魔物の目くらましのおとりとなって、死んでも良かったわ。それはかわいいアイを生かしたかったからなのよ? あなたを生かすためじゃなかった……お優しいから言わないけれどお父さまだって、本当はあなたより孫のアイを助けたかったのよ? アイは聖竜に選ばれた勇者で、そして私の、唯一血の繋がった息子なのよ? あなたは本当の娘じゃないのに」
小さなアイは、あんなに強く地面にぶつかったのに、ちっとも泣かなかった。
床でぐったりしていて、触ると氷みたいに冷たかった。
怖くて怖くてたまらなくて、そうっと抱き上げるとひどく軽かった。
違う。
これは、赤ちゃんのアイじゃない。
エレノアさまが落としたのはただのお人形だった。
青いボタンが目に縫い付けてある、わたの詰まった、赤ちゃんのお人形……。
それはそうだ。
ここにアイがいるはずがない。
だって、アイはもう、死んでしまったのだもの。
生きていないのにどうしてエレノアさまが抱っこできるっていうのだろう?
だってアイは、あんなに可愛い赤ちゃんは、あの日、私が……離してしまったから……。
ひどい嵐の中、魔物に追われて、川に落ちて、そして、私が離してしまったから、一人ぼっちで川に流されて、冷たい水の中で死んでしまったんだ。
きっと溺れて苦しかっただろうに、まだ楽しいことをちっとも知らなくて、なんにも分からないうちに死んでしまったんだ。
全部、私が、離してしまったから。
「マルティナ、どうして? どうしてなの? あなたをあんなに可愛がってあげたのに、どうしてアイを離したの?」
アイのお人形を抱きしめたまま見上げたエレノアさまの顔も、いつの間にか青いボタンと赤い縫い糸で出来たお人形の顔になっていて……そうだ、エレノアさまもアイを逃がすために魔物に殺されて亡くなってしまったのだもの……生きているはずがない。
私だけエレノアさまとアーウィンさまを犠牲にして、生き残ったのだもの……。
エレノアさまのお人形の手が私の髪をぐいっと掴む。
アイのお人形が、私の腕の中で冷たく、重くなっていく。
デルカダールに戻ったお父さまは私のことをあの襲撃で死んだと公表して、帰れなくて。
私を助けてくださったロウさまは娘夫婦も孫も国もみんな失って、なのに助かったのは血の繋がらない私だけで……私だけ、大した怪我もなく助かってしまって。
アイを殺してしまったのに。
気づけば、ここは暗い嵐の夜。
走って。走って。走って!
魔物から逃げなきゃ。
逃げなきゃいけないの。
エレノアさまが作ってくださった隙に。
アイを抱いて逃げなきゃ!
アイを安全な場所に届けなきゃ!
でも、後ろから魔物に追いつかれる。
私は追いつかれて、足がもつれて、とうとう川に落ちて、冷たくて暗いその場所で、遠のく意識の中、小さなアイを離してしまったの。
アイを、エレノアさまの赤ちゃんを。
私の大事な大事な弟を……。
あの日、助かるべきは私じゃなくてアイだったのに。
アーウィンさまが、エレノアさまが命を賭してまで逃がそうとした世界の希望。
アイこそ、ロウさまが見つけるべきで……私こそ、手を離してしまった罪深い私こそ、冷たい川の底に沈んでしまえば良かったのに。
ロウさまは、決して責めない。
そしてエレノアさまもアーウィンさまも。
高潔なユグノア王家があんなこと言うはずがない。
だからこの夢は、この声は、私の罪悪感が勝手に妄想したただの罰なのだ。
死者に私の罪悪感のためだけに騙らせるなんて、私は罪深い女だ。
「マルティナ、マルティナ? 大丈夫?」
はっと目を開けると、そこにはすっかり大きくなったアイがいた。
心配そうに眉を下げ、私の顔を覗き込んで、首を傾げて。
私はつい、エレノアさまの青を探したけれど、アイの瞳は私の知らない間に夜の帳のような紫色に染まっていて、瞳に面影はなかった。
いいえ、顔立ちは間違いなくそっくりで、間違いなくエレノアさまの息子だとすぐにわかったのだけど。
赤ん坊の頃の髪や目の色なんて成長とともに変わってしまうことなんてそんなに珍しくないのだから、そこに落胆したって仕方がない。
アイは立派に成長していた。
顔立ちはエレノアさまそっくりなのに、ふとした表情がアーウィンさまと見間違えることもあって、顔全体はエレノアさまに似ているけれど、目元の雰囲気はアーウィンさまそのもので、アイは間違いなくあのおふたりの息子なのだと常々思う。
おふたりに似て誰よりも勇敢で、誰よりも優しい。
立派に、健やかに育っていたアイ。
嵐のあの日を奇跡的に生き延びて、川に流された先のイシという村に拾われ、その先で実の家族同然に大事に育てられたという。
村にはたっぷりの愛情を注いでくれた祖父と母がいたという。
私の罪は決して消えはしないけれど、本当に良かった。
「うなされていたから、起こしちゃった。大丈夫なら、まだ夜だから、寝ちゃっていいよ」
「ごめんなさい、起こしてしまったのね」
「ううん、僕今日の火の番だから」
焚き火の横で剣の手入れをしていたのか、アイの剣と手入れ道具が地面に散らばっていて、起こしていないにしてもやっぱり夜の静かな時間を邪魔してしまったのだと申し訳なくなった。
「水、飲む? それとも話を聞こうか? 何も聞かない方がいい?」
「そうね、お水をいただけるかしら」
あの日のことを悪夢に見たのだと話すのは、後ろめたかった。
あの夢は、間違いなく悪夢だったけれど、私の罪のあらわれだった。
アイが奇跡的に生きていてくれたとはいえ、アイからエレノアさまやロウさまを奪ったのには違いなかった。
現実は十四年間の旅の間思っていたよりも少しだけ優しかったけれど、それでも。
私の罪は消えはしない。
私が離さなければアイはロウさまとの思い出をたくさん作れたはずだ。
「はい、どうぞ」
水を手渡してくれたアイはそれからなんにも聞かないで、剣の手入れに戻ってくれた。
丁寧に丁寧に剣を磨く姿をぼんやりと後ろから眺めながら、私は思う。
アイが生きていてくれてよかった。
元気に育ってくれてよかった。
今度は絶対に離さないで、今度は何に替えても守り抜かなければ、と。
何度も何度も繰り返し誓ったことを再び胸に秘める。
そう、今度は絶対に離さない。
今度は守り抜くのだ。
エレノアさまには今でも顔向けできないけれど、それでもできる限りのことをしたい。
この身を賭してもアイを守らねば。
不意に、場面が切り替わる。
いつの間にかそこは静かな夜のキャンプ地ではなく、荘厳で不思議な塔の中へ。
夕日の光が眩しいその場所で、みんなが泣いていて、アイも泣きそうな顔をしていて、どこかへ行こうとしている。
一人ぼっちで。
永遠に別れることになるのは、分かっていた。
二度と会えない!
そんなの絶対に止めなきゃ。
なのに止められなくて、大した距離でもないのに確かな隔たりがあって。
駆け出して抱きしめたいのに、それが叶わない。
あぁ、アイ。
私の弟。
守らなきゃ。
止めなきゃ。
離しちゃいけない。
なのに、なのに私の脳裏にはロウさまと過ごしたかけがえのない日々が過ぎる。
アイが過ごすはずだった日々を、私はのうのうと生き延びて過ごしたのだ。
アイが得るはずだったはずのロウさまの愛情を、掠めとったのは私だ。
そんなロウさまを過ぎ去りし時を求めて取り戻したいとアイが思うなら、他ならない私が止めていいはずがない。
私はとうとう諦めて、ただ涙をこぼす。
諦めてしまって、諦めたから、きっと、だからアイは行ってしまうの。
決意を込めてアイは剣を抜く。
勇者にのみ許された忌まわしい剣を。
そして、時のオーブを叩き割って、光となり消えてしまう。
見送った私は、ほかの仲間たちと同じようにただ泣き崩れただけ。
私は、またアイを離してしまったのだ。
重くのしかかる事実と、喪失感。
永遠の向こうに。
アイは、もういない。
「マルティナ!」
アイはもういないのに、私を呼ぶ声は誰のものなの?
エレノアさまによく似ていて、でも違う。
まだ声変わりしていない少年の高い声。
しっかり見ようとしたのに涙が視界をすっかり覆い隠してしまった。
滲む視界の中、あの優しい微笑みを少しでも見ようとする。
「マルティナ姉ちゃん?」
そんな私の手を握ったあたたかい手の持ち主は……。
これは夢だ。
繰り返し夢を見て、夢の中でも夢を見ている。
「心配しないでマルティナ、なんにも心配しないで。ね?」
夢だ。
だってアイはあんな大きな剣を背負ったりしないのだもの。
そんな姿を一度も見た事がないし、再会した時からアイは剣よりも魔法の方が得意だ。
きっとアーウィンさまよりもエレノアさまやロウさまに似たのね、と思ったのだから。
魔法が得意なアイはもちろん強いけれど、年相応に幼い顔立ちで、私よりもちょっと小さい。
特別痩せているわけではないけれどどちらかといえば細い体つきの少年だ。
細かい傷を指先にまで負って、筋肉がしっかりとした体つきの……無表情気味な、力強い少年じゃなかった。
いつでも微笑みを絶やさない少年がアイだった。
だから彼が私の知るアイではないと分かっていたけれど、私は彼のこともアイだと分かった。
夢の中のもう一人のアイは、ひどく疲れきっていて、どこか悲しそうで、全身ぼろぼろだった。
ここはどこだろう?
見たこともない怪しげな宮殿のような建物の中で、カミュとセーニャとシルビアさんと、ロウさまとグレイグが一緒にいた。
……あら、ベロニカはどこかしら?
妹がいるのに彼女がいないなんて、何かあったのかしら?
それにセーニャの髪が短い。
星屑のように美しかった長い髪をいつ切ったのだろう。
「アイ、少し休みましょう。ここは敵地だけど極限状態でウルノーガに挑む方が危険よ」
私の口が勝手に言う。
勝手に言った言葉だけど納得した。
こんな状態のアイを進ませるわけにはいかないと思うのはいつでも同じらしい。
ほかの仲間たちも同じようにぼろぼろで、だから仲間想いのアイはすぐに頷いた。
「そうだね。そう、そうだ。限界のコンディションなんて良くないよね。じゃあ見張りを立てて交代で休もうか。最初は僕が見張るよ」
「駄目よ。あなたが最初に休むの。お願い。私は怪我をしていないの、アイはしているでしょ?」
「……分かったよ」
頭の中のもう一人の私の考えが、手に取るようにわかる。
ここは少し違う世界らしい。
ここにもエレノアさまとアーウィンさまの息子のアイがいて、どういう関係か分からないけれどこの世界にもマルティナもいるのだろう。
きっと同じように罪深い女として。
このアイは、きっととても強い。
勇者としても、剣士としても。
それは鍛錬の賜物であり、決意の証。
でも、年下の少年で私の弟なのには変わりないのだから無理はさせたくなかった。
先頭に立って戦う彼の負担はどれほどのことだろう。
でも、その場所を私には絶対に譲ってくれやしない。
ほんのたまにグレイグと代わるくらいで、それも戦略的な場合を除けばグレイグの戦闘スタイルから学ぶためであり、仲間たちと負担を分散するためじゃなかった。
悲劇が起こる前からアイはやや卑屈な、大人しい少年だった。
聞けば幼なじみが目の前で大怪我を負い、そこから一度も会わせてもらえることなく……世界の異変後、結局、助からなかったことを知らされたらしい。
いいえ、助からなかったのは村全部。
濁流に飲まれてアイの生まれ故郷は全て押し流され、デルカダールの地下牢に閉じ込められていた村人たちはどこからともなく現れた暴れるドラゴンによって皆殺しにされたという。
「私」は詳しい事情を知らなかったけれど、この世界の残酷さは知っていた。
アイは責任感が強すぎる。
勇者だからって、戦えるからって、全部を背負わせるなんてありえない。
勇者だとしてもアイはただの人間で、ただの私の弟なのだから。
アイに全部背負わせると言うなら、それを決めた相手を許しはしない。
具体的には……アイを勇者と決めた存在、とか。
アイに戦いを強いた存在はウルノーガの次に罪深い。
聖竜と崇められる大樹にはもううやまいの心よりも憎しみしか湧いてこない。
いいえ、アイが勇者として相応しくないと言いたいわけじゃない。
ただ、アイは……勇者としての素質がありすぎた。
このままでは潰れてしまう、擦り切れてしまう。
勇者のチカラが、アイが倒れるのを許さなかったとしたら、人間の限界を超えた無理ができてしまう。
それがたたったら?
勇者として成し遂げた後に、勇者のチカラが必要なくなった後に何が起こるのか考えるだけで恐ろしい。
私たちはそれがわかっていて、分かっていたから焦っていた。
「みんな、どんなに小さくても怪我があったら今治してね。薬草はいっぱい買ってあるんだから。魔力も今補充しておこう。魔力回復アイテムもたくさんあるよ。遠慮しないでね」
「あぁ悪いな。オレはあっちに配ってくるから相棒は自分の怪我治しとけよ。オレは見てのとおり無傷だからな、任せとけ」
「うん、カミュ」
「アイさま、飲み物です。ヒャドの魔力でよく冷えていますよ」
「ありがとうセーニャ」
「いえ。お隣失礼してもよろしいですか?」
「もちろん」
「あたしも一緒にいいかしら?」
「どうぞ、シルビア」
セーニャとシルビアさんがアイを休ませてくれているうちに私は魔物が通りがからないか見張っていた。
セーニャのヒャドに、僅かな違和感を覚えながら、私は「マルティナ」と溶け合っていく。
この戦いが終わったら、きっと色んな地域の再建に追われることになるだろう。
だけどその忙しさは今と違ってやりがいのある、良い仕事になるはず。
アイもきっと色んな場所を駆け巡るだろう。
とてもとても忙しい日々のはずだけど、きっと今度こそロウさまとアイは穏やかに過ごせるし、私もたまに混ざれたらいい。
十四年の空白を穏やかに埋める二人を見ていられたらどんなに幸せだろう。
なんて。
叶わぬ、有り得ざる遠い夢を見るのだ。
私の知るアイは好んで剣を使わない。
それが事実だ。
ベロニカとロウさまは亡くなった。
それは夢で、そして、幻。
かつてあったかもしれない幻なのだ。
私の知っているアイはころころ表情の変わる、明るくちょっと無茶しがちな少年で、無表情な思慮深い彼とはなかなか重ならない。
二人のアイが代わる代わる夢の中で戦っていて、笑っていて、手を差し伸べて、泣いていて、そして最後には私たちの前からいなくなってしまう。
二度と離したくないのに、そう誓ったのに、きまってアイは最後に私の前からいなくなる。
でも、夢から覚めたら……アイは心配そうにどうしたの、と言いながら私たちと共にある。
そこにいてくれたことに安心して、私はまた夢を見る。
あの悲しい夢が正夢にならないように。
私は戦わなくちゃいけない。
それがエレノアさまとアーウィンさまに捧げる唯一のこと。
私はふと、肩を揺さぶられて目を覚ます。
悲しみだけが胸に残って、他のことはどこか遠くに消えてしまう。
過ぎ去りし時の向こうに、すべて溶けて消える。
「姉ちゃん、マルティナ姉ちゃん、悪い夢でも見たの?」
すっかり見違えるほど大きくなったけれど、まだまだ小さなアイが心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
私は、あなたを離してしまったのに、あなたはいつも私を姉として慕ってくれる。
「……多分悪夢だったけど、起きたらすっかり忘れてしまったわ。起こしてくれてありがとう」
「ううん、それならいいんだけど」
アイは微笑んだ。
瞳の色こそ違うけれど、その微笑みは、やっぱりエレノアさまにそっくりだった。
私の幸せの形をしていて、絶対に守らなければならないのだ。
今度こそ。
今度は、私が守る。
その手を離すものかと誓う。
二度も手放してなるものですか。
……二度も?
14さいなアイくんは素でマルティナより小さいしカミュはまだ背を抜かれていない
どこ好き?
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RTA部分:数値付き解説
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RTA部分:ストーリー解説
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RTA部分:走者の他作語り
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小説部分:アイ視点
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小説部分:カミュ視点
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小説部分:セーニャ視点
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小説部分:マルティナ視点
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小説部分:ロウ視点
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小説部分:シルビア視点
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小説部分:グレイグ視点
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小説部分:ホメロス視点
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小説部分:その他視点
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全般:再構成ストーリー
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全般:原作死亡キャラ生存
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